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9章 人間と神竜そして竜闘祭
9.1 戦いの結果を報告した話
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「レグナは空から街に入れ。もう騒ぎになっている以上、街に入って目の届くにいてもらった方がいいからな」
「うむ、承知した。空から貴殿等を追おう」
「話し方戻ってるな?」
「お父さんの話し方を真似てるんだよ。馬鹿にされないように・・・」
「お前まだ、いろいろ隠してるだろ?」
「出発したら話すからさ、人間の前では威厳たっぷりな感じでいさせてね?」
「分かった・・・」
ゴモラの門前まで、レグナを引き連れて戻る。
壁の上も含めて群衆はどよめき出し、逃げ出すものまでいる始末だ。
傷が全快した神竜族が、ゆっくりと近づいてきているのだから分からなくもないが。
「うわあああああ! こっちに来たぞ!」
「逃げろ! 殺される!」
「あの美少女2人は助けるんだ! 何としてもな!」
何か勇敢な奴がいると思ったが、己の欲望に忠実なだけだったか。
「ねえねえ・・・」
レグナがかなり小声で話しかけてくる。
その体の大きさで、そんな小声が出せるのか。
「何だ?」
「おいらさ、思った以上に怖がられてない?」
「そりゃそうだろうな。人間にとっては、神獣はもともと畏怖するべき存在らしいからな」
「騒ぎにはなると思ってたけど、怖がられるのはなんか違うな」
「別にいいじゃないか」
「敬られるのと怖がられるのは、全然違うと思うんだ。おいらのお父さんは敬られていたから、そういう処世術みたいなのが欲しいんだ」
「面倒だな・・・」
いや、待てよ。これは使えるかもしれない。
「レグナ、門に近づいたら今から言う通りに言ってみろ」
「了解した。旦那さん」
「だ・・・旦那さん?」
「そう、旦那さん」
「私の! 旦那さんって事ですね!」
何で揃いも揃って獣って、オリービアが俺の妻と認識するのだろうか。こんなに否定しているのに。
「・・・とりあえず、こう言うんだ」
「ふむふむ、なるほど。そんなので良いの?」
「問題ない。頼んだぞ」
「おいらに任せて!」
レグナを伴って門の前まで歩いて行き、壁から一定の距離を取って立ち止まる。
「えっと・・・ルシファー殿、神竜族はどのようなご用件だったのですか?」
支部長が人混みの中から現れ、震えるような声で問いかけてくる。
群衆は静まり返り、こちらの返答を固唾を飲んで待っているようだ。
「おい! 答えろ! 神竜族を連れて来て、何をしようってんだよ!」
通行料をねだって来たあの時の憲兵が前に出て来て、怒りをあらわにしている。
言葉としては今の状況の事を言っているが、こいつが怒っているのは、この状況が原因ではないのだろうな。
だが丁度いい前振りをしてくれたのには変わらない。
レグナに合図を送り、先程の言葉を言うように促す。
「貴様ら! 我が主に対し無礼の数々! もう我は我慢の限界だ! 今すぐ我と主の視界より消えぬのならば、一夜にしてこの街を滅ぼしてくれようぞ!」
集まっていた群衆は悲鳴を上げながら、蜘蛛の子を散らすように逃げ帰っていく。
あの憲兵は泡を吹いて倒れて、そのまま気絶してしまったようだ。
煽ってしまった手前、他の奴らよりショックが大きかったのだろう。
支部長は腰をぬかしたようで、その場にへたり込んでいるが、初老ということを考えれば、心臓麻痺でも起こさなくて良かった。
「ねえ、旦那さん・・・。みんな逃げちゃったけど・・・」
「そうだな。何でだろうな?」
「威厳を示すどころか、怖がらせただけの気がするんだけど」
「そうだな。何がいけなかったんだろうな?」
「旦那さんもしかして、おいらを騙して人をどかせただけ・・・とか?」
「そんなことない」
「いや、でもこれじゃあ」
「そんなことない」
「もう分かった・・・」
レグナって、もしかして馬鹿正直なのではないだろうか。
しかしこれは便利だな。人を散らせるのに、これからも頑張ってもらおう。
「主よ・・・」
「どうした? ガルム」
「あれは、我の口調では?」
「気のせいだ」
「いや、しかし・・」
「気のせいだ」
「理解した。だが次からは、我に任せよ」
なんかライバル心みたいな物でも芽生えたのだろうか?
