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第四章:矛盾の解明
第四章:矛盾の解明 12
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「うん。自分でもビックリなくらい。気分的にも疲れてたのかな……。あ、すみません。いただきます」
ぎこちなく笑い答える桜の前に、由奈さんがコーヒーを置く。
それを両手で持ち、桜はゆっくりと口に近づけた。
「とりあえずみんな揃っちゃったから言っておくけど、今日は外出控えて大人しくしててよ? もう三人も人が殺されてるんだし、もしあなたたちに何かあったら、わたし親御さんに顔向けできなくなっちゃうんだから」
蓮田の前にもコーヒーカップを置きながら――当然蓮田は礼も言わずにカップを見つめているだけだ――由奈さんが俺たち全員を一瞥して告げた。
「わたし自身も、そんなことになったら耐えられないし……」
「うん。まぁ、なるべくは控えるようにするよ。どうしても用があるときは出るつもりだけどさ」
代表して答えたのは、部長だった。
ここでは保護者代わりでもある従姉の言葉を真面目に受け止めているのかいないのか、どことなくすっとぼけているように見えるのが彼らしい。
「真面目に言ってんだから、真剣に聞きなさいよ」
案の定注意をされてしまったが、それでも態度を改める様子もなく。
そんな部長からは一旦意識を逸らすことにして、俺はぼんやりとコーヒーを見つめている蓮田へ首を向けた。
「蓮田」
「……はい」
呼びかけに応じて、後輩が気だるそうに視線を上げる。
「実はさっき、玄関で枝橋さんに会ったんだけどさ――」
とりあえず伝えておいた方が良いだろうと判断し、枝橋さんとの会話の内容を蓮田へ話す。
「……わかりました」
ひょっとしたら、後々枝橋さんから事情聴取のようなことを受けるかもしれない。
そこまでの説明を聞いて、後輩が示した反応は単調な返答だけ。
そうだろうとは想像していたが、面倒そうな素振りすら見せようとはしなかった。
「なぁ、蓮田。お前があのとき、あの吊り橋の前で気にしてたことって、結局なんだったんだ?」
このまま会話を止めても良かったのだが、蓮田が気にかけていた事柄がいったい何なのか。
先程の枝橋さんとのやり取り以降、どうしても頭の中に引っかかっていてモヤモヤしていた。
「……わかりません」
「え?」
「まだ、わかりません。いろいろと引っかかっていることはあるのですが、形にならないんです」
注意しないと気づけないほど僅かに、蓮田が眉をしかめる。たぶん、困った表情のつもりなのかもしれない。
「先輩は、碧さんが殺されていた現場で、何か違和感のようなものを感じたりはしませんでしたか?」
「違和感って言われてもな……」
蓮田と二人で死体を発見したときのことを思い返し、おかしなことがあったかと思案してみる。
既に一度は考えたことだが、やはり特に不審な点があった記憶は全くない。
強いて言うならば、碧さんの殺され方が異常であった、ということくらいか。
首を絞めて殺しておきながら、包丁を刺した犯人。
村の言い伝えを彷彿させる殺し方らしいが、犯人がそんな演出をする理由がわからない。
しかしそれが違和感というのなら、晴也さんだって同様だ。碧さんだけに当てはまるものではなくなる。
「一応確認するけど、その違和感ってのは碧さんのときだけに感じたのか?」
ぎこちなく笑い答える桜の前に、由奈さんがコーヒーを置く。
それを両手で持ち、桜はゆっくりと口に近づけた。
「とりあえずみんな揃っちゃったから言っておくけど、今日は外出控えて大人しくしててよ? もう三人も人が殺されてるんだし、もしあなたたちに何かあったら、わたし親御さんに顔向けできなくなっちゃうんだから」
蓮田の前にもコーヒーカップを置きながら――当然蓮田は礼も言わずにカップを見つめているだけだ――由奈さんが俺たち全員を一瞥して告げた。
「わたし自身も、そんなことになったら耐えられないし……」
「うん。まぁ、なるべくは控えるようにするよ。どうしても用があるときは出るつもりだけどさ」
代表して答えたのは、部長だった。
ここでは保護者代わりでもある従姉の言葉を真面目に受け止めているのかいないのか、どことなくすっとぼけているように見えるのが彼らしい。
「真面目に言ってんだから、真剣に聞きなさいよ」
案の定注意をされてしまったが、それでも態度を改める様子もなく。
そんな部長からは一旦意識を逸らすことにして、俺はぼんやりとコーヒーを見つめている蓮田へ首を向けた。
「蓮田」
「……はい」
呼びかけに応じて、後輩が気だるそうに視線を上げる。
「実はさっき、玄関で枝橋さんに会ったんだけどさ――」
とりあえず伝えておいた方が良いだろうと判断し、枝橋さんとの会話の内容を蓮田へ話す。
「……わかりました」
ひょっとしたら、後々枝橋さんから事情聴取のようなことを受けるかもしれない。
そこまでの説明を聞いて、後輩が示した反応は単調な返答だけ。
そうだろうとは想像していたが、面倒そうな素振りすら見せようとはしなかった。
「なぁ、蓮田。お前があのとき、あの吊り橋の前で気にしてたことって、結局なんだったんだ?」
このまま会話を止めても良かったのだが、蓮田が気にかけていた事柄がいったい何なのか。
先程の枝橋さんとのやり取り以降、どうしても頭の中に引っかかっていてモヤモヤしていた。
「……わかりません」
「え?」
「まだ、わかりません。いろいろと引っかかっていることはあるのですが、形にならないんです」
注意しないと気づけないほど僅かに、蓮田が眉をしかめる。たぶん、困った表情のつもりなのかもしれない。
「先輩は、碧さんが殺されていた現場で、何か違和感のようなものを感じたりはしませんでしたか?」
「違和感って言われてもな……」
蓮田と二人で死体を発見したときのことを思い返し、おかしなことがあったかと思案してみる。
既に一度は考えたことだが、やはり特に不審な点があった記憶は全くない。
強いて言うならば、碧さんの殺され方が異常であった、ということくらいか。
首を絞めて殺しておきながら、包丁を刺した犯人。
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