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第一章 黒い悪魔の逃亡
第六話 方向音痴なんて認めない
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地下室に軟禁されていたレオナはフェリスの気配がないことに気付き行動を開始する。
最初にドアの横に隠れ朝食を届けに来た男を背後から襲い声が出せないよう裸絞めにし意識を奪った。そして男の剣と鍵を採り剣で男の服を切り取り切り取った布をもう一度斬って二枚の布にし、一枚目で手を後ろに組んで縛り、二枚目で口を塞いだ。
違和感から男が起き、自分の状況を確認し、助けを呼ぼうとしたが口が塞がって助けが呼べなかった。
そんな見張りにレオナが言う。
「まだ人殺しになりたくないの。殺さないだけ感謝してよね」
男が持って来た朝食を急いで食べるとレオナは慎重に部屋を出て鍵を掛け足音を立てないように歩き上へと上がった。幸い誰にも見付からず近くの誰もいない部屋に入り窓の外を調べ人がいないと分かると窓から外に出た。
部屋の中からは死角になって気付かなかったが屋敷の門に門番が二人いたことから裏門にも最低一人門番がいると判断し、レオナは目の前にある二メートルを少し過ぎた石塀に姿勢を低くしながら向かい石塀の側に着くと足に魔力を込めて高くジャンプして石塀を乗り越えた。
なんとか脱出したレオナは気付かれないうちに人通りが多そうな場所へと走る。暫く走るとここが王都だと気付き人通りも多くなったことから走るのを止め目的地であるフェニックス城へと歩き出した。
暫く歩きダン地区にある噴水前を通ると首輪を付けた金髪の少女が道行く人に声を掛けている。そして少女はレオナの所にもやってきた。
「すいません。私と同じ首輪を付けた銀髪で、私と同じ顔の女の子を見ませんでしたか?」
「いいえ、見てないわ」
「そうですか」
少女は肩を落とした。
助けるつもりはなかったし助ける余裕もなかったが、気になってしまい結局助けることにする。
「そうガッカリしないで。手伝ってあげるから」
「本当ですか。ありがとうございます」
少女は瞳を輝かせた。
「私の名前はマリア・E・スカーレットです」
マリアはイヴの名を明かさなかった。前に不用意に出して捕まり、奴隷になったから親しい人以外にはイヴの名を明かさないことをガレックと姉妹の三人で決めた。
「私は・・・レオナだ。冒険者をやっている」
レオナは自分が今、女の格好をしてることを思い出しカトリーヌの名を出すこともいけないため自分はただの冒険者だということにした。
「冒険者ですか」
紅い翼による傭兵会社設立により冒険者は仕事を徐々に無くしていき今では数える程しか居らず、その全てが戦闘ランクSのベテランで年配者である。
レオナが明らかに嘘を吐いてると分かったマリアだが何か深い事情があると察し助言する事にした。
「あのレオナさん。言いにくいんですけど、今時冒険者ってほとんどいませんよ。いたとしてもみんな四十歳以上の凄腕の人達だけです。身分を隠すなら傭兵の方がいいですよ」
「そ、そう。ありがとう。でも私が何者かって聞かないの?」
「身分を隠すのに今時冒険者なんて選ぶ人はいません。いたとしたら世間知らずです。そんな世間知らずを使って悪さをしようとするのは無謀ですし、世間知らずは世に疎いだけで悪い人ではありませんので悪さはしません。世間知らずが身分を隠し一人で行動するには何か深い事情がある時だけです。それを私が聞いても解決できませんし、行動してるって事は解決する方法もしくは解決するのを手助けする者に心当たりがある場合だけです」
世間知らずと何度も言われ消沈しながらレオナは頷いた。
「マリアの言う通りよ。手助けの当てがあるからそこに向かう途中よ。でもよく気付いたわね」
マリアは苦笑いを浮かべることしかできなかった。何故なら自分もまた世間知らずで奴隷にまで身分を堕とされているからだ。
