LOVE CHILD

Riu ⊿

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お母さんの愛した人

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どうして、樹の家にお母さんの浮気相手とお揃いのペアリングがあるの?


口にしたら簡単だ。でも、声にして聞くのがこわい。聞きたくない。けど、気になってしょうがない。

「ん~もう!」
「?彩華?」
「ねぇ樹、あそこに飾ってあるペアリングなんだけどお母さんが同じの浮気相手とお揃いで持ってるの。なんで樹が持ってんの?」

樹はしばらく固まり、小さく息を吐いてから、
「彩華には関係ないよ」
と笑って言った。
なんで、ちゃんと答えてくれないの?
「関係なくないもん!」
つい大声がでる。
樹は驚いて顔をあげた。
「関係なくないもん!あたし、樹のこと好きだもん!気になるの!どうしてはぐらかすの?ちゃんと答えてよ!」
「だからって、言う必要はないだろ。」
樹が鋭く睨む。ビクリと身体が反応する。
「だって、だって・・・今日だって名字を成上から柏木に変えれるってだけで嬉しくなったり、今だって、ここにあたしが居るってだけで嬉しいのに、そんな拒絶の仕方なんてないじゃん・・・」

悔しくて泣きそうだ。そんな言い方ないじゃん。

樹は、大きな溜め息をついて言った。
「わかった。じゃ今から一つ話すからそれ聞いて、それでも俺んこと好きだっつーならそのペアリングのこと教えてやるよ」
って。
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