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第四章:矛盾の解明
第四章:矛盾の解明 7
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ため息混じりの由奈さんの呟きが吐き出されるのと、彼女の瞳が俺を捉えるのはほとんど同時だった。
刹那、きょとんとしたような表情を見せて、すぐに小さく手を挙げて微笑んでくる。
「おはよう。ちゃんと眠れた?」
「おはようございます。まぁ、そこそこは。でも、なかなか寝付けませんでしたよ」
軽く会釈をしながら答えて、二人の側へと近寄っていく。ちらりと視線を横にずらすと、枝橋さんと目が合った。
黒のTシャツにジーンズ姿で、一見すればどこにでもいる好青年といったイメージだが、その視線から発せられる独特の雰囲気は、やはり元警察官の名残を感じさせてくる。
「やぁ、他の友達はまだ寝てるのかい?」
じっとこちらを見つめたまま、枝橋さんがやんわりと口を開く。
開口一番に説教をくらうということにはならず、少しばかり安心した。
「はい、たぶん。ひょっとしたら、起きてるのかもしれませんけど」
警戒は解かず、ぎこちなく答える。
「そうか。確か、きみの名前は雄治くん、だったかな?」
「え? はい、そう……ですけど」
「碧さんと竜久さんの死体を最初に発見したのは、きみともう一人の女の子だったはずだよね。念のため訊いておきたかったんだけど、死体を発見したときに何か不審なこととか、気になるようなことはなかった?」
「気になること、ですか? いやぁ、特にはなかったと思いますけど」
唐突な質問に首を横へ振って答えながら、ふと落ちた吊り橋を見に行ったときのことを思い出した。
あのとき、蓮田が何か気になることを言っていたような気がする。
“……長沢先輩、私たちは何か見落としをしていないでしょうか?”
“私、どこかでおかしなことを見聞きしたような気がするんです”
そんな言葉を呟いていたような覚えがある。
「どうかしたのか?」
急に黙り込んだ俺の顔を覗くように窺い、枝橋さんは探るような言葉をかけてくる。
「あ、いや、別に何でもないんですけど……」
ここで報告するほどのことだろうか。そんな迷いが頭をよぎる。
「何か引っかかることがあるなら、とりあえず話してくれないか?」
こちらの心中を察したか、枝橋さんの目つきが僅かに鋭くなったような気がした。
「その代わり、昨日の件に関しては大目に見てあげるよ。どうだい?」
「え……?」
昨日の件、と言われたら蓮田のやらかしたアレのことしかないだろう。つまり、ここまでのことを水に流す代わりに情報をよこせというわけだ。
「たぶん、何の役にも立たないような話ですよ?」
最初にそう前置きして、俺は素直に蓮田のことを話してみることにする。
他人に話して困るような内容ではないはずだし、この程度の情報提供でここまでのことをチャラにできるなら、安い取引だろう。
「吊り橋が燃やされてるのを確認に行ったときなんですけど――」
なるべく簡潔に話をまとめて、話せることを伝える。
終始真剣な表情で聞いていた枝橋さんは、最後に一度だけ頷いて
「そうか……」
と呟いた。
「まぁ、ぶっちゃけ蓮田のことは俺らも理解しきれてないんで、何考えてんのかもわかんないんですけどね。大した意味だってないのかもしれないし」
刹那、きょとんとしたような表情を見せて、すぐに小さく手を挙げて微笑んでくる。
「おはよう。ちゃんと眠れた?」
「おはようございます。まぁ、そこそこは。でも、なかなか寝付けませんでしたよ」
軽く会釈をしながら答えて、二人の側へと近寄っていく。ちらりと視線を横にずらすと、枝橋さんと目が合った。
黒のTシャツにジーンズ姿で、一見すればどこにでもいる好青年といったイメージだが、その視線から発せられる独特の雰囲気は、やはり元警察官の名残を感じさせてくる。
「やぁ、他の友達はまだ寝てるのかい?」
じっとこちらを見つめたまま、枝橋さんがやんわりと口を開く。
開口一番に説教をくらうということにはならず、少しばかり安心した。
「はい、たぶん。ひょっとしたら、起きてるのかもしれませんけど」
警戒は解かず、ぎこちなく答える。
「そうか。確か、きみの名前は雄治くん、だったかな?」
「え? はい、そう……ですけど」
「碧さんと竜久さんの死体を最初に発見したのは、きみともう一人の女の子だったはずだよね。念のため訊いておきたかったんだけど、死体を発見したときに何か不審なこととか、気になるようなことはなかった?」
「気になること、ですか? いやぁ、特にはなかったと思いますけど」
唐突な質問に首を横へ振って答えながら、ふと落ちた吊り橋を見に行ったときのことを思い出した。
あのとき、蓮田が何か気になることを言っていたような気がする。
“……長沢先輩、私たちは何か見落としをしていないでしょうか?”
“私、どこかでおかしなことを見聞きしたような気がするんです”
そんな言葉を呟いていたような覚えがある。
「どうかしたのか?」
急に黙り込んだ俺の顔を覗くように窺い、枝橋さんは探るような言葉をかけてくる。
「あ、いや、別に何でもないんですけど……」
ここで報告するほどのことだろうか。そんな迷いが頭をよぎる。
「何か引っかかることがあるなら、とりあえず話してくれないか?」
こちらの心中を察したか、枝橋さんの目つきが僅かに鋭くなったような気がした。
「その代わり、昨日の件に関しては大目に見てあげるよ。どうだい?」
「え……?」
昨日の件、と言われたら蓮田のやらかしたアレのことしかないだろう。つまり、ここまでのことを水に流す代わりに情報をよこせというわけだ。
「たぶん、何の役にも立たないような話ですよ?」
最初にそう前置きして、俺は素直に蓮田のことを話してみることにする。
他人に話して困るような内容ではないはずだし、この程度の情報提供でここまでのことをチャラにできるなら、安い取引だろう。
「吊り橋が燃やされてるのを確認に行ったときなんですけど――」
なるべく簡潔に話をまとめて、話せることを伝える。
終始真剣な表情で聞いていた枝橋さんは、最後に一度だけ頷いて
「そうか……」
と呟いた。
「まぁ、ぶっちゃけ蓮田のことは俺らも理解しきれてないんで、何考えてんのかもわかんないんですけどね。大した意味だってないのかもしれないし」
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