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8章 獣操と招集そして神獣
8.5 獣操師の力を引き出した話
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エルシドの案内に従い、中庭を通って開けた闘技場に到着する。
「話を聞いていると、魔法みたいな事ができるんだな」
準備をするエルシドに、なんとなく問いかけてみる。
「魔法とは違うね。あくまで異なる力だよ。似ているようで異なる力だ」
「そうなのか。魔法も適性がないと使えないんだろ?」
「その部分に関しては一緒らしいが、魔法は使うのに訓練が必要だが、獣操師は契約すればそれで問題ないからな。良く比喩される言葉に、”魔法は才能、獣操は体質”というのがある。なかなか的を得ていると思うよ」
「才能は伸ばすもの、体質は備わっているものということか?」
「その通り。君もなかなかの知見を持っているね」
その会話を最後に、剣を携えて闘技場の真ん中にエルシドが向かう。
位置についたのか、オリービアを手招きした。
「ご指名のようだから、行ってこい」
「はい」
オリービアもエルシドの前に立ち、剣を抜き構えた。
それと同時に、対角にある入場門のようなところから、四足獣が走ってくるのが見える。
あれは・・・。
「紹介しよう。私の契約獣で、マナンダのレオンだ」
うん、どこからどう見てもライオンだな。
でも俺が知っているライオンとは比べ物にならない大きく、体躯だけでいえば、ガルムと同じくらいだ。
確か”マナンダ”だっけか・・・。
どうやらこの世界には、俺のいた世界と同じ見た目の動物がいるようだが、どれも名前は違うし、基本的に大型化しているようだ。
あ・・・ルルは違ったか。
「急な呼び出しで駆けつけてみれば、このような娘が相手だというのか?」
ライオンが・・・マナンダが喋っている。ということは、魔獣に分類される存在という事か。
このエルシドという男は、魔獣と契約するほどの実力があるという事だろう。
もっとも、魔獣が強いのかは疑問なのだが。
俺はルルにしか魔獣に会ったことがないからな。
「ん? 旨そうなうさぎがいるな。あれは食べていいのか?」
「ひいいいいい! ご主人の後ろに隠れるよ!」
慌てて隠れるのは構わないが、頭を背中に付けて隠してもお前は尻がでかいから、背中から尻にかけては、ちょっとした小山のように見えるだけだぞ。
まさかこんなところで、”頭隠して尻隠さず”の体現を見ることになるとはな。
「あちらの魔獣うさぎは、こちらのオリービア君の契約獣です。食べてはいけないよ」
「ふん。小腹が空いてきて、丁度いいと思ったが。しかし、魔獣とはいえうさぎなどと契約するとはな。小娘も大した事は無い・・・」
マナンダが喋るのを止め、ある一点を見て固まっている。
心なしか、呼吸も早くなり体も震えているようだ。
「もしや・・・そちらにおられるのは」
「少々気づくのが遅いのではないか?」
視線の先にはガルムがいたようだ。やはりというか、百獣の王ライオンの魔獣であっても、神獣は畏怖すべき存在なのだろう。
「あちらは神狼族のガルム様。ガルム様もこちらのオリービア君の、契約獣だよ」
「神獣が契約を!?」
マナンダが伏している。お辞儀のつもりなのだろうか。
震えも大きくなっている。オリービアを馬鹿にしたら、まさかの神獣が契約獣とやらだったのだから、当然ではあるが。
よく見ると、涼しい顔はしているものの、エルシドも汗をかいているようだ。
バビロアを出る時に、神獣の言葉は絶対とか聞いたが、ガルムの機嫌を損ねればどうなるか分からないと考えているのかもしれないな。
「申し訳ありません。ガルム様。まさかガルム様の契約者とは思わず」
「詫びを入れるのであれば我ではない。主の奥方に入れるべきであろう」
