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【 心を黒く塗りつぶす悪夢のような逃避行 】
迫り来る罠
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急報は、あの事件から10日後だった。
「至急の伝令です! クラウシェラ様にお目通りを!」
「入れなさい」
こんな時でも彼女の日常にさほど変化はない。今は神学の勉学中だ。
さすがにあの一件があったから、万が一のために教員は皆非難させている。
だからもっぱら自習だけどね。それにこういう事もあるし。
ただ最近は急を要するような手紙も無くなって、大体情勢は落ち着いてきたのよね。
もうしばらくしたら、家庭教師たちも呼び戻そうか――そう考えていた時だった。
慌てて入って来たのは、軽装の鎧を着た兵士。
ここでの生活も長くなったからすっかり覚えたけど、彼は伝令を専門にしている兵士だわ。
「ペルム騎士領の本隊がこちらに進軍中です!」
「わたくしが要請したのですから当然でしょう」
ただそれにしては早いわね。
それにこちらに軍ごと来るとういうのも変な話だわ。
「そうではないのです!」
「先ずは冷静になりなさい。数は?」
「は、はい。騎兵を主体とした総勢、およそ1万。近隣の町の軍も加わっていると思われます」
おかしいわね。
ペルム騎士領は確かに大規模な領地。
もし戦争となれば、最大で騎兵3000騎、歩兵7000人を揃えられる有数の土地だわ。
ただそれは領内全軍を集めた数。通常で考えれば、一ヵ月はかかる。しかも騎士候が亡くなったばかり。まだ次の領主も決まっていないし、混乱の最中にあるはずよ。
動員要請は出したけど、今動かせる兵は常識で考えれば2000人足らず。
仮に数だけは傭兵で揃えたとしても、どうしてここに向かっているのかしら?
リリゼットの町へと救援部隊が向かった時も、ここには寄らなかった。その意味もないしね。
彼らは直接ベルナットの町に入り、補給を済ませたら橋を渡り残党狩りに参加する予定。
挨拶にしても、軍ごと来るなんてことは――!?
「既に行動の確認に向かった隊員らは全員戦死いたしました。ペルム騎士領軍は敵です!」
『な、なんですって!』
「痛っ!」
頭を抑え、苦悶の表情を浮かべる。
「だ、大丈夫でありますか?」
その様子を見て兵が心配するが、手だけで制止する。
――大声を出さないで! 今は黙ってなさい。
確かにそうです。すみません……。
「直ちにここを引き払うわ。全員支度なさい。それで“敵軍”は?」
「急ぎ馬を飛ばしてきましたが、それは向こうも承知済みと思われます。おそらく半日もあれば……」
「多分もっと早いわね。全ての荷物は置いて行っていいわ。30分以内に民間人と負傷兵を馬車に。兵士はその護衛よ。いい、1分でも遅れた者は容赦なく置いて行く。そう伝えなさい!」
「クラウシェラ様は?」
「当然、同行するわよ。急ぎなさい!」
「了解いたしました」
オーキスを除く全員が慌ただしく出ていった。
すぐさま屋敷中が、嵐でも起きたかのように慌ただしくなる。
振動で、微弱な地震が起きているかのよう。
多分だけど、制限時間内に重要な物は全部回収するか処分する為ね。
「オーキス」
「ここに控えております」
「今までご苦労だったわね。今現在をもって、貴方は解雇します。馬を一頭与えるわ。お父様の元へ行きなさい。但し、ベルナットの町へ行く事は許しません」
「つまりは、かの町もまた裏切ったと読んでいる――そうですね」
「定時連絡は遅くとも1時間以内に到着するわ。それにこちらからも伝令が常に行き来している。その辺りはもうじきわかるけど、わたくしが指揮官ならその程度の準備はしているわね」
「そこまで読んでいるのであれば、私が行くまでもございません。すぐに近隣へと知れ渡り、公爵様が動かれるでしょう」
「貴方、命が惜しくは無いの?」
「ご主人様より長生きするつもりはございませんので」
「そう……損な性分ね。長生き出来ないわよ」
「クラウシェラ様の盾となれるのでしたら、短い人生も悪くは無いと存じ上げます」
「分かったわ、すぐに支度なさい。1時間後に、この屋敷には火をかけるわ。無駄な事をしている連中は、さっさと馬車に放り込んで頂戴」
「了解いたしました。ですがこの状況、屋敷の中にも不心得者が紛れているかもしれません」
