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第四章 代表戦選抜試合
4-1 試合開始前 その1
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ついに、試合当日となった。僕は緊張することもなくぐっすり眠れたので、とても調子が良い。
騎士団の宿舎はあわただしく人が行き交う。試合に出る人、見る人、運営する人などなど、こういったイベントでは良く見られる光景だ。
普段着へ着替え、食堂に向かい朝食をいただく。途中、同じ1年生の男子から、せいぜいがんばるようにと声をかけられた。優勝するなんて思っていもいないようだ。
朝食後部屋に戻ると、準備していた戦闘服に着替えた。服装は自由だが、派手では無ければよいとのこと。大抵は鎧を着るらしいけど、僕には不要だ。
僕は出場選手が最初に集まるように言われた試合会場に向かう。最初に選手を集めて、観客を出迎えるとのことだ。
試合会場は、通称【コロッセオ】と呼ばれている。
そこは円形の室外競技場で、競技場の中心には直径30メートルほどの高台があり、更にその外側には芝が生えた地面がある。高台は50センチほど高くなっている。その高台が実際に試合を行う闘技場だ。
そして、芝の生えた地面のさらに外側には、観客が座る展望席がある。360度ぐるりと席が並べられているため、どこに座っても試合が見えるようになっている。
そして、ちょうど北になる場所に、壇上があり、さらにその奥に貴族や皇族が座るエリアがある。シャーロットの親である国王たちも、そこに来るはずだ。
僕は闘技場に着いた。選手たちはまだちらほらしかいない。
「あ、エリックさん、お早うございます。」
カレンはすでに到着していた。
「おはよう。カレン、もういたんだ。寝坊しなかったの?」
「もう、私をなんだと思っているのですか?」
反応がかわいらしい。
「昨夜は緊張であまり眠れませんでした。なので、あくびが出ます。」
「まあ、試合が始まると、緊張で眠さなんて無くなるよ。」
「ほんとにそう思います。ところで、この闘技場は少し高くなっているのですが、何故ですか?」
「さっき運営に聞いたのだけど、この闘技場から落ちたらその選手は負けになるんだって。それがわかりやすいんじゃないの?」
「そんなルール有りましたか?」
「いや、書いてなかったよ。それを言ったら、当たり前すぎるから書いてないんだって。」
「相変わらず適当ですね!」
「そうだね。でも、僕らにとっては大したことでは無いから大丈夫だよ。」
「そうだと良いのですが。。。」
そんな会話をしていると、選手たちが続々と集まってくる。僕たち以外は2年生、3年生だ。僕やカレンからすると、全員大人みたいに大きく見える。そして、とても強く見える。
「私、本当にこの方々に勝てるのでしょうか?」
「大丈夫。見た目で戦うわけじゃないよ。」
「見た目も重要だと思います・・・」
カレンがそう思ったのは、見た目が怖い人を見ると、怖いと思ってちゃんと戦えなさそうからだ。
そろそろ観客を出迎える時間になるのだが、シャーロットとクリスティーナがまだ来ない。
「カレン、二人が来ないのだが、何か聞いている?」
「いえ、私は緊張してたから、ここに来るだけで精一杯でした。」
「まじか・・・」
もしかして、彼女らは本当に寝坊か?
