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1集 双子の姉妹
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しおりを挟む遥か昔から人と龍は共生してきた。
龍種は神として人々の信仰を集め、龍は人間に対し加護を与え栄えてきた。
人間達の国はいくつかあれど、その全ての頂点にいるのは龍王が纏める龍王国。
そして龍とは神ではあるが、一つの種でもある為、龍特有の習性があった。
ーーーそれは番。
龍族自身にも抗えぬ番を求める渇望に翻弄され身を滅ぼす龍族もいた程。それは大切な珠玉の玉。
龍に見染められれば一生を安泰に生活出来る為、人間にとっては最高の誉れであった。
しかし、龍にとってそれほど特別な存在である番もすぐに見つかるわけではなく、長寿である龍が時には狂ってしまうほど出会える確率は低かった。
同じ時、同じ時代に生まれ落ちる事がどれほど難しいか。如何に最強の種族である龍でも天に任せるしかなかったのである。
それでも番を求める龍族の嘆きは強く、出逢えたらその番を一時も離さず寵愛する為、人間達は我が娘をと龍に差し出すのだ。大陸全土から若い娘に願いを託し、番いであれと。
そして、中でも力の強い龍種に見染められれば一族の誉れであったので、人間の権力者たちは挙って差し出すのだ。
龍王もまた番は未だ見つかっていないーーーー。
◇◇◇
1.双子の姉妹
龍王国を中央にし、それを囲うように5つの国が存在する。
龍王国はこの世の全ての頂点である龍王が治める国。
環国、彩国、寧国、晋国、雅国という5つの国の国主は人間である。
しかし、国主とは言ってもその更に上には龍王を頂点とする龍達がいるので実質は州都の知事のようなものであった。
環国は武術、彩国は農業、寧国は産業、晋国は学問、雅国は芸術といったそれぞれの特色があり毎年番の選定式には様々な芸事を叩き込んだ姫を龍王国に送り込んでいた。
龍には貴賎関係なく番となる者がいる可能性があるので、成人を迎えると女子は地位のある家の姫だけではなく庶民も一度は皇宮に足を踏み入れる。
5つの国の一つ雅国。
この国は主に芸術を愛する気風の国。
宰相府には、二人の姫がいる。
双子として誕生した女児は一人は血色も良く、髪は少し茶色掛かった愛らしい子であった。
しかし、もう一人は肌も真っ白、髪も真っ白、目だけが鮮血のような赤い瞳で生まれた事により二人の運命を分けた。
色素のない姫の誕生に家人は皆恐れ慄き、物の怪ではないかと疑った。
生まれ落ちる前に考えられていた名前は麗華(リィファ)と瑞麗(ルェイリー)。
色素の無い姉姫には麗華。妹には瑞麗と名付けられたが二人の扱いは生まれた瞬間から違うものになった。
本当ならば殺してしまいたかった姉姫をある意味龍の番制度が命を救った。妊娠すると皆役所で赤子が男か女か、何人身篭っているかも龍の力で調べられ、一人も取りこぼしの無いように管理されていた。母子ともに命を落とす事がないよう加護まで与えられる徹底ぶり。
それもこれも全て生まれてくるかもしれない番の為であった。もし本当に殺してしまった場合、万が一龍の番であったら龍が狂い手が付けられなくなる。
だから麗華は生かされた。
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