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お部屋訪問
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彼が、うちの目の前のコンビニで買い物をしてくるというので、喜んで部屋番号だけ教えて急いで家に帰った。
洗濯物を取り込んで、寝室に投げ込もうとして思い出す。
あれがこうなってああなってそうなったとき、ここには来る。
そうしたら、洗濯物ってどこに置くの!?慌てて簡単にたたんで衣装ケースに入れる。軽くごみをまとめて、雑誌を部屋の隅っこに置いた
そこまでしたところで、インターホンが鳴った。
「いらっしゃいませ」
おずおずと声をかけると、視線をあげた彼が、「お邪魔します」と笑った。
部屋に招き入れると、大塚さんはネクタイを緩めながら、
「先にシャワー借りていい?オレ汗っかきで」
「あ、うん。どうぞ」
返事をして、浴室を示すと、大塚さんは歩きながらネクタイをほどいてシャツのボタンを外していく。
その後姿を見送りながら、ふと気がつく。
―――私、初めてだって言ったっけ?
なんだかとってもリラックスしたまま浴室へ向かった背中を見て、不安になる。
彼氏が欲しくて無理矢理付き合いだしたことは話した。
話して……?その彼とは体験していないと言ったっけ?
言ってない。言うわけない。
大体、付き合うための理由が、「えっちしてみたかったから!」だなんて、話せるわけがないのだ。
「どっ……」
どどどどどどどうしよう!?
というか、彼がシャワーを浴びている間、私は何をしていればいいの!?
とりあえず検索してみる。困った時のグーグル先生だ。
『ベッドで待ってろ』
「………」
―――できるかあああ!
他にはないの?他には……っ!
「ああ、別に普通にコーヒーでも飲んで待っててくれたらいいけど」
必死で探していた私の背後から聞こえた声に、固まった。
「それか、着替えとか、準備するものもあるんじゃない?」
肩越しに、湿った髪の毛が現れて、私のスマホを覗き込んでいた。
「まあ、スマホを必死で見ているのはあまりおすすめしない。今回は可愛い検索内容だったからいいけど」
じわじわと熱を持ってくる顔のまま振り返れば、目を細めて嬉しそうにしている大塚さんが上半身裸で立っていた。
「そんなに心配しなくても、マニュアルとかないから。シャワー、いっておいで?」
頭を撫でられて、軽く頬にキスをされた。
そんな甘い雰囲気に飲み込まれながら、頷いて…、
「早すぎる~~~!」
泣きながら、私は着替えを抱えて浴室へ走ったのだった。
「それは……男性に言うのは禁句」
呆れた顔で大塚さんが呟いていたのは気がつかなかった。
シャワーを浴びて、綺麗にした。ムダ毛まで完璧だ。
そして……どんな格好で出て行けばいいのか。
グーグル先生ぃ~~!
そう思ってスマホを持ち上げたところで声がした。
「格好はどんなでもいいけど、俺はバスタオル一枚が好みだなあ」
そんな声がして、びっくりしてスマホが床に落ちた。
「覗いてはないよ?ただ、水音が止まって、しばらくそこでごそごそしていたら、なんとなく予想がついた」
なんて推理力!もう、頭が上がりません。
落ちても無事だったスマホを拾い上げて、大きめのバスタオルを体に巻き付けた。
「…………………」
これで、出て行くのか。
一人ならいざ知らず、浴室の外には男性がいるというのに。
それって、痴女じゃないか?
「暗くしたから出ておいで」
さっきよりも優しい声が聞こえた。
洗濯物を取り込んで、寝室に投げ込もうとして思い出す。
あれがこうなってああなってそうなったとき、ここには来る。
そうしたら、洗濯物ってどこに置くの!?慌てて簡単にたたんで衣装ケースに入れる。軽くごみをまとめて、雑誌を部屋の隅っこに置いた
そこまでしたところで、インターホンが鳴った。
「いらっしゃいませ」
おずおずと声をかけると、視線をあげた彼が、「お邪魔します」と笑った。
部屋に招き入れると、大塚さんはネクタイを緩めながら、
「先にシャワー借りていい?オレ汗っかきで」
「あ、うん。どうぞ」
返事をして、浴室を示すと、大塚さんは歩きながらネクタイをほどいてシャツのボタンを外していく。
その後姿を見送りながら、ふと気がつく。
―――私、初めてだって言ったっけ?
なんだかとってもリラックスしたまま浴室へ向かった背中を見て、不安になる。
彼氏が欲しくて無理矢理付き合いだしたことは話した。
話して……?その彼とは体験していないと言ったっけ?
言ってない。言うわけない。
大体、付き合うための理由が、「えっちしてみたかったから!」だなんて、話せるわけがないのだ。
「どっ……」
どどどどどどどうしよう!?
というか、彼がシャワーを浴びている間、私は何をしていればいいの!?
とりあえず検索してみる。困った時のグーグル先生だ。
『ベッドで待ってろ』
「………」
―――できるかあああ!
他にはないの?他には……っ!
「ああ、別に普通にコーヒーでも飲んで待っててくれたらいいけど」
必死で探していた私の背後から聞こえた声に、固まった。
「それか、着替えとか、準備するものもあるんじゃない?」
肩越しに、湿った髪の毛が現れて、私のスマホを覗き込んでいた。
「まあ、スマホを必死で見ているのはあまりおすすめしない。今回は可愛い検索内容だったからいいけど」
じわじわと熱を持ってくる顔のまま振り返れば、目を細めて嬉しそうにしている大塚さんが上半身裸で立っていた。
「そんなに心配しなくても、マニュアルとかないから。シャワー、いっておいで?」
頭を撫でられて、軽く頬にキスをされた。
そんな甘い雰囲気に飲み込まれながら、頷いて…、
「早すぎる~~~!」
泣きながら、私は着替えを抱えて浴室へ走ったのだった。
「それは……男性に言うのは禁句」
呆れた顔で大塚さんが呟いていたのは気がつかなかった。
シャワーを浴びて、綺麗にした。ムダ毛まで完璧だ。
そして……どんな格好で出て行けばいいのか。
グーグル先生ぃ~~!
そう思ってスマホを持ち上げたところで声がした。
「格好はどんなでもいいけど、俺はバスタオル一枚が好みだなあ」
そんな声がして、びっくりしてスマホが床に落ちた。
「覗いてはないよ?ただ、水音が止まって、しばらくそこでごそごそしていたら、なんとなく予想がついた」
なんて推理力!もう、頭が上がりません。
落ちても無事だったスマホを拾い上げて、大きめのバスタオルを体に巻き付けた。
「…………………」
これで、出て行くのか。
一人ならいざ知らず、浴室の外には男性がいるというのに。
それって、痴女じゃないか?
「暗くしたから出ておいで」
さっきよりも優しい声が聞こえた。
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