「わたくしをどうにか出来るほどの者がいるのであれば、わざわざこんな状況まで待つ必要は無いわ」
「はっ、それでは急ぎ屋敷を回って参ります」
――結局はこうなるわけね。
まあなんとなく分かっていたけれど、想定の何倍も酷い状況になったことには呆れるわ。
どんなに頑張っても、歴史は変わらないものなのかしらね。
『どういうことなの?』
「説明する事が大過ぎて、何処から言えばいいか悩むわね。単純に言えば、ペルム騎士領は既に裏切っていた」
『ええ! でもそんな様子は無かったわよ』
「当然、亡きケルジオス騎士候も弓のサリウスも知らない事よ。さすがにこれに加担したら、サリウスはその地位を神から剥奪されるわ。おおかた領地に残った最高権力者が、騎士領なり更なる地位や金で転がったのね。もしかしたら、急いで少数だけで行かせたのもそれが理由かもしれないけど、そんなのはただの憶測ね」
『えええー。じゃあベルナットの町の方は?』
「これはまだ憶測だけど、あちらもとっくに内通していたとみるべきね。普通なら、わたくし達はあの町に籠城するわ。そうなれば、更に後方の本隊――生粋の公爵軍が到着するまでもつもの」
『じゃあもう敵なのに、ずっと味方のふりをしていたって事? あそこは安全な街じゃなかったの?』
「当然、町自体は安全よ。籠城するにはね。それが一番早いし、誰もがそうするでしょうね」
『でもそれはできない……じゃあ、どうして裏切っているってわかるの?』
「敵軍はベルナットの町を落とせない戦力で対岸の村や町を攻めた。当然、勢いはそこまで。今は逆襲されて塵尻よ。町の強固さは近隣に知れ渡ったわ。なのにペルム騎士領は旗色を隠さずに堂々と大軍で進軍してくる。でも籠城されたら勝てない数でね。これが答えよ。どうせ対岸での敵部隊の討伐報告も、大半はがせね」
『後ろから来るのは罠に追い立てるための猟犬……』
「そういう事ね。あそこはもう狼の巣よ。さて、貴方はどうするの? 悪いけど、もう先は無いわ。でもわたくしはジオードル・ローエス・エルダーブルグ公爵の娘、クラウシェラよ。座して死ぬつもりも、辱めを受けるつもりも無いの」
『あたしは最後まで付き合うわよ。それが縁ってものでしょう』
まあ離れられないのですとは言えないわよね。
「そう、そういえば、わたくしを破滅から救うとか言っていましたわね。ん? そういえば出られないとも言っていたような?」
ばれたか。
『あはは。まあそういう事。今は一心同体なのよ』
「なら精々、わたくしが破滅しないように努力する事ね」
『はーい』
「至急の伝令です! クラウシェラ様にお目通りを!」
「入れなさい」
こんな時でも彼女の日常にさほど変化はない。今は神学の勉学中だ。
さすがにあの一件があったから、万が一のために教員は皆非難させている。
だからもっぱら自習だけどね。それにこういう事もあるし。
ただ最近は急を要するような手紙も無くなって、大体情勢は落ち着いてきたのよね。
もうしばらくしたら、家庭教師たちも呼び戻そうか――そう考えていた時だった。
慌てて入って来たのは、軽装の鎧を着た兵士。
ここでの生活も長くなったからすっかり覚えたけど、彼は伝令を専門にしている兵士だわ。
「ペルム騎士領の本隊がこちらに進軍中です!」
「わたくしが要請したのですから当然でしょう」
ただそれにしては早いわね。
それにこちらに軍ごと来るとういうのも変な話だわ。
「そうではないのです!」
「先ずは冷静になりなさい。数は?」
「は、はい。騎兵を主体とした総勢、およそ1万。近隣の町の軍も加わっていると思われます」
おかしいわね。
ペルム騎士領は確かに大規模な領地。
もし戦争となれば、最大で騎兵3000騎、歩兵7000人を揃えられる有数の土地だわ。
ただそれは領内全軍を集めた数。通常で考えれば、一ヵ月はかかる。しかも騎士候が亡くなったばかり。まだ次の領主も決まっていないし、混乱の最中にあるはずよ。
動員要請は出したけど、今動かせる兵は常識で考えれば2000人足らず。
仮に数だけは傭兵で揃えたとしても、どうしてここに向かっているのかしら?
リリゼットの町へと救援部隊が向かった時も、ここには寄らなかった。その意味もないしね。
彼らは直接ベルナットの町に入り、補給を済ませたら橋を渡り残党狩りに参加する予定。
挨拶にしても、軍ごと来るなんてことは――!?
