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おあそび
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ずっとこの学校にいて分かったこと
それは、この学校に「いじめ」があるってこと
今日も学校に来たとき悲鳴が聞こえた
「きゃあああああっっ!!」と大きい悲鳴が
1年A組、このクラスに私「木梨 有」がいて
いじめっ子ら5人の女子生徒と、そのいじめられている女子生徒
まさしくその「いじめ」というのが、すでに始まっていた
「やめて…、やめてっっ!!」
「ん~?、何だって?、聞こえないなあっっ!」
やめてと叫んでいる生徒に、聞こえないと言って、お腹辺りを蹴る
「止めて…」
「はぁ?、やめて…って?」
「なんでなの?、止めてって言ったって、何を止めればいいのか、分かんないし」
「てかさ、気持ち悪いよ、その顔」
「傷だらけ、わあ…、見て!!、涎垂らしてる!」
「汚っっ!!」
いじめっ子らはこうやって、ずっと生徒に悪口を飾っている
悪口を吐いて、今度は顔を蹴り続ける
生徒の顔には、複数の痣や赤い斑点が付いていた
当然、血も出ていた
「お願いっっ…、もう…」
生徒はそう言っているが、いじめっ子らには聞こえていない
そして、
「よ~し、じゃあ、こっからはコイツの顔を、あの掃除用具要れに入っているモップで綺麗にしよう!」
「いいね~」
と言って、いじめっ子の一人が、モップを持って来た
「いい?、これでお前のキモい顔を綺麗にするの、お前のその心もぜ~んぶ、綺麗にしてあげる」
「…やだっ…、やめてぇぇぇっっ!!」
「あはははははっ、ヤベぇよ、コイツどんどん汚くなってくじゃん」
「ホントだ~、綺麗にしてあげてるのに、何で汚くなってんだろ~ね?」
「とにかく隅々までやってあげろよ」
生徒はモップで顔をまた汚され、泣いていた
それを見ていた私は、ノートを取り出し
その様子をまとめていた
『今日も、また倉という女がいじめられていた、これで何回目?』
まとめ終わったその直後、ガンッ!と机が倒れる音がした
「ふん、調子に乗ってるからだよ」
「これでお前も反省したっしょ」
「じゃあね、汚く育った乙女さん」
いじめっ子らはそう言って、教室を後にした
いじめられている生徒「倉 沙紀」
その様子をみていた私
倉は、倒れた机を戻し椅子に座った
そして、わたしの顔をギロッと見て、こう言った
「あんたも、アイツらと同じ考えをしてるんでしょ!?、こんなボロボロになった私を見て、裏で笑ってるんでしょ!?」
倉は叫びに叫んだ後、教室を逃げるように去っていった
ああ言われたけど、実際は倉よりも地味で
影が薄く、皆も気づかない程、存在感もなかった
だから、本当なら倉じゃなく、私がやられたはずなのに…
そっとノートを閉じ、私は寝そべった
「アイツも、痛くて、汚れてて…何だかなぁ…」
そう呟いて目を閉じた
*
絶対そう、アイツもそう思ってるよ…
憎いんだもん、私が
いじめられていて、助けもしないだなんて
おまけにこの隠れ場所まで見つかって
私、このまま死んだほうが良いのかな?
でも、死んだらママが心配する…
そのママも、あんまり私と会話を交わさない
目もまともに合わせやしない
寧ろ、育児放棄か、ってくらい
私「倉 沙紀」は、小さい頃から弱虫で
何か私の身にあったら、すぐに泣き叫んでしまうくらい
今もそう、いじめられていて、すごくつらい
そのおかげで、友達も誰一人いないわけで…
一番酷かったのは、私が小学生の頃
ママとパパが離婚して、私は母子家庭の子になってしまった
その離婚がばれないように、ずっと黙っていたのだけど…
その離婚した3日後に
クラスの皆にばれてしまった
それからはずっと今と同じような環境で育っていった
酷いときには、嫌いな男子から「スキです」とわざと言われて
無理やり付き合わされたこと
私は、その後、その男子に思いっきりビンタを喰らい
別れた
それで良かった、これで男子とは目を合わせずにすむ
そう思ったんだけど
別れた翌日に、その男子が交通事故に遭い、死亡した
皆は「これって、絶対アイツの仕業だよ」と言って
私を殴ったり、髪の毛を引っ張ったりして
いじめていた
学校中に、私の噂が一気に広まり
遠ざかっていく
体育の時間に、先生から怒鳴られた
「お前は何て酷いことをしてくれた!!」と
「私は何もしていません!!」
「嘘を付くな、皆お前が犯人だって、言っているんだぞ?」
「だから、それは誤解です!」
ずっと良い争っていた
そして一人の生徒が先生にこう言った
「先生、コイツ相手にしなくてもいいですよ、だってここにいる皆、死んじゃうから」
何を馬鹿げたこと言っているのか、と疑ってしまう
「ねぇ?、そうだよね?、死神さん」
「…っ、死神!?」
「あら、反応した、やめてよね、殺さないで」
私は「死神」と呼ばれて
周囲の人を怖がらせてしまった…
私はすぐにそのことをママに知らせた
でもママは
「…アンタ、人を死なせたの?、死神って…どういうことよ?」
