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二章
後日譚(中編)
しおりを挟むあの宴の翌日。
皇太子達は王宮から馬車で学院まで送迎された。
一応寮も完備しているが、他国の王族なので王宮から通う事になったようだ。
女性は何かと準備に時間がかかるので、皇太子たちとは別に馬車を用意したのだが頑としてエリーゼは一人で乗る事を拒否ったらしい。
曰く、自分だけの馬車など不要だし皇太子のお世話が出来ないからとか。
しかし、朝の準備は女性の方が時間がかかるものでさっそく皇太子を待たせていたので周囲の者達は逆に不敬に当たるのではと思っていたが口にしなかった。
まぁ、本人たちが気にしていないならわざわざ言う必要もないだろう。
「では、フォルカ。学院では皇太子達をお願いするわね」
「任せてー!お姉様の力になれるよう上手く動くわ」
レスティアはフォルカの見送りに来ていた。
昨日二人で楽しいお話をたくさんしたのだ。是非頑張ってもらいたい。
ちなみにフォルカの公式の場以外での言葉遣いは若干令嬢らしくないがレスティアはそんなところも可愛がっていた。
レスティアが迫力美人ならば、フォルカは溌剌美人だ。フットワークが二人とも軽いので姉妹は良く気が合う。
「何かあればすぐ知らせてちょうだいな。面白い事に乗り遅れたら悲しいわ」
そんな真っ黒い笑みを浮かべてレスティアは手を振った。
ーーーーーーーーーーーーー
「今日からこの学院で暫く共に学ぶ事になる。皆よろしく頼む」
案内された講堂でジオラルド以下ローラン王国のメンバーが次々自己紹介をした。
他国の王族を迎える事など滅多にない事なので周囲が騒ついた。
他メンバーも高位貴族なので、玉の輿を狙う女子生徒もいるだろう。
「はいはい。皆さん落ち着いて下さいねー。あ、殿下。講堂内は自由席ですので空いてるところに座って頂いていいですよ」
「はい」
一応学生なので、王族だろうと教師へは敬語だ。
このクラスの担任の女性に促されジオラルド達は席に着席した。
「さて、今日は他国からの学生さんが来られたので前回までの授業は一時中断しお互いの文化の違いなどを比べてみましょう」
こうして学院での日々が始まっていったーーーー
そして昼食時間。
フォルカは殿下たちを食堂へ案内するために席を立つ。
「フォルカ様お供しますわ」
「あら、イーリス様。いいの?」
「もちろんですわ。何かあれば協力は惜しみません」
後ろからフォルカに話しかけたのは公爵家令嬢のイーリスだった。
恐らく姉が気を利かせてくれたのだろうと当たりを付け、フォルカはイーリスの手を取った。
「心強いわ。よろしくお願いします」
「で、さっそく殿下方の元へ?」
「えぇ、食堂へ案内するわ」
「かしこまりたした」
殿下達は午前の終了ベルにどうすべきか迷っているようだった。
「ジオラルド殿下。午前の講義お疲れ様でした。よろしければ食堂へご案内致します」
「ああ、フォルカ殿。良かった。丁度どうしようかと思っていたところなんだ」
「まぁ、それはジャストタイミングですね!お声がけして良かったです」
フォルカにとっては狙ったので若干違和感があるがどこ吹く風だ。
殿下と一緒にいたメンバーはホッとしたように安堵した。
ただ、エリーゼはフォルカの存在に不満があるのか少し不機嫌そうだったが。
殿下を誘導しながら食堂に向かって校舎の渡り廊下を共に歩んでいく。
「こちらが食堂です。この食堂はワンフロアで、テラス席もございます。」
フォルカは到着した食堂の内装を説明し、利用方法も説明した。
「この食堂では全校生徒、教員が自由に利用出来休日の昼食時間帯は一般にも解放されています。席も自由ですのでお好きな所で大丈夫ですよ」
「え?ここには専用席はないんですか?」
「専用席?」
フォルカの説明を聞いてエリーゼが疑問の声を上げた。
ローラン国の御付きの者達も不思議そうにしている。
「ローラン国では王族や高位貴族のみが利用出来る専用フロアがあって、一般生徒は利用出来ないんです。安全面からも重宝してるんですよ」
「まぁ、そうなんですか。ですが、こちらにはそのようなフロアは御座いませんのでご容赦下さい」
「そんなんじゃジオラルド様は王族だし警備が心配だわ。専用シートを用意して欲しいです。」
「そうだな。護衛はいても周りを自由に生徒達が利用するのであれば仕切りはして欲しい」
エリーゼの言葉に宰相子息のオリバーが声を上げた。
「わかりましたわ。ですが、警備についてはご安心を。学院の警備には軍部の特殊部隊が今回付いておりますし食堂のコックたちは退役した元軍人達ですから滅多な事は起き難いと思います。また、この場に出入り出来る人間は身分証を発行した者のみですので下手な事も出来ないでしょう」
「!?」
調べたところローラン国の学園の警備面は学院所属の私兵といっても良かった。
