8 / 107
2章 少女との出会いそして同行
2.3 初めて狩猟完了報告をした話
しおりを挟む
人目につかない街外れに降り、カゴに車輪を創造し縄を引いて街に入った。
人々が足を止め”1人で荷車を引いている!”や”噂の来訪人だ”と話しているのが聞こえてくる。
まあ活躍もしているようだし、それなりに暴れているから嫌でも目立つ。
ここは我慢するしかないだろうな。
獣市に到着し、受付でディパーグの出品をお願いする。
「このディパーグを・・・1人で仕留めたと?」
市場の受付にいた青年が、ディパーグを見ながら驚愕している。
「このサイズ、もうすぐメガディパーグになる個体だったようですね。それを1人で仕留めるとは」
狩猟完了を登録していなかったので、狩猟者証をディパーグにあてると魔法陣が出現し、狩猟完了の登録がされる。
登録が終わったのを確認し、ディパーグを荷車ごと引き取りに来た男たちに渡した。
「頭の切り口も奇麗で、個体の状態も良い。これは高値が期待できますよ!」
青年はそう言うと受け付けを済ませ、俺の後ろに並んでいた人の対応に移った。
待つのにも暇だったので、俺は市場の近くにある露店を見て回る事にした。
この国の装飾品など目新しいものが沢山あり、見ているだけでも楽しい。
「よう! 兄ちゃん」
そんな中、声をかけてきたのは騎馬騎士隊の隊長だった。
「聞いたぜ! 大物のディパーグを仕留めたらしいな」
「何の用だ?」
「そっけねえな」
関わりたくないと思った奴に程、会ってしまうのは何だろうな。
こいつと話しても、ろくな事にならない気がする。
「兄ちゃんに折り入って、頼みがあるんだがよ」
「断る」
「聞くだけ聞いてくれよ! その~・・・なんだ・・・うちのパーティー、騎馬騎士隊に入ってくれねえか?」
「何故だ? 俺に何のメリットがある?」
「・・・それはだな」
大方稼ぎ頭になってもらって、自分達は楽をしようという魂胆なんだろう。
昨日あれだけ楽をして、金貨を得ているしな。
人は楽な方、楽な方に逃げ、利益を得られると思ったものは、是が非でも確保しようとする。
こいつからはそんな意図が露骨に伝わって来るし、待っても回答が無いのが何よりの証拠だろう。
「俺になんのメリットもないのに、そんな誘いを受けるわけないだろう」
「しょうがねえな~、腹割って話すよ。最近うちもメンバーが増えたりしたんだが、狩猟の成果が上がってなくてな。騎馬騎士隊はブロンズしかいないんだが、ブロンズで受けられる依頼じゃ生計を立てられなくなってきてるんだよ」
「メンバーを減らせばいいだろ」
「うちに1人でやっていける奴はいね~し、引き取ってくれるところもいないだろうから、そんな事する訳にいかないんだよ。兄ちゃんゴールドの13になったんだろ? 頼むよ、助けてくれ」
もうこいつの耳に入るくらい、噂になっているのだろうか。
だとするとこいつみたいに俺を利用しようとする奴が、他にも現れそうだな。
それにしてもいちいち癇に障る喋り方をする奴だ。
「引き取り手が無いか・・・。その様子じゃ、お前ら他のパーティーと問題を起こしたりしてるのか?」
「それは・・・」
こいつらみたいな小物がしそうなのは、報酬の持ち逃げ、獲物の横取り、かつあげといったところか。
今日も組合で、同じような事があったしな。
「頼む! 昨日のメガネパルも、無理に無理を言って受注させてもらったんだ。お前が居れば実入りの良い仕事も受けられるだろ!」
人の往来の中、隊長は大声で懇願してくる。
ようは俺に狩猟させて、報酬だけ寄こせと言っているだけじゃないか。
無理を言ってということは、こいつらはメガネパルも狩猟出来ていたかも分からなかったという事。
正直なんの役にも立たないだろう。
それに頼んでいる割には、一度も頭を下げようとしない。
これで受け入れてもらえると思っているのだろうか?
