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第2章 Birthday
第23話 森山 雪乃2
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雫に話さない訳にはいかなかった。
でもこの話は雫の為にもなるんだと自分を奮い立たせて話す事を決めた。
「おめでとう!お姉ちゃん!」
案外、素直に受け入れられた。
と言うより、本気で祝福してくれている。
少し後ろめたい気持ちがあった私は、雫の嬉しそうな顔を見て拍子抜けした。
「雫、こんな事聞くのはなんだけど…彼の事好きだったんじゃないの?それなのに、ごめんね…」
「何言ってるの?お姉ちゃんが幸せになってくれるのが一番嬉しい!私のは、好きって言うより憧れみたいな感じだったから…エヘへ。」
「…っ!し、しずくぅ~!ありがとぅ~!」
流石私の雫!可愛すぎるわ!
こんな幸せな気持ちにしてくれるなんて…
それから私と明夫は順調に交際を続け、お互いに納得して結婚する事を決めた。
自分の仕事をしながら、彼の店をたまに手伝い、将来の話をして、幸せに向けて邁進してた時にあの男が現れた。
なんなの?この男は?
私の雫と、どういう関係なの?
雫と共に明夫の店にランチを食べに来た軽薄そうな男。
雫からは彼氏が出来たなど聞いていなかったから、多分違うと思う。
仕事関係の相手かな?
取り敢えず笑顔で対応する。
二人のテーブルを見ていると、何となく関係が分かってきた。
取引先の相手で、雫の事が気になって、口説こうとしてるって所ね。
雫の反応を見るに、脈はないわね。
フフン!私の雫はそんな尻軽じゃないわよ。
あ、だから雫はここに連れてきたのね?
何かあっても私が居れば安心出来るからね?
もう!さり気なく甘えてくる雫が愛しくてしょうがないわ。
ランチを終えて、帰るみたいね。
男が会計を済ませにレジに来た時、私の笑顔は引き攣った。
「お姉さん、美味しかったです。また来ます。」
「あ、ありがとうございました。」
貴様の様な男にお姉さんなんて呼ばれる筋合いは無い!
内心は怒りが渦巻いてたけど、終始笑顔で対応する私は、最高の姉よね?
その夜に雫から話を聞いたら、『取引先の営業で、何度も誘われたけどずっと断ってた。でも取引先なのであまり無下には出来ないから、一度だけランチならと言う事で誘いに乗った』と言っていた。
雫に全くその気がない事が分かってホッとしたのと同時に、雫にしつこく迫るその輩に再び怒りが湧いたわ。
また来るなどと戯言をほざいていたけど、もしまた来てふざけた事言うようなら、散々にこき下ろして、つまみ出してやるわ!
でも、もう雫も誘いに乗る事は無いだろうし、この話は終わりね。
と思っていたら、また来た。今度は一人で。
ランチを食べ終えて、会計の時に話しかけてきた。
「お姉さん、僕は真剣に雫さんとお付き合いしたいと思っています。」
「は、はぁ。」
お前がどう思おうと、雫にはその気は無いのよ!どこからそんな自信が湧き出るのかしら?不快だわ。
「結婚を前提にお付き合いさせて頂きたいと考えています!」
だから、雫にはその気は無い!
雫の心が分からないような男に任せられるわけないじゃない?
あと、誰がお姉さんだ!
「お姉さんと二人家族だと伺いました。僕はお姉さんも一緒に面倒を見る覚悟ですよ?」
それ迄は笑顔で対応してたけど、その言葉を聞いて表情を作る事をやめた。
男は嫌らしい笑みを浮べながら言った。
「こんな美しいお姉さんなら、喜んで面倒を見ますよ?姉妹揃って僕に付いてきてくれれば…」
それを最後まで言わせる事など出来なかった。
男の顔面に思い切り拳を叩きつけた。
「…っぶはぁ!な、なにを!」
「だまれぇ!このクズが!お前のようなクズに、人を幸せに出来るわけが無い。私は認めない。二度と顔を見せないで。私の前にも、雫の前にも!」
ランタイムで賑わっていた店内が騒然としている。
やってしまったわ。雫の事になると周りが見えなくなるのよね。
明夫に申し訳ない。これで変な噂が立ちでもしたら…
うぐうぐ言って尻餅をついている男に明夫が近づいて起こしてあげる。
「お客様、申し訳ありません。お金は結構ですから。」
ああ、ごめんね。
でも、雫にこんな男を近付けさせる訳にはいかない。
「ですから、とっとと出て行ってください。俺の家族に手を出したら許さんぞ!」
あ、明夫?
凄い怒ってくれてる?
