アークティカの商人(AP版)

半道海豚

文字の大きさ
1 / 51
第1章 脱出

第1話 金貨と銃弾

しおりを挟む
 三カ月前、父と父の配偶者が急死した。六年以上会っていおらず、二人に興味はなかった。
 その知らせは警察からで、乗用車ごと崖下に転落し、ほぼ即死だったらしい。
 父と父の配偶者が乗る高級外車が、山間の温泉に行く途中で観光有料道路のガードレールを突き破り、三〇メートルの崖を滑落したそうだ。
 警察の見立てでは、スピードの出し過ぎが原因とのことだった。
 事故の原因などどうでもいい。反吐が出るほど嫌いな人間が二人、同時にあっさりと死んだだけだ。

 父と父の配偶者のことは、心底嫌いだった。ただ、嫌いな親でも「死んだ」と聞けば、少しは心にざわつくものがあるかと思っていたが、正直なところ何も感じなかった。
 葬式さえしなかった。父の遺体を引き取り、火葬場で荼毘に付しただけだ。父の配偶者は、私には無縁な人間なので、遺体は引き取らなかった。
 父は社会的に成功した人で、世間では「人格者」と称えられていた。
 伝統ある有名企業の取締役であり、地元では柔道の優しくも厳しい師範であったそうだ。
 だから、本来ならば、父の会社関係や父方の親戚に連絡をして、きちんと葬儀をすべきなのだろう。
 だが、私は父が嫌いだった。
 二人の死は迷惑でしかなかった。面倒なので、父の遺骨を先祖代々の墓に収め、それから父の会社に事の顛末を電話で説明した。
 父の会社の総務から「通夜と告別式のご予定は……」と尋ねられ、「もう密葬しましたので、特に何もいたしません」と答えると、先方の唖然とした様子が電話でもわかった。
 私には兄弟がいないので、父の遺産はすべて相続した。
 遺産と呼べるものは、東京・杉並の見栄の塊のような自宅だけで、家屋と家具・家財道具一切を処分してもらう条件で、不動産業者に売却し、相続税や何やらを支払っても、手元に五〇〇〇万円ほどが残った。
 これらは、四九日の前までに手早く終わらせた。
 その頃になると、父方の親戚やら何やらが騒ぎ出し、あれこれとイチャモンを付け始めたが、そんなことは知ったことではないので無視した。
 父の死後二カ月ほどすると、父が勤めていた会社の総務から「お別れの会をしたい」との連絡があり、「どうぞ」と答えると、なんとも慇懃に「ご戒名は……」と尋ねられたので、「つけませんでした」と返答すると、またもや唖然とされてしまった。
 重ねて言うが、私は父が大嫌いであった。

 父が残した五〇〇〇万円は、私にとっては気分のいい金ではない。
 私自身、駆け出しではあるがサラリーマンとしての収入があるし、正直なところ金の処置には困っていた。
 風俗で使い切る、NPOに寄付する、捨てる、燃やす、綺麗なお姉さんにあげる、など、いろいろと考えたが、どの案も決定打ではなく、とりあえず相場の下がっているゴールドに換えることにした。
 カナダ政府発行のメイプルリーフ金貨に全額換えた。しかも、すべてを〇・一オンス(約三・一一グラム=六〇〇〇円相当)にしたので、総計八三三三枚。重量は約二六キロにもなった。
 父の遺産を相続することは本位ではないので、まぁ精神的なマネーロンダリングみたいなものだろうか。
 どちらにしても、父の遺産は、単位が円からキロになった。

 父の事故死に際して、私の勤務先には慶弔休暇の枠を超えて休んでしまい迷惑をかけてしまった。
 特に仕事を引き継がせてしまった同僚には、申し訳なく思っている。
 だから、会社からニュージーランドへの出張を打診されたときには、断る気持ちにはならなかった。正直、あれこれと慣れない手続きが多くて、疲れていた。夜も眠れない。気分転換をしたい。
 上司は「もし行けるのならば……。無理ならそう言え」と、気を使ってくれたので、余計に断れなかった面もある。
 それと、相変わらず親戚筋の私に対する罵詈雑言が絶えず、逃げ出したい気持ちもあった。父の兄弟・親戚にとっては、私は人間のクズであろうことは確かだ。
 まぁ、私からすれば、あいつらの方が私よりもクズだが……。

 出張は二週間ほどで、明日出発の予定だ。会社には「私用を済ませたい」と伝えて、外出の許可をもらった。
 会社の近くでレンタカーを借り、まずは自宅へ向かった。手早く、衣類やトラベルグッズをスーツケースに詰め込んでゆく。北半球の東京は初秋なので、南半球のクライストチャーチは冬の終わり頃の気候だろうか。かなり寒いことを予想して、コートなどの防寒衣類を詰めた。
 自宅を出ると、金貨を受け取りに銀座へ向かった。
 銀座の貴金属店は、依頼したとおりに約一キロの重さになるように二六個の布袋に分けてくれた。
「このような包みでよろしいのですか?」と店員から怪訝な目で見られたが、私としては特に問題には思わなかった。
 金貨をキャリーバッグに詰めて、地下の駐車場に戻りクルマに積み込んだ。その間、貴金属店の店員さんとガードマンが同行してくれた。
 ちょっと、大げさな気がした。だが、悪い気分ではなかった。

