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第三章:藤花に消えた死体
第三章:藤花に消えた死体 10
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部屋から見ていたとき同様、人の姿が目立つ。やはり自警団のメンバーたちなのだろう、男性ばかりが目についた。
蔵の入り口は開いたままだが、中の様子はよくわからない。
安置場所の都合上、死体を他に運びだすとは考え難いため、きっと晴也さんも碧さんと共に寝かされているのではなかろうか。
「あらためて見ても、立派な家だね。屋敷って言った方が良いのかな。村長がお金持ちだっていうのも、わかる気がしてくるよ」
ヒョイっと門の先へ首を入れ、敷地内を見回す部長。
「あそこが、晴也さんの殺された蔵か。碧さんの遺体もあそこにあるんだよね?」
「ええ。シーツみたいなの被せて寝かせてあるの、今朝見ましたけど……」
言いながら、そのときの光景を思い出してしまい胃がすぼまるのがわかった。
それをごまかすため、半身を捻り周りの様子を無意味に眺める。
「……ん?」
そうして眺めた道の先。藤美荘とは逆になる方角に、二人の男が立ってこちらを見ていることに気づいた。
「あれは……」
てっきり、中で何かしら作業を手伝っているものと思っていたが。
「どうしたの雄治?」
「いや、あそこに……」
難しい顔でもしてしまっていたか、俺を不思議そうに見てくる桜へ道の先を指し示し呟く。
「え? ……ん? うわ、嫌な二人組がいる」
俺と同じ方向を向いた途端、幼なじみの口元が歪んだ。
嫌な二人組。彼女がそう表現したのは、梅木竜久と梅木昇のことだ。
二人は何やら話をしているのか、時折どちらか片方が頷くような仕草をしている。
「どうしよう、こっち見てるよ? また声かけられるのかなぁ。昇って人、ジロジロ見てくる視線が気持ち悪いから、側に来てほしくないのに」
後退りするように身を引き、桜がぼやく。
「えっと、晴也さんの死体を見つけたのが竜久さんで、枝橋さんを呼びに行ったのが昇さん、で良かったっけ? ちょうど良いや、あの二人から話を聞けないかな」
「え? ちょっと部長、勘弁してくださいよ……」
関わりたくないと言ってるそばからその思いを断ち切られ、桜は心底困ったような声で批難する。
しかし、批難をうけた本人は気にかける様子もなく首を傾けると、
「いやぁ、どのみち話をすることになりそうだし」
と言って、二人組の方に意識を戻した。
「どのみちって……」
納得なんかできないと言いたげに反論しかけた桜の口が、半開きのまま再び歪む。
少しばかり目を離した隙に、男二人はこちらへ向かい歩み寄りはじめていた。
「うわぁ……来ちゃってるし」
「付いてきて後悔してるだろ?」
試しにと思い訪ねてみると、
「微妙。一人きりでいるのも嫌だけど、こういう展開に巻き込まれるのもうんざり」
渋い顔でそんな返答をされた。
「きみたち、こんな場所に集まって何してんの? さっきもいたよね」
側まで近づくと同時に、話しかけてきたのは昇さんの方。
すぐ隣で鳴らされた幼なじみの小さな舌打ちを聞きながら、俺は梅木家の敷地内を指さす。
「いえ、ちょっと中の様子が気になったもので。藤美荘のすぐ隣だし、その……」
とりあえず喋ってはみたものの、返す反応に困り部長へ視線で助けを求める。
「晴也さんが亡くなったと聞いたもので、どんな状況なのか気になって来ちゃいました。碧さんに続いて二人目ですし、僕たちも正直不安でして」
蔵の入り口は開いたままだが、中の様子はよくわからない。
安置場所の都合上、死体を他に運びだすとは考え難いため、きっと晴也さんも碧さんと共に寝かされているのではなかろうか。
「あらためて見ても、立派な家だね。屋敷って言った方が良いのかな。村長がお金持ちだっていうのも、わかる気がしてくるよ」
ヒョイっと門の先へ首を入れ、敷地内を見回す部長。
「あそこが、晴也さんの殺された蔵か。碧さんの遺体もあそこにあるんだよね?」
「ええ。シーツみたいなの被せて寝かせてあるの、今朝見ましたけど……」
言いながら、そのときの光景を思い出してしまい胃がすぼまるのがわかった。
それをごまかすため、半身を捻り周りの様子を無意味に眺める。
「……ん?」
そうして眺めた道の先。藤美荘とは逆になる方角に、二人の男が立ってこちらを見ていることに気づいた。
「あれは……」
てっきり、中で何かしら作業を手伝っているものと思っていたが。
「どうしたの雄治?」
「いや、あそこに……」
難しい顔でもしてしまっていたか、俺を不思議そうに見てくる桜へ道の先を指し示し呟く。
「え? ……ん? うわ、嫌な二人組がいる」
俺と同じ方向を向いた途端、幼なじみの口元が歪んだ。
嫌な二人組。彼女がそう表現したのは、梅木竜久と梅木昇のことだ。
二人は何やら話をしているのか、時折どちらか片方が頷くような仕草をしている。
「どうしよう、こっち見てるよ? また声かけられるのかなぁ。昇って人、ジロジロ見てくる視線が気持ち悪いから、側に来てほしくないのに」
後退りするように身を引き、桜がぼやく。
「えっと、晴也さんの死体を見つけたのが竜久さんで、枝橋さんを呼びに行ったのが昇さん、で良かったっけ? ちょうど良いや、あの二人から話を聞けないかな」
「え? ちょっと部長、勘弁してくださいよ……」
関わりたくないと言ってるそばからその思いを断ち切られ、桜は心底困ったような声で批難する。
しかし、批難をうけた本人は気にかける様子もなく首を傾けると、
「いやぁ、どのみち話をすることになりそうだし」
と言って、二人組の方に意識を戻した。
「どのみちって……」
納得なんかできないと言いたげに反論しかけた桜の口が、半開きのまま再び歪む。
少しばかり目を離した隙に、男二人はこちらへ向かい歩み寄りはじめていた。
「うわぁ……来ちゃってるし」
「付いてきて後悔してるだろ?」
試しにと思い訪ねてみると、
「微妙。一人きりでいるのも嫌だけど、こういう展開に巻き込まれるのもうんざり」
渋い顔でそんな返答をされた。
「きみたち、こんな場所に集まって何してんの? さっきもいたよね」
側まで近づくと同時に、話しかけてきたのは昇さんの方。
すぐ隣で鳴らされた幼なじみの小さな舌打ちを聞きながら、俺は梅木家の敷地内を指さす。
「いえ、ちょっと中の様子が気になったもので。藤美荘のすぐ隣だし、その……」
とりあえず喋ってはみたものの、返す反応に困り部長へ視線で助けを求める。
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