もちろん王宮からも衛兵が派遣されているが、命令系統の異なる二つの勢力がいるのである。
更に高位貴族や一部の金持ちの商人の子息達が独自に連れてきた個人の護衛もいる。
そうなると何が起こるかというとお互いプライドも高い為牽制し合いお互いの足を引っ張り合うのである。
協力も中々難しいので度々問題視されている。
国としては王都の警備隊に全て任せたいが、学園側にもメンツがある。という現状だった。
その点ルベイン公国は学院の私兵はおらず全て国の軍人が務めている。それも今回は国賓がいるという事なので要人警護専門の部隊が警備に当たっている。
学院の出入り口にも24時間体制で警備が配置され外部の人間が入る場合はその人間の側に常に控えて回る徹底ぶりだ。
「なるほど。この国は効率化されているのだな。素晴らしい」
警備の在り方の説明を聞いてローラン国の騎士団団長子息のギルバートが関心を示した。
自国の警備体制の不味さを誰より理解しているのは彼だろう。
一応納得したのか臨時で設けさせた仕切りスペースに入り着席した。
すぐにウェイターが来て全員に飲み物を差し出す。
「フォルカ様。本日の昼食ですが…」
「ああ、ありがとう。申し訳ないけれど配ってもらえる?」
「かしこまりました」
「おい、メニュー表はないのか?」
「メニュー表ですか?本日の献立は食堂入り口の看板に表示していますが…」
「何だと?まさか全員一緒の食事なのか!?」
ウェイターの言葉に驚く筆頭公爵子息のロイが大声で叫んだ。
「何か問題が?」
「問題だと!?一平民までいる場でその者共と同じメニューだと!馬鹿にしているのか!」
「そうよ。ローランではメニュー表があって皆好きな食事を頼めるんだから。王族の方には特別メニューもあるし。下々と同じ献立なんてありえないわ」
ロイに続きエリーゼも文句を言う。
殿下も何も言わないものの不服そうだ。
皆から避難の視線を向けられたウェイターはビクッと飛び上がり顔を真っ青にさせる。
「一言よろしいかしら」
そんなピリピリした空気にフォルカが声を上げる。
「うちでは全て同じメニューですよ。うちの食堂の料金は全て国の税金で賄われていまして生徒の負担を無くしています。その為メニューは統一し仕入れる材料の低コスト化を実地してます。我が国では全ての国民が学院に入学しますからね。大事にしているのは食事のバリエーションよりも皆がすべからく学び国力の増強を計っていますから。」
もちろんアレルギーや体調不良の為のメニューは別メニューで用意されている。
一般のレストランの様に好きなメニューを頼めるようなシステムはコストがかかり過ぎるため大公家の人間であろうが全て同じ物を食べるのだ。
ただ、メニュー自体は貧相では決してない。栄養バランスはしっかり考えられ食事が出る上に基準は貴族だ。それを平民も食べられるのである。平民の間では学院の食事が大人気で休日ともなると一般客が大勢来院する。
ちなみに一般客には料金を支払ってもらっている。それでもかなり低料金だが。
一方ローラン国の学園ではまず、平民は殆ど入学出来ない。推薦状がなければそもそも資格が与えられず、入学出来ても身分から蔑まれる事が多い。
また、各エリアには貴族と平民のスペースが分かれており、更に貴族間でも高位と低位に分かれている身分至上主義なお国柄だ。
最低限の備品の支給はあるが食堂の利用料金も自腹で頼めるメニューの差によって自然と平民メニューと貴族メニューに分かれていった。
ちなみに貴族でも一歩間違えば平民に近い男爵などの身分は貴族メニューを頼む事が難しく蔑まれる一つの要因となっている。
「気に入らないのであれば調理場をお貸ししますのでご自身でコックを雇うしかないですよ。うちのコックは退役したとはいえ日雇いではないですし、国から報酬を支払われています。後、あまり周囲を顧みず蔑む言葉は謹んで頂けるかしら。周りの視線に気付いてます?」
先ほどから周りの生徒たちは殿下達の言葉を聞いてシンと静まり返り、不快を露わにこちらを見ていた。
平民だけでなく高位貴族と思われる子息子女もだ。
「この国にいる以上はこちらの常識を理解して頂きたいですし、その思想は逆にこちらでは蔑みの対象ですから心の中だけで留めておくのが懸命です」
一応注意はしたが、もう手遅れだろう。噂は凄い勢いで広がるし一般市民や王宮にもすぐ伝わるだろう。
お客様は選民意識の高いクソガキだと。
(お姉様…順調過ぎるわ…)
こっそりフォルカは笑う。
「フォルカ様、仕方ありませんわ。お国柄というものでしょうし私達が生徒たちを抑えて置けば問題ありません」
イーリスがフォローを入れる。
フォローどころか煽る一手だが。
「し、失礼だわ!私たちはごく当たり前の事を…!」