「断る。クズが・・・」
「その言い方は無いだろ! こんなに頼んでるのに、お前に人の心は無いのか?」
「俺は・・・誰からも人間扱いされてこなかった。俺にとって人と関わる事は苦しみの象徴でしかないし、人としての心なんて作ってこなかったんでね。狩猟で食べていけないのなら、他の仕事をすれば良いだけの話だ。結局お前は、楽して甘い汁を吸いたいだけなんだよ」
「俺はそんなつもりは!」
「否定しても無駄だ。お前の話は不快でしかない。俺は遊ばれて搾取され続けてきた。もう誰からも利用されない」
「この野郎!」
隊長は剣を抜き切りかかってくる。振り下ろされた力の無い剣をかわし、右ストレートを顔面に入れて壁まで吹き飛ばす。
今朝の女のように、歯が何本か飛び、鼻は醜い押し花のように潰れている。
「・・・兄ちゃん・・・良い死に方しないぜ」
俺が近付くと捨て台詞を吐いて、隊長はそのまま気絶してしまった。
「知っているよ・・・」
気絶した隊長に向かって、俺は寂しく呟いた。
そのまま市場巡りを止めて獣市に戻ると、もう競りは終わっていて金を受け取る事が出来た。
今度は金貨26枚になったので、かなりの儲けになって喜びたいが、俺は不快な気持が晴れないまま。
やはり人と関わるとロクな事がない。
そうだ、狩猟完了報告をする必要がある事を思い出し、金を受け取って、直ぐ狩猟組合に向かう事にした。
狩猟組合の建物に入り、驚いた顔をしている受付嬢の前に立つ。
狩猟者証を取り出し、狩猟が完了した事を告げる。
受付嬢は半信半疑で魔法陣に狩猟者証を入れると、魔法陣が光始めて、狩猟履歴が情報として記録され、今回の依頼が完了になった事が、空中に浮かぶ光の文字として表示される。
「狩猟完了!?」
受付嬢の声が建物に響く。これじゃ晒されものだな。
「半日程しか経っていないのですけど・・・」
「急ぎましたので」
「急いだっていう・・・話でもないですが」
「超急ぎましたので」
「・・・承知しました」
手続きが完了し、組合を立ち去ろうとする。
今朝の事もあって、周囲からの目線が突き刺さるな。
さっきの隊長みたいな、不快な奴等が近付いてくるようになる前に、やはりこの街を離れた方が良いだろう。
とりあえずの目標として、金貨100枚以上を貯めたら移動するとするか。
後は宿屋に帰るだけなのだが、この先の旅の為にも食糧を買う必要があるので、この世界の食文化を観察してからにした。
肉類はどんな動物か分からないが、乳製品と野菜は見慣れたものが多い。
調味料は砂糖、塩、スパイスはあるようだが、なじみ深い醤油や味噌などは見当たらなかった。
道中武器屋と防具屋を見つけたが、正直ここに立ち寄る事は無いだろう。
ゲネシキネシスで事足りるしな。
食材市場を回っている間に、日も暮れてきたので宿屋に戻る事にした。
カウンターでの挨拶も程々にして部屋に戻り、風呂に入った時に何故か、あの少女の事を思い出す。
あの少女は1人で討伐に来ていたようだが、何故そんな事をしていたのだろう。
とても腕に自信があるようには、見えなかったが。
"ありがとう"か。
あんな事を言われたのは初めてだ。
あの言葉を聞いた後、たまに知らない気持ちになる。
自分を助けに来てくれたと勘違いしているから、出た言葉なんだろうが。
だが自分にとって良い結果になったことへの感謝だから、間に合わなくて怪我でもしていれば文句を言われていたのだろう。
所詮人間なんてそんなものだ。
だが・・・金目的ではなさそうだったな。
それの為に命を掛けに来たようには見えなかったが。
どんな理由があっても、また危険に飛びこまないと良いが。
「何で気にしてるんだ・・・俺は」
もう忘れてしまった方がいいだろう。2度と合う事もないだろうしな。
風呂から出て今日もステーキを注文し、その味を堪能して寝床につく。