「既に行動の確認に向かった隊員らは全員戦死いたしました。ペルム騎士領軍は敵です!」
『な、なんですって!』
「痛っ!」
頭を抑え、苦悶の表情を浮かべる。
「だ、大丈夫でありますか?」
その様子を見て兵が心配するが、手だけで制止する。
――大声を出さないで! 今は黙ってなさい。
確かにそうです。すみません……。
「直ちにここを引き払うわ。全員支度なさい。それで“敵軍”は?」
「急ぎ馬を飛ばしてきましたが、それは向こうも承知済みと思われます。おそらく半日もあれば……」
「多分もっと早いわね。全ての荷物は置いて行っていいわ。30分以内に民間人と負傷兵を馬車に。兵士はその護衛よ。いい、1分でも遅れた者は容赦なく置いて行く。そう伝えなさい!」
「クラウシェラ様は?」
「当然、同行するわよ。急ぎなさい!」
「了解いたしました」
オーキスを除く全員が慌ただしく出ていった。
すぐさま屋敷中が、嵐でも起きたかのように慌ただしくなる。
振動で、微弱な地震が起きているかのよう。
多分だけど、制限時間内に重要な物は全部回収するか処分する為ね。
「オーキス」
「ここに控えております」
「今までご苦労だったわね。今現在をもって、貴方は解雇します。馬を一頭与えるわ。お父様の元へ行きなさい。但し、ベルナットの町へ行く事は許しません」
「つまりは、かの町もまた裏切ったと読んでいる――そうですね」
「定時連絡は遅くとも1時間以内に到着するわ。それにこちらからも伝令が常に行き来している。その辺りはもうじきわかるけど、わたくしが指揮官ならその程度の準備はしているわね」
「そこまで読んでいるのであれば、私が行くまでもございません。すぐに近隣へと知れ渡り、公爵様が動かれるでしょう」
「貴方、命が惜しくは無いの?」
「ご主人様より長生きするつもりはございませんので」
「そう……損な性分ね。長生き出来ないわよ」
「クラウシェラ様の盾となれるのでしたら、短い人生も悪くは無いと存じ上げます」
「分かったわ、すぐに支度なさい。1時間後に、この屋敷には火をかけるわ。無駄な事をしている連中は、さっさと馬車に放り込んで頂戴」
「了解いたしました。ですがこの状況、屋敷の中にも不心得者が紛れているかもしれません」
「わたくしをどうにか出来るほどの者がいるのであれば、わざわざこんな状況まで待つ必要は無いわ」
「はっ、それでは急ぎ屋敷を回って参ります」
――結局はこうなるわけね。
まあなんとなく分かっていたけれど、想定の何倍も酷い状況になったことには呆れるわ。
どんなに頑張っても、歴史は変わらないものなのかしらね。
『どういうことなの?』
「説明する事が大過ぎて、何処から言えばいいか悩むわね。単純に言えば、ペルム騎士領は既に裏切っていた」
『ええ! でもそんな様子は無かったわよ』
「当然、亡きケルジオス騎士候も弓のサリウスも知らない事よ。さすがにこれに加担したら、サリウスはその地位を神から剥奪されるわ。おおかた領地に残った最高権力者が、騎士領なり更なる地位や金で転がったのね。もしかしたら、急いで少数だけで行かせたのもそれが理由かもしれないけど、そんなのはただの憶測ね」
『えええー。じゃあベルナットの町の方は?』
「これはまだ憶測だけど、あちらもとっくに内通していたとみるべきね。普通なら、わたくし達はあの町に籠城するわ。そうなれば、更に後方の本隊――生粋の公爵軍が到着するまでもつもの」
『じゃあもう敵なのに、ずっと味方のふりをしていたって事? あそこは安全な街じゃなかったの?』
「当然、町自体は安全よ。籠城するにはね。それが一番早いし、誰もがそうするでしょうね」
『でもそれはできない……じゃあ、どうして裏切っているってわかるの?』
「敵軍はベルナットの町を落とせない戦力で対岸の村や町を攻めた。当然、勢いはそこまで。今は逆襲されて塵尻よ。町の強固さは近隣に知れ渡ったわ。なのにペルム騎士領は旗色を隠さずに堂々と大軍で進軍してくる。でも籠城されたら勝てない数でね。これが答えよ。どうせ対岸での敵部隊の討伐報告も、大半はがせね」
『後ろから来るのは罠に追い立てるための猟犬……』
「そういう事ね。あそこはもう狼の巣よ。さて、貴方はどうするの? 悪いけど、もう先は無いわ。でもわたくしはジオードル・ローエス・エルダーブルグ公爵の娘、クラウシェラよ。座して死ぬつもりも、辱めを受けるつもりも無いの」
『あたしは最後まで付き合うわよ。それが縁ってものでしょう』
まあ離れられないのですとは言えないわよね。
「そう、そういえば、わたくしを破滅から救うとか言っていましたわね。ん? そういえば出られないとも言っていたような?」
ばれたか。
『あはは。まあそういう事。今は一心同体なのよ』
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『はーい』
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