無駄話も程々に、支部長の元に歩み寄る。
「大丈夫か?」
放心状態の支部長に声をかけると、目に生気が戻りゆっくりと立ち上がった。
「ルシファー殿、神竜族の御方はどのようなご用件だったのですか? 戦いになっていたようですが」
「俺に頼みたいことがあって、それで会いに来たらしい。戦闘はついでだったようだが、半殺しにしたら死にたくないと言って、オリービアと契約してもらった。こんな感じだ」
「こんな感じって・・・」
「とにかく、レグナはこの街を襲うつもりも無いし、明日には神緑の森に行くから街からも出ていく。万が一暴れだしたとしても、俺が止められるしな。問題ないだろ?」
「えっと、分からないことが多すぎて、何と答えてよいやら」
「レグナは街に入れても大丈夫、以上だ」
「なるほど・・・」
支部長はやっと諦めたようで、肩を墜とし溜息を付いている。
「レグナ様、でよろしいでしょうか?」
「うむ、構わない。こちらの御仁が申したように、我輩はもはや従う身となった。安心するといい」
おお・・・演技してるな。我輩とか言ってるし。
「畏まりました。ルシファー殿はどちらにお泊りで?」
「母のゆりかごだが?」
「ではその近くの空地にて、レグナ様は過ごして頂けないでしょうか?」
「どうなんだ? レグナとしては」
「我輩は構わない。ただ、人間の好機の目にさらされるのは、いささか遠慮したい」
「先程のお怒りの言葉もありますので、そのような命知らずはいないと思います」
レグナが俺を凄い見てる。だから騙してないって。
決してお前を利用して、人払いしたとか無いから。
先に支部長は組合に戻り、母のゆりかご近くにある空地とやらに、寝床を用意すると言っていた。
「おい・・・どうなってやがる」
何か聞いた憶えのある声が聞こえ、その方に目線を向けるとあのポニーテールがいた。・・・確か、ベリルって名前だったか。
仲間に支えられ、今にも倒れそうなほどの様相だ。
その後ろには、ダールのラプタだったか? そちらもフラフラになりながら付いてきている。
「こいつらに聞いたが、・・・神竜族に勝ったんだって?」
ボロボロのベリルに対して、傷1つないパーティーメンバーが何とも皮肉に見えるな。
「本当に、強かったんだな。俺は神獣を前にして、正直絶望しか感じなかった」
後ろにいるラプタは跪くような体勢で、レグナとガルムに経緯を示すように、交互にお辞儀しているな。
「どうやってそんな力を手に入れたんだ? 俺は強くなりたいんだ! 強くならなくてはいけないんだ! 俺は、あなたのように強くなりたい!」
あ・・・こいつの話聞いてなかったな。何か1人でずっと話しているようだが。
べリアが仲間に目くばせし、支えを説いてもらってから前に出てくる。
「あなたには、とても失礼な態度を取ってしまった。この通りお詫びする」
なんか急に頭を下げてきたな。正直どうでも良かったんだが。
不満なのは、竜の強さを推し量る前にやられたこと位だ。
「そんな状況で、こんなことを頼むのは、失礼なのは重々承知しているが」
今度は膝をついたが、何を頼むつもりなんだ?
「お願いだ! あなたの! 弟子としてパーティーメンバーにして下さい!」
「はぁ!?」
弟子入りとか冗談だろ? 強くなりたいとかなんとか言っていたが、そもそも俺の力は弟子入りして手に入るものではない。
「断る」
「やはりそう言われるか」
「当たり前だろ。あんな最悪の出会いをして、そんな頼みが通るわけないだろ」
「おっしゃる通りだ」
「はぁ・・・とにかく、俺は弟子は取らない。あきらめろ」
べリアに背を向けて、全員に合図を送りゴモラに入っていく。
レグナだけは、打合せ通り飛びながら付いてくる為に、飛翔を始めて上空に昇っていった。
「俺はあきらめませんからね! 絶対に!」
べリアの声が背中越しに聞こえる。また厄介な奴に、絡まれてしまったようだ。
「うむ、承知した。空から貴殿等を追おう」
「話し方戻ってるな?」
「お父さんの話し方を真似てるんだよ。馬鹿にされないように・・・」
「お前まだ、いろいろ隠してるだろ?」
「出発したら話すからさ、人間の前では威厳たっぷりな感じでいさせてね?」
「分かった・・・」
ゴモラの門前まで、レグナを引き連れて戻る。
壁の上も含めて群衆はどよめき出し、逃げ出すものまでいる始末だ。
傷が全快した神竜族が、ゆっくりと近づいてきているのだから分からなくもないが。
「うわあああああ! こっちに来たぞ!」
「逃げろ! 殺される!」
「あの美少女2人は助けるんだ! 何としてもな!」
何か勇敢な奴がいると思ったが、己の欲望に忠実なだけだったか。
「ねえねえ・・・」
レグナがかなり小声で話しかけてくる。
その体の大きさで、そんな小声が出せるのか。
「何だ?」
「おいらさ、思った以上に怖がられてない?」
「そりゃそうだろうな。人間にとっては、神獣はもともと畏怖するべき存在らしいからな」
「騒ぎにはなると思ってたけど、怖がられるのはなんか違うな」
「別にいいじゃないか」
「敬られるのと怖がられるのは、全然違うと思うんだ。おいらのお父さんは敬られていたから、そういう処世術みたいなのが欲しいんだ」
「面倒だな・・・」
いや、待てよ。これは使えるかもしれない。
「レグナ、門に近づいたら今から言う通りに言ってみろ」
「了解した。旦那さん」
「だ・・・旦那さん?」
「そう、旦那さん」
「私の! 旦那さんって事ですね!」
何で揃いも揃って獣って、オリービアが俺の妻と認識するのだろうか。こんなに否定しているのに。
「・・・とりあえず、こう言うんだ」
「ふむふむ、なるほど。そんなので良いの?」
「問題ない。頼んだぞ」
「おいらに任せて!」
レグナを伴って門の前まで歩いて行き、壁から一定の距離を取って立ち止まる。
「えっと・・・ルシファー殿、神竜族はどのようなご用件だったのですか?」
支部長が人混みの中から現れ、震えるような声で問いかけてくる。
群衆は静まり返り、こちらの返答を固唾を飲んで待っているようだ。
「おい! 答えろ! 神竜族を連れて来て、何をしようってんだよ!」
通行料をねだって来たあの時の憲兵が前に出て来て、怒りをあらわにしている。
言葉としては今の状況の事を言っているが、こいつが怒っているのは、この状況が原因ではないのだろうな。
だが丁度いい前振りをしてくれたのには変わらない。
レグナに合図を送り、先程の言葉を言うように促す。
「貴様ら! 我が主に対し無礼の数々! もう我は我慢の限界だ! 今すぐ我と主の視界より消えぬのならば、一夜にしてこの街を滅ぼしてくれようぞ!」
集まっていた群衆は悲鳴を上げながら、蜘蛛の子を散らすように逃げ帰っていく。
あの憲兵は泡を吹いて倒れて、そのまま気絶してしまったようだ。
煽ってしまった手前、他の奴らよりショックが大きかったのだろう。
支部長は腰をぬかしたようで、その場にへたり込んでいるが、初老ということを考えれば、心臓麻痺でも起こさなくて良かった。
「ねえ、旦那さん・・・。みんな逃げちゃったけど・・・」
「そうだな。何でだろうな?」
「威厳を示すどころか、怖がらせただけの気がするんだけど」
「そうだな。何がいけなかったんだろうな?」
「旦那さんもしかして、おいらを騙して人をどかせただけ・・・とか?」
「そんなことない」
「いや、でもこれじゃあ」
「そんなことない」
「もう分かった・・・」
レグナって、もしかして馬鹿正直なのではないだろうか。
しかしこれは便利だな。人を散らせるのに、これからも頑張ってもらおう。
「主よ・・・」
「どうした? ガルム」
「あれは、我の口調では?」
「気のせいだ」
「いや、しかし・・」
「気のせいだ」
「理解した。だが次からは、我に任せよ」
なんかライバル心みたいな物でも芽生えたのだろうか?
無駄話も程々に、支部長の元に歩み寄る。
「大丈夫か?」
放心状態の支部長に声をかけると、目に生気が戻りゆっくりと立ち上がった。
「ルシファー殿、神竜族の御方はどのようなご用件だったのですか? 戦いになっていたようですが」
「俺に頼みたいことがあって、それで会いに来たらしい。戦闘はついでだったようだが、半殺しにしたら死にたくないと言って、オリービアと契約してもらった。こんな感じだ」
「こんな感じって・・・」
「とにかく、レグナはこの街を襲うつもりも無いし、明日には神緑の森に行くから街からも出ていく。万が一暴れだしたとしても、俺が止められるしな。問題ないだろ?」
「えっと、分からないことが多すぎて、何と答えてよいやら」
「レグナは街に入れても大丈夫、以上だ」
「なるほど・・・」
支部長はやっと諦めたようで、肩を墜とし溜息を付いている。
「レグナ様、でよろしいでしょうか?」
「うむ、構わない。こちらの御仁が申したように、我輩はもはや従う身となった。安心するといい」
おお・・・演技してるな。我輩とか言ってるし。
「畏まりました。ルシファー殿はどちらにお泊りで?」
「母のゆりかごだが?」
「ではその近くの空地にて、レグナ様は過ごして頂けないでしょうか?」
「どうなんだ? レグナとしては」
「我輩は構わない。ただ、人間の好機の目にさらされるのは、いささか遠慮したい」
「先程のお怒りの言葉もありますので、そのような命知らずはいないと思います」
レグナが俺を凄い見てる。だから騙してないって。
決してお前を利用して、人払いしたとか無いから。
先に支部長は組合に戻り、母のゆりかご近くにある空地とやらに、寝床を用意すると言っていた。
「おい・・・どうなってやがる」
何か聞いた憶えのある声が聞こえ、その方に目線を向けるとあのポニーテールがいた。・・・確か、ベリルって名前だったか。
仲間に支えられ、今にも倒れそうなほどの様相だ。
その後ろには、ダールのラプタだったか? そちらもフラフラになりながら付いてきている。
「こいつらに聞いたが、・・・神竜族に勝ったんだって?」
ボロボロのベリルに対して、傷1つないパーティーメンバーが何とも皮肉に見えるな。
「本当に、強かったんだな。俺は神獣を前にして、正直絶望しか感じなかった」
後ろにいるラプタは跪くような体勢で、レグナとガルムに経緯を示すように、交互にお辞儀しているな。
「どうやってそんな力を手に入れたんだ? 俺は強くなりたいんだ! 強くならなくてはいけないんだ! 俺は、あなたのように強くなりたい!」
あ・・・こいつの話聞いてなかったな。何か1人でずっと話しているようだが。
べリアが仲間に目くばせし、支えを説いてもらってから前に出てくる。
「あなたには、とても失礼な態度を取ってしまった。この通りお詫びする」
なんか急に頭を下げてきたな。正直どうでも良かったんだが。
不満なのは、竜の強さを推し量る前にやられたこと位だ。
「そんな状況で、こんなことを頼むのは、失礼なのは重々承知しているが」
今度は膝をついたが、何を頼むつもりなんだ?
「お願いだ! あなたの! 弟子としてパーティーメンバーにして下さい!」
「はぁ!?」
弟子入りとか冗談だろ? 強くなりたいとかなんとか言っていたが、そもそも俺の力は弟子入りして手に入るものではない。
「断る」
「やはりそう言われるか」
「当たり前だろ。あんな最悪の出会いをして、そんな頼みが通るわけないだろ」
「おっしゃる通りだ」
「はぁ・・・とにかく、俺は弟子は取らない。あきらめろ」
べリアに背を向けて、全員に合図を送りゴモラに入っていく。
レグナだけは、打合せ通り飛びながら付いてくる為に、飛翔を始めて上空に昇っていった。
「俺はあきらめませんからね! 絶対に!」
べリアの声が背中越しに聞こえる。また厄介な奴に、絡まれてしまったようだ。
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