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四十四:下手くそな笑顔
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雫の父親が去った後、その後姿を見送ってから紬はゆっくりと病室に向けて歩き出す。
その道のりはそう遠くないというのに、ひどく遠く感じた。それは自分の足が、やけに重くなっているからかもしれないとどこか他人事のように紬は思う。
言いたかったことは、ちゃんと言えたはずだ。
詫びも言えて、会いたいという希望も言えた。その中でいくつか自分でも何を言っているの変わらないほどパニックになってしまったことはなんとも思い返すとみっともないが、なんだか色々と溜まっていたものが出ていって、まるで自分の体が自分のものでないかのような錯覚すら感じる。
何もなくなってしまってすっきりした反面、それを支えにしていたような気がするから動けないのかもしれない。
それが何かと問われたら、何だとははっきりと言えないのだけれども。
「……失礼、します」
雫の病室前に来て、そのドアが少しだけ開いていることに一瞬動きが止まる。
だがそれに臆している場合ではない。時間は限られていて、会いたいとはっきり自分の気持ちを言葉にした以上行動をしなければただの臆病者になってしまう。
それは紬自身が許せるものではなかったのだ。
開いているドアをノックして、軽く押せばそれに呼応するかのように横滑りするドア。
そこに身体をねじ込むようにして入る自分が、どれだけ焦っているのだろうと紬は薄く呆れた笑みを自分に向けて、浮かべた。
「……こんにちは」
「……こんにちは」
今日の雫は、起きていた。
ベッドの上に座るようにして、まるで紬が来るのを待っていたようだ。
いいや、待っていたに違いない。嘘か本当かはわからないが、少なくとも彼女の父親は雫が会いたがっていたと言っていたのだから。
紬は挨拶をしたものの、その後どうして良いのかわからず視線を彷徨わせた。
それに対して雫が薄く笑う。馬鹿にしたようなものではなくて、ただ優しい笑みだった。
「どうぞ、椅子に座ってください。私は、ベッドの上で申し訳ないけれど」
「ああ、や……気を使わせて、悪い。その、この間は悪かった、驚いたからあんな風になっちまったんだろう?」
「はい。でも紬さんのせいじゃないです。今でも私は些細なことで、あんな風になってしまうことがありますので」
「……そっか……」
冷静な雫の言葉に、紬はなんと返して良いのかわからない。
だがとりあえず、拒絶されている状況ではなさそうで、彼女に気取られないようそっと息を吐き出した。
「あー、えっと……体調は、今日はいいのか?」
「はい、おかげさまで」
「そっか、……そりゃよかった」
まず詫びることができた。
それから今日の調子を聞いた。
じゃあ、それから?
そう思うのに、言葉は続かずにただ沈黙が落ちる。
それに対して何かしなけばと気持ちは焦るのに、焦れば焦るほど良い言葉は思い浮かばない。
「……あの日」
紬の焦りをよそに、雫が静かに窓の外へと視線を向けたまま、口を開いた。
「駅で、貴方に色々と、聞いて。私、なにしてるんだろうって思ってたんです。困らせてしまったなって」
「……いや、あれは」
「聞いたところで、私自身の思い出になるわけじゃないのに」
「それはっ……」
それは、事実だ。
聞いたところで他人の物語をなぞらえるような、奇妙な感覚なのだろう。
もしかすれば思い出すかもしれない、それがではできなかったら? 自分の話だというのに!