ベッドも変わらずふかふかだ。こういう生活に憧れていたはずなのに。
はずなのに・・・。自分以外誰もいない空間に、何か思う事がある。
いや・・・もういい、考えるのをやめよう。
人々が足を止め”1人で荷車を引いている!”や”噂の来訪人だ”と話しているのが聞こえてくる。
まあ活躍もしているようだし、それなりに暴れているから嫌でも目立つ。
ここは我慢するしかないだろうな。
獣市に到着し、受付でディパーグの出品をお願いする。
「このディパーグを・・・1人で仕留めたと?」
市場の受付にいた青年が、ディパーグを見ながら驚愕している。
「このサイズ、もうすぐメガディパーグになる個体だったようですね。それを1人で仕留めるとは」
狩猟完了を登録していなかったので、狩猟者証をディパーグにあてると魔法陣が出現し、狩猟完了の登録がされる。
登録が終わったのを確認し、ディパーグを荷車ごと引き取りに来た男たちに渡した。
「頭の切り口も奇麗で、個体の状態も良い。これは高値が期待できますよ!」
青年はそう言うと受け付けを済ませ、俺の後ろに並んでいた人の対応に移った。
待つのにも暇だったので、俺は市場の近くにある露店を見て回る事にした。
この国の装飾品など目新しいものが沢山あり、見ているだけでも楽しい。
「よう! 兄ちゃん」
そんな中、声をかけてきたのは騎馬騎士隊の隊長だった。
「聞いたぜ! 大物のディパーグを仕留めたらしいな」
「何の用だ?」
「そっけねえな」
関わりたくないと思った奴に程、会ってしまうのは何だろうな。
こいつと話しても、ろくな事にならない気がする。
「兄ちゃんに折り入って、頼みがあるんだがよ」
「断る」
「聞くだけ聞いてくれよ! その~・・・なんだ・・・うちのパーティー、騎馬騎士隊に入ってくれねえか?」
「何故だ? 俺に何のメリットがある?」
「・・・それはだな」
大方稼ぎ頭になってもらって、自分達は楽をしようという魂胆なんだろう。
昨日あれだけ楽をして、金貨を得ているしな。
人は楽な方、楽な方に逃げ、利益を得られると思ったものは、是が非でも確保しようとする。
こいつからはそんな意図が露骨に伝わって来るし、待っても回答が無いのが何よりの証拠だろう。
「俺になんのメリットもないのに、そんな誘いを受けるわけないだろう」
「しょうがねえな~、腹割って話すよ。最近うちもメンバーが増えたりしたんだが、狩猟の成果が上がってなくてな。騎馬騎士隊はブロンズしかいないんだが、ブロンズで受けられる依頼じゃ生計を立てられなくなってきてるんだよ」
「メンバーを減らせばいいだろ」
「うちに1人でやっていける奴はいね~し、引き取ってくれるところもいないだろうから、そんな事する訳にいかないんだよ。兄ちゃんゴールドの13になったんだろ? 頼むよ、助けてくれ」
もうこいつの耳に入るくらい、噂になっているのだろうか。
だとするとこいつみたいに俺を利用しようとする奴が、他にも現れそうだな。
それにしてもいちいち癇に障る喋り方をする奴だ。
「引き取り手が無いか・・・。その様子じゃ、お前ら他のパーティーと問題を起こしたりしてるのか?」
「それは・・・」
こいつらみたいな小物がしそうなのは、報酬の持ち逃げ、獲物の横取り、かつあげといったところか。
今日も組合で、同じような事があったしな。
「頼む! 昨日のメガネパルも、無理に無理を言って受注させてもらったんだ。お前が居れば実入りの良い仕事も受けられるだろ!」
人の往来の中、隊長は大声で懇願してくる。
ようは俺に狩猟させて、報酬だけ寄こせと言っているだけじゃないか。
無理を言ってということは、こいつらはメガネパルも狩猟出来ていたかも分からなかったという事。
正直なんの役にも立たないだろう。
それに頼んでいる割には、一度も頭を下げようとしない。
これで受け入れてもらえると思っているのだろうか?