「当たり前?国民を蔑む事がですの?国民は国の宝ですわ。国民がいなければ国が立ち行かない。税を納めるのは一般国民達でしてよ。昔から民を蔑ろにし暴政を敷いた国の末路は酷いものでしょうに。そうなれば餓死者が増え、税を納められず民は圧政に苦しみ流民となりますわ。民が減ると更に税が引き上げられ物価は上がり生産力は下がる。知っていまして?ローラン国から毎年流民が少なからず我が国に流入してますのよ」
「なっ!?」
驚く殿下達。
そんな事実は知らなかったのだろう。
ローラン国では民は国の所有物であり、省みられる事が少ない。
毎年の様にローラン国から逃亡してきた流民たちがいるので保護をするがあくまでローラン国の国民なのでローランから問い合わせがあれば送還するしかないのである。
ただ、問い合わせが無くこちらからも問い合わせをする事がない為一年経てばこの国で市民権を与え仕事を斡旋したりしている。
仕事と言っても強制労働などではなく、きちんと給料が支払われ休日もあるのでローランの平民の間では密かに計画を立てルベインへ渡ってくる者もいた。
「そ、それならこの国にいる流民達は皆ローランの民ではありませんか!返すべきでしょう!?」
「自国に帰れば死ぬかもしれないと恐れる者をですか?貴族とは国民を保護する義務があります。保護し、保証し、支援する事で私たちは貴族でいることを認められているのです」
「そ、それは…」
フォルカはエリーゼの言葉に冷たい目で答えた。
「ああ、ごめんなさいね。この思想は我が国の国民全てに教えられているのですが、貴方方は違いましたわね。ここにいるのは少しだけですし別に考えを押し付けたりは致しません。ただ、良くお考えになってから発言する事をお勧めします」
まぁ、例外があったとすれば廃嫡されたレオンたちであろう。レオンの思想はローランに近い。そう考えてみると情操教育が徹底している筈なのに少し不自然だ。
何か裏があるのではーーーー。
(お姉様に聞いてみよう)
ーーーーーーーーーーーーーーーー
そんな一件があった後から殿下達は周りの視線に居心地の悪い思いをしているという。
何故自分たちが蔑むような視線を向けられなくてはならないのかとかなり憤っているようだ。
しかも、ルベインの貴族以外の生徒からも同じような視線を送られているので平民風情が!と声荒げたらしい。
それが更に立場を悪くし、話しかける者もいなくなり完全に孤立した。
ジオラルドたちが現れるとさざ波の様に周囲から人が引いてゆく。
遠巻きにされているというのに何を勘違いしたのか、やっと身分を弁えるようになったのかと宣う始末。
もはや、ジオラルドたちと会話するのはフォルカとイーリスくらいだ。
「フォルカさん。いい加減ジオラルド様に付き纏うのやめてくれません?」
更に頭の悪い事にエリーゼはもはや気を使う素振りさえ見せず何を思ったのかこんな事を言い始めた。
「訳のわからない事を言わないでください。私は公王や、お姉様から直々に殿下をお願いされているのです。付き纏いとは失礼ですよ」
「それが越権だと言ってるのよ!もうこの学院にも慣れたわ。貴女は必要ないの」
「一つ伺っても?」
「…何よ」
「それは殿下の御意志ですか?そうであれば理解しましょう」
「あ、当たり前じゃない!だから私が…」
「では聞きに参りましょうか。もし殿下が必要ないと言われるのであらば、公王陛下やお姉様へ報告しローラン国にもそのように」
「どうしてそんな事が必要なのよ!大人しくしてなさいよ!」
「先ほどから頭の悪い…。いいですか?これは正式な依頼よ。私が必要ないからと勝手にやめるわけにはいかないのです。そして、貴女の国では知りませんが、高位貴族である私にそのような口の聞き方をして許されるのかしら?貴女は殿下の御付きであろうと身分は子爵令嬢ですよね。正式にローランへ抗議文を送りましょうか」
「なっ!貴女もやっぱり身分に拘るんじゃない!何よこの国だってーーーー」
「礼儀は必要でしょうという話をしているだけなのですけどね。埒があかないので殿下の元へ行きましょう」
「その必要はないわ!!さっさと身を引けばいいのよ!貴女もしかしてジオラルド様に懸想でもしてるの!?」
と、突然とんでもな事を言い始めた。
「……は?」
危うくフォルカは素が出たが慌てて取り繕った。
危ない、危ない。
「だってそうでしょ!こんなに言ってるのに聞かないし、殿下と離れたくない理由でもあるのかと思って!はっ!まさか、不相応にもジオラルド様の妃でも狙ってるつもり!?」
意地悪く笑ってエリーゼはこちらを見た。
ははーんとさも、理解しましたと言わんばかりにニヤニヤし始める。
令嬢がする表情ではない。
「お生憎様!ジオラルド様は私を愛してくれてるわ!本人からも言ってもらったもの!だから、私が未来の妃よ!そうなると身分も関係ないわよ」
「…はぁ…」
あまりの剣幕で話すエリーゼに生返事するしかないフォルカ。
「何をしている?」
そんなカオスな現場に新たに別の人間から声がかかった。
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