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三章 異世界verの中東戦争
140話 夜の街へ
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誰もが眠る静まり返った深夜。
今日は命の危機に直面したためか、眠れずにいた。
布団にずっと包まっていても何だか落ち着かないと、気分転換がてらに外へ出た。
玄関を出れば少し寒い空気が肌にこびり付く。
テヘランの市街地の輝きにより、空を見上げても星はそれ程光っていない。
自分は喧騒とした大都会より閑静な田舎の方が好みだが、テヘランの栄光もこれまた素晴らしい。こんなのを見つめていたら、テヘランを散策してみたくなってきた。
「セルゲイ君、ここで何をしているんですか?」
と、背後から穏やかなレベッカの声が響き、そっと振り返った。
「お前も寝れないのか?」
「実はそうなんですよ。あなたもですか?」
「まあ、ちょっとな。眠りづらいんだ」
夜の街を彩るテヘランの都市部を眺める。
壮観な風景だ。
これを転移者のイラン人達が築き上げたとは信じられない。
美しいテヘランの街並みを遠目で眺めていると、彼女に唐突に手を握られた。
肉の感触が直に伝わり思わずたじろいでしまう。俺、こういうのに免疫が全くないな……。
「よければ、市街地の方に行ってみませんか?」
「そりゃ行きたいけど時間的にヤバいし、また敵に寝られでもしたら……」
繋がれた手を見ないようにしながら答えると、レベッカは自信満々といった表情を浮かべた。
「私を侮らないでください。何かあっても私が解決します!」
「でも諜報部の奴ら結構強そうだぞ」
「だから、侮らないくださいって。私は過去に魔獣10体を同時に斬り殺した事がありますから」
「……分かった。お前の言葉、信じるよ」
まあコイツは騎士だし、敵が銃を持っていなければ多分勝ってくれるだろう。
隠れ家をこっそりと離れてテヘランの中心街に到着。
明け方に迫ろうとしているのにこの人数。街はまるで休日の昼間の如く賑やかだ。
「大都会はやっぱり違うねぇ」
行き交う人や建ち並ぶ建物を見渡しながら歩く。
動いていると若干の空腹に見舞われたのでどこかの喫茶店でデザートでも食べるかと決めた時、路地から顔面が腫れ上がり、血を垂れ流す醜悪な姿の兵士が不安定な歩行で出て来た。
事件に巻き込まれたのかもしれないと、慌てて駆け寄る。
今日は命の危機に直面したためか、眠れずにいた。
布団にずっと包まっていても何だか落ち着かないと、気分転換がてらに外へ出た。
玄関を出れば少し寒い空気が肌にこびり付く。
テヘランの市街地の輝きにより、空を見上げても星はそれ程光っていない。
自分は喧騒とした大都会より閑静な田舎の方が好みだが、テヘランの栄光もこれまた素晴らしい。こんなのを見つめていたら、テヘランを散策してみたくなってきた。
「セルゲイ君、ここで何をしているんですか?」
と、背後から穏やかなレベッカの声が響き、そっと振り返った。
「お前も寝れないのか?」
「実はそうなんですよ。あなたもですか?」
「まあ、ちょっとな。眠りづらいんだ」
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壮観な風景だ。
これを転移者のイラン人達が築き上げたとは信じられない。
美しいテヘランの街並みを遠目で眺めていると、彼女に唐突に手を握られた。
肉の感触が直に伝わり思わずたじろいでしまう。俺、こういうのに免疫が全くないな……。
「よければ、市街地の方に行ってみませんか?」
「そりゃ行きたいけど時間的にヤバいし、また敵に寝られでもしたら……」
繋がれた手を見ないようにしながら答えると、レベッカは自信満々といった表情を浮かべた。
「私を侮らないでください。何かあっても私が解決します!」
「でも諜報部の奴ら結構強そうだぞ」
「だから、侮らないくださいって。私は過去に魔獣10体を同時に斬り殺した事がありますから」
「……分かった。お前の言葉、信じるよ」
まあコイツは騎士だし、敵が銃を持っていなければ多分勝ってくれるだろう。
隠れ家をこっそりと離れてテヘランの中心街に到着。
明け方に迫ろうとしているのにこの人数。街はまるで休日の昼間の如く賑やかだ。
「大都会はやっぱり違うねぇ」
行き交う人や建ち並ぶ建物を見渡しながら歩く。
動いていると若干の空腹に見舞われたのでどこかの喫茶店でデザートでも食べるかと決めた時、路地から顔面が腫れ上がり、血を垂れ流す醜悪な姿の兵士が不安定な歩行で出て来た。
事件に巻き込まれたのかもしれないと、慌てて駆け寄る。
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