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第四章:矛盾の解明
第四章:矛盾の解明 34
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藤の紫に染まる地面を適当に示して、俺は言った。
「……確かに、そうですね。ですが、少なくともこの花が積まれた部分に関して言えば、落ちていた枯葉はこの一枚。偶然でない可能性も考慮すべきかと」
「なるほど、落ち葉かぁ」
蓮田の手から落ち葉を受け取り、部長はしげしげと眺めると、
「枯葉……落ち葉……山の中を移動したりすれば、服に引っかかることなんかもあるよね」
にやりと笑い、こちらを見上げた。
「じゃあ、竜久さんは山の中を通って運ばれたんですか? 裏山とか」
「わからないけど、イメージとしてはそんな感じに想像することも可ってことだよ」
桜に頷いて立ち上がると部長は、さて、と言って広場を見回す。
「流森さん、竜久さんが発見された池はどっちの方向ですか?」
「は? そんなこと聞いてどうするつもりよ? まさか、じゃあ行きましょうなんて言わないよね?」
唐突に話を振られ、流森さんは目を大きくして部長を見る。
「駄目だよ、さすがにそれは無理。連れてなんかいかないよ」
断固拒否すると言いたげに強い口調で宣言する流森さんを、部長は唇を尖らせて見返す。
「だいたいの場所を知りたいから、方角を訊いただけですよ。別に何もしませんって」
そう告げる瞳に、悪戯な光が宿っているのが感じ取れたが、ほとんど面識のない流森さんには気づけるものでもないだろう。
その証拠に、
「……方角だけだよ?」
と前置きしてから、流森さんは巨大藤よりさらに奥の方角を指差す。
言い伝えに関する石碑が立つ、その向こう。木々が生い茂り、道があるようには見えない。
「あそこから獣道みたいなところを少し進むと、すぐに見えてくるよ。何に使うのか知らないけど、小さいボートも一隻置いてある」
「へぇ、そこから竜久さんが見つかった。運ぼうと思えば、運べない距離でもなさそうだね。後は、その方法か……」
ふぅむ、と息をつき顎を撫でる部長の視界を横切るように、蓮田が石碑に向かい歩きだす。
「お、おい……蓮田?」
直感的に嫌な予感がして、俺は後輩を呼び止める。
「……はい?」
「どこ行くつもりだよ?」
「竜久さんが見つかった池を調べに行きます。死体消失のトリックを解くヒントを得られるかもしれませんので」
「だから駄目だってば。もー、あなたたちは……ホントに言うこと聞いてよ」
さも当然のように返答する蓮田へ、流森さんが即座に注意を浴びせる。
「みんなだけじゃ危険だし、それに――あ、ちょっと!」
何とかして引き止めようと説得を試みる流森さんのことなど気にすることもなく、蓮田は再び奥へ向かい進みはじめる。
「……」
どうしようかと言いたげにこちらを見る桜と視線を交わし、俺は仕方なく蓮田の後を追った。
「蓮田、さすがにやめとけよ。俺たちが行って良い場所じゃない」
ぐっと細い腕を掴み、こちらを向かせる。
「……ですが、このままでは真相をはっきりさせることができません」
全体的にぼんやりとしているくせに、その瞳だけは異様に鋭い。
そんな後輩の目を間近で見つめ、一旦鼻から息を抜く。
果たしてどう言いくるめれば、この少女の意志を押さえることができるのか。
「……確かに、そうですね。ですが、少なくともこの花が積まれた部分に関して言えば、落ちていた枯葉はこの一枚。偶然でない可能性も考慮すべきかと」
「なるほど、落ち葉かぁ」
蓮田の手から落ち葉を受け取り、部長はしげしげと眺めると、
「枯葉……落ち葉……山の中を移動したりすれば、服に引っかかることなんかもあるよね」
にやりと笑い、こちらを見上げた。
「じゃあ、竜久さんは山の中を通って運ばれたんですか? 裏山とか」
「わからないけど、イメージとしてはそんな感じに想像することも可ってことだよ」
桜に頷いて立ち上がると部長は、さて、と言って広場を見回す。
「流森さん、竜久さんが発見された池はどっちの方向ですか?」
「は? そんなこと聞いてどうするつもりよ? まさか、じゃあ行きましょうなんて言わないよね?」
唐突に話を振られ、流森さんは目を大きくして部長を見る。
「駄目だよ、さすがにそれは無理。連れてなんかいかないよ」
断固拒否すると言いたげに強い口調で宣言する流森さんを、部長は唇を尖らせて見返す。
「だいたいの場所を知りたいから、方角を訊いただけですよ。別に何もしませんって」
そう告げる瞳に、悪戯な光が宿っているのが感じ取れたが、ほとんど面識のない流森さんには気づけるものでもないだろう。
その証拠に、
「……方角だけだよ?」
と前置きしてから、流森さんは巨大藤よりさらに奥の方角を指差す。
言い伝えに関する石碑が立つ、その向こう。木々が生い茂り、道があるようには見えない。
「あそこから獣道みたいなところを少し進むと、すぐに見えてくるよ。何に使うのか知らないけど、小さいボートも一隻置いてある」
「へぇ、そこから竜久さんが見つかった。運ぼうと思えば、運べない距離でもなさそうだね。後は、その方法か……」
ふぅむ、と息をつき顎を撫でる部長の視界を横切るように、蓮田が石碑に向かい歩きだす。
「お、おい……蓮田?」
直感的に嫌な予感がして、俺は後輩を呼び止める。
「……はい?」
「どこ行くつもりだよ?」
「竜久さんが見つかった池を調べに行きます。死体消失のトリックを解くヒントを得られるかもしれませんので」
「だから駄目だってば。もー、あなたたちは……ホントに言うこと聞いてよ」
さも当然のように返答する蓮田へ、流森さんが即座に注意を浴びせる。
「みんなだけじゃ危険だし、それに――あ、ちょっと!」
何とかして引き止めようと説得を試みる流森さんのことなど気にすることもなく、蓮田は再び奥へ向かい進みはじめる。
「……」
どうしようかと言いたげにこちらを見る桜と視線を交わし、俺は仕方なく蓮田の後を追った。
「蓮田、さすがにやめとけよ。俺たちが行って良い場所じゃない」
ぐっと細い腕を掴み、こちらを向かせる。
「……ですが、このままでは真相をはっきりさせることができません」
全体的にぼんやりとしているくせに、その瞳だけは異様に鋭い。
そんな後輩の目を間近で見つめ、一旦鼻から息を抜く。
果たしてどう言いくるめれば、この少女の意志を押さえることができるのか。
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