明太子

ぽよ

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7話

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 夕食を食べ終わり、いつの間にか用意されていた缶ビールも飲み終わり、時計は夜の10時を指していた。

「いやー、色々話聞いてもらっちゃいました」
「あなたも色々大変ね」
「営業って、めんどくさいんですよ」
「お疲れ様です」
「でも先輩も、色々抱えてたみたいですね」
「色々考えることはあるわよ。もう25歳だし」
「私も来年25歳かぁ」
「色々と準備も必要よ」
「そうですねえ」

 電気の付いていない炬燵で寝そうになりながら話をする。そんな時、テレビを見ていた後輩が唐突スマートフォンを取り出した。

「先輩、ライン交換しましょう」
「えぇ、構わないけれど」
「というか先輩、社会人になったタイミングでラインのアカウント消してますよね?」
「あら、バレてたの」
「友達の数減ったなーと思ったら先輩だったんですよ」

 後輩がQRコードリーダーを起動させたタイミングで莉子もスマートフォンを取り出し、ラインを起動する。そして、所定の操作で友人の1人へと追加する。
 かつて3年前、社会人になるタイミングでラインを含めたSNSのアカウントを全て消去した。連絡の取り合える近い友人だけのアカウントを作り、それで社会人を生きてきた。便利なこともなかったが、不便なこともなかった。
 時刻が11時を回った頃、2人とも眠気の限界に近づき、解散ということになった。

「晩御飯、美味しかったわ」
「こちらこそ、突然誘ってすいませんでした!」
「いいのよ。またあったら誘ってもらおうかしら」
「また呼びますね!というか、なんでもない時でもラインしますよ!」
「ええ、分かったわ」

 よろけそうになりながらも、立ち上がって玄関へと向かっていく。自分の部屋と間取りは同じはずなのに、やけに廊下が長いような気がした。
 玄関の扉を開けて振り向くと、機嫌の良さそうな顔をした後輩がいた。

「今日はありがとうございました!おやすみなさい」
「こちらこそ。おやすみなさい」

 手を振ってから扉を閉める。その後、すぐ隣の自分の部屋の扉を開ける。晩御飯を食べる前と同じ景色がそこには広がっていた。いつもと同じ色を持った、いつもと同じ私が住む、いつもと同じ部屋。
 社会人になって3年。そして、何も成し遂げることのないまま過ぎてきた25年間。今ここに私が存在することの意味を、探さなければいけない。
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