 金貨は、会社の近くの銀行の貸し金庫に預けることにしていた。
 銀座から霞ヶ関まで一般道を走り、霞ヶ関ICから首都高に入り、池尻で降りる予定にしていた。

 霞ヶ関まで順調に走り、首都高は渋滞がなさそうなので、予定通りに渋谷方面に向かってゲートをくぐった。
 霞ヶ関ICから首都高に入ると、すぐに短いトンネルがある。そのことは以前からよく知っていた。
 ETCのゲートをくぐるとすぐに、私はかけていたサングラスのフレームの右端を口に咥えた。
 トンネルに入ると一瞬、視界が途切れる。私の個体としての特性なのだろうか、眼が照明に慣れるのに時間を必要とするのだ。
 サングラスをかけたままでも危険を感じたことはなかったが、一瞬幻惑する感覚が嫌いなのだ。

 本線に合流すると、前方を小型のトレーラーを牽引した二トンロングボディクラスのごついトラックが恐ろしく低速で走っていて、すこし強めにブレーキをかけた。
 その直後、首都高に入ってから数秒しかたっていないが、眩暈と強い吐き気が襲ってきた。前方のごついトラックが霞んで見える。
 吐き気が治まらない。トンネルに飛び込むと、例のトラックがとまっているように感じ目一杯ブレーキを踏み込むが、トレーラーに追突してしまった。
 エアバッグが飛び出してきて、前方が白一色になり、そのエアバッグに向かって吐いた。
 朦朧となりながらドアを開け、車外へ這い出し、前方のトラックの運転席まで行くと、車内には誰もいない。
 自分の車のほうを振り返ると、トンネルは入口の明かりが見えないほど、長いものになっていた。
 眩暈と吐き気、それに追突事故。パニック状態なのかとも考えたが、自分の精神は混乱はしていない。それはわかる。
 自分の車を見ると中破していて、自走できるか微妙な損傷状態だ。進行方向には出口の明かりが見えるが、後方は闇が広がっている。首都高のトンネルを満たしていたオレンジの光はどこかに消えていた。
 もう一度、吐いた。胃酸の苦い味が口の中に広がる。たまらなく不快だ。
「ヒューン」という不気味な音、あるいは声が聞こえた。
「ヒューン」また聞こえた。
 背筋が凍りつくような不気味な音。怖かった。パニックになりかけていた。
 手順を考えようとした。自分のクルマは走るかどうか分からない。そして、この場を逃げ出したい。だが、この眩暈と吐き気では、自分の足では走れない。
 このときになって、初めて五〇〇〇万円分の金貨が惜しくなった。
 自分のクルマのリアゲートを開けると、まず金貨の入ったキャリーバッグを引っ張り出した。そして、それをトラックの右フロントフェンダー横まで移動した。
 もう一度、自分のクルマに戻りスーツケースとビジネスバッグを引っ張り出して、キャリーバッグの位置まで持っていく。
 そのトラックは左ハンドルで、またもや予測が外れ、そこに少しの焦りが入り込み、その瞬間、三度目の「ヒューン」という声を聞いて、完全に動揺してしまった。
 右のドアを開け、キャリーバッグ、スーツケース、ビジネスバッグを載せた。このクルマは、トラックではなくSUVのようだ。
 左のドアを開け運転席に乗り込むと同時にイグニッションキーを探した。
 見つからない。さらに焦る。ステアリングホイールの右下横の小さいボタンを押すが、セルモーターが回らない。イグニッションスイッチを探す。それらしいスイッチを下げ、小さなボタンを押した。セルモーターが回転する。そして、幸運にもエンジンが始動した。
 クラッチを踏み、ギアをローらしき場所に入れ、ハンドブレーキを解除して、アクセルを踏み込みながらクラッチを戻していくと、ガクガクしながらも前進してくれる。
 そのままアクセルを踏み続け、トンネルの出口に向かった。
 一〇〇メートル近く前進したはずだ。

 トンネルの外は、やさしい太陽の光に満ちていた。一瞬、ほっとしたが、それはありえないことに即座に気付いた。ここは東京のど真ん中、霞ヶ関ICの周囲はビルに囲まれている。さらに、トンネルの出口付近は、切り通しになっているはず。

 不安は的中した。眼前にビルはない。草原が広がっていて、空は青く、白い雲が流れていく。
 クルマから降り、後ろを振り向くと、そこにも草原が広がっている。うねる大地、緑の草原、青い空、白い雲。周囲三六〇度、見渡す限りそれ以外何もない。

「何なんだ」とつぶやき、恐怖を感じて泣き出したい気持ちだった。
 合理的な説明を考えた。事故による意識障害で、自分の意識は行動しているつもりだが、実際は怪我のために身体の自由が奪われている。本当は、意識不明なのかもしれない。テレビのオカルト番組で見た、臨死体験なのだろうか?
 運転席に戻り、ステアリングホイールに両手をついて、その間に顔を埋めた。しばらく、そうしていたかった。そのうち意識が戻るはずだ。
 だが、その姿勢に耐えられたのは一五分が限界だった。もともと、忙しい性格なのか、何もせずじっとしていることが苦手だ。
 まぁ、何をしていようと、意識が戻ればすべてが解決する。

