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若い巨乳妻
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戸塚は余命三ヶ月を宣告された。
若くして妻に先立たれ、幼い二人の子供を男手一つで育ててきた。二人は独立し、長男には孫までできた。
人生の折り返しで、これからという矢先での宣告だった。二十一世紀が終わりを迎えようとする今の時代でも、克服できない病気はいくつもある。
古典的な言い回しだが、神も仏もないものかと、戸塚は自分に訪れた運命を呪った。
だが、科学の発展はそんな戸塚に僥倖をもたらした。
結婚した当時の若い妻がそこにいた。
「いかがですか戸塚さん。奥さんに間違いないですか」
口を開けたまま目を丸くしている戸塚に、医療スタッフの川崎が声をかけた。
ここは終末医療専門の病院だ。
「患者さまの苦痛や不快感を取り除き、最後まで人間らしい生活を提供するために開発された技術です」
生真面目そうな川崎の長ったらしい説明など、どうでも良い……。
戸塚は二つ返事でレンタル契約にサインをした。五百万円は、インフレで貨幣価値の半減した世界でも大金だ。だが、あの世に金は持って行けない。
丸い無骨な帽子を被り、ゴーグル眼鏡をかけると、目の前に生きていた頃と寸分違わぬ妻の沙月が現れた。
息使いや体臭はおろか触れる事もできた。
肌のぬくもりまで感じ取るなど、にわかには仮想現実とは思えない。
AIが丸い帽子を通して、戸塚の記憶から細かいところまで学習しているのだ。
体位に制限があるが、セックスも可能だ。
沙月とのセックスは何十年ぶりだろう。
正常位は戸塚の負担が大きいとの理由で拒否されたのは残念だ。
推奨された動物の交尾と同じ後背位や、沙月が上に乗る騎乗位で、失われた夫婦の時間を埋めるように妻の体を求めた。
オーラルセックスは、被験者の誰もが普通にやっていると聞いた。
「そろそろ、先生方の巡回診察ですわ」
戸塚の肉茎を、花びらのような口で慰めていた沙月が、豊満な乳房を揺らして立ち上がった。戸塚の前では沙月はいつも全裸だ。
オプションで妖艶な下着類もあるが、一度も使っていない。
物理的な作業ができない沙月は、コンドームの使用を要求するが、それ以外は戸塚の望みを叶えてくれる。
沙月の顔に精液をぶっかける望みは、一生叶えられないが仕方がない。
入り口のランプが点滅し、ほどなく白衣を着た先生方が入って来た。
帽子を脱げば仮想世界の沙月は消えるが、一秒たりとも沙月と離れたくない……。
若い女性看護士が沙月の姿にギョッとしたような顔を見せたが、すぐに表情を消し、手元のタブレットに目を落とした。
「戸塚さん、お楽しみ中に申し訳ないが、診察はすぐに終わりますので」
物腰の柔らかそうな年配の医師は、沙月の姿に驚く事なく穏やかな表情で言った。
沙月は診察の間、戸塚の目を楽しませるために股を拡げてソファの上で控えていた。
いつもの担当医なら目のやり場に困るといった表情で、診察をするとソソクサと退室するのが常だ。
医療用のゴーグルをつけている彼らは、沙月に触れる事ができないだけで、同じ仮想世界を見ている。
診察といっても簡単なものだ。腕にスタンプのような物を押し付けられるだけで、痛くも痒くも何ともない。
こんな事でどこまで分かるのだと疑問に思うが、医学も進歩したものだ。
「特に目立った変化は見受けられませんが、戸塚さんの体力を考えると、過度な性交渉はなるべく控えた方が懸命です」
年配の医師はそう言うと、卑猥な姿を晒している沙月にも声をかけた。
「奥さんも、旦那さんの体調には気をつけて下さい。一日でも長く元気な姿を保ってほしいですから」
「ありがとうございます先生。主人のためならどんな事でもしますので、よろしくおねがいします」
全裸で頭を下げる沙月の姿に、戸塚は、病気になった事もまんざら悪い事ではなかったかもしれないと思い始めていた。
ある日、豊満な胸の谷間に顔を埋めて眠りたいと願った戸塚に、沙月は悲しそうに顔を横に振った。
体力の落ちてきた戸塚には、その体勢は負担が大きいのだ。
「それなら、せめて俺が眠るまで、チンポをしゃぶっていてくれよ」
沙月はにっこりと微笑むと、拒否する事なく戸塚をまたいで上に乗った。
目の前にプリプリとした安産型の大きな尻が現れた。性欲をそそる女の割れ目がほころんでいた。
不思議なことに、沙月の重さがあまり感じられなかった。
戸塚の肉茎が沙月の口腔に吸い込まれた。
睡魔が襲い、自分が勃起しているのかも分からなくなる中で、戸塚はふとした疑問に捕らわれた。
沙月はこんなに巨乳だったかな……。
「天国の沙月に怒られるかもしれないな。私はこんなに巨乳じゃないわよって……」