レオナは苦笑いをするマリアに首をひねるが今は人捜しだと気持ちを切り替えて言う。
「取り合えずマリア、捜してるこの名前は何て言うんだ?」
「私の双子の妹でアリスって言います」
「だから同じ顔か。じゃあ私はあっちを捜すからマリアはあっちを捜してくれ」
こうして二人は手分けしてアリスを捜し始めた。
暫くしてレオナは後ろから話しかけられた。
「すいません。私と同じ鈴の首輪を付けた、金髪の女の子を見ませんでしたか?」
レオナは振り替えり捜し人を見つけた。
「その子の名前はマリアで合ってる?」
「はい! そうです!」
「良かった。二人で君を捜してたんだよ」
「そうなんですか! ありがとうございます!」
「急いでマリアちゃんの所に行きましょう」
レオナはマリアが捜すといった場所に行ったが、そこにはもうマリアはいなかった。
「おかしいな。ここを捜すと言ってたのに」
「お姉ちゃん。また」
「またって何?」
アリスが説明する。
「お姉ちゃん方向音痴だから、すぐにいなくなるんです」
「えっ! じゃあ、迷子って」
「お姉ちゃんの方です」
アリスは訴えるようにレオナを見詰める。見詰められて人の良いレオナは観念して言う。
「一緒に捜しましょうか」
アリスはマリアと同じように瞳を輝かせた。
「私はアリスって言います」
「私はレオナ。よろしくね。アリスちゃん」
「はい」
このときレオナは知らなかった。
アリスもまた方向音痴だったことを。
それからレオナは、マリアを見つけてはアリスを捜し、アリスを見つけてはマリアを捜した。
昼頃になりアッシュが屋敷に戻ると部下が頭を下げてきた。
「申し訳ございません。アッシュ様!」
「とりあえず、頭を上げて報告」
「はい」
朝起きたことをアッシュに報告した。
「なるほどね。今回の落ち度は僕にあるね。ご飯を運ぶのを二人にするべきだった。向かうとしたら紅い翼だね。紅い翼を見張って」
部下達はすぐに紅い翼に向かった。
さて、報告にでも行きますか。
アッシュからの報告を受けてエドガーは顔を青くする。
「大丈夫? エドガー」
「これをシェリア様に報告するのは俺だぞ」
アッシュは苦笑いをした。
「でもこれで良かったんじゃない? どうせ無事に帰す予定だったし」
「そうもいかん」
エドガーはすぐにアヴァロン城へ報告に行った。
シェリアは聞き終えると暫く思案して言った。
「仕方ないわね。それじゃあ諦めましょう」
エドガーは解放されたと思い笑みを浮かべかけた時、常にシェリアの傍に控えているミシェルが言う。
「シェリア様よろしいですか?」
「何? ミシェル」
ミシェルはシェリアに近づき耳もとで声をひそめ話した。
「ジョルジュ様には十歳の御子息、ジャック様がおられます」
シェリアは表情には出さず心の中で笑みを浮かべた。
「そういえば北のロベリアのせいでカトリーヌは物騒よね。ミシェル」
「はい。ロベリア神建国は我がシンフォニアの宿敵。そんな宿敵の近くにあるカトリーヌに王族がいるのは危険かと」
「そうよね。そう言う事でキャンベル伯爵。ジャックを保護しなさい」
「なっ!」
「分かったわね。キャンベル伯爵」
エドガーは了承するしかなかった。
話が終わりエドガーが退室する時ミシェルがエドガーに話す。
「エドガー殿。ジャック様は体が弱いので注意してください」
「分かりました」
そう言ってエドガーは執務室のドアを閉めた。
エドガーが退室し暫くすると食器を片付けるためメイドがやってきた。
城仕えの浅いメイドはシェリアの前という事で緊張し、お客様用のティーカップを誤って割ってしまった。
「も、申し訳ございません!」
シェリアは震えるメイドを見て、次にミシェルを見た。
ミシェルは小さく頷き、部屋の外で護衛に付いていた親衛隊の隊員に命じる。
「この者を特別牢へ」
今まで特別牢に入った者は一度も戻った事はない。
メイドは泣いて謝るが隊員達は無理矢理連れて行った。
あの子はどれくらい持つかしら?
