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第一章 黒い悪魔の逃亡
第十二話 可愛い女の子は好きだけどロリコンじゃねぇから
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午前七時になり珍しく早く起きたトトリは与えられた二階の客室から出て一階に下りる。庭では朝稽古の素振りをしているレオナがいた。
「おはよおぉ。レオナ」
「・・・おはよう。相変わらず朝は弱いわね」
そう言ってレオナは素振りを再開する。トトリは苦笑いしてキッチンへと向かうキッチンでは姉妹が料理を作っていた。
「おはよう。二人共」
姉妹は一緒に挨拶をしマリアが話す。
「朝ご飯あと少し掛かりますけどどうしますか?」
「じゃあ私アトリエにいるから、ご飯が出来たら呼んで」
そう言うとマリアは了承の返事を返しトトリはアトリエへと向かいドアを開けて固まる。
何故ならソファーに十歳くらいの見知らぬ女の子(リディア)がスヤスヤ眠っていたからだ。
トトリはカードを抜きハリセンを出すと寝ているガレックを叩きまくる。
「な、何だっ!?」
叩く、叩く、叩く・・・・・・
「おいトトリ! 朝っぱらからなんなんだっ!」
「自分の胸に聞いてみろ! この鬼畜悪魔っ!」
姉妹とレオナは様子が気になり作業を中断しアトリエに来て固まり、うるさくて起きてきたシャーリーがアトリエを見て言った。
「とうとうロリコンになったれすか」
「ご主人様・・・」
「あんたねぇ・・・」
「いくらなんでも・・・」
ようやくロリコン疑惑が掛かった事を知りガレックは慌てて否定する。
「ちょっと待てお前らっ! 俺は何もやってねぇぞ!」
みんなが冷たい目でガレックを見る。
「この子は確かに可愛いが、まだ守備範囲外だ!」
アリスがトトリに尋ねる。
「どう思います?」
「私が知る限り子供には手を出してないけど、微妙・・・」
「ちったぁ信用しやがれっ!」
今まで起こした行動の結果、誰もガレックを信用しない。
「説得力がないれす」
ガレックがシャーリーの頭をゴツンッと殴った。
「痛いれす!」
「ちょっとガッ君! シャーリーに八つ当たりしないっ!」
周りがうるさくて遂にリディアが起きた。
「うん? ここ、何処?」
「いいところで起きた。俺を弁護しろ!」
ガレックはリディアの肩に手を置いて懇願する。
「は、はい? あの、貴方誰ですか? っていうか、ここ何処ですか?」
「そんなもん後だ。俺は何もしてない。そうだよな」
トトリがガレックを押しのけリディアの目を見て諭す。
「泣き寝入りなんてしなくていいの。私が貴女を護るから、本当の事を話して」
「えぇっと。自分の身に何が起きたか分からないので、答えようがないです。そもそも、貴方達は誰ですか? ここは何処ですか? どうして私はここにいるのですか?」
みんなが事情を知っていそうなガレックを見る。
「ああ、俺が誘拐した」
周りが絶句するのを気にせずガレックは話し続ける
「目には目を歯には歯を、誘拐には誘拐だ。リディア・クルーゼ・キャンベル、大人しくする限り拘束はしない」
リディアは現状を知り何故人質になったのか分からないので理由を尋ねようとしたがその前にトトリ達がガレックに声を上げて問い詰める。
「ちょっとガッ君! どういう事!?」
「誘拐しちゃったんですか!?」
「キャンベルって、もしかしてキャンベル伯の妹!?」
「どうすんのよ。バカァ!?」
「うるさい! 俺に任せろ。全て上手くいく!」
説得力皆無だが自信満々に言うので姉妹とレオナは信じたがトトリとシャーリーは不安げな表情を浮かべる。長い付き合いでこう言う時のガレックは宣言通り事件を解決すると確信しているが解決するためにどんな問題を起こすか想像が付かない。だからといってリディアを攫ってしまったからもう止めることが出来ない。二人はこれ以上事件が大きくならないよう祈るしかなかった。