と言って私の顔をビンタした
「ママ、違うの!、全部誤解よ!」
「いいえ、違うわ、アンタは人間として最悪なことをしたわ!!」
「私は殺してなんかいないよ!!」
「嘘よ!、殺したわ」
ずっとずっと往復ビンタを喰らっていた
ママは、私が殺した様子も見ていないくせに
ずっと「殺した」ばっかり言い放ってた
それから、ママとは話など、全くしていない
不登校になったものの
ママに「学校行きなさい!!」と叱られるばかりで
休めなかった
教室に入ったら一人の男子が「死神だっっ!、死神が来たぞぉっっ!」と叫んで
皆を退散させるようにしていた
私が自分の席に向かおうとする度に
「やめて、殺さないでっっ!!」
「悪霊退散、悪霊退散…」
「触れないで!、死んじゃうから!」
などと、あちらこちらから聞こえた
死神…なんてものは私は知らないって思い込んでいたけど
耳元で「死神ってのはね、誰かを殺すことなのよ…」と囁かれ
私は泣いてしまった
クラスの皆は笑う
大声を出して笑う
もう死にたい…そう思った
***
あれから私は、そいつらと会わないように、別の高校へ進学した
でも、ネット上で「死神がこの町にいます、すぐに避難を」というデマ情報が出され
忽ち噂になってしまった
そして私の顔全体がバッと出され、流出した
当然この学校でも
いじめは止まらず、死神というフレーズが消えることはなかった
私は、もう死神なんて呼ばせない
そう思って私は、皆のことを全部ばらした
仕返しが倍になって帰ってきた
ママは私に暴力を振るうようになり
クラスメイトも毎日のように私を汚し
止まらなくなってしまった
ただ、アイツ「木梨 有」ってヤツは
私に振るうことはなく、ただいじめられている姿を堂々と見ていた
そして彼女にはノートがある
そのノートには私のことがズラリと書かれている…
そういうことは、彼女の机の中を見て分かったことだった
木梨も、いじめっこの中に入っていたのだった
なんなら、私が今までに感じて、そして思っていたこと全部
木梨にぶつけよう…
そうすればきっと、分かってくれるはずだわ…
私はそう思って家に帰った
まだ明るいうちに
皆にばれないうちに
それは、この学校に「いじめ」があるってこと
今日も学校に来たとき悲鳴が聞こえた
「きゃあああああっっ!!」と大きい悲鳴が
1年A組、このクラスに私「木梨 有」がいて
いじめっ子ら5人の女子生徒と、そのいじめられている女子生徒
まさしくその「いじめ」というのが、すでに始まっていた
「やめて…、やめてっっ!!」
「ん~?、何だって?、聞こえないなあっっ!」
やめてと叫んでいる生徒に、聞こえないと言って、お腹辺りを蹴る
「止めて…」
「はぁ?、やめて…って?」
「なんでなの?、止めてって言ったって、何を止めればいいのか、分かんないし」
「てかさ、気持ち悪いよ、その顔」
「傷だらけ、わあ…、見て!!、涎垂らしてる!」
「汚っっ!!」
いじめっ子らはこうやって、ずっと生徒に悪口を飾っている
悪口を吐いて、今度は顔を蹴り続ける
生徒の顔には、複数の痣や赤い斑点が付いていた
当然、血も出ていた
「お願いっっ…、もう…」
生徒はそう言っているが、いじめっ子らには聞こえていない
そして、
「よ~し、じゃあ、こっからはコイツの顔を、あの掃除用具要れに入っているモップで綺麗にしよう!」
「いいね~」
と言って、いじめっ子の一人が、モップを持って来た
「いい?、これでお前のキモい顔を綺麗にするの、お前のその心もぜ~んぶ、綺麗にしてあげる」
「…やだっ…、やめてぇぇぇっっ!!」
「あはははははっ、ヤベぇよ、コイツどんどん汚くなってくじゃん」
「ホントだ~、綺麗にしてあげてるのに、何で汚くなってんだろ~ね?」
「とにかく隅々までやってあげろよ」
生徒はモップで顔をまた汚され、泣いていた
それを見ていた私は、ノートを取り出し
その様子をまとめていた
『今日も、また倉という女がいじめられていた、これで何回目?』
まとめ終わったその直後、ガンッ!と机が倒れる音がした
「ふん、調子に乗ってるからだよ」
「これでお前も反省したっしょ」
「じゃあね、汚く育った乙女さん」
いじめっ子らはそう言って、教室を後にした
いじめられている生徒「倉 沙紀」
その様子をみていた私
倉は、倒れた机を戻し椅子に座った
そして、わたしの顔をギロッと見て、こう言った
「あんたも、アイツらと同じ考えをしてるんでしょ!?、こんなボロボロになった私を見て、裏で笑ってるんでしょ!?」
倉は叫びに叫んだ後、教室を逃げるように去っていった
ああ言われたけど、実際は倉よりも地味で
影が薄く、皆も気づかない程、存在感もなかった
だから、本当なら倉じゃなく、私がやられたはずなのに…
そっとノートを閉じ、私は寝そべった
「アイツも、痛くて、汚れてて…何だかなぁ…」
そう呟いて目を閉じた
*
絶対そう、アイツもそう思ってるよ…
憎いんだもん、私が
いじめられていて、助けもしないだなんて
おまけにこの隠れ場所まで見つかって
私、このまま死んだほうが良いのかな?