メイドの後ろ姿を見てシェリアは小さく笑った。
宿の戻ったエドガーはアッシュに説明した。
「さすがに警戒してる中の誘拐はきついよ」
「分かっている。下手したら死人が出る」
「それでもやるんだね」
「ああ、レオナ様がジョルジュ様や紅い翼の保護下に入ったら捜索隊が護衛に回る。そしたら死人がでる。その前に攫うぞ」
二人はすぐにカトリーヌ領に向かうため自動車に乗り車を走らせた。
「今日はカトリーヌに着いて終わりだな」
「そうだねぇ。カトリーヌの名産って何だっけ?」
「遊びに行くんじゃないんだぞ」
「分かってるよ。っで、何だっけ?」
エドガーは嘆息吐いて答えた。
「チーズだ」
レオナはようやく姉妹を捕まえた。
姉妹は互いを怒り始め、それが終わるとマリアが感謝を述べる。
「ありがとうございます。お礼にお昼おごります」
お腹を空いていたからマリアの言葉に甘えることにした。
昼食を食べ話し込んだりするうちに夕方になり、何故か家まで来てしまった。
家では何かを叩く音が聞こえた。
姉妹はレオナをリビングに案内しマリアが言う。
「レオナさんはここで待っていてください。私達は主に戻った事とレオナさんが来てる事を告げますので」
「ええ」
レオナをリビングに残し、姉妹は音の鳴る方に向かいアトリエに辿り着いた。
アトリエには汗だくのガレックが鉄を叩いていた。
「ただいま戻りました。ご主人様」
「暑いわね。この部屋」
「おう。まだ時間掛かるから飯の用意でもしとけ」
「分かりました」
「了解」
「それとご主人様。私達を助けてくれた恩人に夕食を御馳走したいのですがよろしいですか?」
「美女なら良い。野郎は追い返せ」
マリアは苦笑いを浮かべアリスは乾いた笑みを浮かべた。
「分かりました。それでは御馳走いたします」
相手が美女だと知りガレックは笑みを浮かべた。
最初にドアの横に隠れ朝食を届けに来た男を背後から襲い声が出せないよう裸絞めにし意識を奪った。そして男の剣と鍵を採り剣で男の服を切り取り切り取った布をもう一度斬って二枚の布にし、一枚目で手を後ろに組んで縛り、二枚目で口を塞いだ。
違和感から男が起き、自分の状況を確認し、助けを呼ぼうとしたが口が塞がって助けが呼べなかった。
そんな見張りにレオナが言う。
「まだ人殺しになりたくないの。殺さないだけ感謝してよね」
男が持って来た朝食を急いで食べるとレオナは慎重に部屋を出て鍵を掛け足音を立てないように歩き上へと上がった。幸い誰にも見付からず近くの誰もいない部屋に入り窓の外を調べ人がいないと分かると窓から外に出た。
部屋の中からは死角になって気付かなかったが屋敷の門に門番が二人いたことから裏門にも最低一人門番がいると判断し、レオナは目の前にある二メートルを少し過ぎた石塀に姿勢を低くしながら向かい石塀の側に着くと足に魔力を込めて高くジャンプして石塀を乗り越えた。
なんとか脱出したレオナは気付かれないうちに人通りが多そうな場所へと走る。暫く走るとここが王都だと気付き人通りも多くなったことから走るのを止め目的地であるフェニックス城へと歩き出した。
暫く歩きダン地区にある噴水前を通ると首輪を付けた金髪の少女が道行く人に声を掛けている。そして少女はレオナの所にもやってきた。
「すいません。私と同じ首輪を付けた銀髪で、私と同じ顔の女の子を見ませんでしたか?」
「いいえ、見てないわ」
「そうですか」
少女は肩を落とした。
助けるつもりはなかったし助ける余裕もなかったが、気になってしまい結局助けることにする。
「そうガッカリしないで。手伝ってあげるから」
「本当ですか。ありがとうございます」
少女は瞳を輝かせた。
「私の名前はマリア・E・スカーレットです」