会話が途切れたことでリディアは疑問に思ったことを尋ねる。
「あの、目には目を歯には歯をって何の事ですか?」
ガレックはめんどくさそうに言う。
「そこにいるレオナの弟がお前の所の黒騎士アッシュに誘拐された。誘拐された弟を救うためにお前を誘拐した。人質交換するためにな」
「アッシュが・・・・・・」
めんどくさがりのアッシュが誘拐なんてしない。もしするとしたらお兄様に頼まれたから・・・そういえばお兄様は手紙を貰ってから少しおかしい。いつもなら簡単に仕事の内容を教えてくれるお兄様が今回だけは一切教えなかった。もしこの話が本当なら、義に反する。
リディアの雰囲気が変わったことにガレックとトトリそしてシャーリーが気付き少し驚く中リディアが言う。
「分かりました。協力します」
「はっ? 協力?」
「はい」
ガレックにとって今のリディアは敵との交渉に使う人質つまりリディアもまた敵である。敵が協力すると言った所で信じる気はないがリディアの目から強い意志を感じ協力するなら儲け裏切ってもそれは其れで面白いと考えガレックは協力を受け入れた。
その頃エドガーの携帯に屋敷の警備隊長から電話が入りエドガーは電話に出る。
「エドガーだが、どうした?」
報告を受けしだいに顔を青くし報告を聞き終え電話を切るとエドガーは取り乱した
「うわぁぁぁっ! どうしようアッシュ!? リディアが! リディアがぁっ!」
「落ち着け、リディアがどうした?」
「落ち着いていられるかぁ! たった一人の家族が、妹が誘拐されたんだぞ!」
「誘拐された? 犯人は分かってるの? 要求は?」
「要求は分からないが犯人は分かってる。ガレックだ」
「可能性が一番高いとは言え何で断言できるの?」
「ガレックからリディアを預かったって置き手紙があったらしい」
「そう。でもよかったじゃない。ガレックだったら女の子に酷い事しないでしょ」
確かに、女には優しいと報告書には書いてあったな。でも女好きとも書いてあったな。・・・・・・貞操の危機!
「今すぐ救出に向かうぞ!」
「いや、ガレックの居場所分からないし、無計画だと危ないって」
「だがっ!」
「落ち着いて考えろエドガー。僕達に残されたのは二つだ。戦ってリディアを救出するか。全てを告白してガレック達に従うか」
リディアを諦めるなんて論外、一番いいのは人質交換だがすでにジャックは手元にいない。
「リディアの安全が第一だ。だがシェリア様を裏切る事は出来ん」
「エドガー。暫く暇をもらうよ」
「何?」
「僕が女王の客将になれば面目が立つでしょ」
シンフォニア最強と呼ばれるアッシュはキャンベルに身を寄せてるだけで家臣ではなく客将である。その事で御前試合優勝した後先代国王から直臣にならないかと誘われ、それを断ったことで何者にも染まらないキャンベルの黒騎士と呼ばれ国の内外から武勇と共に一目置かれる存在となった。
その黒騎士がシェリアの側にいることでシェリアは今まで中立だった軍部を掌握できるようになる。
「すまん」
リディアを助けるため、そしてキャンベルを守るためにエドガーはアッシュの提案を受けるしかなかった。
アッシュは部屋から出て行きエドガーは紅い翼に電話を入れた。
その日の深夜、寝室で寝ていたシェリアは違和感から目を覚まし驚愕する。何故なら交差した剣がベッドに刺さりシェリアの首を固定していたからだ。
驚くが安易に動かないことで隠れていた者が姿を現しシェリアを褒める。
「さすがだね。状況を理解し身動きをしない。正解だよ」
「アッシュ・グレース」
「あっ。僕の事覚えててくれたんだ」
「忘れようがないわ。御前試合、全て圧勝した我が国最強の剣士。それだけじゃない、お父様からの、臣下への誘いを断った者の一人」
「人の下に付くのは嫌いだからね」
アッシュを強く睨んで尋ねる。
「それで、私に何の用?」