「は! 少女よ、先程は失礼した」
「私は別に構いませんが。でもルルさんを馬鹿にしたのには、ちょっと怒りましたよ」
「むう。うさぎよ、悪かった」
「いいけど、しばらくはご主人に隠れてるよ!」
マナンダは大分とバツが悪そうだが、早く本題に入ってほしいものだ。
「で? 何でわざわざここに連れてきた? 何を見せてくれる?」
「これは失礼した。ではさっそく、獣操の力を顕現させてみようか」
「えっと・・・はい!」
なるほど、力を発揮するのを教えてくれるってことか。
「主よ」
「何だ?」
「あのレオンとかいう者。我に気づくのに時間がかかっていたが、我はそんなに存在感がないか?」
「俺に聞かれてもな」
「もう少し、主の眷属として存在感を出せるようにならねば」
「それ必要か?」
そんな雑談を、オリービアはうらやましそうに見ている。
「ルシファー様ったら・・・ガルムさんとばかり楽しそうにお話して」
「ルシファー君は・・・楽しそうなのか?」
「あれは楽しんでる方ですね」
「マスクがあってわからないのか、それともオリービア君の洞察力が彼限定で鋭いのか」
「愛の力です!」
「あ・・・愛?」
エルシドは苦笑いをし、話を変える為にも気になっていたことを口にする。
「ところで、ガルム様の契約相手は君であろう? なのに何故ガルム様はルシファー君を”主”と呼ぶんだい?」
「それは・・・詳しくはお話しできませんが、1つ言えるのは、ガルムさんとの勝負にルシファー様が勝ったのがきっかけ、という事です」
「人間が神獣に勝などと、世迷言を」
「レオン、頭ごなしに否定すべきではないよ。現に、ガルム様は彼を”主”と呼んでいるからね」
「むう・・・」
「最後の質問だ。これを聞いたら、獣操のコツを教えよう。君はどうやって、ガルム様の・・・神獣の信頼を勝ち得た?」
「分かりませんけど、一緒に戦ったからかも?」
「なるほど。私には無理のようだな。そもそも、神獣が人と共に戦うなんてことが、起こりえるのか疑問だ」
エルシドは数歩下がり剣を抜く。
「つまり我の威厳は、主の威厳であり・・」
「話は後だガルム。始まるようだぞ」
エルシドの体は脱力し、完全にリラックスしているようにも見える。
レオンに合図を送り、下がらせた後に目を閉じる。
「始めは自分が最も楽な姿勢でやるといいよ。そして慣れるまでは目を閉じて、雑念を捨てて自分の内にある、契約獣との繋がりを感じるんだ。そしてのその繋がりを、命が持つ力が循環しているような想像をすると・・・」
エルシドが目を開けた瞬間、闘技場に響き渡る鼓動と共に、エルシドにライオンの耳と尻尾が生える。
あ・・・マナンダだったか。ややこしい・・・。
「さあ、やってごらん」
「は! はい!」
オリービアも同じように脱力し、目を閉じて深呼吸する。
やがて目を開けた瞬間、闘技場の空気が振動し、オリービアに神狼族の耳と尻尾が生えた。
「あれ? 出来ました」
「魔法と違うからね。獣操師はもともと備わっているものだから、一度でも使えば体が勝手に手順を覚えるのさ」
つまり、自転車に乗るようなものか。一度でも乗ってしまえば、体が覚えているような。
「凄まじい命力だね」
「命力?」
「獣操師と契約獣との間に循環する、力の事だよ。通常は契約する獣の命力と獣操師の命力の総合力で戦闘能力が決まるわけだが、君の場合は図り切れない命力と、神獣との契約ですでに最上位の獣操師になっているようだ」
「ルシファー様に相応しいということですね!」
何でそうなるんだ。ちゃんと話を聞いているのだろうか。
「えっと・・・まあ、解釈は人それぞれだからね。そういうこと? なのかもしれないな」
エルシドも否定してくれよ。オリービアがガッツポーズしてるじゃないか。
「では力が発現出来たところで、軽く剣を交えてみようか!」
「お願いします!」
「では、こちらから!」
