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第七章 それなんてホラー?
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「……んんん、平和だなあ」
ヨシヤはぽつりと呟いた。
傍らには蟻、傍らにハシビロコウを侍らせて湖の畔で魚釣りをする日々。
畑のトマトもよく実り、ナスもたんまりと採れたところでまさしく絵に描いたようなスローライフを送っている。
果たして蟻と蜂による畑の世話がスローライフなのかと問われると中々難しいところではあるのだが。
そして卵もある。
とはいえ、コカトリスメイド部隊が毎朝届けに来てくれるコカトリスの卵(無精卵)だ。
産んだ本人(?)から手渡されるととても申し訳ない気持ちになるが、その気持ちの分だけ感謝をしながら食べている。
「次は何をしようかなあ」
なんとなく昔取った杵柄というか、人から聞いた話を思い出して再現したピザ釜造り(DIYに嵌まった友人の手伝いをさせられた)、一斗缶を使った燻製機の作成(これはかつてハナが嵌まった)、夜にはハナと夜デートなど中々充実している。
まさしくリア充である。おっさんだけど。
「ヨシヤさーん」
「おっ、ハナ! どうしたの?」
「お昼時だからサンドイッチ作ってきたのよ。コウはお魚もらえたかしら?」
コウとはハシビロコウの名前である。
単純に一番最後の二文字をとっただけなのでセンスも何もないのだが、この神域で一番まともに聞える不思議だと八木がこっそり思っているのは内緒だ。
ちないにその八木であるが、彼はヨシヤの代理として商人として幅広く活躍しておりこの夫婦の財布は現在潤う一方であった。
勿論その分、ヨシヤやハナは八木を労い、彼の報酬もまた右肩上がりなのであるが……とりあえず問題としては、全員使い道がないというところだろうか。
なにせ神域暮らしは家に困らないし、なんなら食糧は最悪蟻たちが獲っていたものでもまかなえるのである。
野菜と果物に関しては蜂たちが育てているし、魚も今のところ順調に増えている。
卵に関しては若干鶏卵がほしいなと思うところがないとは言わないが、それを口にするとコカトリスメイド部隊が悲しげな目をするので禁句である!
ちなみにハシビロコウのコウは最近、メイド部隊の教育の賜物なのかはたまたこの神域の暮らしが影響しているのか、器用に飛び道具を扱うようになっていた。
どうやら目がとてもいいらしい。
ヨシヤはもうそこについては触れないし、そもそも考えないようにしている!
そう、世界が変われば常識だって変わる。
気の持ちようは自身の精神安定に多大なる関係があるので、その考え方は大事であった。
「そういえば、神域を限定的に広げることができそうなの」
「え? 限定的……?」
「ええ。うーんと、たとえばね、どこかの町で家を借りるでしょ?」
「うん」
「その家の中を神域化するの。家の外には出られないけど、その家の中だったらお客様を招いたりできるし……この方法だったら本当にヨシヤさんが私を伴って会話をしたい場合とかに使えるんじゃないかしら!」
つまり、とうとうハナが現世(?)に降臨することができるレベルに達したのである。
思えば最初は吹けば消えてしまう灯火がごとき神であったというのに、今やそこそこの立場になったといえよう。
それもこれもマーサから始まってナタリー、そして辺境伯と王太子妃という影響力が大きすぎる人々の信仰がものを言っているに違いない。
とりあえず他の神様の信者を根こそぎ奪いたいとか、信仰する神を変えろとかそんな大それたことは言わない。
なにかのついでで信仰してくれたら自分たち夫婦は助かるし、可愛い赤ちゃんとすれ違えるならお互いウィンウィンってやつだろう、ヨシヤからすればその程度である。
「す、すごいよハナ……!!」
何はともあれ、また一つ妻が〝すごい〟ことが誇らしいヨシヤであった。
ヨシヤはぽつりと呟いた。
傍らには蟻、傍らにハシビロコウを侍らせて湖の畔で魚釣りをする日々。
畑のトマトもよく実り、ナスもたんまりと採れたところでまさしく絵に描いたようなスローライフを送っている。
果たして蟻と蜂による畑の世話がスローライフなのかと問われると中々難しいところではあるのだが。
そして卵もある。
とはいえ、コカトリスメイド部隊が毎朝届けに来てくれるコカトリスの卵(無精卵)だ。
産んだ本人(?)から手渡されるととても申し訳ない気持ちになるが、その気持ちの分だけ感謝をしながら食べている。
「次は何をしようかなあ」
なんとなく昔取った杵柄というか、人から聞いた話を思い出して再現したピザ釜造り(DIYに嵌まった友人の手伝いをさせられた)、一斗缶を使った燻製機の作成(これはかつてハナが嵌まった)、夜にはハナと夜デートなど中々充実している。
まさしくリア充である。おっさんだけど。
「ヨシヤさーん」
「おっ、ハナ! どうしたの?」
「お昼時だからサンドイッチ作ってきたのよ。コウはお魚もらえたかしら?」
コウとはハシビロコウの名前である。
単純に一番最後の二文字をとっただけなのでセンスも何もないのだが、この神域で一番まともに聞える不思議だと八木がこっそり思っているのは内緒だ。
ちないにその八木であるが、彼はヨシヤの代理として商人として幅広く活躍しておりこの夫婦の財布は現在潤う一方であった。
勿論その分、ヨシヤやハナは八木を労い、彼の報酬もまた右肩上がりなのであるが……とりあえず問題としては、全員使い道がないというところだろうか。
なにせ神域暮らしは家に困らないし、なんなら食糧は最悪蟻たちが獲っていたものでもまかなえるのである。
野菜と果物に関しては蜂たちが育てているし、魚も今のところ順調に増えている。
卵に関しては若干鶏卵がほしいなと思うところがないとは言わないが、それを口にするとコカトリスメイド部隊が悲しげな目をするので禁句である!
ちなみにハシビロコウのコウは最近、メイド部隊の教育の賜物なのかはたまたこの神域の暮らしが影響しているのか、器用に飛び道具を扱うようになっていた。
どうやら目がとてもいいらしい。
ヨシヤはもうそこについては触れないし、そもそも考えないようにしている!
そう、世界が変われば常識だって変わる。
気の持ちようは自身の精神安定に多大なる関係があるので、その考え方は大事であった。
「そういえば、神域を限定的に広げることができそうなの」
「え? 限定的……?」
「ええ。うーんと、たとえばね、どこかの町で家を借りるでしょ?」
「うん」
「その家の中を神域化するの。家の外には出られないけど、その家の中だったらお客様を招いたりできるし……この方法だったら本当にヨシヤさんが私を伴って会話をしたい場合とかに使えるんじゃないかしら!」
つまり、とうとうハナが現世(?)に降臨することができるレベルに達したのである。
思えば最初は吹けば消えてしまう灯火がごとき神であったというのに、今やそこそこの立場になったといえよう。
それもこれもマーサから始まってナタリー、そして辺境伯と王太子妃という影響力が大きすぎる人々の信仰がものを言っているに違いない。
とりあえず他の神様の信者を根こそぎ奪いたいとか、信仰する神を変えろとかそんな大それたことは言わない。
なにかのついでで信仰してくれたら自分たち夫婦は助かるし、可愛い赤ちゃんとすれ違えるならお互いウィンウィンってやつだろう、ヨシヤからすればその程度である。
「す、すごいよハナ……!!」
何はともあれ、また一つ妻が〝すごい〟ことが誇らしいヨシヤであった。
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