転移した俺は、妹と幼馴染を探して途方に暮れる!

Happy Men

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2話 転移2

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「あなたは何を焦っているのですか?」

淡々と話す声に苛立ちを感じる。

「あたりまえだろっ!俺は急いで家に帰らないといけないんだよっ!」

そういうと、
「あなたの妹さんと幼馴染の女性につきましては、わたしが安全を保証します。」

「どういう事だ!」

「あなたには申し訳ありませんが、助けて頂きたいのです。異世界に転移してわたしの子供たちを守りながらある場所に連れて行ってもらえませんか?」

「はぁ?てめぇ、何いってるのかわかっているのか?俺を脅迫してるのか?」

「そうではありません。お願いしているのです。」

「だったら、澪と朱里は関係ねぇだろうが・・・」

「いえ、あなたの仰られている妹さんは、わたしの末娘ですよ。」

「えっ?どういう事だ?」
(妹の澪が、本当の妹だと違うという事は、俺と親父と朱里しか知らないはずだが?)

「妹さんは、幻影で隠していますが猫の獣人でしょう?」

「なっ!どうしてそれを・・・」

「わたしが、あなたのお父上に預かって頂いたのです。将来、あなたのつがいとなるために」

「えっ?どういう事だ?」

「お伝えした通りですが、何かおかしな点でもございましたか?」

「普通、妹とはつ、つがいじゃねぇ!結婚はできねえんだよ!」

「ですから、本当の妹ではないと言っているではありませんか?それとももう一人の幼馴染の方とつがいとなるのですか?わたしからすれば、娘は2番目でも結構なのですが・・・」

「そういう問題じゃねぇだろうが」

「ただし、お願いがあるのです。あの娘以外の残り4人の娘を救って欲しいのです。もちろん、ただでとは申しません。気に入って頂けたなら他の娘もあなたの側に置いて頂いて結構です。さらにあなたには、向こうでお役に立つ力もいくらか授けましょう。いかがですか?」

「他の娘ぇ?助けるってどういった事なんだ?全然、話が見えねえよ。」

少し頭がこんがらがってきて、話が見えなくなってきた。

「俺に助けろと言うが、俺はただの学生だ。別に取り立てた力や技が有る訳じゃない。なにもできねえよ。」

「君はなにも聞いていないのかい?」

「どういう事だ?」

「君は古の守人の子孫なんだよ。お父さんからはなにも言われてないのかい?」

「古の守人?」

「そう、剣技と魔術に長けた一族だよ。君のお父さんが今の首長で、君にその座を譲ると聞いているのだが・・・」

「知らねえな、というより俺は剣技など出来ないし、魔術なんて胡散臭い事もできねえよ。唯一出来るとしたらガキの頃からやってる弓技位だし、それもあまり上手いとは言えねえ。まあ1番自信があるといえばケンカ位だぞ。」

「ケンカに自信があると言っても自分から攻撃を与えるのではなく、相手に攻撃された場合において対抗しているのではありませんか?」

ふと、考えてしまう。確かにケンカになるのは澪や朱里が何かあった時だなと気がつく。しかし、そんな事が当たり前とは思えない。
ケンカが正当と誇示するつもりもない。
もともと俺は口は悪いが性格はいい様に周りからは思われている。

「それでも」

「いいえ、あなたは自分が思っている程弱くはありません。剣技が出来ないと言いましたがやっていないだけでどこまで出来るか試していませんね?というか、幼い時にとんでもない事になってやらせてもらっていないと思います。魔術についてはこの星では魔素が少ない為すぐに術式が構築出来ないだけですよ。元にあなたは今、わたしに対して幻術を無詠唱にて展開しているではありませんか?」

俺の頭のなかは?マークで一杯になってきた。確かに小さいときに小枝か何かでチャンバラっぽい事をした後、オヤジに2度と武器を持って戦ってはダメだと言われた記憶がある。但し、何があったのかは憶えていない。それに今は相手の顔が見えなかったのが、見える様になったというか、こいつは、妹と同じ獣人だった。猫とは違い狼だったが・・・

「まあいい。一歩譲って、信じるとしよう。澪と朱里を助けるために貴様の娘を助ける事としても俺にはそこまでの力があるとは思えないしないだろう?」

「わかりました。でしたらまずはこの剣を受け取ってください。あなたが産まれた時にあなたのために打たれた剣です。」

渡された剣は、初めて握るのにも拘わらず、手にしっくりした上に見た目とは違いすごく軽い。

「どうですか?自分の剣を握った感覚は?その剣を向こうにある山に向かって薙いでもらえますか?」

言われるままに山を薙いだ途端、開いた口が塞がらなかった。というのも、数キロ先にある山が真っ二つに割れたのだ。

「次は、割れた山に開いた手をかざし『消失』と唱えてください。言葉に出しても出さなくても結構ですので」

俺は言葉に出さず、心の中で唱えてみた途端、今まであった山は見事に消え去り平地になっている。しかもそこにはもともと何もなかったかの様に

「これはどういった事なんだ?何がおきたんだ?」

「あなたが山を割り、消したのですよ。それほどあなたの力は凄いという事です。わかって戴けましたか?」

「また、あなたは自分で仰られていた様に弓技も身につけた様ですのでそちらの武具に関しましては、出来上がり次第お渡しします。いかがでしょうか?おわかり戴けましたか?」

嘘の様だが目の前で起きた事だ。信じるしかない。というか、こんな力を持ってどうすればいいのか?途方に暮れた。






    
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