戸塚は幸せそうな苦笑いを浮かべると、二度と目の覚めることのない、深い眠りに落ちた。
若くして妻に先立たれ、幼い二人の子供を男手一つで育ててきた。二人は独立し、長男には孫までできた。
人生の折り返しで、これからという矢先での宣告だった。二十一世紀が終わりを迎えようとする今の時代でも、克服できない病気はいくつもある。
古典的な言い回しだが、神も仏もないものかと、戸塚は自分に訪れた運命を呪った。
だが、科学の発展はそんな戸塚に僥倖をもたらした。
結婚した当時の若い妻がそこにいた。
「いかがですか戸塚さん。奥さんに間違いないですか」
口を開けたまま目を丸くしている戸塚に、医療スタッフの川崎が声をかけた。
ここは終末医療専門の病院だ。
「患者さまの苦痛や不快感を取り除き、最後まで人間らしい生活を提供するために開発された技術です」
生真面目そうな川崎の長ったらしい説明など、どうでも良い……。
戸塚は二つ返事でレンタル契約にサインをした。五百万円は、インフレで貨幣価値の半減した世界でも大金だ。だが、あの世に金は持って行けない。
丸い無骨な帽子を被り、ゴーグル眼鏡をかけると、目の前に生きていた頃と寸分違わぬ妻の沙月が現れた。
息使いや体臭はおろか触れる事もできた。
肌のぬくもりまで感じ取るなど、にわかには仮想現実とは思えない。
AIが丸い帽子を通して、戸塚の記憶から細かいところまで学習しているのだ。
体位に制限があるが、セックスも可能だ。
沙月とのセックスは何十年ぶりだろう。
正常位は戸塚の負担が大きいとの理由で拒否されたのは残念だ。
推奨された動物の交尾と同じ後背位や、沙月が上に乗る騎乗位で、失われた夫婦の時間を埋めるように妻の体を求めた。
オーラルセックスは、被験者の誰もが普通にやっていると聞いた。
「そろそろ、先生方の巡回診察ですわ」
戸塚の肉茎を、花びらのような口で慰めていた沙月が、豊満な乳房を揺らして立ち上がった。戸塚の前では沙月はいつも全裸だ。
オプションで妖艶な下着類もあるが、一度も使っていない。
物理的な作業ができない沙月は、コンドームの使用を要求するが、それ以外は戸塚の望みを叶えてくれる。
沙月の顔に精液をぶっかける望みは、一生叶えられないが仕方がない。
入り口のランプが点滅し、ほどなく白衣を着た先生方が入って来た。
帽子を脱げば仮想世界の沙月は消えるが、一秒たりとも沙月と離れたくない……。
若い女性看護士が沙月の姿にギョッとしたような顔を見せたが、すぐに表情を消し、手元のタブレットに目を落とした。
「戸塚さん、お楽しみ中に申し訳ないが、診察はすぐに終わりますので」
物腰の柔らかそうな年配の医師は、沙月の姿に驚く事なく穏やかな表情で言った。
沙月は診察の間、戸塚の目を楽しませるために股を拡げてソファの上で控えていた。
いつもの担当医なら目のやり場に困るといった表情で、診察をするとソソクサと退室するのが常だ。
医療用のゴーグルをつけている彼らは、沙月に触れる事ができないだけで、同じ仮想世界を見ている。
診察といっても簡単なものだ。腕にスタンプのような物を押し付けられるだけで、痛くも痒くも何ともない。
こんな事でどこまで分かるのだと疑問に思うが、医学も進歩したものだ。
「特に目立った変化は見受けられませんが、戸塚さんの体力を考えると、過度な性交渉はなるべく控えた方が懸命です」
年配の医師はそう言うと、卑猥な姿を晒している沙月にも声をかけた。
「奥さんも、旦那さんの体調には気をつけて下さい。一日でも長く元気な姿を保ってほしいですから」
「ありがとうございます先生。主人のためならどんな事でもしますので、よろしくおねがいします」
全裸で頭を下げる沙月の姿に、戸塚は、病気になった事もまんざら悪い事ではなかったかもしれないと思い始めていた。
ある日、豊満な胸の谷間に顔を埋めて眠りたいと願った戸塚に、沙月は悲しそうに顔を横に振った。
体力の落ちてきた戸塚には、その体勢は負担が大きいのだ。
「それなら、せめて俺が眠るまで、チンポをしゃぶっていてくれよ」
沙月はにっこりと微笑むと、拒否する事なく戸塚をまたいで上に乗った。
目の前にプリプリとした安産型の大きな尻が現れた。性欲をそそる女の割れ目がほころんでいた。
不思議なことに、沙月の重さがあまり感じられなかった。
戸塚の肉茎が沙月の口腔に吸い込まれた。
睡魔が襲い、自分が勃起しているのかも分からなくなる中で、戸塚はふとした疑問に捕らわれた。
沙月はこんなに巨乳だったかな……。
「天国の沙月に怒られるかもしれないな。私はこんなに巨乳じゃないわよって……」
戸塚は幸せそうな苦笑いを浮かべると、二度と目の覚めることのない、深い眠りに落ちた。
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