「断る。クズが・・・」
「その言い方は無いだろ! こんなに頼んでるのに、お前に人の心は無いのか?」
「俺は・・・誰からも人間扱いされてこなかった。俺にとって人と関わる事は苦しみの象徴でしかないし、人としての心なんて作ってこなかったんでね。狩猟で食べていけないのなら、他の仕事をすれば良いだけの話だ。結局お前は、楽して甘い汁を吸いたいだけなんだよ」
「俺はそんなつもりは!」
「否定しても無駄だ。お前の話は不快でしかない。俺は遊ばれて搾取され続けてきた。もう誰からも利用されない」
「この野郎!」
隊長は剣を抜き切りかかってくる。振り下ろされた力の無い剣をかわし、右ストレートを顔面に入れて壁まで吹き飛ばす。
今朝の女のように、歯が何本か飛び、鼻は醜い押し花のように潰れている。
「・・・兄ちゃん・・・良い死に方しないぜ」
俺が近付くと捨て台詞を吐いて、隊長はそのまま気絶してしまった。
「知っているよ・・・」
気絶した隊長に向かって、俺は寂しく呟いた。
そのまま市場巡りを止めて獣市に戻ると、もう競りは終わっていて金を受け取る事が出来た。
今度は金貨26枚になったので、かなりの儲けになって喜びたいが、俺は不快な気持が晴れないまま。
やはり人と関わるとロクな事がない。
そうだ、狩猟完了報告をする必要がある事を思い出し、金を受け取って、直ぐ狩猟組合に向かう事にした。
狩猟組合の建物に入り、驚いた顔をしている受付嬢の前に立つ。
狩猟者証を取り出し、狩猟が完了した事を告げる。
受付嬢は半信半疑で魔法陣に狩猟者証を入れると、魔法陣が光始めて、狩猟履歴が情報として記録され、今回の依頼が完了になった事が、空中に浮かぶ光の文字として表示される。
「狩猟完了!?」
受付嬢の声が建物に響く。これじゃ晒されものだな。
「半日程しか経っていないのですけど・・・」
「急ぎましたので」
「急いだっていう・・・話でもないですが」
「超急ぎましたので」
「・・・承知しました」
手続きが完了し、組合を立ち去ろうとする。
今朝の事もあって、周囲からの目線が突き刺さるな。
さっきの隊長みたいな、不快な奴等が近付いてくるようになる前に、やはりこの街を離れた方が良いだろう。
とりあえずの目標として、金貨100枚以上を貯めたら移動するとするか。
後は宿屋に帰るだけなのだが、この先の旅の為にも食糧を買う必要があるので、この世界の食文化を観察してからにした。
肉類はどんな動物か分からないが、乳製品と野菜は見慣れたものが多い。
調味料は砂糖、塩、スパイスはあるようだが、なじみ深い醤油や味噌などは見当たらなかった。
道中武器屋と防具屋を見つけたが、正直ここに立ち寄る事は無いだろう。
ゲネシキネシスで事足りるしな。
食材市場を回っている間に、日も暮れてきたので宿屋に戻る事にした。
カウンターでの挨拶も程々にして部屋に戻り、風呂に入った時に何故か、あの少女の事を思い出す。
あの少女は1人で討伐に来ていたようだが、何故そんな事をしていたのだろう。
とても腕に自信があるようには、見えなかったが。
"ありがとう"か。
あんな事を言われたのは初めてだ。
あの言葉を聞いた後、たまに知らない気持ちになる。
自分を助けに来てくれたと勘違いしているから、出た言葉なんだろうが。
だが自分にとって良い結果になったことへの感謝だから、間に合わなくて怪我でもしていれば文句を言われていたのだろう。
所詮人間なんてそんなものだ。
だが・・・金目的ではなさそうだったな。
それの為に命を掛けに来たようには見えなかったが。
どんな理由があっても、また危険に飛びこまないと良いが。
「何で気にしてるんだ・・・俺は」
もう忘れてしまった方がいいだろう。2度と合う事もないだろうしな。
風呂から出て今日もステーキを注文し、その味を堪能して寝床につく。
ベッドも変わらずふかふかだ。こういう生活に憧れていたはずなのに。
はずなのに・・・。自分以外誰もいない空間に、何か思う事がある。
いや・・・もういい、考えるのをやめよう。
0
あなたにおすすめの小説
大学生活を謳歌しようとしたら、女神の勝手で異世界に転送させられたので、復讐したいと思います
町島航太
ファンタジー
2022年2月20日。日本に住む善良な青年である泉幸助は大学合格と同時期に末期癌だという事が判明し、短い人生に幕を下ろした。死後、愛の女神アモーラに見初められた幸助は魔族と人間が争っている魔法の世界へと転生させられる事になる。命令が嫌いな幸助は使命そっちのけで魔法の世界を生きていたが、ひょんな事から自分の死因である末期癌はアモーラによるものであり、魔族討伐はアモーラの私情だという事が判明。自ら手を下すのは面倒だからという理由で夢のキャンパスライフを失った幸助はアモーラへの復讐を誓うのだった。
弱いままの冒険者〜チートスキル持ちなのに使えるのはパーティーメンバーのみ?〜
秋元智也
ファンタジー
友人を庇った事からクラスではイジメの対象にされてしまう。
そんなある日、いきなり異世界へと召喚されてしまった。
クラス全員が一緒に召喚されるなんて悪夢としか思えなかった。
こんな嫌な連中と異世界なんて行きたく無い。
そう強く念じると、どこからか神の声が聞こえてきた。
そして、そこには自分とは全く別の姿の自分がいたのだった。
レベルは低いままだったが、あげればいい。
そう思っていたのに……。
一向に上がらない!?
