搾取される側だったので異世界では搾取する側になろうと思います ~貸し出した利ざやで世界最強~

きよらかなこころ

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剣の稽古

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 俺は5歳になった。

 俺は毎日村人から450の経験値を取得し、この2年間で328,500の経験値を取得した。

 総取得経験値は431,752になりレベルが41になった。

 村の中で俺以上の経験値を持てっている人はいないので、俺がこの村で一番強いのではないだろうか。

 実際に誰かと力比べをしたことがないので、実際のところ自分がどれだけ強いのか分からないのだけれどね。

「シンゴ、剣の練習をしないか?」

 5歳になったその日にオライアスがそんな事を言ってきた。

「うん、剣の練習してみたい」

「そうかそうか、じゃあ早速庭で練習しよう」

 オライアスは剣が好きなようで、農業に勤しんでいる時以外はよく剣の練習をしていた。

 どうやら、俺に剣の練習をさせたかったようだが、エミリアに止められていたようだ。

 魔法がよくて剣が駄目な理由はよく分からないが、俺が5歳になったことでエミリアから許可が出たらしく、早速俺に声をかけて来たようだ。

 俺としても剣に興味が無いわけではない。

 唯、魔法の方が前の世界に無かったモノなので興味が強かっただけだ。

「よし、最初は自由に打ち込んで見ろ」

 俺は練習用の木剣を持たされ、オライアスは自由に打ち込んでこいと言う。

 俺のレベルの事を考えれば、全力で打ち込むのは不味そうだったので、5割くらいの力でオライアスに打ち込んだ。

 オライアスは俺の力強さを全く想定していなかったようで、俺の横からの打ち込みを笑顔で受け止め、次の瞬間に木剣毎はじき飛ばされて尻餅をついた。

「えっ?」

 オライアスはポカンとした顔で俺の事を見上げている。

 しまった。5割でも強すぎたか。

「えっと、パパ大丈夫?」

 俺が声をかけ、オライアスは沈黙していたかと思ったら、今度は笑い出した。

「はっはっはっ、さすが俺の息子だ」

 オライアスは笑いながら立ち上がり、落とした木剣を拾って構えると再度俺に声をかける。

「すまない、今度は全力でやろう。シンゴ、今度こそ自由に打ち込んでこい」

 そんな言葉をかけるオライアスが何か薄い膜のようなモノを全身に纏っているのが見えた。

 さっきとは何か違うようだと思った俺は、さっきと同じように5割の力でオライアスに打ち込んだ。

 今度は、ガッチリと木剣で受けられて、逆にはじき飛ばされた。

「ふんっ」

「うわっ」

 俺ははじき飛ばされて尻餅をつく。

 オライアスの方を見ると勝ち誇った顔で俺の方を見ていた。

 5歳児相手に大人げないぞオライアス。

「パパ、今のは?」

「ああ、シンゴが予想以上に強かったから闘気を纏わせて貰った」

「闘気?」

「ああ、魔法使いが魔力を使って魔法を使うように、戦士は闘気を操って自分の力を強化したり、剣技を使ったりできる。こんな風にな」

 オライアスは剣に先ほどの薄い膜を張り巡らせ、それを振るう。

 すると剣から薄い膜の刃が飛び出し、近くにあった岩を真っ二つにした。

「これが剣技の一つ。空刃だ」

 すげえ、もしかしてオライアスって凄く強いのか。

「すごい、僕にも闘気を教えてよ」

「ああ、と言ってもシンゴは既に闘気を使えるはずだ」

「僕が闘気を使える?」

「さっきは魔力と闘気が別物のように言ったが、魔力を性質変化させたものが闘気なんだ」

「魔力を性質変化させた物が闘気って事はパパも魔法使いなの?」

「そうだとも言えるし、そうでないとも言える。魔力を放出したり、属性変化が得意なものは魔法使いになり、魔力の性質変化が得意で肉体を強化して戦うものを戦士と言う。中には両方を得意とする魔法戦士もいるぞ」

「なるほど、パパは性質変化が得意な戦士なんだね」

「ああ、そうだ」

「パパ、僕に性質変化の仕方を教えてよ」

「じゃあ、俺の闘気に触れてみなさい」

 俺は言われた通り、闘気を纏ったオライアスに触れる。

 言葉で表すのは難しい、なんか燃え上がるような感じの魔力であることだけは分かった。

「よし、闘気がどんな感じかわかったな。魔力を闘気に変換することをイメージするんだ」

 この世界は何でもかんでもイメージだな。

 俺は言われた通り、魔力をさっき触れた闘気のように燃え上がるものに変換することをイメージした。

 魔力が何か変わって行くのを感じながら、こうでもない、ああでもないと試行錯誤を続ける。

 そして、ある瞬間ピタリとイメージした通りに変換できた。

 すると、その変換した魔力が体中を駆け巡り、力が湧いてくる。

 おお、これが闘気か。

「パパ、これでいい?」

「おお、闘気をこんなに早く習得できるなんて、ローレンスの言ってた通り、シンゴは天才だ」

 俺は喜んでいるオライアスを放っておいて、身体を動かしてみた。

 闘気を纏った状態だと、今までよりも何倍も早く身体を動かす事ができた。こりゃすげえ。

「じゃあ、パパ。稽古の続きをしよう」

 俺に言われて、オライアスは剣を構える。

「ああ、かかってこい」

 俺とオライアスは稽古を続けた。
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