 もう一度車外に出た。
 このとき気付いた。このクルマは、前輪が普通のタイヤで、後輪が履帯(キャタピラ)のミリタリー風ハーフトラックだ。
 このトラックが軍用車系SUVだということはダッシュボードの形状でわかっていたが、民間のクルマだとばかり思い込んでいた。
 本物の軍用車らしい。ユーザーはミリオタだろう。
 二二歳で地方の国立大学工学部機械工学科を卒業し、外資系の出版社に就職して、最初に与えられた仕事が軍事オタク向けの書籍の編集だった。
 旧軍や自衛隊関連の兵器の情報や歴史的な出来事を本にする仕事なのだが、そういった仕事の中で否応なく兵器とか武器とかには詳しくなった。
 その仕事を五年続け、いまは異動して世界の高級リゾートを紹介するクラスマガジンの編集に携わっていたが、まだまだミリオタ系のほうが本職のような状況だ。

 自衛隊の車輌でないことは、すぐに分かった。こいつはホワイトM3ハーフトラックだ。
 アメリカ製のM3ハーフトラックは自衛隊も使っていたが、一九六〇年代には退役していたはず。アメリカ軍の車輌も退役している。
 だから、ミリオタの持ち物かもしれないと思う。この時代の軍用車をレストアして、楽しむマニアは少なからずいるのだ。
 ハーフトラックは、日本語では半装軌車と呼ぶ。前輪は普通の自動車と同じでタイヤがあり、後輪に相当する部分はブルドーザーや戦車のような履帯になっている。
 第二次世界大戦期の軍用車に多い形式だが、現在でも農業用トラクターや豪雪地用トラックで使われている。普通の自動車のように運転でき、戦車やブルドーザーのように悪路を走れる、便利なシステムだ。
 当時の軍用ハーフトラックの後輪に相当する履帯は金属製がほとんどだが、M3ハーフトラックは鋼製ワイヤーに硬質ゴムを合わせたものだ。そのため、整地での最大時速が七二キロと、高速走行性に優れている。
 M3の車体は天井を除いて装甲されており、装甲車や装甲兵員輸送車に分類される戦闘車輌だ。

 リアのバンパー付近を覗き込んだ。ナンバーがない。やはりおかしい。民間はもちろん、自衛隊の車輌にも、ナンバーがあるはずだ。
 なんともいえない不安感と不快感が、また口元まで上がってきた。そういえば、首都高のトンネル内で吐いて以降、口の中が粘ついている。
 助手席に戻り、ビジネスバッグを手繰り寄せて、ファスナーを開け、飲みかけのペットボトルを出して、ミネラルウォーターを一口含み、口の中をすすいだ。続けて一口飲んだ。
 眩暈と吐き気は治まっていたが、わずかに頭痛がした。だが、意識は鮮明だ。
 そのことと、事故後の自分の真の状況とが一致しているかどうかは分からないが……。
 運転席側のドアを開け、車内を見渡すと、運転席後方のガンラックに短機関銃が置かれている。運転席の座面に片膝をついて、短機関銃を手にした。アメリカ軍制式のトンプソン・サブマシンガンだ。トミーガンとも呼ばれる。銃弾を装填するためのコッキングハンドルが上面についているので、原型に近いM1928だろう。M1なら右横にある。
 モデルガンかとも思ったが、用心のため安全装置を確認し、弾倉を外してから、コッキングハンドルを手前に引いた。薬室に弾は入っていなかったようで、排出されなかった。
 銃口を覗くと、銃身は貫通しているようだ。玩具ではなく、実銃なのか?
 弾倉には弾薬が入っている。本物であれば危険なので、弾倉を外したままにして、銃本体はガンラックに戻した。
 運転席と助手席の間にも座席がある。中央の座席の座面には、トミーガンの弾倉ポーチ、水筒、銃剣、拳銃のホルスターが付けられた布製のベルトがある。
 ホルスターから拳銃を引き抜くと、コルトM1911ガバメントだ。
 グリップセイフティを握らないようにして、弾倉を外した。遊底をスライドさせて、弾を排出しようとしたが、やはり薬室には装填されていない。こちらも銃身は貫通していて、実銃のようだ。
 以前、韓国を旅行した際、興味本位八割、仕事上の要求二割で、拳銃を撃ったことがある。だから、実銃を持つのは初めてではない。本物かどうかを確認するには、実際に撃ってみる必要がある。
 だが、それはしなかった。自分が幻覚か何かの中にいて、銃だけが本物で、発砲することによって誰かが傷つくことが嫌だった。