もう時間だ。騎士団長のキルギスが北側の壇上に登った。すると、僕たちの後ろにこそこそと人がきた。クリスティーナだ。
「いやー、ギリギリ間に合ったわね。」
「ほぼアウトのようですが。」
「そんなことないわよ。だって、まだ騎士団長の話はじまっていないし。」
「集合時間はとっくに過ぎちょります。やっぱり寝坊したの?」
「違うわ。昨日忘れないようにと用意していた目薬が見つからなくて探してたの。そしたら、ローブのポケットに入れていたのをすっかり忘れていたわ。」
そう言って、着ているローブの胸のポケットを僕に見せた。整った胸が良く見える。僕はポケットの中身より、そっちが気になる。
「ゴホン、とにかく見つかって良かったよ。早くポケットを閉まって。」
「何よ、せっかく忘れてないことを教えてあげようって思ったのに。」
相変わらず、クリスティーナは自分の妖艶さに気がついていない。クリスティーナの隣にいる2年か3年の男子が横目で見てうっとりしていた。
「それはそうと、シャーロットがまだ来ていないのだか。」
「おかしいわね、朝シャーロットの部屋からは、起きて着替えている音はしていたのだけど。まだ来ていないの?」
「マジか・・・」
相変わらずマイペースだ。
騎士団の宿舎はあわただしく人が行き交う。試合に出る人、見る人、運営する人などなど、こういったイベントでは良く見られる光景だ。
普段着へ着替え、食堂に向かい朝食をいただく。途中、同じ1年生の男子から、せいぜいがんばるようにと声をかけられた。優勝するなんて思っていもいないようだ。
朝食後部屋に戻ると、準備していた戦闘服に着替えた。服装は自由だが、派手では無ければよいとのこと。大抵は鎧を着るらしいけど、僕には不要だ。
僕は出場選手が最初に集まるように言われた試合会場に向かう。最初に選手を集めて、観客を出迎えるとのことだ。
試合会場は、通称【コロッセオ】と呼ばれている。
そこは円形の室外競技場で、競技場の中心には直径30メートルほどの高台があり、更にその外側には芝が生えた地面がある。高台は50センチほど高くなっている。その高台が実際に試合を行う闘技場だ。
そして、芝の生えた地面のさらに外側には、観客が座る展望席がある。360度ぐるりと席が並べられているため、どこに座っても試合が見えるようになっている。
そして、ちょうど北になる場所に、壇上があり、さらにその奥に貴族や皇族が座るエリアがある。シャーロットの親である国王たちも、そこに来るはずだ。
僕は闘技場に着いた。選手たちはまだちらほらしかいない。
「あ、エリックさん、お早うございます。」
カレンはすでに到着していた。
「おはよう。カレン、もういたんだ。寝坊しなかったの?」
「もう、私をなんだと思っているのですか?」
反応がかわいらしい。
「昨夜は緊張であまり眠れませんでした。なので、あくびが出ます。」
「まあ、試合が始まると、緊張で眠さなんて無くなるよ。」
「ほんとにそう思います。ところで、この闘技場は少し高くなっているのですが、何故ですか?」
「さっき運営に聞いたのだけど、この闘技場から落ちたらその選手は負けになるんだって。それがわかりやすいんじゃないの?」
「そんなルール有りましたか?」
「いや、書いてなかったよ。それを言ったら、当たり前すぎるから書いてないんだって。」
「相変わらず適当ですね!」
「そうだね。でも、僕らにとっては大したことでは無いから大丈夫だよ。」
「そうだと良いのですが。。。」
そんな会話をしていると、選手たちが続々と集まってくる。僕たち以外は2年生、3年生だ。僕やカレンからすると、全員大人みたいに大きく見える。そして、とても強く見える。
「私、本当にこの方々に勝てるのでしょうか?」
「大丈夫。見た目で戦うわけじゃないよ。」
「見た目も重要だと思います・・・」
カレンがそう思ったのは、見た目が怖い人を見ると、怖いと思ってちゃんと戦えなさそうからだ。
そろそろ観客を出迎える時間になるのだが、シャーロットとクリスティーナがまだ来ない。
「カレン、二人が来ないのだが、何か聞いている?」
「いえ、私は緊張してたから、ここに来るだけで精一杯でした。」
「まじか・・・」
もしかして、彼女らは本当に寝坊か?
もう時間だ。騎士団長のキルギスが北側の壇上に登った。すると、僕たちの後ろにこそこそと人がきた。クリスティーナだ。
「いやー、ギリギリ間に合ったわね。」
「ほぼアウトのようですが。」
「そんなことないわよ。だって、まだ騎士団長の話はじまっていないし。」
「集合時間はとっくに過ぎちょります。やっぱり寝坊したの?」
「違うわ。昨日忘れないようにと用意していた目薬が見つからなくて探してたの。そしたら、ローブのポケットに入れていたのをすっかり忘れていたわ。」
そう言って、着ているローブの胸のポケットを僕に見せた。整った胸が良く見える。僕はポケットの中身より、そっちが気になる。
「ゴホン、とにかく見つかって良かったよ。早くポケットを閉まって。」
「何よ、せっかく忘れてないことを教えてあげようって思ったのに。」
相変わらず、クリスティーナは自分の妖艶さに気がついていない。クリスティーナの隣にいる2年か3年の男子が横目で見てうっとりしていた。
「それはそうと、シャーロットがまだ来ていないのだか。」
「おかしいわね、朝シャーロットの部屋からは、起きて着替えている音はしていたのだけど。まだ来ていないの?」
「マジか・・・」
相変わらずマイペースだ。
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