誰が悪いわけでもない、それだけの話がひどく重苦しい。
「……ごめんなさい」
「なあ」
「……」
「俺が今日来たのは、謝りたかったのは勿論だけど、聞いてほしいことがあったからだ」
「……聞いて、欲しい、こと?」
「そうだ」
紬は立ち上がる。
覚悟をもって。
「俺と、雫の、話を聞いてほしい」
「紬くんと、わたしの……はなし……」
雫の目が、ただ見開かれて紬を見上げる。
一歩一歩、ゆっくりと、けれど距離があるわけじゃないからすぐさま縮まった二人の間は、手を伸ばせば触れることができるものだ。
紬は少しだけ躊躇ってから、彼女の体にぶつからないように気を付けてベッドに腰かける。
二人分の重みに、ぎしりと小さな軋みが聞こえた。
「同じ学校に通ってた、それは嘘じゃない。『雫』が花梨の友達で、花梨の彼氏が俺の双子の兄弟だったから。それも嘘じゃない」
そうだ、何も嘘は言っていない。
ただ、いくつか、混じっていないだけで。
鞄を開けて、紬は少しだけ躊躇ってから「手を出してくれ」と雫に言った。
戸惑いながらも差し出された掌に、二枚の封筒が乗せられた。
「これ、は……?」
「こっちが最初、で、その後。……俺が、あんたからもらった、手紙だ」
「わたし、から……?」
茫然とした顔で紬を見て、手のひらの上にある便箋を見て、彼女は持て余すかのように、その封筒をあちこちから眺めている。
そうしたところで内容はわからないだろうに、それが彼女なりの覚悟を決めている最中なのだろうと紬は何も言わなかった。
読みたくない。
そう言われることだって覚悟の上だ。
これを見せることが最善だったのか。
そう問われると、紬にはわからない。だけれど、この手紙こそが彼女の、『如月雫』という一人の女性の心そのもののように思えてならなかった。
だから手放せなかった。
ただただ、眩しくて、苦しくて、温かくて、悲しくて。彼女の心が、詰まっている気がした。
(俺の、ただの感傷かもしれないし……ただ、俺が未練がましい野郎だからってことも、あるよな)
今の雫がどう受け止めるのか、そこまではわからない。
それでも震える指先が、そっと封筒を開いて中の便せんを取り出すのを視界の端に認めて、紬はそっと目を伏せた。
彼女の反応が怖かった。
別に何があるわけでもない。疚しいところもなければ後ろ暗いところもない。
ただ、彼女からもらった、紬宛の手紙。
「……」
「……」
カサリ。
紙が擦れる音。
それは次の手紙を読む音だろうか。
紬は目をつむっているせいで、想像するしかできない。
自分の心音が、やけにうるさかった。
「……」
「……」
短い手紙だ、読むのにはそう時間はかからない。
それでも、雫から何か言葉が出てくることはなくて紬は沈黙に耐えられずに、恐る恐る目を開けた。
そして、ぎょっとして、思わず立ち上がってしまった。
雫が、泣いている。
別にそれだけならば、いやそれだけであっても彼は動揺しただろうけれども、何よりも彼を驚かせたのは雫のその様子だ。
涙が出ることに驚いている様子でありながら、それを拭うこともせず、ただただ零れ落ちるそれに身を任せて声もなく、力なく落ちた手に握られたままの手紙に視線を落とすその姿こそ紬を驚かせたのだ。
(怯むな、俺)
紬は、雫を知っている。
彼女が覚悟をもって、彼の前に立った時のあの表情を忘れない。
「雫!」
意を決して彼女の名前を呼ぶと、思ったよりも大きな声が出てしまった。
そのことにしまったと思うのと同時に、彼女はびくりと身体を竦ませて、それでもゆるゆるとした動きで彼を見上げた。
その目に、嫌悪は見られない。ただ、綺麗に真っ直ぐな視線が、彼を見上げているだけだ。
「……俺は、臆病者でちゃんと向き合えてなくて、今更過ぎるくらい今更、自分の気持ちがようやくわかって」
「……つむぎくん」
「雫をなくすかもしれないって知って、俺を覚えていない雫が俺を拒絶するのが怖くて、俺はそれに気が付いたら、……気が付いたら、雫だったら、なんでもいいって、気づいたんだ」
雫は、雫だった。
ただ、嫌われたくなかったそれだけの話だった。
もし雫が彼を『知らない人』として拒絶したとしても、ただゼロから始めれば良かっただけの話なのを、なんだかんだ理由をつけて二の足を踏んでいただけの話。
それに気がついて、どれほど打ちひしがれただろう。
ああ、かっこ悪いなあって。
でもそこに気が付いたからこそ、今、あの時真っ直ぐに、苦悩しながらでも自分を見てきた彼女を今度こそは紬が見るのだ。