 車体後部の兵員室をのぞくと、大きな木箱以外は空荷だ。
 兵員室と前席の上部には、カーキ色の幌が掛けられている。
 外装はボンネットの上と、兵員室横に白い星のマークが描かれている。車体には、機関銃などの武器は備えられていない。
 また、口径一二・七ミリのM2重機関銃用のマウントもない。
 とにかく、待つことにした。何を待つのかは分からないが、しばらくすれば眼が覚めるかもしれない。
 ケータイを取り出した。この時代になっても、さしたる理由はないのだがスマホではなくガラケーを使っていた。
 ガラケーの時計は、止まることなく動いている。すでに一六時を過ぎている。アンテナを見ると、圏外になっている。ものは試しで会社に電話してみたが、当然のようにダメだった。

 一時間半が過ぎた。太陽は沈む直前で、少し寒くなってきた。
 車外に出て、周囲を見渡したが景色に変化はない。
 金貨の入ったキャリーバッグを助手席の上に置き、スーツケースを助手席側の床に置いた。トミーガンとガバメントは、弾倉を外したままを中央の座席の座面に置き、銃剣が付いたベルトは兵員室に放り込んだ。
 スーツの上着を脱ぎ、ネクタイを外し、スーツケースから引っ張り出したこげ茶色のジップパーカーを着た。
 運転席側と助手席側のドアの上半分を上げて、外気の侵入を防ぐようにしてから、運転席に上がった。

 闇の訪れは早かった。ただ、満月は地形を判別する程度には光を放っていた。
 二〇時を過ぎた頃、獣の咆哮を聞いた。近くはないが、遠くもないようだ。イヌの遠吠えのようなものも聞こえる。不気味だが、不思議と恐怖は感じなかった。
 二二時頃、クルマの周囲を動物らしき何かが徘徊する気配を感じた。かなり大きな動物のようだ。グルグルという喉を鳴らすような声を出すが、その位置が車体の高さの上にある。
 息を殺して離れるのを待ったが、月光に照らされ、車体の前を横切ったその姿は、驚愕すべき大きさだった。
 ゾウよりも大きいかもしれない。大きな頭に巨大な顎と鋭い歯があり、明らかに肉食獣だ。
 その生き物が、車体に身体を押し付け始め、その当たりが徐々に強くなっていく。
 我慢は恐怖に負けた。チョークを引き、アクセルペダルをいっぱいに踏み込み、セルモーターを回した。
 エンジンは一発で始動した。チョークを半分戻し、アクセルを吹かすと、動物は車体から一瞬離れたが、勢いをつけて体当たりしてきた。
 チョークを戻し、クラッチペダルを踏み込み、ギアをローに入れ、ハンドブレーキを下げ、走り出した。
 ゆっくりと、安全運転で、草原を走っていく。ヘッドライトの点灯の仕方が分からず、月明かりだけを頼りに走った。
 動物は執拗に追ってきたが、マフラーが発したバァーンという盛大なバッグファイアの音で、逃げ出したようだ。
 数分だけ走り、危険を感じて停止し、エンジンを止め、そのまま夜を明かした。二四時を過ぎる頃まで、獲物となった動物の悲鳴だろうか、ときどき断末の鳴き声が草原に響き渡っていた。
 明け方近くになると、また動物たちの活動が活発になったようだが、クルマには近付いてこなかった。

 夜が明け、太陽が昇り始めると、草原は昨日と同じように穏やかな様子を見せている。
 昨夜は一睡もせず、ペットボトルの水だけを飲んで、何も食べずにいた。
 空腹を感じていたが、食べ物はなかった。スーツの上着のポケットにのど飴があったので、一粒口に放り込んだ。そうすると、無性に腹が減ってきた。
 喉も渇くし、腹も減るし、頬をつねれば痛くもある。事故を起こし怪我をした自分がどのような状態にあるのかは分からないが、空腹は何とかしたかった。
 中央の座席のトミーガンとガバメントを運転席の座面に移し、中央の座席から兵員室に移った。兵員室は意外に狭く、薄暗く、また床には段差があった。
 大きな木箱の中を漁ってみた。
 その中には乱雑に紙製の小箱が入っていた。Breakfastと書いてある小箱を開けると、質素な包装のビスケットやチョコレートバーが出てきたので、賞味期限を探したが記載らしきものがない。
 躊躇したが、空腹に耐えかねて食べることにした。この小箱はたぶん、Kレーションという戦闘口糧だと思う。

 トレーラーの中身が気になり始めていた。
 トレーラーは鉄板に覆われている。パネルトラックの荷台に似ているが、外装はアルミ材ではなく、明らかに鋼鉄だ。現金輸送車の雰囲気もある。
 幅は装甲車の車体とほぼ同じ約二メートル、荷台の長さはショートボディ二トン・トラックの荷台よりもやや短い二・五メートル程度だ。
 軍用の小型トレーラーに多いファンダーが独立していて、荷台の幅が狭くても床がフラットな形式ではなく、トレッド幅いっぱいに荷台がある。パネルトラックの運転席部分を取り払ったような形状だ。
 地上から天井までの高さは二メートル以上あるが、タイヤが装甲車の前輪と同じで径が大きく、荷台の高さは一・三メートルほどしかない。
 後部のドアは観音開きで、開放幅は荷台幅いっぱいではなく、左右が四〇センチほど短い。貨物車としては使いにくそうだ。
 後部ドアも鋼鉄板製で、上下で分割できるようになっている。上面を外側に倒し、ロックすれば荷台の換気ができる構造だ。
 外装にはアメリカ軍を示す白い星などの塗装がなく、またシリアル番号、部隊表記、トレーラーの型式をしめす塗装やパネルが一切ない。非正規の車輌のようだ。

