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第6話 Cランクまであげる
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寝る前にスキルを取得しておこう。
宿のベッドの上でステータス画面を開いた俺は、今日得た10P分のスキルポイントをどうしようかと頭を悩ましていた。
魅了と転移は覚えておくか。
まだ転移は使えないけど、このペースで最大魔力量が伸びればレベル20を超えた辺りで使えるようになるだろう。
そうなったら、ふふふ。
……なんだか魅了を使うのが楽しみになってきてるな。
俺はそんな奴だっただろうか?
……いや、認めよう。
俺はくずだ。
魅了を使って人生初のセックスをしたいと思っている。
ただ、やりすぎて世界中から指名手配されるような事態だけは避けないとな。
うーん、鑑定は取っておいたほうがいいか。
それと、状態回復魔法だな。
相手が病気持ちかを確認して、最悪治療してからにしないとな。
後は、睡眠魔法と混乱魔法も覚えておくか。
あとは風魔法をレベル7まであげて、これで空が飛べるようになるぞ。
残った1Pは保留だな。
寝る前にちょっとだけ空を飛んでみるか。
「フライ」
おおっ宙に浮いたぞ。
初めての飛行体験に感動してからベッドで横になった。
翌日、冒険者ギルドで合流した俺たちは森へと向かった。
「おっさん、囲まれたら助けてやるから一人で戦ってみろよ」
そう言えば訂正するのを忘れていたが、俺はおっさんではない。
「私はおっさんではありません。ダイスケという名前があります」
「わかったよおっさん。ほら、ビックベアのお出ましだぞ」
……諦めよう。
隣でアネッサさんが頭を下げているけど、はい、わかってますよ。
いまは目の前の熊を倒しますね。
「ウインドカッター」
風の刃がビッグベアを切り裂く。
「おお、やるじゃねえかおっさん」
女に歓声を貰ってるのにこんなに嬉しくないのは初めてだな。
いや、そもそも歓声を貰ったことなどあったか?
……まあいい、レベル上げに集中しよう。
次々と現れる魔物をウインドカッターで切り裂いていった。
「おっさんマジで強いな。Fランクって嘘だろ?」
「これだけ魔法を連発しても魔力切れを起こさないなんて、相当高レベルですよね?」
ひたすら魔物を狩っていたら、カノンの目はより一層輝き、アネッサさんは首をかしげている。
そういえば魔法を使ってても魔力切れにならない。
魔法で消費する分より、自然に回復する量の方が多いんだよな。
風魔法レベル1だから連発しててもこんなもんかと思ったけど、ゲームみたいな世界だと考えたら確かにおかしい。
低レベルの時から魔法撃ち放題なんてゲームは殆どないぞ。
これも賢者が関係しているのだろうか?
……うん、考えても仕方ないな。
現状検証する方法もないしな。
あっ、レベルが20にあがった。
おお、転移の魔力消費量を超えたぞ。
「おっさん一人でも大丈夫そうだし、私たちも狩るか」
「そうね。せっかくだしやりましょう」
俺の後ろで待機していたカノンとアネッサさんが動き出した。
せっかくだし二人の戦いぶりを見せてもらおう。
「せいっ」
カノンは見た目通り剣士だ。
素早い動きと強力な一撃でワイルドベアを真っ二つにしている。
「てやっ」
アネッサさんは後方支援担当なのかと思っていたけど、普通にメイスでボコボコにしている。
一人でワイルドボアを倒してしまった。
Bランクって強いんだな。
俺も負けてられないな。
よし、昨日覚えたエアーエッジを撃ってみるか。
「エアーエッジ」
え?
