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5章
帰路
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修正した卒論の修正に1時間くらいかかってしまった。食べても減らないラーメンのように無限の修正が賢に降りかかっていた。何事もないわけがなく、ただひたすらに修正と思考を繰り返していた。そしてついに、序章の修正が終わった。大きく伸びをすると、仁が話しかけてきた。
「おつかれ」
「おう、ありがとう」
本をカバンに入れてゆっくりしている仁が横に座っていた。よほど長く修正していたのか。思えば外は暗くなってきている気がする。
「18時前なのにこの空かぁ。もうすぐ冬だね」
「そうか、もうそんな時間かぁ。季節もすぐ過ぎてってるな」
「あっという間だよね。会ったのは、前期だったのに」
「そうだなぁ」
暗くなりつつある空を見ながら思う。もうそんな月日が経ったのかと。賢が大学生でいられるのも後数ヶ月。
こんなに色々と話すことができるのも後数ヶ月。覚悟を持って、自覚を持って前に進んでいかなければ。と思いつつ、暗くなってきてるし、相変わらずの喧騒であることにも気付いた。
「帰るか」
「俺も帰ろうかな」
今日のところは引き上げよう。とりあえず家でできることは家でやってもいい。帰ると言った瞬間に仁は帰る準備を始めた。そして、一息ついた頃には立ち上がっていた。帰る準備をして、賢も立ち上がる。
まだ喧騒が残る研究室のメンバーにそこそこの挨拶をして、研究室の扉を開けて外に出る。そんなに時間は経ってないはずなのにさっきと比べると遥かに暗くなっている気がする。
「そろそろ寒くなってくるのかなー」
「夜は涼しいし、秋っぽくなったら急にくるかもな」
「服とか出しとかなきゃね」
「そうだな」
二人で歩きながら、手を繋ぐ。しばらく二人で何かをしていないな。なんて考える。バス停まで歩きながら、仁と二人で。
「次の週末どこかにいくか」
「どこかってどこ?」
「まぁ、適当に電車に1時間くらい乗りながら」
「本当にどこかだね」
苦笑しながらも、目は輝いていた。あの時のデートのように、何かができれば嬉しい。バス停につき、しばらく立ちながら待っていると仁から話しかけられた。
「同棲の話とかも含めてこれから色々あるんだろうけど、賢となら頑張れる気がする!」
「俺も、仁となら色々頑張れるんじゃないかと思うよ」
「今日帰るのめんどくさいから泊まっていい?」
「別にかまわんが服はあるのか?」
「1日だけ貸して欲しい」
「仕方ないな」
苦笑しながらジェスチャーをする仁。サイズ的には困らないだろうし、問題もなさそうだった。
その場に来たバスに乗り込みながら会話をする。仁が泊まりに来るのはなんだか久しぶりな気がした。これからの楽しみも増えたところで、バスが発車。今日という日も、こうやって過ぎていく。1日1日を大事に過ごしていこう。そう思った。
「おつかれ」
「おう、ありがとう」
本をカバンに入れてゆっくりしている仁が横に座っていた。よほど長く修正していたのか。思えば外は暗くなってきている気がする。
「18時前なのにこの空かぁ。もうすぐ冬だね」
「そうか、もうそんな時間かぁ。季節もすぐ過ぎてってるな」
「あっという間だよね。会ったのは、前期だったのに」
「そうだなぁ」
暗くなりつつある空を見ながら思う。もうそんな月日が経ったのかと。賢が大学生でいられるのも後数ヶ月。
こんなに色々と話すことができるのも後数ヶ月。覚悟を持って、自覚を持って前に進んでいかなければ。と思いつつ、暗くなってきてるし、相変わらずの喧騒であることにも気付いた。
「帰るか」
「俺も帰ろうかな」
今日のところは引き上げよう。とりあえず家でできることは家でやってもいい。帰ると言った瞬間に仁は帰る準備を始めた。そして、一息ついた頃には立ち上がっていた。帰る準備をして、賢も立ち上がる。
まだ喧騒が残る研究室のメンバーにそこそこの挨拶をして、研究室の扉を開けて外に出る。そんなに時間は経ってないはずなのにさっきと比べると遥かに暗くなっている気がする。
「そろそろ寒くなってくるのかなー」
「夜は涼しいし、秋っぽくなったら急にくるかもな」
「服とか出しとかなきゃね」
「そうだな」
二人で歩きながら、手を繋ぐ。しばらく二人で何かをしていないな。なんて考える。バス停まで歩きながら、仁と二人で。
「次の週末どこかにいくか」
「どこかってどこ?」
「まぁ、適当に電車に1時間くらい乗りながら」
「本当にどこかだね」
苦笑しながらも、目は輝いていた。あの時のデートのように、何かができれば嬉しい。バス停につき、しばらく立ちながら待っていると仁から話しかけられた。
「同棲の話とかも含めてこれから色々あるんだろうけど、賢となら頑張れる気がする!」
「俺も、仁となら色々頑張れるんじゃないかと思うよ」
「今日帰るのめんどくさいから泊まっていい?」
「別にかまわんが服はあるのか?」
「1日だけ貸して欲しい」
「仕方ないな」
苦笑しながらジェスチャーをする仁。サイズ的には困らないだろうし、問題もなさそうだった。
その場に来たバスに乗り込みながら会話をする。仁が泊まりに来るのはなんだか久しぶりな気がした。これからの楽しみも増えたところで、バスが発車。今日という日も、こうやって過ぎていく。1日1日を大事に過ごしていこう。そう思った。
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