 トレーラーの後部ドアを開けると、幅五〇センチ、高さ二〇センチくらいの木箱が六段二列で積まれている。
 荷台によじ登り、木箱を上から眺めると、奥行きは一二〇センチくらいある。同じ大きさの箱は、奥にも二列ある。
 蓋を開けると、小銃が五挺入っていた。専用の箱ではないようだが毛布を緩衝材にして、丁寧に納めてあった。小銃は、M1ガーランド半自動小銃だ。
 
 ガーランドの入っていた箱の右隣りの箱を開けると、BAR自動小銃一挺とM1カービン半自動銃が四挺が入っていた。
 荷台の左横に入り込み、左側奥の箱を開けてみた。M1903A4ボルトアクション狙撃銃一挺とM1ガーランドが二挺、そして皮製ホルスターに入ったガバメントが二挺、銃剣もある。
 トレーラー右側奥の箱には、手榴弾とライフルグレネードの擲弾と発射用の小銃の銃口に取り付けるアダプターがあった。
 また、トレーラー左奥にはスペアタイヤ、右奥には予備履帯が積まれている。

 どうも、一個分隊分の火器があるようで、毛布や布類は緩衝材に使われているものを除けば、何もないようだ。
 運転席のトミーガンとガバメントは、このクルマの運転手のものらしく、トレーラーの積荷とは別なのだろう。
 第二次世界大戦時の武器がM3装甲車に積まれていて、それを二一世紀のサラリーマンが運転しているという、珍妙な様子の整合性はありようもないのだから、この状況を受け入れる気持ちはなかった。
 そもそも、事故のショックで幻覚か何かを見ているだけで、意識が戻れば病院のベッドの上なのだと、思い込もうとしていた。
 太陽が高くなるにつれて、自分の意識が少しずつ変化し始めていた。
 もし、現在の状況が幻覚ではない、現実であったならば、今後どうするのか。幻覚の中の出来事だとしても、今後どうするのか。
 すべては、自分が決断するべきことであった。

 一二時少し前、遠くで人の声が聞こえた。
彼方を遠望すると、一〇〇人ほどが西に向かって歩いていく。五人が馬に乗り、馬車が最後部を進む。しばらく、観察することにした。用心に越したことはない。
 徒歩の人々の歩き方が、どこか重く感じられた。少し近づいてくると、その理由が分かった。徒歩の人々はロープでつながれているのだ。両足にもロープが付けられている。両手は縛られ、太い一本のロープに二〇~三〇人がつながれている。それが五組いる。
 女性や子どももいるようだ。
 それまでは立ったまま様子見をしていたが、まるで奴隷か捕虜の行進のような状況を見せられて、片膝を地面について姿勢を低くした。こちらの方が小高い丘陵部の頂上あたりにいて、行進は丘と丘の間の緩やかな谷のようになった所を進んでいる。丘の勾配はきつくなく、なだらかだ。
 男性らしいグループの中で、一人が倒れた。なななか立ち上がらず、そのまま引きずられていく。馬に乗った人が近づき、すぐに馬を降りて数珠繋ぎのロープから切り離された。
行進の列から引きずり出されると、長剣で突き刺した。
 このとき、すでに行進との距離は、一〇〇メートルまで近付いていた。
 殺人の現場を見た驚きと恐怖で、立ち上がってしまった。
 すると、騎馬の二人が気付き、全速力で追ってきた。
 装甲車に向かって走った。距離は一〇メートルほど、なだらかな坂を転がるように走りながら、これからの行動をシミュレーションした。
 騎馬が装甲車に達するまで一五秒、最大でも二〇秒。その間に、乗り込んで、エンジンを始動させて走り出すのは無理だ。
 運転席のドアを開け、トミーガンと弾倉をつかみ出し、弾倉を装着し、安全装置を外し、コッキングレバーを引くと、先行する抜刀した騎馬が眼前に迫っていた。
 とりあえず、空に向かって発砲すると、一瞬ひるんだが、後方から迫っていた騎馬が突進してきた。
 精神的な余裕はなかったが、恐怖も感じなかった。トミーガンを撃ちまくると、馬上から人が崩れ落ちるのが見えた。さらにもう一人が斬りかかってきたので、倒れ込んで刃を避け、尻餅をついた状態で斉射すると、馬が暴れて騎馬兵は振り落とされた。だが、すぐに立ち上がり、斬りかかってくる。
 眼をつぶって斉射すると、仰向けに倒れた。