「エドガーの妹がガレックの人質になってね。解放のためキャンベルは、この件から手を引く。その代わり僕が、この件が終わるまで君の客将になる」
真意が分からない。いつでも私を殺せる事をアピールしたなら、キャンベルに手を出すなと脅すだけでいいはず。
「事情は解った。でも貴方が客将になる理由は?」
「キャンベル家の養子ではないけど僕はキャンベル家で家族扱いを受けている。その僕がいればキャンベルが裏切ったことにはならないでしょ。それに・・・・・・」
アッシュはニヤリと笑った。それを見てシェリアは尋ねた事を後悔した。
「ここにいればガレックと戦える。戦いの邪魔、しないでね」
そう言ってアッシュは剣を抜きシェリアを解放して部屋を出て行った。
こうしてアッシュは、客将としてシェリアの護衛に付いた。
午前九時過ぎ、ザックスとジョルジュはエドガーを待っていたが約束の時間を過ぎても来ないエドガーに苛立っていた。
「遅い」
すでに予定時刻より一時間遅れている。
その頃エドガーは別室でガレックから取り調べを受けていた。
一時間前、ガレックは自身が案内人だとエドガーを騙して近づき、手錠で拘束し空き部屋に連れて来たのだ。
「キャンベルを守るため誘拐した。そう仰るんですね。伯爵」
「そうだ」
「では何から守るためですか?」
エドガーは答えない。
「黙(だんま)りか。シンフォニア女王シェリア。彼女から守るために従ったんじゃないですか?」
エドガーは答えない。
黙りか。時間もないし、そろそろ切り札を使うか。
「少し待ってろ」
そう言ってガレックは部屋を出て行き、すぐ戻ってきた。一人の少女を連れて。
「リディア! 無事だったか!」
妹は兄を冷たく睨む。
「リ、リディア?」
「いつからキャンベルは犯罪に協力するようになったんですか?」
エドガーは絶句する。
「義を貫け。それがキャンベルの家訓。兄さんは今、義を貫いてますか?」
義とは、我は美しいと書く。義を貫けとはキャンベルにとって、自分に誇れる生き方をしろとなる。
エドガーは身体から悪い物を吐き出す様に一回大きく深呼吸をした。
「そうだな。そうだったな」
エドガーは真っ直ぐガレックを見て言う。
「ジャック様の居場所はアヴァロン城の何処かだ」
「何処だ?」
「詳しい場所は分からんが移動したとは聞いていない」
「素直にそれを信じろと・・・・・っま、いいだろ。ジャックの救出、お前も手伝え」
「何?」
「お前の裏切りで女王は後が無くなった。このままだと最悪女王と大公の戦になるぞ」
エドガーは苦い顔をした。
「戦になったら女王が勝っても大公が勝ってもキャンベルは潰される。キャンベルを救うには、お前がジャックを救出して大公の許しを得て、戦の阻止しかない」
「俺が言うのもなんだが、いいのか?」
「構わん。俺一人じゃ救出しか出来ん」
「今まで悪かった。感謝する」
ガレックは笑みを浮かべてエドガーの手錠を外した。
「リディア、トトリと一緒に待っててくれ。伯爵もそれでいいな」
すぐにでもキャンベルに返したいが人手がない。それにトトリと言ったらホーキンスさんの娘だろう。下手な護衛よりずっといい。
「ああ。リディア、大人しく待ってろ」
「じゃあ行くぞ。伯爵」
ガレックとエドガーはジャック救出のためアヴァロンへと向かいリディアは言われた通り隣の部屋で待機しているトトリの下へと向かった。
「話し合いはどうなりましたか!」
「安心してください。レオナ様。兄は協力すると言い、ガレックさんと共にジャック様の救出に向かわれました」
みんなが喜ぶ中トトリだけは難しい顔をする。
それに気付いたマリアが尋ねる。
「どうかしましたか?」
「うん。ちょっとね」
何か上手く行きすぎの様な。・・・・・・あっ、そうか! ガッ君が真面目に仕事してるんだ。あれ? おかしい!? 可愛い女の子からのお願いとはいえ、ガッ君が男の救出をするはずがない!
