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交わり
10話
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後輩とはあの後特に何かがあるわけでもなくアパートに戻って解散だった。なんだか少しだけ寂しそうな顔をしていた気がする。
月曜日。今日からまた1週間、横にいる先輩と2人で仕事をこなす。いつも通りの日常が、またスタートする。
「後輩ちゃんとわいわいしたの?」
「まぁわいわいしましたね」
「ラインが来て、好きだって言ったって」
「え、それ伝わってるんですか」
「でも先輩は淡白な反応でしたって来たけど」
「いきなり過ぎて反応に困ったんですよね」
「まぁ、そういう時もあるわ」
「そうなんですか」
先輩は莉子より何歳か年上なだけなのに、莉子よりもはるかに人生経験が豊富だった。
仕事をしながらも後輩のことを考える。どう返事をすれば正解だったのか、今でも分からない。先輩の言葉をそのまま信じるのなら、今は分からなくても、いつかは答えを出したい。
「そう焦らなくても、人生はいつか答えが出せるから人生なのよ」
「そうなんですか?」
「そうよ。近道してみたり、回り道してみたり、立ち止まってみたり、走ってみたり。色んなことをしてみて、もう一度振り返った時に、見えなかった答えがあったりするの」
先輩の話を聞きながら、それでも考える。莉子としては断ったつもりだったが、曖昧な返答だったかもしれないとも思う。はっきり断ることが学生の頃から苦手だった。結局OKを出したのに莉子から振るなんてことは普通だった。
後輩が何を考えて告白してきたのかが全く分からなかった。だからこそ、選択を誤るとまずいと思った。しかし、その日和見的な態度が今回は裏目に出たのかもしれない。
「別にまずいとは思わなくていいのよ。私が後輩ちゃんから話は聞いてるし、莉子ちゃんの話も聞いてる。まぁ拗れなかったからセーフよ」
「そういうものなんでしょうか」
「そういうものよ。そういえば」
「はい」
「小倉くんとのデート、土曜日でいいかしら」
「え、えぇ、予定はないですけど」
「じゃあ、会社の駅前に10時ね」
「あ、分かりました」
先輩と小倉の方で予定が付いたのか、デートの日程を聞かれた。莉子としては金曜日の仕事終わりにフラフラするだけでいいのだが、贅沢は言えない。
小倉とのデートをするのはいいのだが、やはり気分は乗らない。どうあっても人のことは恋愛対象になり得ない。それが、莉子を立ち止まらせる原因だった。
「小倉くんにはしっかり頑張ってって言ってあるから、気負わなくても大丈夫よ」
「あ、ありがとうございます」
先輩が約束を取り付けてくれたことには感謝するのだが、日程が近い。その方が色々と楽であることには変わりないのだが、気持ちを整えるのに時間がかかる。
先輩は小倉と恋人だったことがある。つまり、別れた後も連絡を取り合っているということだ。喧嘩別れではなかったということなのか。今週末に小倉に聞いてみようか。莉子は人のプライベートに関してあまり気にならない性格だが、今は先輩のことがひたすら気になる。
「まぁ、小倉くんは変な人じゃないから安心していいよ」
「そんな気はします」
先輩の元恋人。つまり、莉子の知らない先輩の一面を見ることが聞くことができるかもしれない。小倉のことも気になるが、先輩のことも当然気になる。
「そういえば先輩と由佳ってどれくらい仲良いんですか?」
「まぁ普通の友人って感じよ」
「えー、本当ですかー?」
「莉子ちゃんのことばっかり話題になるけど」
「本人がいないんですけど」
「大丈夫よ、悪口じゃないから」
相変わらず莉子がいない場所で莉子は話題になるらしい。悪口じゃないのならそれに越したことはないのだが、どんな話になっているのかは気になる。しかし、それも聞けず時間だけが流れていく。自分がどうあるべきで、どんな立ち位置なのか。もっと深く考える必要がありそうだと思った。
月曜日。今日からまた1週間、横にいる先輩と2人で仕事をこなす。いつも通りの日常が、またスタートする。
「後輩ちゃんとわいわいしたの?」
「まぁわいわいしましたね」
「ラインが来て、好きだって言ったって」
「え、それ伝わってるんですか」
「でも先輩は淡白な反応でしたって来たけど」
「いきなり過ぎて反応に困ったんですよね」
「まぁ、そういう時もあるわ」
「そうなんですか」
先輩は莉子より何歳か年上なだけなのに、莉子よりもはるかに人生経験が豊富だった。
仕事をしながらも後輩のことを考える。どう返事をすれば正解だったのか、今でも分からない。先輩の言葉をそのまま信じるのなら、今は分からなくても、いつかは答えを出したい。
「そう焦らなくても、人生はいつか答えが出せるから人生なのよ」
「そうなんですか?」
「そうよ。近道してみたり、回り道してみたり、立ち止まってみたり、走ってみたり。色んなことをしてみて、もう一度振り返った時に、見えなかった答えがあったりするの」
先輩の話を聞きながら、それでも考える。莉子としては断ったつもりだったが、曖昧な返答だったかもしれないとも思う。はっきり断ることが学生の頃から苦手だった。結局OKを出したのに莉子から振るなんてことは普通だった。
後輩が何を考えて告白してきたのかが全く分からなかった。だからこそ、選択を誤るとまずいと思った。しかし、その日和見的な態度が今回は裏目に出たのかもしれない。
「別にまずいとは思わなくていいのよ。私が後輩ちゃんから話は聞いてるし、莉子ちゃんの話も聞いてる。まぁ拗れなかったからセーフよ」
「そういうものなんでしょうか」
「そういうものよ。そういえば」
「はい」
「小倉くんとのデート、土曜日でいいかしら」
「え、えぇ、予定はないですけど」
「じゃあ、会社の駅前に10時ね」
「あ、分かりました」
先輩と小倉の方で予定が付いたのか、デートの日程を聞かれた。莉子としては金曜日の仕事終わりにフラフラするだけでいいのだが、贅沢は言えない。
小倉とのデートをするのはいいのだが、やはり気分は乗らない。どうあっても人のことは恋愛対象になり得ない。それが、莉子を立ち止まらせる原因だった。
「小倉くんにはしっかり頑張ってって言ってあるから、気負わなくても大丈夫よ」
「あ、ありがとうございます」
先輩が約束を取り付けてくれたことには感謝するのだが、日程が近い。その方が色々と楽であることには変わりないのだが、気持ちを整えるのに時間がかかる。
先輩は小倉と恋人だったことがある。つまり、別れた後も連絡を取り合っているということだ。喧嘩別れではなかったということなのか。今週末に小倉に聞いてみようか。莉子は人のプライベートに関してあまり気にならない性格だが、今は先輩のことがひたすら気になる。
「まぁ、小倉くんは変な人じゃないから安心していいよ」
「そんな気はします」
先輩の元恋人。つまり、莉子の知らない先輩の一面を見ることが聞くことができるかもしれない。小倉のことも気になるが、先輩のことも当然気になる。
「そういえば先輩と由佳ってどれくらい仲良いんですか?」
「まぁ普通の友人って感じよ」
「えー、本当ですかー?」
「莉子ちゃんのことばっかり話題になるけど」
「本人がいないんですけど」
「大丈夫よ、悪口じゃないから」
相変わらず莉子がいない場所で莉子は話題になるらしい。悪口じゃないのならそれに越したことはないのだが、どんな話になっているのかは気になる。しかし、それも聞けず時間だけが流れていく。自分がどうあるべきで、どんな立ち位置なのか。もっと深く考える必要がありそうだと思った。
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