 人を殺した実感は確かにある。幻覚とか、事故で意識がどうのとか、そんなことに関係なく、人を殺した感触がある。
 恐ろしくなり、装甲車を走らせて、北に向かった。

 一時間ほど走るが、どこまでも丘陵地帯が広がっているだけで、景色の変化はなかった。また、この状況となった最初の地点との相対位置が分からなくなることを恐れて、装甲車を止めた。
 時速二〇キロほどで、北へ一時間走ったはずだ。
 時間は、一四時を過ぎていた。
 装甲車の後部乗降口を開けてみた。そして、助手席に運び込んだ、スーツケースとキャリーバッグを後部の兵員室に運び込み、スーツケースからジーンズを出して、車外で着替えた。これ以上スーツが汚れるのが嫌だったし、それよりもスーツでは動きにくかった。靴は黒のビジネスシューズだが、靴底が厚いややカジュアルなものなので、歩きにくくはない。
 運転席に戻り、このクルマの持ち主の装備を調べた。M1928トンプソン短機関銃、ピストルベルトにはトミーガンの三〇発弾倉の三連ポーチが一つとコルトM1911ガバメント自動拳銃の二連弾倉ポーチが一つ、そして皮製ホルスターに収まったガバメントがある。ヘルメットは見当たらない。
 とりあえず、トミーガンの弾倉を付け替え、ガバメントの弾倉を外し、装弾数を調べた。ガバメントの装弾数は七発+一発で、この+一発は薬室に装填される。撃鉄を起こし、引き金を引けば発射でき、弾倉内の七発も連続して発射できる。だが、同時に暴発の危険もある。拳銃の取扱は厄介で、自分を怪我させることのほうが多いと聞いていたので、薬室には弾を装填しなかった。
 ピストルベルトを付けてみたが、身長一六八センチ、体重五五キロ、ウエスト七三センチの痩躯には、いささか大きすぎた。
 ただ、本来の持ち主も、さほど大柄ではないらしく、三〇分ほどいじっていたら、どうにか身体に合うようになった。
 ピストルベルトを外して中央席に置き、トミーガンはすぐに使えるよう運転席後方のガンラックに置いた。ピストルベルトは走行中の振動で落ちないように、中央座席の背もたれに引っ掛けた。
 すでに一五時を過ぎていた。あと二時間半もすれば太陽が沈む。夜間の走行は危険なので、安心して停めておける場所を見つけたかった。
 現在の場所は、なだらかな丘の中腹あたりで、三方への視界はいいが、丘の頂上の反対側は全く見えない。
 視界のいい場所を探すか、隠れる場所を探したほうがいいのか迷った。
 ただ、昨夜現れた巨獣や刀を抜いて襲ってきた連中との接触を避けるならば、隠れたほうが無難だろう。
 ただ、闇雲に動き回って、最後はガス欠で進退窮まることは避けたかった。燃料計は七割程度の位置を示しているし、左右のフロントフェンダー横には五ガロン缶がくくりつけてある。また、兵員室外板側面左右にも計五個の五ガロン缶が取り付けられている。
 五ガロン=一八リットルなので、計一二六リットルの予備燃料があることになる。
 そのとき、五ガロン缶の中身がガソリンかどうかが気になった。ラックに付けたまま缶のキャップを開けようとしたが、固くてあけにくい。三缶目でようやく開けたが、臭いはガソリンだ。
 装甲車の燃料タンクは兵員室前方左右にあり、総量は二三〇リットル。この燃料で、整地で二八〇キロの走行距離がある。すると、燃費はリットル当たり一・二キロということになる。車体タンクの残燃料が七割とすれば、五ガロン缶の燃料を除いて二〇〇キロ弱の走行距離になるが、完全な路外走行なので、その半分がやっとかもしれない。
 それほど遠くへはいけない。

 迷ったが、視界が開けている場所を選んだ。丘を登りきり、頂上付近の稜線を少し下ったところに窪地があり、そこに装甲車を入れた。車外に出て、ピストルベルトを付け、トミーガンを持って頂上まで上った。装甲車との距離は一〇メートルはないだろう。
 四方を見渡すと青い空、緑の草原、心地よい風以外、何もない。
 この状態を安全と呼んでいいのかは疑問だが、とりあえず危険ではないようだ。

 気温は二〇℃には達していないと思う。やや肌寒い。空気は乾燥しているようで、喉が渇く。水は五〇〇ミリリットルのペットボトルにミネラルウオーターが約1/3、同じ容量のペットボトルのビタミン炭酸レモンが未開封で一本、五〇〇ミリリットルの缶ビールが二缶ある。
 ガソリンよりも水を心配しなければならない。