「レオナ! この依頼の報酬ってお金だけ!?」
突然の大声に驚きながらもレオナは答えた。
「え、ええ」
お金だけの報酬でガッ君が真面目に働くはずがない! じゃあ何故真面目に働く? 誘拐の主犯が女王様だったら国を敵に回すというのに、女王? アヴァロンには女王様がいてガッ君が今アヴァロンに向かっている。ヤ、ヤバイ!
「シャーリー! リディアちゃんをお願い!」
返事を聞く間もなくガレックの目的を察知したトトリは慌てて父がいる社長室に向かい、レオナと姉妹はトトリに付いて行った。
「お父さん!」
ノックもせず突然部屋に入ってきたが咎めはせず、ザックスは久し振りに会えた事に喜んだ。
「おおっ。トトリ! どうした?」
「どうしたじゃない! ヤバイよ!」
「? 何が?」
「ガッ君が伯爵を連れてジャック君の救出に向かちゃった!」
また勝手に。
救出に向かったと聞いたジョルジュは喜んだ。
「まぁ、大丈夫だろ」
「大丈夫じゃないよ! 可愛い女の子に頼まれただけでガッ君が男を救出するわけ無いでしょ!」
最初トトリの言ってる事が理解出来なかったが、トトリと同じくらいガレックの事をよく知るザックスはトトリと同じ結論に至り青ざめる。
「早く止めないと手遅れになるよ!」
ザックスは慌てて社長室の片隅にある城内放送機器のスイッチを入れ全社員に命じる。
『これは社長命令だ! 今すぐガレックを捕らえろ! 繰り返す。今すぐガレックを捕らえろ!』
この放送は城外にまで聞こえガレックとエドガーの耳にも入った。
チッ。気付かれたか。
「おい。お前、何したんだ?」
「俺は何もしてない。きっと敵の策にはまったんだ」
ガレックはそう言って、ある者に電話をする。
『はい。もしもし』
「俺だ」
『ガレック様! 遂に僕達の出番ですね!』
「そうだ。お前達の出番だ。報酬は弾む。しっかり働け」
『はいっ!』
ガレックは電話を切りカードにしていた大型自動二輪車を出す。
「男なんて乗せたくないが緊急事態だ。後ろに乗れ」
エドガーは頷いて後ろに乗り、ガレックは走り出した。
ザックスはガレックを止めるため慌てて走った。その後をトトリが続き、事情がよく分からないがジョルジュ達も追い掛け一階に下りる。
「待ってください社長!」
レイチェルがザックスを止めた。
「何だ!?」
「東方からドグの大軍が現れました!」
「何だと!?」
中央軍は西方のバカ共のせいでいない。北方軍はロベリア、東方軍はバルセ・ルナの抑えで動けないし、南方は海を目指して進軍している。クソッ! 動けるのはウチだけか!