でも、死んだらママが心配する…
そのママも、あんまり私と会話を交わさない
目もまともに合わせやしない
寧ろ、育児放棄か、ってくらい
私「倉 沙紀」は、小さい頃から弱虫で
何か私の身にあったら、すぐに泣き叫んでしまうくらい
今もそう、いじめられていて、すごくつらい
そのおかげで、友達も誰一人いないわけで…
一番酷かったのは、私が小学生の頃
ママとパパが離婚して、私は母子家庭の子になってしまった
その離婚がばれないように、ずっと黙っていたのだけど…
その離婚した3日後に
クラスの皆にばれてしまった
それからはずっと今と同じような環境で育っていった
酷いときには、嫌いな男子から「スキです」とわざと言われて
無理やり付き合わされたこと
私は、その後、その男子に思いっきりビンタを喰らい
別れた
それで良かった、これで男子とは目を合わせずにすむ
そう思ったんだけど
別れた翌日に、その男子が交通事故に遭い、死亡した
皆は「これって、絶対アイツの仕業だよ」と言って
私を殴ったり、髪の毛を引っ張ったりして
いじめていた
学校中に、私の噂が一気に広まり
遠ざかっていく
体育の時間に、先生から怒鳴られた
「お前は何て酷いことをしてくれた!!」と
「私は何もしていません!!」
「嘘を付くな、皆お前が犯人だって、言っているんだぞ?」
「だから、それは誤解です!」
ずっと良い争っていた
そして一人の生徒が先生にこう言った
「先生、コイツ相手にしなくてもいいですよ、だってここにいる皆、死んじゃうから」
何を馬鹿げたこと言っているのか、と疑ってしまう
「ねぇ?、そうだよね?、死神さん」
「…っ、死神!?」
「あら、反応した、やめてよね、殺さないで」
私は「死神」と呼ばれて
周囲の人を怖がらせてしまった…
私はすぐにそのことをママに知らせた
でもママは
「…アンタ、人を死なせたの?、死神って…どういうことよ?」
と言って私の顔をビンタした
「ママ、違うの!、全部誤解よ!」
「いいえ、違うわ、アンタは人間として最悪なことをしたわ!!」
「私は殺してなんかいないよ!!」
「嘘よ!、殺したわ」
ずっとずっと往復ビンタを喰らっていた
ママは、私が殺した様子も見ていないくせに
ずっと「殺した」ばっかり言い放ってた
それから、ママとは話など、全くしていない
不登校になったものの
ママに「学校行きなさい!!」と叱られるばかりで
休めなかった
教室に入ったら一人の男子が「死神だっっ!、死神が来たぞぉっっ!」と叫んで
皆を退散させるようにしていた
私が自分の席に向かおうとする度に
「やめて、殺さないでっっ!!」
「悪霊退散、悪霊退散…」
「触れないで!、死んじゃうから!」
などと、あちらこちらから聞こえた
死神…なんてものは私は知らないって思い込んでいたけど
耳元で「死神ってのはね、誰かを殺すことなのよ…」と囁かれ
私は泣いてしまった
クラスの皆は笑う
大声を出して笑う
もう死にたい…そう思った
***
あれから私は、そいつらと会わないように、別の高校へ進学した
でも、ネット上で「死神がこの町にいます、すぐに避難を」というデマ情報が出され
忽ち噂になってしまった
そして私の顔全体がバッと出され、流出した
当然この学校でも
いじめは止まらず、死神というフレーズが消えることはなかった
私は、もう死神なんて呼ばせない
そう思って私は、皆のことを全部ばらした
仕返しが倍になって帰ってきた
ママは私に暴力を振るうようになり
クラスメイトも毎日のように私を汚し
止まらなくなってしまった
ただ、アイツ「木梨 有」ってヤツは
私に振るうことはなく、ただいじめられている姿を堂々と見ていた
そして彼女にはノートがある
そのノートには私のことがズラリと書かれている…
そういうことは、彼女の机の中を見て分かったことだった
木梨も、いじめっこの中に入っていたのだった
なんなら、私が今までに感じて、そして思っていたこと全部
木梨にぶつけよう…
そうすればきっと、分かってくれるはずだわ…
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