 太陽が沈むまでには三〇分くらいの余裕がある。装甲車に戻り、また車内の物色を始めた。
 助手席のグローブボックスを開けると、汚れていないウエスとかなり汚れた日本手ぬぐいに巻かれたリボルバー拳銃が入っていた。
 弾倉をスイングアウトすると、ハーフムーンクリップでまとめられた弾が三発入っていた。弾を排出すると、それはガバメントと同じ四五ACPであった。
 ハーフムーンクリップは、四五ACP弾を三発ずつまとめて、弾倉に入れるための三日月形の金属製器具だ。
 四五ACP弾は自動拳銃用の薬莢の底に縁取り(リム)のない軍用弾だ。リボルバー拳銃の弾にはリムが必要で、これがないと弾が弾倉の中に入り込みすぎて、発射できなくなる。
 米軍の制式軍用拳銃はM1911自動拳銃だが、第一次世界大戦の際にこの拳銃の生産が間に合わず、数を補うためにコルト社とS&W社にM1911の拳銃弾、四五ACPを発射できる回転式拳銃を製造させた。
 これがM1917リボルバーで、その一部は第二次世界大戦初期まで使われた。自動拳銃用のリムレス弾を、リムド弾を使用する回転式拳銃で発射するための補助器具として、ハーフムーンクリップが考案された。
 グローブボックスには、他には何もなかった。
 運転席の背後を調べていると、中央の座席の真下に、新品のようなミュゼットバッグが入り込んでいた。カーキ色の布製のバッグを引っ張り出すと、その中にはファーストエイドポーチ(救急箱)、骨董品の双眼鏡が入っている。残念だが水筒は空だった。
 ミュゼットバッグは背負えるので、今後のことを考えて、中身と一緒にすぐに使えるように中央席の座面に置いた。リボルバーは、ミュゼットバッグの中に入れた。
 トレーラーの二四個の木箱は全部を開けて、中身を確認するには車外に出さなくてはならない。
 現在の場所は広いスペースではなく、それをするには適していない。
 だが、トミーガンの弾薬を探しておきたかった。
 トレーラーの荷台から左側手前列最上部の一箱を運び出し、その下の箱を調べた。
 その木箱の中には、スチール缶が詰まっていて、最初に開けた缶の中に四五ACP弾が紙箱に詰められてあった。トミーガンの弾は、ガバメントと同じ四五ACPなので、一箱を取り出し、運転席に持っていった。
 M1ガーランドとM1カービンの弾薬は非常に多かった。木箱二〇個がすべて弾薬とすると、膨大な量だ。

 結局、車内からは水は一滴も見つからなかった。
 バッグから双眼鏡を取り出し、頂上に上がった。ピストルベルトは付けなかったが、トミーガンは肩に掛けていた。
 双眼鏡で周囲を探索した。この丘は、一帯では最も高く、空気が澄んでいることもあって、かなり遠くまで見渡せた。
 南西の方向に、川があるようだ。距離感がつかめず、どれほどの時間でたどり着けるのかが分からない。また、川のように見えるものが、本当に川かどうかも分からない。
 しかし、このままではあと数日で渇きのために身動きできなくなる。
 明日、日の出を待って、南西に向かってみることにした。

 昨夜とは異なり、日没までに準備をすることができた。フロントの装甲板を下げ、左右ドアの上半分の装甲板を上げた。天井は幌だが、それでも密閉した空間が作れた。
 一晩、息を潜めていれば、巨獣に気付かれることはないだろう。少しは眠れるかもしれない。いささか疲れを感じていた。

 運転席に座った姿勢で、日没から時間を経ずに眠ってしまったらしい。ケータイで時間を確認すると、深夜の二時だった。車内からの視界は狭く、外の様子は何も分からない。
 ケータイの電池が切れ掛かっており、電源をオフにした。予備の乾電池が二個あるので、大事に使えば一週間くらいは時計の代用に使えそうだ。
 このとき気付いたのだが、時間は元の世界とこの世界では、ほとんど時差がないようだ。だが、いま生きていく上では、あまり重要なことではない。

 夜明け前の三時ごろ動物の群れが走り去るような音を聞いた。また、ライオンの咆哮のようなものも聞こえてきた。それらは、日の出の直前で、聞こえなくなった。
 明るくなり始めたのは五時頃、太陽が完全に昇ったのは五時半頃だった。これを確認して、ケータイの電源をオフにした。
 しばらくは時計のない生活をしなければならない。

 朝、戦闘口糧のパッケージから抜き出したビスケットを食べ、装甲車備品のスコップで穴を掘り、用を足してから装甲車に乗り込んだ。今日からは、用を足す際は葉っぱを使うことにした。いまや、ティッシュは貴重品だ。
 今日もエンジンは一発で始動した。このクルマの癖はだいぶつかめてきた。前輪を駆動にして、ローギアで走り始める。そして、太陽を観測しながら、南西と思う方向に向かった。
 装甲車のフロントの装甲板は上げている。また、運転席側ドアの上部装甲板は下げている。視界を広くしておかないと、谷底に落ちそうで怖かった。
 まず、丘を下り、丘と丘が交わる谷のような地形に沿って、西に向かって走った。時速二〇キロ程度の低速で、ギアは副変速機をハイにして、その状態で主変速機の二速ギアで進んだ。
 後部の履帯が、草で滑ることがあり、運転には注意が必要だ。シートが粗末で、尻が痛い。歩くよりは楽と思い、毒づきながら我慢する。

 太陽が真上にある。おそらく一二時頃だ。途中何度か位置の確認のために丘に徒歩で登った。五〇キロは進んだと思う。
 人間との接触はなるべく避けたかった。昨日のように人を殺したくないし、殺されたくもない。
 この世界で一番危険なのは、巨獣なんかじゃない。見境なく刀を振り回す人間だ。

