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第五章:幕引きと抵抗
第五章:幕引きと抵抗 15
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そんな姿を目の当たりにする度に、俺の中の腐った感情は精神を浸食し、余計に親という存在に嫌気を覚えた。
ドラッグやレイプなど、最後までばれずに済んだこともある。
それを踏まえても、ここまで問題を繰り返してきた俺に、両親は一度たりとも真正面から向き合うことはしなかったし、それは二人がこの世を去るあの日まで結局変わることはなかった。
中卒ではまともな仕事になど簡単には就けず、単純なバイトを転々とするだけのつまらない日々。
車の免許を取得する金などあるわけもなく、悪友の伝手を利用し偽造で手に入れ、乗り方も自分で覚えごまかしたりもしていたわけだが。
そんな底辺を極めたような人生に転機が訪れたのは、三年前のことだった。
両親の乗る車がトラックと正面衝突を起こし、あまりにもあっさりと他界してしまったのだ。
悲しみやショックなどは全くなかった。
親が残してくれたのはまだ払いきれていない借金と、ボロいアパートのみ。
邪魔な存在が消えた反面、憂鬱でもあった。
自分自身、まず貯金など皆無。当然、結婚もしていない。
親が残した借金など、まともに払っていくことなどしたくもなかった。
この状況をどうしてやろうかと悩みはじめた矢先に、俺に声をかけてきたのが叔父にあたる梅木繁信だった。
両親の葬儀の金も、事情を知った繁信が負担をした。
「行く場所や仕事がないなら、家で暮らさないか? 他人ではないんだし、遠慮をすることはないよ」
そんな言葉をかけられたと思う。
即座に、俺は頷いていた。
どうせ今の生活を続けてもじり貧なのは明白。ならば、利用できるものはなんでも利用してやろうというのが考えだった。
だがしかし、繁信の誘いに乗りこの藤咲村を訪れたとき、俺は心底後悔する羽目になる。
山奥の、寂れたなどと言う言葉すらおこがましいほどの寒村。
娯楽施設はおろか、コンビニすら一軒もない。
あるのは山と畑に田んぼ。潰れてしまいそうな民家のみ。
失敗した、そう心の底から思った。
「始めまして、あなたが昇さんね?」
繁信の家に来て、最初に声をかけてきたのは梅木碧だった。
人見知りとは無縁な、誰が相手でも物怖じしない印象の女だと第一印象で感じたのを覚えている。
「新しい自分の家だと思って、好きにくつろぐと良い」
そんな繁信の言葉とともに迎え入れられたこの家で、俺は何をするでもなく平坦な生活を送ることとなる。
時間が経つにつれ、周囲は俺の人格を理解し距離を置く者が増えていき、逆に似たような感覚を所有していた竜久とは仲良くなった。
あるはずのない職探しは早々に諦め、農家や藤美荘の手伝いも放棄しダラダラと過ごし、二年ほどが経過した頃。
俺は、偶然にもあの会話を耳にしてしまった。
季節は初秋。穏やかな天気の午後のことだった。
やることもなく、普段よく行く池に釣りへ出かけるため家を出ようとしたとき、繁信の部屋から漏れ聞こえてくる話し声に気づき俺は足を止めた。
特に理由があったわけではなかったと思う。
強いて言えば、暇だったからと言う程度のノリだったかもしれない。
ドラッグやレイプなど、最後までばれずに済んだこともある。
それを踏まえても、ここまで問題を繰り返してきた俺に、両親は一度たりとも真正面から向き合うことはしなかったし、それは二人がこの世を去るあの日まで結局変わることはなかった。
中卒ではまともな仕事になど簡単には就けず、単純なバイトを転々とするだけのつまらない日々。
車の免許を取得する金などあるわけもなく、悪友の伝手を利用し偽造で手に入れ、乗り方も自分で覚えごまかしたりもしていたわけだが。
そんな底辺を極めたような人生に転機が訪れたのは、三年前のことだった。
両親の乗る車がトラックと正面衝突を起こし、あまりにもあっさりと他界してしまったのだ。
悲しみやショックなどは全くなかった。
親が残してくれたのはまだ払いきれていない借金と、ボロいアパートのみ。
邪魔な存在が消えた反面、憂鬱でもあった。
自分自身、まず貯金など皆無。当然、結婚もしていない。
親が残した借金など、まともに払っていくことなどしたくもなかった。
この状況をどうしてやろうかと悩みはじめた矢先に、俺に声をかけてきたのが叔父にあたる梅木繁信だった。
両親の葬儀の金も、事情を知った繁信が負担をした。
「行く場所や仕事がないなら、家で暮らさないか? 他人ではないんだし、遠慮をすることはないよ」
そんな言葉をかけられたと思う。
即座に、俺は頷いていた。
どうせ今の生活を続けてもじり貧なのは明白。ならば、利用できるものはなんでも利用してやろうというのが考えだった。
だがしかし、繁信の誘いに乗りこの藤咲村を訪れたとき、俺は心底後悔する羽目になる。
山奥の、寂れたなどと言う言葉すらおこがましいほどの寒村。
娯楽施設はおろか、コンビニすら一軒もない。
あるのは山と畑に田んぼ。潰れてしまいそうな民家のみ。
失敗した、そう心の底から思った。
「始めまして、あなたが昇さんね?」
繁信の家に来て、最初に声をかけてきたのは梅木碧だった。
人見知りとは無縁な、誰が相手でも物怖じしない印象の女だと第一印象で感じたのを覚えている。
「新しい自分の家だと思って、好きにくつろぐと良い」
そんな繁信の言葉とともに迎え入れられたこの家で、俺は何をするでもなく平坦な生活を送ることとなる。
時間が経つにつれ、周囲は俺の人格を理解し距離を置く者が増えていき、逆に似たような感覚を所有していた竜久とは仲良くなった。
あるはずのない職探しは早々に諦め、農家や藤美荘の手伝いも放棄しダラダラと過ごし、二年ほどが経過した頃。
俺は、偶然にもあの会話を耳にしてしまった。
季節は初秋。穏やかな天気の午後のことだった。
やることもなく、普段よく行く池に釣りへ出かけるため家を出ようとしたとき、繁信の部屋から漏れ聞こえてくる話し声に気づき俺は足を止めた。
特に理由があったわけではなかったと思う。
強いて言えば、暇だったからと言う程度のノリだったかもしれない。
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