「時間が無い。俺が指揮を執る。トトリ、さっさと蹴散らすぞ。悪いがジョルジュ手伝ってくれ」
「分かった!」
姉妹とレオナも当然協力する。こうしてガレックは最大の障害を足止めに成功した。
大型自動二輪車を走らせていたガレック達はすぐにアヴァロン城の目の前まで来ていた。
「おい、何処で止めるんだ!?」
ガレックはエドガーを無視してアクセルを吹かしスピードを上げ城門に突っ込み、止めようとした門兵達を蹴散らして大型自動二輪車を止めた。
「おい、何で騒ぎを起こす!」
「いいか伯爵。俺にはやる事がある。話した通り、ジャックを救出するのはお前の仕事だ。じゃっ、よろしく」
そう言ってガレックはエドガーを突き落とし走り出した。
突き落とされたエドガーを近くにいた近衛兵達が包囲しようと駆けつけてくる。
「ち、ちくしょう」
エドガーは急いで起ち上がり城内に向かって走り出す。
「あっ、おい。待て!」
近衛兵が追い掛けながら仲間に連絡する。
「侵入者だ! 至急、増援を求む!」
こうして、それぞれの戦いが始まった。
「おはよおぉ。レオナ」
「・・・おはよう。相変わらず朝は弱いわね」
そう言ってレオナは素振りを再開する。トトリは苦笑いしてキッチンへと向かうキッチンでは姉妹が料理を作っていた。
「おはよう。二人共」
姉妹は一緒に挨拶をしマリアが話す。
「朝ご飯あと少し掛かりますけどどうしますか?」
「じゃあ私アトリエにいるから、ご飯が出来たら呼んで」
そう言うとマリアは了承の返事を返しトトリはアトリエへと向かいドアを開けて固まる。
何故ならソファーに十歳くらいの見知らぬ女の子(リディア)がスヤスヤ眠っていたからだ。
トトリはカードを抜きハリセンを出すと寝ているガレックを叩きまくる。
「な、何だっ!?」
叩く、叩く、叩く・・・・・・
「おいトトリ! 朝っぱらからなんなんだっ!」
「自分の胸に聞いてみろ! この鬼畜悪魔っ!」
姉妹とレオナは様子が気になり作業を中断しアトリエに来て固まり、うるさくて起きてきたシャーリーがアトリエを見て言った。
「とうとうロリコンになったれすか」
「ご主人様・・・」
「あんたねぇ・・・」
「いくらなんでも・・・」
ようやくロリコン疑惑が掛かった事を知りガレックは慌てて否定する。
「ちょっと待てお前らっ! 俺は何もやってねぇぞ!」
みんなが冷たい目でガレックを見る。
「この子は確かに可愛いが、まだ守備範囲外だ!」
アリスがトトリに尋ねる。
「どう思います?」
「私が知る限り子供には手を出してないけど、微妙・・・」
「ちったぁ信用しやがれっ!」
今まで起こした行動の結果、誰もガレックを信用しない。
「説得力がないれす」
ガレックがシャーリーの頭をゴツンッと殴った。
「痛いれす!」
「ちょっとガッ君! シャーリーに八つ当たりしないっ!」
周りがうるさくて遂にリディアが起きた。
「うん? ここ、何処?」
「いいところで起きた。俺を弁護しろ!」
ガレックはリディアの肩に手を置いて懇願する。
「は、はい? あの、貴方誰ですか? っていうか、ここ何処ですか?」
「そんなもん後だ。俺は何もしてない。そうだよな」
トトリがガレックを押しのけリディアの目を見て諭す。
「泣き寝入りなんてしなくていいの。私が貴女を護るから、本当の事を話して」
「えぇっと。自分の身に何が起きたか分からないので、答えようがないです。そもそも、貴方達は誰ですか? ここは何処ですか? どうして私はここにいるのですか?」
みんなが事情を知っていそうなガレックを見る。
「ああ、俺が誘拐した」
周りが絶句するのを気にせずガレックは話し続ける
「目には目を歯には歯を、誘拐には誘拐だ。リディア・クルーゼ・キャンベル、大人しくする限り拘束はしない」
リディアは現状を知り何故人質になったのか分からないので理由を尋ねようとしたがその前にトトリ達がガレックに声を上げて問い詰める。
「ちょっとガッ君! どういう事!?」
「誘拐しちゃったんですか!?」
「キャンベルって、もしかしてキャンベル伯の妹!?」
「どうすんのよ。バカァ!?」