魔法を発動した瞬間、俺の目の前に全長10メートルくらいの風の刃が水平に現れた。
太さも3メートルくらいはありそうだ。
風の刃はすごい速度で前方に飛んでいき、森の木を根こそぎえぐり倒していった。
……これは駄目だな、威力が強すぎる。
前方に人がいなかった事を祈るばかりだ。
手を合わせながらステータス画面に目を向けると、光ってレベルが上がったことを教えてくれている。
レベルは20から23まであがっていた。
「すげえ、すげえよおっさん」
「賢者? いえ、そんなはずは……」
後ろを振り返るとカノンが騒いでいて、アネッサさんは何やらブツブツと言っている。
二人の様子から、俺が放ったエアーエッジがただのエアーエッジでないことは明らかだった。
「はは、ちょっと威力が強すぎましたかね」
「おっさんがいればAランク間違いなしだ。これでエロインの奴を見返せるぜ」
「いまのはエアリアルスラッシュですか?」
「ええ、そうなんですよ。ちょっと試し撃ちをしたくなっちゃいまして」
使ったのはエアーエッジだけど、アネッサさんの反応からして話を合わせておいたほうがよさそうだ。
「……そうですか。この森の中には他の冒険者もいますから、今後は使わない方がいいと思いますよ」
ですよね。
「おっしゃ。素材回収して帰るぞ。これだけあればランクCまであがんだろ」
カノンとアネッサさんにたくさんの物が入れられるマジックバックを借りて、倒した魔物を入れていった。
へえ、便利なアイテムがあるんだな。
スキルで拡張しても精々ビックベア10匹くらいしか入らないけど、借りた鞄には100匹を超える数が入った。
俺も欲しいな。
ギルドに帰って、量が量だったのでギルド裏手にある素材置き場に直接魔物を出した。
「これ、本当にダイスケさん一人で倒したんですか?」
リンネさんはジトッとした目を俺に向けてきた。
そろそろ、そのジト目が癖になりそうです。
「おっさんすごかったぜ」
「はい。それは私が保証します」
「……アネッサさんが言うのなら本当なんでしょうね」
疑いは晴れて、魔物の査定をして貰った所、金貨7枚と銀貨56枚になった。
前の世界では考えられない速度でお金が入ってくるな。
だがこんなに沢山のお金は何に使えばいいのだろうか?
「……おめでとうございます。ランクがCに上がりました」
まったく嬉しくなさそう、というよりは何かを疑ってかかるようにリンネさんは俺を見ている。
さっきのアネッサさんの反応に近いな。
なにかやらかしたのだろうか?
「よし、これでパーティーが組めるな。さっそくおっさんの登録を頼む」
カノンがごり押す形で、俺はジャッジメントの一員になった。
もう抵抗はしないさ。
身体で払って貰うだけだからな。
夜。
パーティー加入祝いということで、俺たちは近くの酒場で飯を食べていた。
「あはは、飲め飲め」
「カノンちゃん、飲み過ぎは駄目だよ」
いい感じにカノンが酔っ払ってきたところで、こっそり睡眠魔法を使った。
「これで私たちもA……らん……Zzz」
すんなりと魔法が効いて、カノンは机に突っ伏して眠った。
「もう、カノンちゃんたら。こんなところで寝ちゃって」
「そろそろ解散しましょうか。カノンさんは私が運んでいきますよ」
「……そうですね。お願いします。お尻とか胸くらいなら触ってもいいですよ」
「はは、触りませんよ」
カノンをお姫様抱っこで担ぎ上げると、柔らかい女体の感触が伝わってきてドキッとした。
童貞には中々刺激的だな。
これからもっと刺激的なことをするのだけれども。
「カノンちゃんが迷惑をかけてごめんなさい」
「いえ、結果的に色々と助かってますよ」
「ダイスケさんは優しいですね」
そうですね。いつも優しい人止まりなんです。
それも、これまでの話ですけどね。
「あっ、着きました。この宿です」
「そうですか。おやすみなさい」
「はい。おやすみなさい……あっ、カノンちゃ……んを……」
睡眠魔法を使うと、アネッサさんはすぐに眠りについた。
倒れ込むアネッサさんを支えて担ぎ、カノンを宿の裏地においてから、アネッサさんだけを担いで宿の中に入る。
宿の中には受付に黒髪が綺麗なお姉さんがいた。
「すいません。この人この宿に泊まってる人じゃないですか?」
「はいそうです」
「途中で寝ちゃって連れてきたんですけど、引き取って貰えますか?」
「はい、それは構いませんが、もう一人お連れの方がいませんでしたか?」
「あれ? まだ来てませんか? ちょっと探してきます」
アネッサさんを宿の人に受け渡し、路地裏に置いてあるカノンを背負って、俺が泊まっている宿へと向かった。
さあ、お楽しみの始まりだ。
宿のベッドの上でステータス画面を開いた俺は、今日得た10P分のスキルポイントをどうしようかと頭を悩ましていた。
魅了と転移は覚えておくか。
まだ転移は使えないけど、このペースで最大魔力量が伸びればレベル20を超えた辺りで使えるようになるだろう。
そうなったら、ふふふ。
……なんだか魅了を使うのが楽しみになってきてるな。
俺はそんな奴だっただろうか?