「……如月雫さん、俺は、貴女と、恋がしたいです」
「恋」
「……おう」
「……わたし、と?」
「雫と。一から、始めたい」
ぽたぽたと頬を滑り落ちて行く、透明な雫がベッドの上で染みを作る。
その涙の理由を、彼女は知らない。
知らない自分が流す、涙であることだけは知っている。
だからこそ、手を伸ばした。
雫の心の中に、ずっとあった黒いもの。
それは苦しくて苦しくて、たまらない『気持ち』だった。それがなんであるのか、まるでわからなかった。なにもかも覚えていない状況で、ただただ、持て余していた感情だ。
それがなんだかわからなくて、藻掻いていた。
気が付くまでには時間がかかって、それでも気が付いてからはそれが自分を狂わせる。
そして今、手紙を見て知った。
自分は、いつでもこの気持ちを、持て余していたのだと。
「わたしも」
「うん」
伸ばされた、雫の手を紬が躊躇いながら取って、握る。
まるで幼い子供が握り合う、そんな手のつなぎ方だった。
それでも、それは確かな温もりとなって雫に届く。
雫は、紬を見て下手くそな笑みを浮かべる。そうすれば、紬はそれに応えるように、笑うのだ。それも似た者同士の、下手くそな笑顔だった。
「わたしも、あなたと、恋がしたいです……!!」
その道のりはそう遠くないというのに、ひどく遠く感じた。それは自分の足が、やけに重くなっているからかもしれないとどこか他人事のように紬は思う。
言いたかったことは、ちゃんと言えたはずだ。
詫びも言えて、会いたいという希望も言えた。その中でいくつか自分でも何を言っているの変わらないほどパニックになってしまったことはなんとも思い返すとみっともないが、なんだか色々と溜まっていたものが出ていって、まるで自分の体が自分のものでないかのような錯覚すら感じる。
何もなくなってしまってすっきりした反面、それを支えにしていたような気がするから動けないのかもしれない。
それが何かと問われたら、何だとははっきりと言えないのだけれども。
「……失礼、します」
雫の病室前に来て、そのドアが少しだけ開いていることに一瞬動きが止まる。
だがそれに臆している場合ではない。時間は限られていて、会いたいとはっきり自分の気持ちを言葉にした以上行動をしなければただの臆病者になってしまう。
それは紬自身が許せるものではなかったのだ。
開いているドアをノックして、軽く押せばそれに呼応するかのように横滑りするドア。
そこに身体をねじ込むようにして入る自分が、どれだけ焦っているのだろうと紬は薄く呆れた笑みを自分に向けて、浮かべた。
「……こんにちは」
「……こんにちは」
今日の雫は、起きていた。
ベッドの上に座るようにして、まるで紬が来るのを待っていたようだ。
いいや、待っていたに違いない。嘘か本当かはわからないが、少なくとも彼女の父親は雫が会いたがっていたと言っていたのだから。
紬は挨拶をしたものの、その後どうして良いのかわからず視線を彷徨わせた。
それに対して雫が薄く笑う。馬鹿にしたようなものではなくて、ただ優しい笑みだった。
「どうぞ、椅子に座ってください。私は、ベッドの上で申し訳ないけれど」
「ああ、や……気を使わせて、悪い。その、この間は悪かった、驚いたからあんな風になっちまったんだろう?」
「はい。でも紬さんのせいじゃないです。今でも私は些細なことで、あんな風になってしまうことがありますので」
「……そっか……」
冷静な雫の言葉に、紬はなんと返して良いのかわからない。
だがとりあえず、拒絶されている状況ではなさそうで、彼女に気取られないようそっと息を吐き出した。
「あー、えっと……体調は、今日はいいのか?」
「はい、おかげさまで」
「そっか、……そりゃよかった」
まず詫びることができた。
それから今日の調子を聞いた。
じゃあ、それから?
そう思うのに、言葉は続かずにただ沈黙が落ちる。
それに対して何かしなけばと気持ちは焦るのに、焦れば焦るほど良い言葉は思い浮かばない。
「……あの日」
紬の焦りをよそに、雫が静かに窓の外へと視線を向けたまま、口を開いた。
「駅で、貴方に色々と、聞いて。私、なにしてるんだろうって思ってたんです。困らせてしまったなって」
「……いや、あれは」
「聞いたところで、私自身の思い出になるわけじゃないのに」
「それはっ……」
それは、事実だ。
聞いたところで他人の物語をなぞらえるような、奇妙な感覚なのだろう。
もしかすれば思い出すかもしれない、それがではできなかったら? 自分の話だというのに!