ああ、この人で良かった。完全に惚れちゃったわよ…
「くそがっ!覚えてろよ!」
見事な三下のセリフね。
あー、スッキリした!けど、
「ごめん、明夫。お店の中でこんな事…」
「いや、家族を守るのに場所なんて関係ないさ。気にするな!」
その後は店内のお客様に誠心誠意、謝罪をしてその場をなんとか収めた。
この事は雫に言う必要はないわね。
あの子は悪くないのにきっと謝ると思うから。
あのクズの為に頭を下げる必要なんか何処にも無いんだから。
でもこの話は雫の為にもなるんだと自分を奮い立たせて話す事を決めた。
「おめでとう!お姉ちゃん!」
案外、素直に受け入れられた。
と言うより、本気で祝福してくれている。
少し後ろめたい気持ちがあった私は、雫の嬉しそうな顔を見て拍子抜けした。
「雫、こんな事聞くのはなんだけど…彼の事好きだったんじゃないの?それなのに、ごめんね…」
「何言ってるの?お姉ちゃんが幸せになってくれるのが一番嬉しい!私のは、好きって言うより憧れみたいな感じだったから…エヘへ。」
「…っ!し、しずくぅ~!ありがとぅ~!」
流石私の雫!可愛すぎるわ!
こんな幸せな気持ちにしてくれるなんて…
それから私と明夫は順調に交際を続け、お互いに納得して結婚する事を決めた。
自分の仕事をしながら、彼の店をたまに手伝い、将来の話をして、幸せに向けて邁進してた時にあの男が現れた。
なんなの?この男は?
私の雫と、どういう関係なの?
雫と共に明夫の店にランチを食べに来た軽薄そうな男。
雫からは彼氏が出来たなど聞いていなかったから、多分違うと思う。
仕事関係の相手かな?
取り敢えず笑顔で対応する。
二人のテーブルを見ていると、何となく関係が分かってきた。
取引先の相手で、雫の事が気になって、口説こうとしてるって所ね。
雫の反応を見るに、脈はないわね。
フフン!私の雫はそんな尻軽じゃないわよ。
あ、だから雫はここに連れてきたのね?
何かあっても私が居れば安心出来るからね?
もう!さり気なく甘えてくる雫が愛しくてしょうがないわ。
ランチを終えて、帰るみたいね。
男が会計を済ませにレジに来た時、私の笑顔は引き攣った。
「お姉さん、美味しかったです。また来ます。」
「あ、ありがとうございました。」
貴様の様な男にお姉さんなんて呼ばれる筋合いは無い!
内心は怒りが渦巻いてたけど、終始笑顔で対応する私は、最高の姉よね?
その夜に雫から話を聞いたら、『取引先の営業で、何度も誘われたけどずっと断ってた。でも取引先なのであまり無下には出来ないから、一度だけランチならと言う事で誘いに乗った』と言っていた。
雫に全くその気がない事が分かってホッとしたのと同時に、雫にしつこく迫るその輩に再び怒りが湧いたわ。
また来るなどと戯言をほざいていたけど、もしまた来てふざけた事言うようなら、散々にこき下ろして、つまみ出してやるわ!
でも、もう雫も誘いに乗る事は無いだろうし、この話は終わりね。
と思っていたら、また来た。今度は一人で。
ランチを食べ終えて、会計の時に話しかけてきた。
「お姉さん、僕は真剣に雫さんとお付き合いしたいと思っています。」
「は、はぁ。」
お前がどう思おうと、雫にはその気は無いのよ!どこからそんな自信が湧き出るのかしら?不快だわ。
「結婚を前提にお付き合いさせて頂きたいと考えています!」
だから、雫にはその気は無い!
雫の心が分からないような男に任せられるわけないじゃない?
あと、誰がお姉さんだ!
「お姉さんと二人家族だと伺いました。僕はお姉さんも一緒に面倒を見る覚悟ですよ?」
それ迄は笑顔で対応してたけど、その言葉を聞いて表情を作る事をやめた。
男は嫌らしい笑みを浮べながら言った。
「こんな美しいお姉さんなら、喜んで面倒を見ますよ?姉妹揃って僕に付いてきてくれれば…」
それを最後まで言わせる事など出来なかった。
男の顔面に思い切り拳を叩きつけた。
「…っぶはぁ!な、なにを!」
「だまれぇ!このクズが!お前のようなクズに、人を幸せに出来るわけが無い。私は認めない。二度と顔を見せないで。私の前にも、雫の前にも!」
ランタイムで賑わっていた店内が騒然としている。
やってしまったわ。雫の事になると周りが見えなくなるのよね。
明夫に申し訳ない。これで変な噂が立ちでもしたら…
うぐうぐ言って尻餅をついている男に明夫が近づいて起こしてあげる。
「お客様、申し訳ありません。お金は結構ですから。」
ああ、ごめんね。
でも、雫にこんな男を近付けさせる訳にはいかない。
「ですから、とっとと出て行ってください。俺の家族に手を出したら許さんぞ!」
あ、明夫?
凄い怒ってくれてる?
ああ、この人で良かった。完全に惚れちゃったわよ…
「くそがっ!覚えてろよ!」
見事な三下のセリフね。
あー、スッキリした!けど、
「ごめん、明夫。お店の中でこんな事…」
「いや、家族を守るのに場所なんて関係ないさ。気にするな!」
その後は店内のお客様に誠心誠意、謝罪をしてその場をなんとか収めた。
この事は雫に言う必要はないわね。
あの子は悪くないのにきっと謝ると思うから。
あのクズの為に頭を下げる必要なんか何処にも無いんだから。
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