ライアークエスト

かしわで

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第四章 ウソつき勇者と滅びた洋館

4-4 ウソつき勇者の脱出劇

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 僕は完全に思い違いをしていた。

 今回のクエストは、てっきり【クエクエ1】のクエストかと思っていたが、【クエクエ2】にも、同じようなイベントがあったのだ。そのクエストは、【クエクエ1】で助けた町長の子孫が、同じように孫を生け贄として要求され、クエストとして攻略する内容だ。

 今回の内容は、完全に【クエクエ2】のクエストの内容と同じではないか!自分の思い込みが、ここまで気づくことを遅らせてしまうのか!

 そうすると、爆弾の攻略は使えない。別の対応が必要だ。その対応はたしか・・・・

 アンナは、襲ってきた【ダークキャンドル】と戦っている。先ほどと同じく、ダメージを与えても動くろうそく吸収で回復してしまう。

「ケントどうする?ネタがなけりゃ、マジでやばいぜ!」

 僕は部屋を見渡した。
 先ほどは暗くて分からなかった部屋が月明かりでよく見える。そうすると、天井に大きな丸い鉄板が吊るされているのが見えた。

「そうだ、あれが攻略法だ!」

「ケント、何かいい案でも思い付いたのか?」

「はい、僕が合図したら、中央の上にある、鉄板が吊るされているケーブルを切ってください」

「なんだか分からないが、付き合うぜ!」

「アンナさん、足元の鉄板を蹴ってください。鉄板が下に落ちます」

「そんなことしてどうするの?敵は落ちないわよ!」

「大丈夫です。策があります。お願いします」

 アンナは足元の鉄板に、おもいっきり蹴りを入れた。すると鉄板が下に落ちた。が、キラーキャンドルは飛び上がっため落ちない。

「やっぱり飛んだか!食らえ!」

 僕は着地したばかりのキラーキャンドルに、力一杯の剣の一撃を加えた。キラーキャンドルはバランスを崩して下に落ちた。

「今だ、ミラン!」

 ミランは火を着けた爆弾を上空の鉄板に投げた。大きな爆発が起き、とてつもない激しい炎が上がった。

 すると鉄板を吊るしていたケーブルが焼き切れ、吊るしてあった鉄板が落ちた。
 結果、空いた穴がきれいに塞がれた。同時に、部屋の壁際にあった、壊れ掛けていた階段も崩れ落ちた。

「終わったの?倒したの?」

「ええ、実はこの下の穴はツボのようになっていて、唯一開いているここを防ぐと、空気が完全に防がれるのです。よって、酸素不足でキラーキャンドルの火が消えて終わりです」

「ふ~、うまくに鉄板が落ちてよかった。変わった棺桶の蓋に苦労したぜ」

 僕は安心したいのだが、何か引っかかる。このクエスト、最後にもうひと波乱あったような・・・・

【なに??この音!】

「なんだ・・・・この耳が割れるような音は!!」

 突然、キーンという音と恐ろしい声が洋館全体に鳴り響いた。

【憎い、人間どもが憎い・・・・お前たち人間共々、この洋館を消ししてくれる・・・・】

 こ、これだ!最後のイベントだ。時間内に外に出ないと、この滅びた洋館と共に異次元に飛ばされる。

 ゲームでは間に合わないとゲームオーバーでやり直しになる強制イベントだ。でも、僕は逃げ方を知っている!

「アンナさん、正面の扉の鍵を開けてください」

「分かったわ。。。。あれ、鍵は開いたのに、扉が開かない!扉の周りが歪んでいるわ!」

「ケント、来た道も扉が開かない。さっきの爆発で歪んだんだ!壊そうにも、もう爆弾はない!」

 まずい、このままでは、全員異次元に飛ばされ終了だ。この世界はゲームじゃないので、やり直しは効かない。

「ケントさん、どうするの?私死にたくない!」

 アンナは泣きそうな声で訴えかける。

 僕は頭をフル回転させた。何か大事なことを忘れている。そういえば、この洋館に来る前の会話で

『もうそろそろレベルが上がって、新しいスキルが手に入っても良さそうなのですが・・・・まあ、そんな話はどうでもいいですけど。』

 ってアンナさんは言っていた。

 そして、ボス【キラーキャンドル】を倒した。さらに、彼女は今【足払い】と【爽快ステップ】を覚えている。。。。

 そうだ、可能性を見つけた!

「みんな、その正面の扉から逃げることが出来ます!大丈夫です。僕を信じて!」

 握りしめた【ライアーストーン】が光り、そして消えた。【ライアー・チェンジ】の成功だ!

 すると、爆発で一緒に崩れ落ちた階段の裏から、一匹の動くろうそくが現れた。

「まだ生き残りがいやがったか。こんな時に」

「アンナさん、その動くろうそくを倒してください!」

「何言っているの?こんな時に!」

「いいから、僕を信じてください!」

 涙を浮かべているアンナは、言われるがままに動くろうそくを一撃で倒した。さすがだ。

「あの・・・・こんな時になんですが・・・・レベルが上がりました」

「アンナさん、今あなたが手に入ったスキルは、【正拳突き】じゃないですか?」

「え?ほんとだ。その通りです」

「その正拳突きで、正面の扉を攻撃してください!」

「なるほどケント、分かったぜ!アンナやるんだ!」

 アンナは、正面の扉に【正拳突き】で攻撃した。歪んで開かなかった扉が外に飛んで行った。

「よし、全員脱出だ!」

 僕たちは、開いた扉から外に出た。その瞬間、【滅びた洋館】は消滅した。

「さっき、動くろうそくがいなかったら、助からなかったわ。奇跡よ」

「ふ~マジでギリギリだったぜ!報酬に目がくらんでついてきたが、死んじまうと意味がないからな」

「やっぱり、報酬が目当てだったのね。まあ、いいわ。あなたがいたから助かったってのもあるから」

「そういえばアンナちゃん、泣いてたな?綺麗な顔に涙は似合わないぜ!」

「やめて~!絶対だれにも言わないでよ!言ったらただじゃおかないから!」

「おっ、いいね!その怒った顔が痺れる!」

 まあ、何とか生き延びた。しかし、僕の【ライアー・チェンジ】はいつもギリギリだ。


 消え去った洋館の跡地に、クリスタルが落ちていた。洋館と一緒に消えなかったのか。先ほどの【ダークキャンドル】のものだろう 。

 それをミランが拾って、アンナに投げ渡した。

「美女には、涙よりも宝石がお似合いだ。」

 僕とアンナはちょっと引いた。
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