病み憑き

雪鳴月彦

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第二章:秋本夢美――②

秋本夢美――②

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 自分が進んできた道が正式なルートであったことに安堵しながら、更に前進して社殿の側まで移動する。

 黒ずんだ木の賽銭箱と、その上から垂れ下がる鰐口紐。

 どれくらいの年季が入っているのかは目視しただけではわからないけれど、定期的な手入れはされているようで廃屋と呼ぶ程の劣化はない。

(ここが昔儀式をした場所なの? だとすれば、この近くには沢山人を捨てた穴があったはずだけど……)

 百パーセント、これは天水田時代に存在した祠とは別物。

 廃村になった後、この地区に新しい村ができたりして景色や風土も様変わりしていったのだろうけれど、その際に大穴も埋めて塞がれてしまっている可能性は極めて高い。

(何か、手掛かりになるようなものはないかな)

 記念碑でも何でも良い。この場所に関する記録を知ることのできるヒントはないかと、あたしは首を巡らせ周りを見るけど特にめぼしいものは見つからない。
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