ライアークエスト

かしわで

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第七章 ウソつき勇者とマリア姫救出作戦

7-6 王都への帰還と宴

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 レイアを救出して、王都に戻った。帰りの馬は、ミランがレイアを乗せていこうとしたが、アンナがとてつもない形相をしたため、さすがに無理だど判断し、ジルが乗って来た馬に同乗した。

 王宮に到着すると、既に連絡を受けていた、リチャード王と、フローラ王妃、リリア姫が待っていた。

「ああ、マリア、こうして再会出来ることを毎日祈っていました」

「マリア、私はお前をずっと探していたよ。10年もかかってしまった。許しておくれ」

「お父様、お母様、心配をかけてしまい、申し訳有りませんでした」

「お姉さま・・・・なのですか?」

「そうよ、リリアのお姉ちゃんよ。初めてでしょうけど、本物よ」

「お姉さま!」

 再会を喜ぶ4人。レイアは、【封魔の石】を破壊したことで、10年前の記憶を取り戻した。もちろん、今までの10年間の記憶も残したままだ。その様子を見て、アンナは感動して泣きじゃくっている。

「今夜は宴だ。10年間行方不明だったマリア姫の救出祭だ!」

 突然の宴の開催で、王都民達はとても驚いていたが、マリア姫が見つかったことと、宴の費用は全て王宮持ちという事で、大いに盛り上がった。

「ケント、この街は美女が多くてつまらないぜ!一生暮らせそうだ!」

 ミランは、街の女性達に囲まれてバーボンを飲んでいる。今回の討伐隊の一人と言うことで、女性達が狙っているようだ。それを少し離れた場所で、アンナが見ている。

「ミラン、私という人がいながら・・・・」

 かなりの怒りモードだ。ただアンナにも、男性騎士やお金持ちの商人が言い寄ろうと待ち構えている。そこに、イケメンのいかにも遊びなれている、男性騎士が近寄ってきた。

「隣、いいかな?」

「どうぞ」

「今日は独りですか?」

「そうね、残念ながら」

「もしよければ、私と飲みませんか?」

「え、私と?いいこと無いわよ」

「何を言います?貴方ほどの美女とお酒を飲めるだけで、私は幸せです」

「え?美女って、私の事?」

「もちろんそうですよ。私の知る限り、この王都では一番美しい」

「え?そうなの?嬉しい。いただこうかしら」

 アンナは貰ったお酒を一気に飲み干した。

「うーん、私お酒が弱いんです。私をどうするつもり・・・・」

 アンナはその男に寄りかかった。

「仕方ありませんね。私の部屋へお連れしましょう。」

 そう言って、アンナを抱えようとして時、頭からバーボンをかけられた。かけた人物は、先ほど女性に囲まれていたミランだ。

「おい兄ちゃん、薬入りの酒を飲ませて、どうするつもりだ?」

「ううぇッこれ酒じゃないか!君、何を言います?私は何も!」

「薬士の俺の前で、そんな嘘が通じるわけないでろ?」

「ば、ばかな、証拠も無いのに何を。私と勝負する気か?」

「勝負?良いぜ。ただ、腹の調子は大丈夫か?」

「腹だと?あ、ヤバい、お腹が。。。。」

 そう言って、イケメン騎士は何処かに去っていった。

「身体には害はないが、明日までは動けないだろうぜ。そこのお仲間さん、言っておいてくれ」

 ミランはそう言って、アンナを抱き抱えた。

「全く、酒も大して飲めないのに。お前のような女は特に気を付けないと」

「ん、ああ、私どうしたんだろ?」

「アンナ、起きたか?お前、連れ去られそうになってたぜ。全くもう」

「あ、さっきの男!私をどうする気!」

 アンナはミランにパンチを食らわせ、起き上がった。そして、周りの椅子を投げはじめた。

「落ち着けアンナ、俺だ、ミランだ!」

「ミラン?あの浮気者か!」

 暴れるアンナを、周りの男性騎士が押さえようとする。だが、アンナの力はお酒の影響でリミッターが外れているようだ。騎士達を投げ飛ばし、暴れつつけている。

「はー、ミランもアンナもなにやってるんだか」

 僕は、巻き込まれないように遠くから見守っていると、隣にリカルド団長が来た。

「ケント殿、今日の活躍、大変お見事でした。こんなに若いのに魔人を倒されるなんて、感激しました。どうですか?将来の王宮騎士団団長候補としてここに残られるのは?」

「リカルドさん、私なんてまだまだです。それより、結構飲んでますね」

「何を言います、私は全然ですよ!」

 リカルドはだいぶ酔っているように見えた。そこに、ジルが現れた。

「ケント殿、わしもお主の才能は高く評価しておるぞ!このまま、レイナ、いやマリア姫の護衛として残るのも良いのでは?」

「もう、ジルさんまで!」

「わはは、冗談じゃ。おぬしは勇者じゃ。やるべき事があるんじゃろ?」

「そうですね、魔王を倒さなくてはなりません」

「だろうな。お主には、その覚悟が見える」

「そう言えば、さっきまでレイアさんと一緒だったのでは?」

「今頃、王宮じゃ」

 僕は、グラスをテーブルに置き、レイアがいる王宮へ向かった。そこでは、王と王妃、レイアがいた。何やら話をしていたので、僕は柱の影に隠れてしまった。

「マリア、私は本当に嬉しいぞ。」

「私もです、お父様、お母様」

「これからは、ずっと一緒にだ。」

「はい、でも今、私はスーザン村に住んでいます。あの村は老人ばかりで、私が頑張らないと、村が死んでしまいます」

「安心してくれ、スーザン村については、この街から農業をやりたい人を探し、移住させよう。そして、農作物、特にスーザン・マンゴーは、王宮との永久契約としよう」

「でも、そんなことをしたら、ひいきになりませんか?」

「心配するな。我々が高値で買い取り、王都民へ毎年の祭りの際に振る舞うようにしよう。そうすれば、民も我々も食することが出来る」

「本当ですか?ありがとう、お父様。あと、ジルの事なのですが・・・・」

「ラインハットか、彼はマリアの専属護衛として、既に契約済みだ」

「あ、ありがとう。何から何まで・・・・」

 レイアは涙を流した。

「だから、われわれ家族は、失われた10年を取り戻そうじゃないか」

 僕はその会話を聞きながら、胸が熱くなった。いつの間にか後ろにミランがいた。

「いい感じじゃないか?あの家族」

「ミラン、アンナは?」

「あの後、疲れきって、突然寝てしまったよ。近くにいた王宮のメイドに部屋に連れていって貰ったよ」

「ミラン、申し訳ないけど・・・・」

「ああ、分かっているさ、これを見たらな。さ、戻って続きをしようぜ!ジルの爺さんも、なかなかの美女好きだぞ!」

 僕とミランは街に戻った。

「ところでマリア、いずれはこの国の王妃となる運命だが、心に決めた人はいるのか?出来れば、王の器にふさわしい方が良いのだが。まあ、そればかりは私が口を出してはいかんがな」

「お父様、実は・・・・」

 話は続いていた。だが、僕はそんな話があったことは知らない。
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