エルシドが一呼吸の間も空けずに間合いを詰め、エルシドがオリービアに剣を振り下ろす。
オリービアは剣を横にし、額の前でなんとか受け止めた。
「いい反応だ。だがまだまだ行く!」
エルシドの剣が再びオリービアに襲い掛かる。
「話を聞いていると、魔法みたいな事ができるんだな」
準備をするエルシドに、なんとなく問いかけてみる。
「魔法とは違うね。あくまで異なる力だよ。似ているようで異なる力だ」
「そうなのか。魔法も適性がないと使えないんだろ?」
「その部分に関しては一緒らしいが、魔法は使うのに訓練が必要だが、獣操師は契約すればそれで問題ないからな。良く比喩される言葉に、”魔法は才能、獣操は体質”というのがある。なかなか的を得ていると思うよ」
「才能は伸ばすもの、体質は備わっているものということか?」
「その通り。君もなかなかの知見を持っているね」
その会話を最後に、剣を携えて闘技場の真ん中にエルシドが向かう。
位置についたのか、オリービアを手招きした。
「ご指名のようだから、行ってこい」
「はい」
オリービアもエルシドの前に立ち、剣を抜き構えた。
それと同時に、対角にある入場門のようなところから、四足獣が走ってくるのが見える。
あれは・・・。
「紹介しよう。私の契約獣で、マナンダのレオンだ」
うん、どこからどう見てもライオンだな。
でも俺が知っているライオンとは比べ物にならない大きく、体躯だけでいえば、ガルムと同じくらいだ。
確か”マナンダ”だっけか・・・。
どうやらこの世界には、俺のいた世界と同じ見た目の動物がいるようだが、どれも名前は違うし、基本的に大型化しているようだ。
あ・・・ルルは違ったか。
「急な呼び出しで駆けつけてみれば、このような娘が相手だというのか?」
ライオンが・・・マナンダが喋っている。ということは、魔獣に分類される存在という事か。
このエルシドという男は、魔獣と契約するほどの実力があるという事だろう。
もっとも、魔獣が強いのかは疑問なのだが。
俺はルルにしか魔獣に会ったことがないからな。
「ん? 旨そうなうさぎがいるな。あれは食べていいのか?」
「ひいいいいい! ご主人の後ろに隠れるよ!」
慌てて隠れるのは構わないが、頭を背中に付けて隠してもお前は尻がでかいから、背中から尻にかけては、ちょっとした小山のように見えるだけだぞ。
まさかこんなところで、”頭隠して尻隠さず”の体現を見ることになるとはな。
「あちらの魔獣うさぎは、こちらのオリービア君の契約獣です。食べてはいけないよ」
「ふん。小腹が空いてきて、丁度いいと思ったが。しかし、魔獣とはいえうさぎなどと契約するとはな。小娘も大した事は無い・・・」
マナンダが喋るのを止め、ある一点を見て固まっている。
心なしか、呼吸も早くなり体も震えているようだ。
「もしや・・・そちらにおられるのは」
「少々気づくのが遅いのではないか?」
視線の先にはガルムがいたようだ。やはりというか、百獣の王ライオンの魔獣であっても、神獣は畏怖すべき存在なのだろう。
「あちらは神狼族のガルム様。ガルム様もこちらのオリービア君の、契約獣だよ」
「神獣が契約を!?」
マナンダが伏している。お辞儀のつもりなのだろうか。
震えも大きくなっている。オリービアを馬鹿にしたら、まさかの神獣が契約獣とやらだったのだから、当然ではあるが。
よく見ると、涼しい顔はしているものの、エルシドも汗をかいているようだ。
バビロアを出る時に、神獣の言葉は絶対とか聞いたが、ガルムの機嫌を損ねればどうなるか分からないと考えているのかもしれないな。
「申し訳ありません。ガルム様。まさかガルム様の契約者とは思わず」
「詫びを入れるのであれば我ではない。主の奥方に入れるべきであろう」
「は! 少女よ、先程は失礼した」
「私は別に構いませんが。でもルルさんを馬鹿にしたのには、ちょっと怒りましたよ」
「むう。うさぎよ、悪かった」
