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はじまり
突然
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「ギャハハ!!まじ?!だる~い!!」
今の高校生はこんな時間まで遊び歩いているのか。
黒髪からは程遠い髪色に派手なメイク。
声は馬鹿みたいにでかく、オマケにきつい香水のかおり。
疲れた…少し目を閉じてよう。
海斗は俯き小さくため息を着いてから目を閉じた。
…………
ガタンッ
「っ…ん」
大きな揺れでビクッと目が覚める。
顔を上げるとさっきまで満員だった電車はガランと空いていて、何故か海斗1人だけになっていた。
「ここどこだ…」
窓から見える景色は真っ暗で何も見えない。
しかし、この路線にトンネルがない事くらい海斗も分かっていた。
不思議に思い席を立ち、窓の外、
電車が向かう方向を見るが広がるのは漆黒。
「なんだよここ…」
ガタッ
その時、前方から物音がした。
どうやら隣の車両からのようだ。
ゆっくり連結部へ向かうと、
「…あ!人がいた!これ開けられます?!」
こちらの車両の扉を開けようとしているOLらしき女性がいた。
海斗もつられてドアを開こうとするも、何故かビクともしなかった。
「ダメですね、ビクともしないです」
「どうして…私うたた寝してて、目が覚めたら誰もいなくて。ちょっと怖かったんですけど、他にも人がいてよかったです」
「僕もです。少し目を閉じてただけなの…に…え…」
少し、目を離した瞬間だった。
女性の後ろに大きな物体が立っていた。
「え…?」
海斗の視線に気がついたのか、女性はゆっくりと振り返った。
「えっと…わんちゃん?何でこんな所に…?」
それは大型犬サイズの真っ黒な犬だった。
女性は犬の高さまで屈むと、犬を撫でようと手をゆっくり差し出した。
「ガゥゥゥッ!!」
「え…」
「え…」
犬は差し出された手にかぶりついた。
海斗と女性の声が重なる。
ボトッと床に落ちたのは、綺麗な女性らしい右手。
「い、いやぁぁぁあああ!!!」
女性の右手首からは血が吹き出している。
「ワンッ!ワンワンッ!!」
「やっ、やだ!!やめて!痛い!!いや!!」
犬は瞬く間に女性に覆い被さると、顔を守っていた左腕に噛み付いた。
「うっ…痛い痛い!!いやぁぁ!!」
叫ぶ女性の顔には、左腕からドクドクと溢れ出る血液で濡れていった。
「に、逃げて!!」
ようやくハッとした海斗はそう言うしかできず、
大声で必死に訴えた。
その声も虚しく、犬は左腕を噛みちぎる。
「た、たすけ…」
手首から先のない右手を、海斗へ向けてきた女性。
海斗もドアを開けようとしたものの、
未だにドアはびくともしない。
「ウ゛ゥ!」
大きな犬は容赦なく女性の頭部へ噛み付いた。
「やめろ!!!」
ブシャッ
そんな音と共に、ゴロンと転がった物体。
涙と血液でグシャグシャになり、元の顔が分からないくらいだった。
「っ…はぁ…なんだよ…これ…」
後ろへ倒れ込むように崩れ落ちた海斗。
その時ー…
ガサッ
背後から小さな物音がした。
今の高校生はこんな時間まで遊び歩いているのか。
黒髪からは程遠い髪色に派手なメイク。
声は馬鹿みたいにでかく、オマケにきつい香水のかおり。
疲れた…少し目を閉じてよう。
海斗は俯き小さくため息を着いてから目を閉じた。
…………
ガタンッ
「っ…ん」
大きな揺れでビクッと目が覚める。
顔を上げるとさっきまで満員だった電車はガランと空いていて、何故か海斗1人だけになっていた。
「ここどこだ…」
窓から見える景色は真っ暗で何も見えない。
しかし、この路線にトンネルがない事くらい海斗も分かっていた。
不思議に思い席を立ち、窓の外、
電車が向かう方向を見るが広がるのは漆黒。
「なんだよここ…」
ガタッ
その時、前方から物音がした。
どうやら隣の車両からのようだ。
ゆっくり連結部へ向かうと、
「…あ!人がいた!これ開けられます?!」
こちらの車両の扉を開けようとしているOLらしき女性がいた。
海斗もつられてドアを開こうとするも、何故かビクともしなかった。
「ダメですね、ビクともしないです」
「どうして…私うたた寝してて、目が覚めたら誰もいなくて。ちょっと怖かったんですけど、他にも人がいてよかったです」
「僕もです。少し目を閉じてただけなの…に…え…」
少し、目を離した瞬間だった。
女性の後ろに大きな物体が立っていた。
「え…?」
海斗の視線に気がついたのか、女性はゆっくりと振り返った。
「えっと…わんちゃん?何でこんな所に…?」
それは大型犬サイズの真っ黒な犬だった。
女性は犬の高さまで屈むと、犬を撫でようと手をゆっくり差し出した。
「ガゥゥゥッ!!」
「え…」
「え…」
犬は差し出された手にかぶりついた。
海斗と女性の声が重なる。
ボトッと床に落ちたのは、綺麗な女性らしい右手。
「い、いやぁぁぁあああ!!!」
女性の右手首からは血が吹き出している。
「ワンッ!ワンワンッ!!」
「やっ、やだ!!やめて!痛い!!いや!!」
犬は瞬く間に女性に覆い被さると、顔を守っていた左腕に噛み付いた。
「うっ…痛い痛い!!いやぁぁ!!」
叫ぶ女性の顔には、左腕からドクドクと溢れ出る血液で濡れていった。
「に、逃げて!!」
ようやくハッとした海斗はそう言うしかできず、
大声で必死に訴えた。
その声も虚しく、犬は左腕を噛みちぎる。
「た、たすけ…」
手首から先のない右手を、海斗へ向けてきた女性。
海斗もドアを開けようとしたものの、
未だにドアはびくともしない。
「ウ゛ゥ!」
大きな犬は容赦なく女性の頭部へ噛み付いた。
「やめろ!!!」
ブシャッ
そんな音と共に、ゴロンと転がった物体。
涙と血液でグシャグシャになり、元の顔が分からないくらいだった。
「っ…はぁ…なんだよ…これ…」
後ろへ倒れ込むように崩れ落ちた海斗。
その時ー…
ガサッ
背後から小さな物音がした。
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