「うるさい! 俺に任せろ。全て上手くいく!」
説得力皆無だが自信満々に言うので姉妹とレオナは信じたがトトリとシャーリーは不安げな表情を浮かべる。長い付き合いでこう言う時のガレックは宣言通り事件を解決すると確信しているが解決するためにどんな問題を起こすか想像が付かない。だからといってリディアを攫ってしまったからもう止めることが出来ない。二人はこれ以上事件が大きくならないよう祈るしかなかった。
会話が途切れたことでリディアは疑問に思ったことを尋ねる。
「あの、目には目を歯には歯をって何の事ですか?」
ガレックはめんどくさそうに言う。
「そこにいるレオナの弟がお前の所の黒騎士アッシュに誘拐された。誘拐された弟を救うためにお前を誘拐した。人質交換するためにな」
「アッシュが・・・・・・」
めんどくさがりのアッシュが誘拐なんてしない。もしするとしたらお兄様に頼まれたから・・・そういえばお兄様は手紙を貰ってから少しおかしい。いつもなら簡単に仕事の内容を教えてくれるお兄様が今回だけは一切教えなかった。もしこの話が本当なら、義に反する。
リディアの雰囲気が変わったことにガレックとトトリそしてシャーリーが気付き少し驚く中リディアが言う。
「分かりました。協力します」
「はっ? 協力?」
「はい」
ガレックにとって今のリディアは敵との交渉に使う人質つまりリディアもまた敵である。敵が協力すると言った所で信じる気はないがリディアの目から強い意志を感じ協力するなら儲け裏切ってもそれは其れで面白いと考えガレックは協力を受け入れた。
その頃エドガーの携帯に屋敷の警備隊長から電話が入りエドガーは電話に出る。
「エドガーだが、どうした?」
報告を受けしだいに顔を青くし報告を聞き終え電話を切るとエドガーは取り乱した
「うわぁぁぁっ! どうしようアッシュ!? リディアが! リディアがぁっ!」
「落ち着け、リディアがどうした?」
「落ち着いていられるかぁ! たった一人の家族が、妹が誘拐されたんだぞ!」
「誘拐された? 犯人は分かってるの? 要求は?」
「要求は分からないが犯人は分かってる。ガレックだ」
「可能性が一番高いとは言え何で断言できるの?」
「ガレックからリディアを預かったって置き手紙があったらしい」
「そう。でもよかったじゃない。ガレックだったら女の子に酷い事しないでしょ」
確かに、女には優しいと報告書には書いてあったな。でも女好きとも書いてあったな。・・・・・・貞操の危機!
「今すぐ救出に向かうぞ!」
「いや、ガレックの居場所分からないし、無計画だと危ないって」
「だがっ!」
「落ち着いて考えろエドガー。僕達に残されたのは二つだ。戦ってリディアを救出するか。全てを告白してガレック達に従うか」
リディアを諦めるなんて論外、一番いいのは人質交換だがすでにジャックは手元にいない。
「リディアの安全が第一だ。だがシェリア様を裏切る事は出来ん」
「エドガー。暫く暇をもらうよ」
「何?」
「僕が女王の客将になれば面目が立つでしょ」
シンフォニア最強と呼ばれるアッシュはキャンベルに身を寄せてるだけで家臣ではなく客将である。その事で御前試合優勝した後先代国王から直臣にならないかと誘われ、それを断ったことで何者にも染まらないキャンベルの黒騎士と呼ばれ国の内外から武勇と共に一目置かれる存在となった。
その黒騎士がシェリアの側にいることでシェリアは今まで中立だった軍部を掌握できるようになる。
「すまん」
リディアを助けるため、そしてキャンベルを守るためにエドガーはアッシュの提案を受けるしかなかった。
アッシュは部屋から出て行きエドガーは紅い翼に電話を入れた。
その日の深夜、寝室で寝ていたシェリアは違和感から目を覚まし驚愕する。何故なら交差した剣がベッドに刺さりシェリアの首を固定していたからだ。
驚くが安易に動かないことで隠れていた者が姿を現しシェリアを褒める。
「さすがだね。状況を理解し身動きをしない。正解だよ」
「アッシュ・グレース」
「あっ。僕の事覚えててくれたんだ」
