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あなた
14話
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眠りから覚めると夕方の空が見えた。布団から起きあがろうとすると先輩に捕まった。
「まだ夕方だしもうちょっと寝ましょう」
「夜に寝れなくなりますよ」
「大丈夫よ。それならもう手遅れだから」
スマートフォンに表示されていた時刻は18時だった。眠りについたのはおそらく14時前ごろ。確かにもう手遅れかもしれない。夕食を作る気にもならないし、もう少しだけ寝ていたい。しかし、夕食は食べたい。今から作れば20時ごろだろうが、それなら遅くないはずだ。
布団から立ち上がり、流し台へと歩いていく。冷蔵庫の中には備蓄食料が少しだけあった。米は常備されている。まだ少しだけ眠気が残っていたが、夕食を作り始めることにした。
「先輩、今日の晩御飯ハンバーグでいいですか?」
「えぇ、大丈夫よ」
「じゃあ作っちゃいますね」
「お願いしようかしら」
先輩の方を見ると布団に寝転がりながらも起きあがろうとする姿が見えた。眠気と気合いと狭間を抜け出そうとする先輩を見ながら、米を炊く。食に対してこだわりがあるわけじゃない。近くのスーパーで安く買えた米をできるだけ美味しく炊く。それが1番コストパフォーマンスが高い。
予約炊飯でスイッチを押してから、ハンバーグを作り始める。玉ねぎ、挽き肉、卵、パン粉。いろんな食材を確認してから作り始める。玉ねぎを切っている時にふと影が見えて隣を見ると先輩が立っていた。
「私もなんかやるわよ」
「あ、じゃあ飴色玉ねぎお願いします」
「了解!」
さっきまで眠そうだった先輩が、急に起きたと思ったら完全に目が覚めていた。そして、みじん切りの終わった玉ねぎをフライパンに入れて混ぜていた。その手つきは慣れていて、自炊ではなく、料理を作ったことがある人のそれだった。
しばらくその手つきを見ながら挽き肉を捏ねていた。塩を入れてそれだけで捏ねるタイプがあると知ってからそれを実践している。確かに美味しいような気もするが、実際に美味しいものができているかは分からない。
「先輩って彼氏にご飯とか作ってたんですか?」
「まぁ、そこそこって感じね」
「手つきが慣れてるなぁって見てたんですよ」
「慣れれば難しくないわよ。焦がさなければなんとかなるわ」
「そういうものなんでしょうか」
「いっぱい作れば上手くなる」
「確かにそうですけど」
飴色玉ねぎを冷やしながら淡々と語る先輩。彼氏に限らず友人に作る機会も多かったのだろうか。莉子もそれだけの機会に恵まれれば美味しい料理が作れるようになるのだろうか。様々な思考が交差しながらも、ハンバーグ作りは続いていた。
冷めた玉ねぎを捏ねた肉に入れ、それ以外の食材も忘れずに入れてからもう一度捏ねる。
「先輩、どんな料理作るんですか?」
「基本的には炒める以外はしないわよ。夏は頑張るけど」
「謎ルールですね」
「寒いキッチンとか冷たい食材とかで頑張れないのよ。私」
苦笑いしながらもハンバーグを焼くその動作はやっぱり上手かった。
ハンバーグを焼き終わる頃には白米も炊き終わっていた。お茶碗と皿にそれぞれ乗せて、部屋へと持っていく。
普段は書類から筆記用具から何から何まで乗っている机の上に夕食を乗せる。
「いただきます」
「いただきます」
思えば、誰かと自宅で夕食を取るのは久しぶりな気がした。後輩と飲むことはあっても夕食を本格的に食べることは無かった。
仕事の話や趣味の話や、これからの将来の話。先輩には自分のことを隠さず話せた。夕食を食べた後は流れでお酒を持ってきた。
「あら、今日も飲み会ね」
「帰りますか?」
「いえ、大丈夫よ」
「ありがとうございます」
「楽しみましょう」
夕食後すぐに飲み会が始まる。先輩にはビールを渡してある。小気味のいい音が鳴ると同時に飲み始める先輩に続いて莉子も飲み始める。
食後の飲み会は昼寝をしたにも関わらず開始1時間ほどで抗えない眠気が襲ってきた。
「なんかめちゃくちゃ眠いです」
「疲れてたんじゃないかしら」
「そうなんですかね」
飄々とビールを飲む先輩と話をする。酔っ払っている様子はないが、その様子は楽しそうだった。
先輩も莉子も2缶ほど飲み終わって話題も尽き始めたところで、スマートフォンを見ると時計は22時を表示していた。
「あら、もうこんな時間なのね」
「早かったですね」
「今日は莉子ちゃんの布団で寝ていこうかしら」
「お風呂入ります?」
「ええ、シャワーだけいただいていこうかしら」
「分かりました!」
元気よく返事をしてみても体は正直で思っていたより酔っていた。ふらふらしつつも風呂の確認に向かう。掃除はしていなかったが、今までの積み重ねの清潔感でなんとかなるだろう。
「先輩、シャワーならいつでもOKです」
「あら、ありがとう」