マリアはイヴの名を明かさなかった。前に不用意に出して捕まり、奴隷になったから親しい人以外にはイヴの名を明かさないことをガレックと姉妹の三人で決めた。
「私は・・・レオナだ。冒険者をやっている」
レオナは自分が今、女の格好をしてることを思い出しカトリーヌの名を出すこともいけないため自分はただの冒険者だということにした。
「冒険者ですか」
紅い翼による傭兵会社設立により冒険者は仕事を徐々に無くしていき今では数える程しか居らず、その全てが戦闘ランクSのベテランで年配者である。
レオナが明らかに嘘を吐いてると分かったマリアだが何か深い事情があると察し助言する事にした。
「あのレオナさん。言いにくいんですけど、今時冒険者ってほとんどいませんよ。いたとしてもみんな四十歳以上の凄腕の人達だけです。身分を隠すなら傭兵の方がいいですよ」
「そ、そう。ありがとう。でも私が何者かって聞かないの?」
「身分を隠すのに今時冒険者なんて選ぶ人はいません。いたとしたら世間知らずです。そんな世間知らずを使って悪さをしようとするのは無謀ですし、世間知らずは世に疎いだけで悪い人ではありませんので悪さはしません。世間知らずが身分を隠し一人で行動するには何か深い事情がある時だけです。それを私が聞いても解決できませんし、行動してるって事は解決する方法もしくは解決するのを手助けする者に心当たりがある場合だけです」
世間知らずと何度も言われ消沈しながらレオナは頷いた。
「マリアの言う通りよ。手助けの当てがあるからそこに向かう途中よ。でもよく気付いたわね」
マリアは苦笑いを浮かべることしかできなかった。何故なら自分もまた世間知らずで奴隷にまで身分を堕とされているからだ。
レオナは苦笑いをするマリアに首をひねるが今は人捜しだと気持ちを切り替えて言う。
「取り合えずマリア、捜してるこの名前は何て言うんだ?」
「私の双子の妹でアリスって言います」
「だから同じ顔か。じゃあ私はあっちを捜すからマリアはあっちを捜してくれ」
こうして二人は手分けしてアリスを捜し始めた。
暫くしてレオナは後ろから話しかけられた。
「すいません。私と同じ鈴の首輪を付けた、金髪の女の子を見ませんでしたか?」
レオナは振り替えり捜し人を見つけた。
「その子の名前はマリアで合ってる?」
「はい! そうです!」
「良かった。二人で君を捜してたんだよ」
「そうなんですか! ありがとうございます!」
「急いでマリアちゃんの所に行きましょう」
レオナはマリアが捜すといった場所に行ったが、そこにはもうマリアはいなかった。
「おかしいな。ここを捜すと言ってたのに」
「お姉ちゃん。また」
「またって何?」
アリスが説明する。
「お姉ちゃん方向音痴だから、すぐにいなくなるんです」
「えっ! じゃあ、迷子って」
「お姉ちゃんの方です」
アリスは訴えるようにレオナを見詰める。見詰められて人の良いレオナは観念して言う。
「一緒に捜しましょうか」
アリスはマリアと同じように瞳を輝かせた。
「私はアリスって言います」
「私はレオナ。よろしくね。アリスちゃん」
「はい」
このときレオナは知らなかった。
アリスもまた方向音痴だったことを。
それからレオナは、マリアを見つけてはアリスを捜し、アリスを見つけてはマリアを捜した。
昼頃になりアッシュが屋敷に戻ると部下が頭を下げてきた。
「申し訳ございません。アッシュ様!」
「とりあえず、頭を上げて報告」
「はい」
朝起きたことをアッシュに報告した。
「なるほどね。今回の落ち度は僕にあるね。ご飯を運ぶのを二人にするべきだった。向かうとしたら紅い翼だね。紅い翼を見張って」
部下達はすぐに紅い翼に向かった。
さて、報告にでも行きますか。
アッシュからの報告を受けてエドガーは顔を青くする。
「大丈夫? エドガー」
「これをシェリア様に報告するのは俺だぞ」