「忘れようがないわ。御前試合、全て圧勝した我が国最強の剣士。それだけじゃない、お父様からの、臣下への誘いを断った者の一人」
「人の下に付くのは嫌いだからね」
アッシュを強く睨んで尋ねる。
「それで、私に何の用?」
「エドガーの妹がガレックの人質になってね。解放のためキャンベルは、この件から手を引く。その代わり僕が、この件が終わるまで君の客将になる」
真意が分からない。いつでも私を殺せる事をアピールしたなら、キャンベルに手を出すなと脅すだけでいいはず。
「事情は解った。でも貴方が客将になる理由は?」
「キャンベル家の養子ではないけど僕はキャンベル家で家族扱いを受けている。その僕がいればキャンベルが裏切ったことにはならないでしょ。それに・・・・・・」
アッシュはニヤリと笑った。それを見てシェリアは尋ねた事を後悔した。
「ここにいればガレックと戦える。戦いの邪魔、しないでね」
そう言ってアッシュは剣を抜きシェリアを解放して部屋を出て行った。
こうしてアッシュは、客将としてシェリアの護衛に付いた。
午前九時過ぎ、ザックスとジョルジュはエドガーを待っていたが約束の時間を過ぎても来ないエドガーに苛立っていた。
「遅い」
すでに予定時刻より一時間遅れている。
その頃エドガーは別室でガレックから取り調べを受けていた。
一時間前、ガレックは自身が案内人だとエドガーを騙して近づき、手錠で拘束し空き部屋に連れて来たのだ。
「キャンベルを守るため誘拐した。そう仰るんですね。伯爵」
「そうだ」
「では何から守るためですか?」
エドガーは答えない。
「黙(だんま)りか。シンフォニア女王シェリア。彼女から守るために従ったんじゃないですか?」
エドガーは答えない。
黙りか。時間もないし、そろそろ切り札を使うか。
「少し待ってろ」
そう言ってガレックは部屋を出て行き、すぐ戻ってきた。一人の少女を連れて。
「リディア! 無事だったか!」
妹は兄を冷たく睨む。
「リ、リディア?」
「いつからキャンベルは犯罪に協力するようになったんですか?」
エドガーは絶句する。
「義を貫け。それがキャンベルの家訓。兄さんは今、義を貫いてますか?」
義とは、我は美しいと書く。義を貫けとはキャンベルにとって、自分に誇れる生き方をしろとなる。
エドガーは身体から悪い物を吐き出す様に一回大きく深呼吸をした。
「そうだな。そうだったな」
エドガーは真っ直ぐガレックを見て言う。
「ジャック様の居場所はアヴァロン城の何処かだ」
「何処だ?」
「詳しい場所は分からんが移動したとは聞いていない」
「素直にそれを信じろと・・・・・っま、いいだろ。ジャックの救出、お前も手伝え」
「何?」
「お前の裏切りで女王は後が無くなった。このままだと最悪女王と大公の戦になるぞ」
エドガーは苦い顔をした。
「戦になったら女王が勝っても大公が勝ってもキャンベルは潰される。キャンベルを救うには、お前がジャックを救出して大公の許しを得て、戦の阻止しかない」
「俺が言うのもなんだが、いいのか?」
「構わん。俺一人じゃ救出しか出来ん」
「今まで悪かった。感謝する」
ガレックは笑みを浮かべてエドガーの手錠を外した。
「リディア、トトリと一緒に待っててくれ。伯爵もそれでいいな」
すぐにでもキャンベルに返したいが人手がない。それにトトリと言ったらホーキンスさんの娘だろう。下手な護衛よりずっといい。
「ああ。リディア、大人しく待ってろ」
「じゃあ行くぞ。伯爵」
ガレックとエドガーはジャック救出のためアヴァロンへと向かいリディアは言われた通り隣の部屋で待機しているトトリの下へと向かった。
「話し合いはどうなりましたか!」
「安心してください。レオナ様。兄は協力すると言い、ガレックさんと共にジャック様の救出に向かわれました」
みんなが喜ぶ中トトリだけは難しい顔をする。
それに気付いたマリアが尋ねる。
「どうかしましたか?」
「うん。ちょっとね」
何か上手く行きすぎの様な。・・・・・・あっ、そうか! ガッ君が真面目に仕事してるんだ。あれ? おかしい!? 可愛い女の子からのお願いとはいえ、ガッ君が男の救出をするはずがない!
