ライアークエスト

かしわで

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第六章 ウソつき勇者と王宮の姫

6-4 さらわれた姫

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 僕たちはギルドを出て、次の行動について話をする。

「さぁ~て、確か目的は賢者探しだったな」

「何処に向かいましょう?」

「う~ん、何処に向かいましょう?」

 ミランとアンナは、僕がレイアに【賢者の石】を持ってもらったことは見ていない。二人はお金に夢中でそれどころじゃなかったようだが。
 僕たちは魔導士が向かいそうな、魔法道具が売ってある店に向かった。中に入ったが、それっぽい人はおらず(そもそも、それっぽい人ってなんだ?)とりあえずいた人に【賢者の石】を触ってもらったが、効果なし。
 しかたなく外に出ると小雨が降っていた。

「明日、ギルドの中で、それっぽい人を観察しましょう」

「そうだな、クエストを探しに来る者の中に、それっぽい奴がいるかも」

「二人とも、それっぽいって、どんな人よ!」

 そんなことを言っていると、急に鎧を着た騎士たちがこちらに向かってきた。そして、僕たち3人は囲まてしまった。

「おいおい、何があったんだ?俺たち急に有名人になったのか?」

「まさか、報酬を狙っているわけじゃないわよね?」

「貴様ら、リリア姫誘拐の容疑で拘束する」

「ええ??」

 僕たちは捕まってしまった。

------------------------------------------------------

 僕たちには全く見覚えは無いのだが、とりあえず反抗せずに拘束されることにした。

「教えてくれ、何があったんだ?」

「何を言うか。貴様らが渡した犬が、突然モンスター化して執事に大けがを負わせ、リリア姫をさらった。計画どおりなんだろ?」

「リリア姫がさらわれただと?」

 僕らはそのまま王都の牢屋に入れられた。当然武器や調剤等は全て没収された。

「ケント、えらいことになっちまったな」

「うう、せっかく買ったアクセサリが・・・・ってそれどころじゃないわね。姫様心配だわ」

「だが、このままでは何も出来ないぞ」

 外は小雨から大雨に変わっている。ゴロゴロと雷の音もなっている。

「外は雨がひどいな。あれを見ろ、ここから大時計台が見えるぜ。あと15分くらいで9時だ」

「反対側には、大きな木があるわ。何年物なのかしら」

 僕たちは小窓から外をのぞいた。右を見ると大時計台、左を見ると近くに大きな木が見える。僕はそれを見てやっと
思い出した。このイベントでの脱出方法を。

「ミラン、アンナさん、脱走しましょう」

「え?何言っているんだ。この牢屋、そう簡単には穴は開かないぞ」

「ミラン。この壁を壊せるくらいの爆弾は作れますか?」

「爆弾だって、確かに服の内側に調剤は隠してあるので作れるが・・・・。デカい音で絶対バレるぜ」

「大丈夫、僕を信じて。絶対脱出できる!」

 僕は盗まれていない【ライアー・ストーン】を握りしめた。【ライアー・ストーン】は手の中で光り、そして消えた。

「おいおい、信じろって、冗談にしてはこの状況では笑えないぜ」

「いいから、この壁を壊せるくらいの爆弾を作って」

 ミランは爆弾を作った。僕はその爆弾を壁際に仕掛けた。そして、【ファイアボール】と【タイムシフト】を唱えた。

「で、この後どうするんだ?まさか雷と同時に爆発させようって、冗談言うんじゃないだろうな?」

「そうですよ」

「おいおい、仮に雷が落ちるとして、どうやってそれが分かるんだ?」

「もうすぐです。あの大時計塔を見ていてください。そして、爆弾から離れてください」

 ミランは小窓から大時計台を見た。数秒後、雷の音とともに、大時計台に雷が落ちて、炎が上がった。

「おい、マジかよ。本当に雷が落ちたぜ。でも、爆弾は爆発させていないじゃないか?」

「5・4・3・2・1・0、今だ!」

 僕は【タイムシフト】を解除した。同時に【ファイアボール】が発動し爆弾が爆発した。それと同時に、雷が見えていた大きな木に落ちた。ものすごい音がした。そして、壁に穴が開いた。

「マジでビビったぜ。本当に同時に爆破させやがった。お前は雷使いか?」

「そんなことはいいので、出ましょう!」

 僕たちは開いた穴から牢屋を出た。普段はいるはずの見張り人は、外の木に落雷したことで、そちらに集まっているようだ。僕らはそっと外にに出た。

「よし、脱出出来たぞ」

「途中に私たちの荷物が有ったので、取り戻して来たわ!」

「アンナ、でかした!」

 僕達は大雨の中、街の方に向かった。そして、雨宿りが出来そうな橋の下に入った。

「で、どうする?」

「このまま、姫を助けに行きましょう」

「この雨の中?」

「いずれ、僕達が逃げたことは分かります。だから今のうちに助けないと」

「分かった。でもどこへ?」

「多分、あそこです」

 ケントが指差したところは、すでに人が居なさそうな廃屋だ。

「なんで分かるの?」

「さっきも行ったでしょ!僕は犬の場所がカンで分かるんです。」

もちろん、このイベントを知っているからだ。適当に嘘をついた。
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