ライアークエスト

かしわで

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第六章 ウソつき勇者と王宮の姫

6-5 誘拐犯と本当の目的

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 僕たちは、雨の中指差した廃屋に向かった。中に入ると雨漏りがしていた。更に奥に進むと部屋があり、独りの男と縛られた女の子がいた。側には子犬がいる。女の子はリリア姫だ。

「よくここが分かりましたね」

「犯人はあなただったんですね」

 そこには、先ほどリリア姫と一緒にいた、執事のトロントがいた。

「なぜあなたが?」

「僕はこう見えても、魔王と契約を結んでいましてね。ずっと姫を連れ去る準備をしてたのですのよ。姫はあの一件以来、警備が厳しくてね、犬を探すと言う名目で、王宮の外に連れ出したのですが、今回はまんまと警備が緩くなりましたよ」

「子犬がモンスター化したのは?あなたが大怪我したと言うのは?」

「前もって準備していたフェイクですよ」

「お前の言う、あの一件ってなんだ?」

「あなた方は知らないのですか?まあ良い。どうせここで死にますから」

 トロントは、魔法【ウインドウカッター】を唱えた。僕達は、すんでのところで交わした。それと合わせて、ミントはロープを投げて、トロントの腕に絡ませた。そして、アンナが【爽快ステップ】ですばやさを上げて、トロントにさっと近づいて飛び蹴りを入れた。トロントは蹴りの勢いで壁に飛ばされた。そのままぐったりした。

「意外とあっさりだな。また蹴りの威力を上げたか?ますますおてんば娘の名声が上ったな」

「余計なこと言わなくて良いから、縛るわよ!」

 ミランとアンナは、倒れているトロントを動けないように縛った。

「観念するんだな。このまま王宮に連れていってやる」

「ふふふ」

「なに笑ってやがるんだ?美女に縛られるのが好きな類いか?」

「私は、ただの時間稼ぎだよ。今頃はもう・・・ ・」

「時間稼ぎだと?どういう意味だ?」

 僕は彼の言葉を聞いて、とんでもない事を思い出した。

「しまった、【クエクエ1】のパターンだ!」

「クエ?なにそれ?どうしたのケント?」

「アンナさん、その男が逃げないように見張っておいてください!」

 僕はその部屋を飛び出し、雨の中宿が集まるエリアへ走っていった。

「おいケント、どうしたんだ?」

 ミランが後ろかついてきた。すると遠くの宿で爆発音がした。そして、何かが飛んで行ったのが見えた。暗いので何かは分からなかったが。
 僕は爆発があった宿に着いた。すでに人だかりが出来ていた。宿の名前は【クランベリー】。悪い予感が当たった。
 人だかりをかき分け、宿の中に入った。二階から埃が下りてきていたので、そのまま走って二階へ駆けあがった。そして扉が壊れた部屋の中に入った。そこは、窓側の壁に大きく穴が開いており、外から雨が吹き込んでいる。部屋の端には、腕を負傷した老人が倒れていた。ジルだ!

「ジルさん、大丈夫ですか?何があったんですか?」

「うう、ケント殿か・・・・レイアがさらわれた。」

「やっぱり。今すぐ追わないと」

 部屋を出ようとした僕を、ジルが僕の腕をつかんで止めた。

「今のままでは無理じゃ。相手は魔人じゃ」

「魔人・・・・だと?」

「その様子だと、知っているようですな」

 追いついてきたミランが、部屋の中を調査していると、一枚の紙を見つけた。

「おい、紙何か書いてあるぞ。【ジルベルト・旧王の間で待つ。期限は明日の昼12時。】って書いてあるぞ。どういう意味だ?」

「そうですか・・・・とりあえず外に出ましょう」

 ミランはジルに薬草を与えて傷を回復させ、宿から外に出た。

「これからどうする?」

「ケント殿、ミラン殿、王宮へ向かいましょう」

「なに?王宮だと?」

 気付いたら、すでに雨は上がっていた。ミランは空を見上げた。

「王宮か、こりゃもうひと雨振りそうだな」
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