「レオナ! この依頼の報酬ってお金だけ!?」
突然の大声に驚きながらもレオナは答えた。
「え、ええ」
お金だけの報酬でガッ君が真面目に働くはずがない! じゃあ何故真面目に働く? 誘拐の主犯が女王様だったら国を敵に回すというのに、女王? アヴァロンには女王様がいてガッ君が今アヴァロンに向かっている。ヤ、ヤバイ!
「シャーリー! リディアちゃんをお願い!」
返事を聞く間もなくガレックの目的を察知したトトリは慌てて父がいる社長室に向かい、レオナと姉妹はトトリに付いて行った。
「お父さん!」
ノックもせず突然部屋に入ってきたが咎めはせず、ザックスは久し振りに会えた事に喜んだ。
「おおっ。トトリ! どうした?」
「どうしたじゃない! ヤバイよ!」
「? 何が?」
「ガッ君が伯爵を連れてジャック君の救出に向かちゃった!」
また勝手に。
救出に向かったと聞いたジョルジュは喜んだ。
「まぁ、大丈夫だろ」
「大丈夫じゃないよ! 可愛い女の子に頼まれただけでガッ君が男を救出するわけ無いでしょ!」
最初トトリの言ってる事が理解出来なかったが、トトリと同じくらいガレックの事をよく知るザックスはトトリと同じ結論に至り青ざめる。
「早く止めないと手遅れになるよ!」
ザックスは慌てて社長室の片隅にある城内放送機器のスイッチを入れ全社員に命じる。
『これは社長命令だ! 今すぐガレックを捕らえろ! 繰り返す。今すぐガレックを捕らえろ!』
この放送は城外にまで聞こえガレックとエドガーの耳にも入った。
チッ。気付かれたか。
「おい。お前、何したんだ?」
「俺は何もしてない。きっと敵の策にはまったんだ」
ガレックはそう言って、ある者に電話をする。
『はい。もしもし』
「俺だ」
『ガレック様! 遂に僕達の出番ですね!』
「そうだ。お前達の出番だ。報酬は弾む。しっかり働け」
『はいっ!』
ガレックは電話を切りカードにしていた大型自動二輪車を出す。
「男なんて乗せたくないが緊急事態だ。後ろに乗れ」
エドガーは頷いて後ろに乗り、ガレックは走り出した。
ザックスはガレックを止めるため慌てて走った。その後をトトリが続き、事情がよく分からないがジョルジュ達も追い掛け一階に下りる。
「待ってください社長!」
レイチェルがザックスを止めた。
「何だ!?」
「東方からドグの大軍が現れました!」
「何だと!?」
中央軍は西方のバカ共のせいでいない。北方軍はロベリア、東方軍はバルセ・ルナの抑えで動けないし、南方は海を目指して進軍している。クソッ! 動けるのはウチだけか!
「時間が無い。俺が指揮を執る。トトリ、さっさと蹴散らすぞ。悪いがジョルジュ手伝ってくれ」
「分かった!」
姉妹とレオナも当然協力する。こうしてガレックは最大の障害を足止めに成功した。
大型自動二輪車を走らせていたガレック達はすぐにアヴァロン城の目の前まで来ていた。
「おい、何処で止めるんだ!?」
ガレックはエドガーを無視してアクセルを吹かしスピードを上げ城門に突っ込み、止めようとした門兵達を蹴散らして大型自動二輪車を止めた。
「おい、何で騒ぎを起こす!」
「いいか伯爵。俺にはやる事がある。話した通り、ジャックを救出するのはお前の仕事だ。じゃっ、よろしく」
そう言ってガレックはエドガーを突き落とし走り出した。
突き落とされたエドガーを近くにいた近衛兵達が包囲しようと駆けつけてくる。
「ち、ちくしょう」
エドガーは急いで起ち上がり城内に向かって走り出す。
「あっ、おい。待て!」
近衛兵が追い掛けながら仲間に連絡する。
「侵入者だ! 至急、増援を求む!」
こうして、それぞれの戦いが始まった。
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