先輩が風呂に消えていくのを見送っていく途中で意識が途切れた。
「まだ夕方だしもうちょっと寝ましょう」
「夜に寝れなくなりますよ」
「大丈夫よ。それならもう手遅れだから」
スマートフォンに表示されていた時刻は18時だった。眠りについたのはおそらく14時前ごろ。確かにもう手遅れかもしれない。夕食を作る気にもならないし、もう少しだけ寝ていたい。しかし、夕食は食べたい。今から作れば20時ごろだろうが、それなら遅くないはずだ。
布団から立ち上がり、流し台へと歩いていく。冷蔵庫の中には備蓄食料が少しだけあった。米は常備されている。まだ少しだけ眠気が残っていたが、夕食を作り始めることにした。
「先輩、今日の晩御飯ハンバーグでいいですか?」
「えぇ、大丈夫よ」
「じゃあ作っちゃいますね」
「お願いしようかしら」
先輩の方を見ると布団に寝転がりながらも起きあがろうとする姿が見えた。眠気と気合いと狭間を抜け出そうとする先輩を見ながら、米を炊く。食に対してこだわりがあるわけじゃない。近くのスーパーで安く買えた米をできるだけ美味しく炊く。それが1番コストパフォーマンスが高い。
予約炊飯でスイッチを押してから、ハンバーグを作り始める。玉ねぎ、挽き肉、卵、パン粉。いろんな食材を確認してから作り始める。玉ねぎを切っている時にふと影が見えて隣を見ると先輩が立っていた。
「私もなんかやるわよ」
「あ、じゃあ飴色玉ねぎお願いします」
「了解!」
さっきまで眠そうだった先輩が、急に起きたと思ったら完全に目が覚めていた。そして、みじん切りの終わった玉ねぎをフライパンに入れて混ぜていた。その手つきは慣れていて、自炊ではなく、料理を作ったことがある人のそれだった。
しばらくその手つきを見ながら挽き肉を捏ねていた。塩を入れてそれだけで捏ねるタイプがあると知ってからそれを実践している。確かに美味しいような気もするが、実際に美味しいものができているかは分からない。
「先輩って彼氏にご飯とか作ってたんですか?」
「まぁ、そこそこって感じね」
「手つきが慣れてるなぁって見てたんですよ」
「慣れれば難しくないわよ。焦がさなければなんとかなるわ」
「そういうものなんでしょうか」
「いっぱい作れば上手くなる」
「確かにそうですけど」
飴色玉ねぎを冷やしながら淡々と語る先輩。彼氏に限らず友人に作る機会も多かったのだろうか。莉子もそれだけの機会に恵まれれば美味しい料理が作れるようになるのだろうか。様々な思考が交差しながらも、ハンバーグ作りは続いていた。
冷めた玉ねぎを捏ねた肉に入れ、それ以外の食材も忘れずに入れてからもう一度捏ねる。
「先輩、どんな料理作るんですか?」
「基本的には炒める以外はしないわよ。夏は頑張るけど」
「謎ルールですね」
「寒いキッチンとか冷たい食材とかで頑張れないのよ。私」
苦笑いしながらもハンバーグを焼くその動作はやっぱり上手かった。
ハンバーグを焼き終わる頃には白米も炊き終わっていた。お茶碗と皿にそれぞれ乗せて、部屋へと持っていく。
普段は書類から筆記用具から何から何まで乗っている机の上に夕食を乗せる。
「いただきます」
「いただきます」
思えば、誰かと自宅で夕食を取るのは久しぶりな気がした。後輩と飲むことはあっても夕食を本格的に食べることは無かった。
仕事の話や趣味の話や、これからの将来の話。先輩には自分のことを隠さず話せた。夕食を食べた後は流れでお酒を持ってきた。
「あら、今日も飲み会ね」
「帰りますか?」
「いえ、大丈夫よ」
「ありがとうございます」
「楽しみましょう」
夕食後すぐに飲み会が始まる。先輩にはビールを渡してある。小気味のいい音が鳴ると同時に飲み始める先輩に続いて莉子も飲み始める。
食後の飲み会は昼寝をしたにも関わらず開始1時間ほどで抗えない眠気が襲ってきた。
「なんかめちゃくちゃ眠いです」
「疲れてたんじゃないかしら」
「そうなんですかね」
飄々とビールを飲む先輩と話をする。酔っ払っている様子はないが、その様子は楽しそうだった。
先輩も莉子も2缶ほど飲み終わって話題も尽き始めたところで、スマートフォンを見ると時計は22時を表示していた。
「あら、もうこんな時間なのね」
「早かったですね」
「今日は莉子ちゃんの布団で寝ていこうかしら」
「お風呂入ります?」
「ええ、シャワーだけいただいていこうかしら」
「分かりました!」
元気よく返事をしてみても体は正直で思っていたより酔っていた。ふらふらしつつも風呂の確認に向かう。掃除はしていなかったが、今までの積み重ねの清潔感でなんとかなるだろう。
「先輩、シャワーならいつでもOKです」
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先輩が風呂に消えていくのを見送っていく途中で意識が途切れた。
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