……いや、認めよう。
俺はくずだ。
魅了を使って人生初のセックスをしたいと思っている。
ただ、やりすぎて世界中から指名手配されるような事態だけは避けないとな。
うーん、鑑定は取っておいたほうがいいか。
それと、状態回復魔法だな。
相手が病気持ちかを確認して、最悪治療してからにしないとな。
後は、睡眠魔法と混乱魔法も覚えておくか。
あとは風魔法をレベル7まであげて、これで空が飛べるようになるぞ。
残った1Pは保留だな。
寝る前にちょっとだけ空を飛んでみるか。
「フライ」
おおっ宙に浮いたぞ。
初めての飛行体験に感動してからベッドで横になった。
翌日、冒険者ギルドで合流した俺たちは森へと向かった。
「おっさん、囲まれたら助けてやるから一人で戦ってみろよ」
そう言えば訂正するのを忘れていたが、俺はおっさんではない。
「私はおっさんではありません。ダイスケという名前があります」
「わかったよおっさん。ほら、ビックベアのお出ましだぞ」
……諦めよう。
隣でアネッサさんが頭を下げているけど、はい、わかってますよ。
いまは目の前の熊を倒しますね。
「ウインドカッター」
風の刃がビッグベアを切り裂く。
「おお、やるじゃねえかおっさん」
女に歓声を貰ってるのにこんなに嬉しくないのは初めてだな。
いや、そもそも歓声を貰ったことなどあったか?
……まあいい、レベル上げに集中しよう。
次々と現れる魔物をウインドカッターで切り裂いていった。
「おっさんマジで強いな。Fランクって嘘だろ?」
「これだけ魔法を連発しても魔力切れを起こさないなんて、相当高レベルですよね?」
ひたすら魔物を狩っていたら、カノンの目はより一層輝き、アネッサさんは首をかしげている。
そういえば魔法を使ってても魔力切れにならない。
魔法で消費する分より、自然に回復する量の方が多いんだよな。
風魔法レベル1だから連発しててもこんなもんかと思ったけど、ゲームみたいな世界だと考えたら確かにおかしい。
低レベルの時から魔法撃ち放題なんてゲームは殆どないぞ。
これも賢者が関係しているのだろうか?
……うん、考えても仕方ないな。
現状検証する方法もないしな。
あっ、レベルが20にあがった。
おお、転移の魔力消費量を超えたぞ。
「おっさん一人でも大丈夫そうだし、私たちも狩るか」
「そうね。せっかくだしやりましょう」
俺の後ろで待機していたカノンとアネッサさんが動き出した。
せっかくだし二人の戦いぶりを見せてもらおう。
「せいっ」
カノンは見た目通り剣士だ。
素早い動きと強力な一撃でワイルドベアを真っ二つにしている。
「てやっ」
アネッサさんは後方支援担当なのかと思っていたけど、普通にメイスでボコボコにしている。
一人でワイルドボアを倒してしまった。
Bランクって強いんだな。
俺も負けてられないな。
よし、昨日覚えたエアーエッジを撃ってみるか。
「エアーエッジ」
え?
