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あなた
10話
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目が覚めると、先輩は立って朝食を用意していた。
「おはようございます」
「あら、2度目の起床ね。机で寝るよりはよく寝れたんじゃないかしら」
「ありがとうございます」
テキパキと用意しながら昨日飲み会と女子会が開催された机を片付けていく。トースターがカリカリと鳴っていることに気付いたかと思えば、焼きあがったことを知らせる音も鳴った。
「食パン焼いちゃったけど良かったかしら」
「大丈夫です。ありがとうございます」
寝ぼけた頭でベッドから降りて歩いていく。その時ふとあることに気付いた。
「そういえば、歯ブラシ持ってきてないです」
「そこにある新しいの出していいよ。別に高いものじゃないし」
「あ、分かりました」
このために歯ブラシを出すというのも気が引けたが、ここでわざわざ断るのはもっと気が引けた。なんとなくその場を見渡して新しい歯ブラシを見つける。歯磨き粉も借りて、歯を磨く。
昨日の飲み会は、楽しかった。女子会も楽しかった。けれど、小倉に対して一歩を踏み出すほど、小倉に対して好意を抱くことはなかった。歯磨きが終わって、ひとまず部屋に戻る。食パン齧っている先輩を見ながら、さらに気付いたことがある。
「昨日、お風呂入りましたっけ」
「入ってないと思うわ。私は起きて入ったけど」
「それと、着替えがないんですけど、どうしましょう」
「それは私のを貸してあげるわよ」
「え、あぁ。ありがとうございます」
「とりあえずパンだけ食べちゃったら?冷めたら食パンは硬いわよ」
「ありがとうございます」
先輩がコーヒーカップを置いている机に莉子も座る。何から何までしてもらって申し訳なさを感じるが、そこはもう甘えることにして諦める。食パンを食べながら昨日のことを振り返ってみる。小倉という男に随分聞いたし、随分話した気がする。それでも、酒が入っていなければ、恐らくそんなことにはなっていなかっただろうことは容易に想像できる。
「あ、お風呂は廊下に出て左ね」
「ありがとうございます」
人の家でお風呂というのも久しぶりだった。いまいち勝手が分からないというのは少し怖いが、火傷しなければ恐らく大丈夫だろう。
風呂に入っている間も昨日のことを考えていた。人と接するのにあんなにも陽気になれたのも久しぶりな気がしていた酒の力は恐ろしいということなのか、先輩が同席しているという安心感なのか。莉子には分からなかった。頭と体を洗って洗顔もしながら30分ほどでお風呂から出る。そして、ここが自分の部屋ではないということに改めて気付く。
「先輩!バスタオルとかどこですか?」
「棚開けてもらうとあるわよ」
「了解です」
「あ、着替えは置いてあるから」
「分かりました!」
備品がどこにあるかさっぱり分からずいろんな棚を開けてみる。無事バスタオルを見つけて体を拭いて、用意してもらった着替えを着る。脱衣所から出ると、先輩はスマートフォンを操作していた。
「お、出たわね」
「また洗濯してお返ししますので」
「はーい。そういえば今日って予定とかあるの?」
「今日は何もないですね」
「じゃあ私と出かけよう」
「え、別にいいですけど」
先週は後輩と出かけていたような気がする。今週は先輩と出かける。時の流れは本当に早いと思い知らされる。もう一度床に座ってスマートフォンを操作する。特に事務連絡があるような感じはなかった。
「じゃあ、もう少ししたら出ましょうか」
「分かりました」
スマートフォンの時計を見ると8時30分を表示していた。出るのが9時だとすれば、準備は着々と進めておかなければならない。ゆったりと座ってスマートフォンを操作する先輩をもう一度見てから支度を始めた。
「おはようございます」
「あら、2度目の起床ね。机で寝るよりはよく寝れたんじゃないかしら」
「ありがとうございます」
テキパキと用意しながら昨日飲み会と女子会が開催された机を片付けていく。トースターがカリカリと鳴っていることに気付いたかと思えば、焼きあがったことを知らせる音も鳴った。
「食パン焼いちゃったけど良かったかしら」
「大丈夫です。ありがとうございます」
寝ぼけた頭でベッドから降りて歩いていく。その時ふとあることに気付いた。
「そういえば、歯ブラシ持ってきてないです」
「そこにある新しいの出していいよ。別に高いものじゃないし」
「あ、分かりました」
このために歯ブラシを出すというのも気が引けたが、ここでわざわざ断るのはもっと気が引けた。なんとなくその場を見渡して新しい歯ブラシを見つける。歯磨き粉も借りて、歯を磨く。
昨日の飲み会は、楽しかった。女子会も楽しかった。けれど、小倉に対して一歩を踏み出すほど、小倉に対して好意を抱くことはなかった。歯磨きが終わって、ひとまず部屋に戻る。食パン齧っている先輩を見ながら、さらに気付いたことがある。
「昨日、お風呂入りましたっけ」
「入ってないと思うわ。私は起きて入ったけど」
「それと、着替えがないんですけど、どうしましょう」
「それは私のを貸してあげるわよ」
「え、あぁ。ありがとうございます」
「とりあえずパンだけ食べちゃったら?冷めたら食パンは硬いわよ」
「ありがとうございます」
先輩がコーヒーカップを置いている机に莉子も座る。何から何までしてもらって申し訳なさを感じるが、そこはもう甘えることにして諦める。食パンを食べながら昨日のことを振り返ってみる。小倉という男に随分聞いたし、随分話した気がする。それでも、酒が入っていなければ、恐らくそんなことにはなっていなかっただろうことは容易に想像できる。
「あ、お風呂は廊下に出て左ね」
「ありがとうございます」
人の家でお風呂というのも久しぶりだった。いまいち勝手が分からないというのは少し怖いが、火傷しなければ恐らく大丈夫だろう。
風呂に入っている間も昨日のことを考えていた。人と接するのにあんなにも陽気になれたのも久しぶりな気がしていた酒の力は恐ろしいということなのか、先輩が同席しているという安心感なのか。莉子には分からなかった。頭と体を洗って洗顔もしながら30分ほどでお風呂から出る。そして、ここが自分の部屋ではないということに改めて気付く。
「先輩!バスタオルとかどこですか?」
「棚開けてもらうとあるわよ」
「了解です」
「あ、着替えは置いてあるから」
「分かりました!」
備品がどこにあるかさっぱり分からずいろんな棚を開けてみる。無事バスタオルを見つけて体を拭いて、用意してもらった着替えを着る。脱衣所から出ると、先輩はスマートフォンを操作していた。
「お、出たわね」
「また洗濯してお返ししますので」
「はーい。そういえば今日って予定とかあるの?」
「今日は何もないですね」
「じゃあ私と出かけよう」
「え、別にいいですけど」
先週は後輩と出かけていたような気がする。今週は先輩と出かける。時の流れは本当に早いと思い知らされる。もう一度床に座ってスマートフォンを操作する。特に事務連絡があるような感じはなかった。
「じゃあ、もう少ししたら出ましょうか」
「分かりました」
スマートフォンの時計を見ると8時30分を表示していた。出るのが9時だとすれば、準備は着々と進めておかなければならない。ゆったりと座ってスマートフォンを操作する先輩をもう一度見てから支度を始めた。
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