それどころか、見た目はどう見ても女の子?
果たして、この世界で生きていけるのだろうか?
【完結】異世界で魔道具チートでのんびり商売生活
シマセイ
ファンタジー
大学生・誠也は工事現場の穴に落ちて異世界へ。 物体に魔力を付与できるチートスキルを見つけ、 能力を隠しつつ魔道具を作って商業ギルドで商売開始。 のんびりスローライフを目指す毎日が幕を開ける!
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
処刑された勇者は二度目の人生で復讐を選ぶ
シロタカズキ
ファンタジー
──勇者は、すべてを裏切られ、処刑された。
だが、彼の魂は復讐の炎と共に蘇る──。
かつて魔王を討ち、人類を救った勇者 レオン・アルヴァレス。
だが、彼を待っていたのは称賛ではなく、 王族・貴族・元仲間たちによる裏切りと処刑だった。
「力が強すぎる」という理由で異端者として断罪され、広場で公開処刑されるレオン。
国民は歓喜し、王は満足げに笑い、かつての仲間たちは目を背ける。
そして、勇者は 死んだ。
──はずだった。
十年後。
王国は繁栄の影で腐敗し、裏切り者たちは安穏とした日々を送っていた。
しかし、そんな彼らの前に死んだはずの勇者が現れる。
「よくもまあ、のうのうと生きていられたものだな」
これは、英雄ではなくなった男の復讐譚。
彼を裏切った王族、貴族、そしてかつての仲間たちを絶望の淵に叩き落とすための第二の人生が、いま始まる──。
異世界転生したらたくさんスキルもらったけど今まで選ばれなかったものだった~魔王討伐は無理な気がする~
宝者来価
ファンタジー
俺は異世界転生者カドマツ。
転生理由は幼い少女を交通事故からかばったこと。
良いとこなしの日々を送っていたが女神様から異世界に転生すると説明された時にはアニメやゲームのような展開を期待したりもした。
例えばモンスターを倒して国を救いヒロインと結ばれるなど。
けれど与えられた【今まで選ばれなかったスキルが使える】 戦闘はおろか日常の役にも立つ気がしない余りものばかり。
同じ転生者でイケメン王子のレイニーに出迎えられ歓迎される。
彼は【スキル:水】を使う最強で理想的な異世界転生者に思えたのだが―――!?
※小説家になろう様にも掲載しています。
異世界転移からふざけた事情により転生へ。日本の常識は意外と非常識。
久遠 れんり
ファンタジー
普段の、何気ない日常。
事故は、予想外に起こる。
そして、異世界転移? 転生も。
気がつけば、見たことのない森。
「おーい」
と呼べば、「グギャ」とゴブリンが答える。
その時どう行動するのか。
また、その先は……。
初期は、サバイバル。
その後人里発見と、自身の立ち位置。生活基盤を確保。
有名になって、王都へ。
日本人の常識で突き進む。
そんな感じで、進みます。
ただ主人公は、ちょっと凝り性で、行きすぎる感じの日本人。そんな傾向が少しある。
異世界側では、少し非常識かもしれない。
面白がってつけた能力、超振動が意外と無敵だったりする。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる