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三章 異世界verの中東戦争
121話 暗殺者の登場
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「よし、大丈夫かな……」
左右にも前方にも知り合いが居ない事を確認すると、一旦路地裏に身を隠した。
息を吐いたり吸ったりして呼吸と気分を落ち着かせる。
俺が今向かおうとしている場所はどこにでもある本屋だ。
では何故、こんなにも警戒しながら移動を続けているのというと――――男性なら誰もが一度は欲しがるアノ本を、手に入れたいからだ。
隠れ家から出て行く時、レベッカやザッハールが一緒にと提案してきたがこんな行動に女二人を連れ回す訳にはいかないのできっぱりと断った。男ならばカセムが居るがアイツは仕事のため家を離れているのだ。だから危険を承知しつつ一人でここまで来た。
「さて、行くか。永遠にここに居る訳にはいかないし」
精神の安定を覚えると、路地裏から出て街の本屋へと足を進ませた。
人混みに倒されぬよう歩く事数十分、目的地である本屋に到着した。
最後にもう一度誰も潜んでいないかを確かめると、足早に店へ駆け込んだ。
「あとは買うだけだな」
幸いにも本屋にはそれ程客が入店しておらず、例の本は案外買いやすい雰囲気だ。
18という数字を目印に店内を歩き回ると最奥にまさしくその文字が刻まれた黒い幕が垂れていた。その幕を通れば……世に存在する男達の楽園が広がっているだろう。
息を呑んで垂れ幕を捲れば、そこは俺の望む宝庫であった。
水着を着た……あるいはそれすらも捨てた金髪や銀髪のお姉さんの姿が印刷された薄い本が棚に所狭しと詰められている。
「ど、どれにしよっかな」
これだけの薄い本があると選ぶのに時間を食ってしまう。
「う~ん、これにするか」
顎に手を置いて悩む事しばらく、俺は素敵な笑顔を浮かべるエルフの女性が写った本を手に取った。格好は水着も下着もなし、つまり生まれたままの姿である。これを選んだ理由は何となくアヴァカンに似ているなと思ったからだ。
本来は成人を超えてからでないと購入してはいけない刺激的な本を片手にカウンターへ向かうと、さっさと会計を済まして退店。
店から出るとまずは安堵の息。だがこれで安心するのはまだ早い。むしろ、人によっては今からが本番といえる。
このタイミングでザッハールとかレベッカとかアヴァカンなんかの女性陣に見つかってしまったらビンタと絶縁宣言を受けるだろう。
未成年拝読禁止の本を手持ちの鞄の奥底に押し込むと、辺りを見渡しながら帰宅を始めた。
商人も市民も軍人も、全ての人間が今の俺には敵として捉えてしまう。
絶対に見つからないように……と脳に命令を送りながらとぼとぼと歩いている時、背中に身内のものではない冷たく殺意が混じった残忍な視線が突き刺さった。
すぐさま後ろを振り返ってみるが、大量に行き交う市民しか視界には映らない。だがしかし、気のせいではない。明らかに何者かが俺を狙い、この命を刈り取ろうとしているのだ。
敵の正体を暴こうと考えた俺はそこらにあった路地裏に咄嗟に入った。先は行き止まりで道も細いし、敵も隠れられないだろう。
そして、奴が姿を現した空気を肌で感じ取り、素早く背後を振り向いた。
「お前が俺を追ってたのか?」
追跡していた敵の姿は昨日のパソコンで見たビデオに映っていたサーベルの人物とよく似た者だった。サーベル以外にも手術で使うような小型のナイフを何本も専用のホルスターに挟んでいる。
左右にも前方にも知り合いが居ない事を確認すると、一旦路地裏に身を隠した。
息を吐いたり吸ったりして呼吸と気分を落ち着かせる。
俺が今向かおうとしている場所はどこにでもある本屋だ。
では何故、こんなにも警戒しながら移動を続けているのというと――――男性なら誰もが一度は欲しがるアノ本を、手に入れたいからだ。
隠れ家から出て行く時、レベッカやザッハールが一緒にと提案してきたがこんな行動に女二人を連れ回す訳にはいかないのできっぱりと断った。男ならばカセムが居るがアイツは仕事のため家を離れているのだ。だから危険を承知しつつ一人でここまで来た。
「さて、行くか。永遠にここに居る訳にはいかないし」
精神の安定を覚えると、路地裏から出て街の本屋へと足を進ませた。
人混みに倒されぬよう歩く事数十分、目的地である本屋に到着した。
最後にもう一度誰も潜んでいないかを確かめると、足早に店へ駆け込んだ。
「あとは買うだけだな」
幸いにも本屋にはそれ程客が入店しておらず、例の本は案外買いやすい雰囲気だ。
18という数字を目印に店内を歩き回ると最奥にまさしくその文字が刻まれた黒い幕が垂れていた。その幕を通れば……世に存在する男達の楽園が広がっているだろう。
息を呑んで垂れ幕を捲れば、そこは俺の望む宝庫であった。
水着を着た……あるいはそれすらも捨てた金髪や銀髪のお姉さんの姿が印刷された薄い本が棚に所狭しと詰められている。
「ど、どれにしよっかな」
これだけの薄い本があると選ぶのに時間を食ってしまう。
「う~ん、これにするか」
顎に手を置いて悩む事しばらく、俺は素敵な笑顔を浮かべるエルフの女性が写った本を手に取った。格好は水着も下着もなし、つまり生まれたままの姿である。これを選んだ理由は何となくアヴァカンに似ているなと思ったからだ。
本来は成人を超えてからでないと購入してはいけない刺激的な本を片手にカウンターへ向かうと、さっさと会計を済まして退店。
店から出るとまずは安堵の息。だがこれで安心するのはまだ早い。むしろ、人によっては今からが本番といえる。
このタイミングでザッハールとかレベッカとかアヴァカンなんかの女性陣に見つかってしまったらビンタと絶縁宣言を受けるだろう。
未成年拝読禁止の本を手持ちの鞄の奥底に押し込むと、辺りを見渡しながら帰宅を始めた。
商人も市民も軍人も、全ての人間が今の俺には敵として捉えてしまう。
絶対に見つからないように……と脳に命令を送りながらとぼとぼと歩いている時、背中に身内のものではない冷たく殺意が混じった残忍な視線が突き刺さった。
すぐさま後ろを振り返ってみるが、大量に行き交う市民しか視界には映らない。だがしかし、気のせいではない。明らかに何者かが俺を狙い、この命を刈り取ろうとしているのだ。
敵の正体を暴こうと考えた俺はそこらにあった路地裏に咄嗟に入った。先は行き止まりで道も細いし、敵も隠れられないだろう。
そして、奴が姿を現した空気を肌で感じ取り、素早く背後を振り向いた。
「お前が俺を追ってたのか?」
追跡していた敵の姿は昨日のパソコンで見たビデオに映っていたサーベルの人物とよく似た者だった。サーベル以外にも手術で使うような小型のナイフを何本も専用のホルスターに挟んでいる。
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