 峠のような地形に出たので、ここで一休みし、最後の水を一口飲んだ。まだ、炭酸飲料とビールがあるが、これで水が尽きた。
 峠からは視界が開けていて、肉眼でも川を視認することができた。川は南から西に流れているようで、大河というよりは小川みたいなもののようだ。
 峠の先は地形が険しく、装甲車では進めないようだ。丘の稜線を北に進むと、なだらかに標高が下がっていくようなので、このルートを選んだ。ただ、峠から見る限り、川の北側の土地は乾燥しているようで、サバンナに似た状態らしい。さらに北の深部も遠望できたが、砂漠化しているように見えた。
 丘の稜線を上がり、頂上から少し下がった地点でクルマを止めた。
 西の方向をしばらく観察していると、川の南側に煙が数本立ち登っている。煙の数は増えていき、その数は二〇を超えた。
 おそらく、人家がある。煙から推測すると、二〇から三〇戸くらいの村だろうか。
 煙の数はさらに増えていき、川が南から西に向けて流れを変える地点から二キロほど先に、いく筋もの煙が立ち昇った。炊事のための煙だろう。

 どうすべきか考える必要があった。水の近くには人や動物がいる。これは当然のこと。
 このまま川に近づけば、人との接触は避けられないだろう。しかし、川に近付かなければ水は手に入らない。
 この場所からでは遠すぎるので、もう少し北西に向かって丘を下ることにした。
 川の水面と峠との標高差は三〇〇メートルくらいあると思う。近付くにつれて、川の周囲の様子がよく分かってきた。川幅は一〇メートル程度、川岸には葦のような植物が茂っていて、南岸は数メートル高くなっているが、北岸は平坦だ。南岸の川沿いには街道があるようで、人の往来が見える。
 街道から装甲車が見える恐れがあるので、日没まで隠れる場所を探して、北西に向かって走った。
 途中、川の北側を観察すると、砂漠の中に岩山が点在している。岩山はオーストラリアのエアーズロックのような形状で、高さは最大でも一〇メートルくらいのようだ。
 岩山にはフィヨルドのようなヒダがある。ヒダの奥が内湾のように広がっている場所もある。
 川の近くの岩山に狙いを定め、ヒダの奥に隠れることを考えた。この案が可能かどうかは分からないが、昼のうちに手ごろな場所の当たりを付けておきたい。
 川から離れすぎない位置でクルマを止め、徒歩で稜線の見晴らしのいい場所まで行き、岩山の観察を続けた。

 私は、この異常な体験を現実のこととして、受け入れ始めていた。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

ヤンデレ美少女転校生と共に体育倉庫に閉じ込められ、大問題になりましたが『結婚しています!』で乗り切った嘘のような本当の話

桜井正宗
青春
 ――結婚しています!  それは二人だけの秘密。  高校二年の遙と遥は結婚した。  近年法律が変わり、高校生(十六歳)からでも結婚できるようになっていた。だから、問題はなかった。  キッカケは、体育倉庫に閉じ込められた事件から始まった。校長先生に問い詰められ、とっさに誤魔化した。二人は退学の危機を乗り越える為に本当に結婚することにした。  ワケありヤンデレ美少女転校生の『小桜 遥』と”新婚生活”を開始する――。 *結婚要素あり *ヤンデレ要素あり

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。

MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。

むっつり金持ち高校生、巨乳美少女たちに囲まれて学園ハーレム

ピコサイクス
青春
顔は普通、性格も地味。 けれど実は金持ちな高校一年生――俺、朝倉健斗。 学校では埋もれキャラのはずなのに、なぜか周りは巨乳美女ばかり!? 大学生の家庭教師、年上メイド、同級生ギャルに清楚系美少女……。 真面目な御曹司を演じつつ、内心はむっつりスケベ。

クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?

青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。 最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。 普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた? しかも弱いからと森に捨てられた。 いやちょっとまてよ? 皆さん勘違いしてません? これはあいの不思議な日常を書いた物語である。 本編完結しました! 相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです! 1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…

戦場の英雄、上官の陰謀により死亡扱いにされ、故郷に帰ると許嫁は結婚していた。絶望の中、偶然助けた許嫁の娘に何故か求婚されることに

千石
ファンタジー
「絶対生きて帰ってくる。その時は結婚しよう」 「はい。あなたの帰りをいつまでも待ってます」 許嫁と涙ながらに約束をした20年後、英雄と呼ばれるまでになったルークだったが生還してみると死亡扱いにされていた。 許嫁は既に結婚しており、ルークは絶望の只中に。 上官の陰謀だと知ったルークは激怒し、殴ってしまう。 言い訳をする気もなかったため、全ての功績を抹消され、貰えるはずだった年金もパー。 絶望の中、偶然助けた子が許嫁の娘で、 「ルーク、あなたに惚れたわ。今すぐあたしと結婚しなさい!」 何故か求婚されることに。 困りながらも巻き込まれる騒動を通じて ルークは失っていた日常を段々と取り戻していく。 こちらは他のウェブ小説にも投稿しております。

処理中です...