魔法を発動した瞬間、俺の目の前に全長10メートルくらいの風の刃が水平に現れた。
太さも3メートルくらいはありそうだ。
風の刃はすごい速度で前方に飛んでいき、森の木を根こそぎえぐり倒していった。
……これは駄目だな、威力が強すぎる。
前方に人がいなかった事を祈るばかりだ。
手を合わせながらステータス画面に目を向けると、光ってレベルが上がったことを教えてくれている。
レベルは20から23まであがっていた。
「すげえ、すげえよおっさん」
「賢者? いえ、そんなはずは……」
後ろを振り返るとカノンが騒いでいて、アネッサさんは何やらブツブツと言っている。
二人の様子から、俺が放ったエアーエッジがただのエアーエッジでないことは明らかだった。
「はは、ちょっと威力が強すぎましたかね」
「おっさんがいればAランク間違いなしだ。これでエロインの奴を見返せるぜ」
「いまのはエアリアルスラッシュですか?」
「ええ、そうなんですよ。ちょっと試し撃ちをしたくなっちゃいまして」
使ったのはエアーエッジだけど、アネッサさんの反応からして話を合わせておいたほうがよさそうだ。
「……そうですか。この森の中には他の冒険者もいますから、今後は使わない方がいいと思いますよ」
ですよね。
「おっしゃ。素材回収して帰るぞ。これだけあればランクCまであがんだろ」
カノンとアネッサさんにたくさんの物が入れられるマジックバックを借りて、倒した魔物を入れていった。
へえ、便利なアイテムがあるんだな。
スキルで拡張しても精々ビックベア10匹くらいしか入らないけど、借りた鞄には100匹を超える数が入った。
俺も欲しいな。
ギルドに帰って、量が量だったのでギルド裏手にある素材置き場に直接魔物を出した。
「これ、本当にダイスケさん一人で倒したんですか?」
リンネさんはジトッとした目を俺に向けてきた。
そろそろ、そのジト目が癖になりそうです。
「おっさんすごかったぜ」
「はい。それは私が保証します」
「……アネッサさんが言うのなら本当なんでしょうね」
疑いは晴れて、魔物の査定をして貰った所、金貨7枚と銀貨56枚になった。
前の世界では考えられない速度でお金が入ってくるな。
だがこんなに沢山のお金は何に使えばいいのだろうか?
「……おめでとうございます。ランクがCに上がりました」
まったく嬉しくなさそう、というよりは何かを疑ってかかるようにリンネさんは俺を見ている。
さっきのアネッサさんの反応に近いな。
なにかやらかしたのだろうか?
「よし、これでパーティーが組めるな。さっそくおっさんの登録を頼む」
カノンがごり押す形で、俺はジャッジメントの一員になった。
もう抵抗はしないさ。
身体で払って貰うだけだからな。
夜。
パーティー加入祝いということで、俺たちは近くの酒場で飯を食べていた。
「あはは、飲め飲め」
「カノンちゃん、飲み過ぎは駄目だよ」
いい感じにカノンが酔っ払ってきたところで、こっそり睡眠魔法を使った。
「これで私たちもA……らん……Zzz」
すんなりと魔法が効いて、カノンは机に突っ伏して眠った。
「もう、カノンちゃんたら。こんなところで寝ちゃって」
「そろそろ解散しましょうか。カノンさんは私が運んでいきますよ」
「……そうですね。お願いします。お尻とか胸くらいなら触ってもいいですよ」
「はは、触りませんよ」
カノンをお姫様抱っこで担ぎ上げると、柔らかい女体の感触が伝わってきてドキッとした。
童貞には中々刺激的だな。
これからもっと刺激的なことをするのだけれども。
「カノンちゃんが迷惑をかけてごめんなさい」
「いえ、結果的に色々と助かってますよ」
「ダイスケさんは優しいですね」
そうですね。いつも優しい人止まりなんです。
それも、これまでの話ですけどね。
「あっ、着きました。この宿です」
「そうですか。おやすみなさい」
「はい。おやすみなさい……あっ、カノンちゃ……んを……」
睡眠魔法を使うと、アネッサさんはすぐに眠りについた。
倒れ込むアネッサさんを支えて担ぎ、カノンを宿の裏地においてから、アネッサさんだけを担いで宿の中に入る。
宿の中には受付に黒髪が綺麗なお姉さんがいた。
「すいません。この人この宿に泊まってる人じゃないですか?」
「はいそうです」
「途中で寝ちゃって連れてきたんですけど、引き取って貰えますか?」
「はい、それは構いませんが、もう一人お連れの方がいませんでしたか?」
「あれ? まだ来てませんか? ちょっと探してきます」
アネッサさんを宿の人に受け渡し、路地裏に置いてあるカノンを背負って、俺が泊まっている宿へと向かった。
さあ、お楽しみの始まりだ。
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