「いいけど、しばらくはご主人に隠れてるよ!」
マナンダは大分とバツが悪そうだが、早く本題に入ってほしいものだ。
「で? 何でわざわざここに連れてきた? 何を見せてくれる?」
「これは失礼した。ではさっそく、獣操の力を顕現させてみようか」
「えっと・・・はい!」
なるほど、力を発揮するのを教えてくれるってことか。
「主よ」
「何だ?」
「あのレオンとかいう者。我に気づくのに時間がかかっていたが、我はそんなに存在感がないか?」
「俺に聞かれてもな」
「もう少し、主の眷属として存在感を出せるようにならねば」
「それ必要か?」
そんな雑談を、オリービアはうらやましそうに見ている。
「ルシファー様ったら・・・ガルムさんとばかり楽しそうにお話して」
「ルシファー君は・・・楽しそうなのか?」
「あれは楽しんでる方ですね」
「マスクがあってわからないのか、それともオリービア君の洞察力が彼限定で鋭いのか」
「愛の力です!」
「あ・・・愛?」
エルシドは苦笑いをし、話を変える為にも気になっていたことを口にする。
「ところで、ガルム様の契約相手は君であろう? なのに何故ガルム様はルシファー君を”主”と呼ぶんだい?」
「それは・・・詳しくはお話しできませんが、1つ言えるのは、ガルムさんとの勝負にルシファー様が勝ったのがきっかけ、という事です」
「人間が神獣に勝などと、世迷言を」
「レオン、頭ごなしに否定すべきではないよ。現に、ガルム様は彼を”主”と呼んでいるからね」
「むう・・・」
「最後の質問だ。これを聞いたら、獣操のコツを教えよう。君はどうやって、ガルム様の・・・神獣の信頼を勝ち得た?」
「分かりませんけど、一緒に戦ったからかも?」
「なるほど。私には無理のようだな。そもそも、神獣が人と共に戦うなんてことが、起こりえるのか疑問だ」
エルシドは数歩下がり剣を抜く。
「つまり我の威厳は、主の威厳であり・・」
「話は後だガルム。始まるようだぞ」
エルシドの体は脱力し、完全にリラックスしているようにも見える。
レオンに合図を送り、下がらせた後に目を閉じる。
「始めは自分が最も楽な姿勢でやるといいよ。そして慣れるまでは目を閉じて、雑念を捨てて自分の内にある、契約獣との繋がりを感じるんだ。そしてのその繋がりを、命が持つ力が循環しているような想像をすると・・・」
エルシドが目を開けた瞬間、闘技場に響き渡る鼓動と共に、エルシドにライオンの耳と尻尾が生える。
あ・・・マナンダだったか。ややこしい・・・。
「さあ、やってごらん」
「は! はい!」
オリービアも同じように脱力し、目を閉じて深呼吸する。
やがて目を開けた瞬間、闘技場の空気が振動し、オリービアに神狼族の耳と尻尾が生えた。
「あれ? 出来ました」
「魔法と違うからね。獣操師はもともと備わっているものだから、一度でも使えば体が勝手に手順を覚えるのさ」
つまり、自転車に乗るようなものか。一度でも乗ってしまえば、体が覚えているような。
「凄まじい命力だね」
「命力?」
「獣操師と契約獣との間に循環する、力の事だよ。通常は契約する獣の命力と獣操師の命力の総合力で戦闘能力が決まるわけだが、君の場合は図り切れない命力と、神獣との契約ですでに最上位の獣操師になっているようだ」
「ルシファー様に相応しいということですね!」
何でそうなるんだ。ちゃんと話を聞いているのだろうか。
「えっと・・・まあ、解釈は人それぞれだからね。そういうこと? なのかもしれないな」
エルシドも否定してくれよ。オリービアがガッツポーズしてるじゃないか。
「では力が発現出来たところで、軽く剣を交えてみようか!」
「お願いします!」
「では、こちらから!」
エルシドが一呼吸の間も空けずに間合いを詰め、エルシドがオリービアに剣を振り下ろす。
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