アッシュは苦笑いをした。
「でもこれで良かったんじゃない? どうせ無事に帰す予定だったし」
「そうもいかん」
エドガーはすぐにアヴァロン城へ報告に行った。
シェリアは聞き終えると暫く思案して言った。
「仕方ないわね。それじゃあ諦めましょう」
エドガーは解放されたと思い笑みを浮かべかけた時、常にシェリアの傍に控えているミシェルが言う。
「シェリア様よろしいですか?」
「何? ミシェル」
ミシェルはシェリアに近づき耳もとで声をひそめ話した。
「ジョルジュ様には十歳の御子息、ジャック様がおられます」
シェリアは表情には出さず心の中で笑みを浮かべた。
「そういえば北のロベリアのせいでカトリーヌは物騒よね。ミシェル」
「はい。ロベリア神建国は我がシンフォニアの宿敵。そんな宿敵の近くにあるカトリーヌに王族がいるのは危険かと」
「そうよね。そう言う事でキャンベル伯爵。ジャックを保護しなさい」
「なっ!」
「分かったわね。キャンベル伯爵」
エドガーは了承するしかなかった。
話が終わりエドガーが退室する時ミシェルがエドガーに話す。
「エドガー殿。ジャック様は体が弱いので注意してください」
「分かりました」
そう言ってエドガーは執務室のドアを閉めた。
エドガーが退室し暫くすると食器を片付けるためメイドがやってきた。
城仕えの浅いメイドはシェリアの前という事で緊張し、お客様用のティーカップを誤って割ってしまった。
「も、申し訳ございません!」
シェリアは震えるメイドを見て、次にミシェルを見た。
ミシェルは小さく頷き、部屋の外で護衛に付いていた親衛隊の隊員に命じる。
「この者を特別牢へ」
今まで特別牢に入った者は一度も戻った事はない。
メイドは泣いて謝るが隊員達は無理矢理連れて行った。
あの子はどれくらい持つかしら?
メイドの後ろ姿を見てシェリアは小さく笑った。
宿の戻ったエドガーはアッシュに説明した。
「さすがに警戒してる中の誘拐はきついよ」
「分かっている。下手したら死人が出る」
「それでもやるんだね」
「ああ、レオナ様がジョルジュ様や紅い翼の保護下に入ったら捜索隊が護衛に回る。そしたら死人がでる。その前に攫うぞ」
二人はすぐにカトリーヌ領に向かうため自動車に乗り車を走らせた。
「今日はカトリーヌに着いて終わりだな」
「そうだねぇ。カトリーヌの名産って何だっけ?」
「遊びに行くんじゃないんだぞ」
「分かってるよ。っで、何だっけ?」
エドガーは嘆息吐いて答えた。
「チーズだ」
レオナはようやく姉妹を捕まえた。
姉妹は互いを怒り始め、それが終わるとマリアが感謝を述べる。
「ありがとうございます。お礼にお昼おごります」
お腹を空いていたからマリアの言葉に甘えることにした。
昼食を食べ話し込んだりするうちに夕方になり、何故か家まで来てしまった。
家では何かを叩く音が聞こえた。
姉妹はレオナをリビングに案内しマリアが言う。
「レオナさんはここで待っていてください。私達は主に戻った事とレオナさんが来てる事を告げますので」
「ええ」
レオナをリビングに残し、姉妹は音の鳴る方に向かいアトリエに辿り着いた。
アトリエには汗だくのガレックが鉄を叩いていた。
「ただいま戻りました。ご主人様」
「暑いわね。この部屋」
「おう。まだ時間掛かるから飯の用意でもしとけ」
「分かりました」
「了解」
「それとご主人様。私達を助けてくれた恩人に夕食を御馳走したいのですがよろしいですか?」
「美女なら良い。野郎は追い返せ」
マリアは苦笑いを浮かべアリスは乾いた笑みを浮かべた。
「分かりました。それでは御馳走いたします」
相手が美女だと知りガレックは笑みを浮かべた。
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