誰が悪いわけでもない、それだけの話がひどく重苦しい。
「……ごめんなさい」
「なあ」
「……」
「俺が今日来たのは、謝りたかったのは勿論だけど、聞いてほしいことがあったからだ」
「……聞いて、欲しい、こと?」
「そうだ」
紬は立ち上がる。
覚悟をもって。
「俺と、雫の、話を聞いてほしい」
「紬くんと、わたしの……はなし……」
雫の目が、ただ見開かれて紬を見上げる。
一歩一歩、ゆっくりと、けれど距離があるわけじゃないからすぐさま縮まった二人の間は、手を伸ばせば触れることができるものだ。
紬は少しだけ躊躇ってから、彼女の体にぶつからないように気を付けてベッドに腰かける。
二人分の重みに、ぎしりと小さな軋みが聞こえた。
「同じ学校に通ってた、それは嘘じゃない。『雫』が花梨の友達で、花梨の彼氏が俺の双子の兄弟だったから。それも嘘じゃない」
そうだ、何も嘘は言っていない。
ただ、いくつか、混じっていないだけで。
鞄を開けて、紬は少しだけ躊躇ってから「手を出してくれ」と雫に言った。
戸惑いながらも差し出された掌に、二枚の封筒が乗せられた。
「これ、は……?」
「こっちが最初、で、その後。……俺が、あんたからもらった、手紙だ」
「わたし、から……?」
茫然とした顔で紬を見て、手のひらの上にある便箋を見て、彼女は持て余すかのように、その封筒をあちこちから眺めている。
そうしたところで内容はわからないだろうに、それが彼女なりの覚悟を決めている最中なのだろうと紬は何も言わなかった。
読みたくない。
そう言われることだって覚悟の上だ。
これを見せることが最善だったのか。
そう問われると、紬にはわからない。だけれど、この手紙こそが彼女の、『如月雫』という一人の女性の心そのもののように思えてならなかった。
だから手放せなかった。
ただただ、眩しくて、苦しくて、温かくて、悲しくて。彼女の心が、詰まっている気がした。
(俺の、ただの感傷かもしれないし……ただ、俺が未練がましい野郎だからってことも、あるよな)
今の雫がどう受け止めるのか、そこまではわからない。
それでも震える指先が、そっと封筒を開いて中の便せんを取り出すのを視界の端に認めて、紬はそっと目を伏せた。
彼女の反応が怖かった。
別に何があるわけでもない。疚しいところもなければ後ろ暗いところもない。
ただ、彼女からもらった、紬宛の手紙。
「……」
「……」
カサリ。
紙が擦れる音。
それは次の手紙を読む音だろうか。
紬は目をつむっているせいで、想像するしかできない。
自分の心音が、やけにうるさかった。
「……」
「……」
短い手紙だ、読むのにはそう時間はかからない。
それでも、雫から何か言葉が出てくることはなくて紬は沈黙に耐えられずに、恐る恐る目を開けた。
そして、ぎょっとして、思わず立ち上がってしまった。
雫が、泣いている。
別にそれだけならば、いやそれだけであっても彼は動揺しただろうけれども、何よりも彼を驚かせたのは雫のその様子だ。
涙が出ることに驚いている様子でありながら、それを拭うこともせず、ただただ零れ落ちるそれに身を任せて声もなく、力なく落ちた手に握られたままの手紙に視線を落とすその姿こそ紬を驚かせたのだ。
(怯むな、俺)
紬は、雫を知っている。
彼女が覚悟をもって、彼の前に立った時のあの表情を忘れない。
「雫!」
意を決して彼女の名前を呼ぶと、思ったよりも大きな声が出てしまった。
そのことにしまったと思うのと同時に、彼女はびくりと身体を竦ませて、それでもゆるゆるとした動きで彼を見上げた。
その目に、嫌悪は見られない。ただ、綺麗に真っ直ぐな視線が、彼を見上げているだけだ。
「……俺は、臆病者でちゃんと向き合えてなくて、今更過ぎるくらい今更、自分の気持ちがようやくわかって」
「……つむぎくん」
「雫をなくすかもしれないって知って、俺を覚えていない雫が俺を拒絶するのが怖くて、俺はそれに気が付いたら、……気が付いたら、雫だったら、なんでもいいって、気づいたんだ」
雫は、雫だった。
ただ、嫌われたくなかったそれだけの話だった。
もし雫が彼を『知らない人』として拒絶したとしても、ただゼロから始めれば良かっただけの話なのを、なんだかんだ理由をつけて二の足を踏んでいただけの話。
それに気がついて、どれほど打ちひしがれただろう。
ああ、かっこ悪いなあって。
でもそこに気が付いたからこそ、今、あの時真っ直ぐに、苦悩しながらでも自分を見てきた彼女を今度こそは紬が見るのだ。
「……如月雫さん、俺は、貴女と、恋がしたいです」
「恋」
「……おう」
「……わたし、と?」
「雫と。一から、始めたい」
ぽたぽたと頬を滑り落ちて行く、透明な雫がベッドの上で染みを作る。
その涙の理由を、彼女は知らない。
知らない自分が流す、涙であることだけは知っている。
だからこそ、手を伸ばした。
雫の心の中に、ずっとあった黒いもの。
それは苦しくて苦しくて、たまらない『気持ち』だった。それがなんであるのか、まるでわからなかった。なにもかも覚えていない状況で、ただただ、持て余していた感情だ。
それがなんだかわからなくて、藻掻いていた。
気が付くまでには時間がかかって、それでも気が付いてからはそれが自分を狂わせる。
そして今、手紙を見て知った。
自分は、いつでもこの気持ちを、持て余していたのだと。
「わたしも」
「うん」
伸ばされた、雫の手を紬が躊躇いながら取って、握る。
まるで幼い子供が握り合う、そんな手のつなぎ方だった。
それでも、それは確かな温もりとなって雫に届く。
雫は、紬を見て下手くそな笑みを浮かべる。そうすれば、紬はそれに応えるように、笑うのだ。それも似た者同士の、下手くそな笑顔だった。
「わたしも、あなたと、恋がしたいです……!!」
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