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交わり
9話
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目が覚めると、外は少し暗くなっていた。目の前には起きてうろうろしている後輩がいた。
「おはよう」
「おはようございます」
「今何時かしら」
「もう19時くらいですね」
「絶対夜に寝れないやつだわ」
「私もです」
昼食をとってすぐに眠りに落ちた。間違いなく5時間は寝ているはずだ。莉子が起きた時にこっちを向いてニコニコする後輩を見る。
「晩御飯どうしようかな」
「食べに出ますか」
「それもいいなぁ」
「そうと決まったら善は急げですよ!」
「ちょっと待ってね」
布団を畳んで伸びをする。今からどこへ向かうか分からないが、お茶を飲む。そして、諸々の準備をして、準備ができたところで、もう一度座る。
「5分だけ休憩したら行きましょう」
「分かりました」
寝起きから夕食を食べに出るほどの元気はなかった。少しだけ休んでから夕食に出る。その方が楽だった。
少し休んで家を出る。後輩はいつでも出れる準備が整っていた。家の鍵を閉めて廊下を抜けて階段を降りる。
「どこいくか決めてるの?」
「ラーメン屋か定食屋です」
「この辺にあったかしら」
「駅前にありますよ」
「随分と歩くわね」
「すぐそこですよ」
アクティブな後輩の後ろをついていく。駅前の外食店にはほとんど入ったことがない。期待と不安が入り混じる中、10分ほど歩いたところで後輩が立ち止まる。
「ここです」
「ここ、入ったことないわね」
「美味しいですよ」
「なら安心ね」
ここで入ったことない店に案内されたらどうしようかと思っていたが、そんなことも無いらしい。笑顔で店に入っていく後輩に続いて莉子も店に入る。
店の中は普通の定食屋だった。テーブル席が3つとカウンター席が4つ。店員は2人で店主らしき男の人と学生アルバイトと思しき男性だった。夕食の時間だというのに店が空いていた。
「この店はいつ来てもこれくらいですよ。なんでかは知らないですけど」
「あら、そうなの」
安心したいところだが、不安は完全には拭えない。テーブル席に座ると、店員が水を持ってきた。狭くも広くもない店内で、ゆったりとした時間が流れる。定食屋としては珍しい。
メニューは至って普通だった。しかし、どう見ても女性向けと思われるものがない。昼食後すぐ昼寝したこともあり、お腹が空いていないのだ。
メニューをパラパラ見ると、お腹が空いていないのにどれも美味しそうだった。その中でも食べられそうな、鯖の塩焼きセットにする。
「あ、先輩決まりましたか?」
「私は鯖の塩焼きセットにするわ」
「結構しっかりいきますね」
「これくらいなら食べれそうなのよ。由佳は何にするの?」
「味噌カツ定食です」
「さっきまで昼寝してたのによく食べるわね」
「食欲は無限ですよ」
莉子はセットだが、後輩は定食だ。付いてくるものも変わる。しかも後輩は味噌カツだ。莉子にとっては昼に食べても食べ切れるか怪しい。目を輝かせて頼む姿を見ると、何回か食べたことがあるのは間違いない。
「ここの定食美味しいんですよ」
「結構来るの?」
「月2回くらいきます」
「結構な頻度ね」
「味噌カツ定食が美味しいんですよ」
「味噌カツ定食が推しなのね」
「美味しいですからね」
言葉の圧力に押されながらもその味噌カツ愛には感心する。徐々に増えるかと思った客は増えることなくメニューが先に届く。
「あ、きたきた!」
「あ、私のもきたわ」
「いただきまーす」
「いただきます」
目の前に出てきた鯖の塩焼きセットを食べる。そのさらに前にある味噌カツ定食と比べると、量は控えめだが、どう考えても定食の量が多すぎるだけに見える。
鯖の塩焼きと白飯と味噌汁を食べながら、後輩を観察する。大学生の頃はそんなに食べる印象がなかった。実家暮らしだったということを考えれば、夕食ではかなり食べる方だったのかもしれない。
「なんですか?なんかついてますか?」
「いや、由佳ってそんなに食べるタイプだったかなぁって考えてただけよ」
「夜ご飯は外だと食べる方ですね」
「なんかよく分からないけど今の姿を見ると納得するしかないわね」
幸せそうな顔をして食べる姿を見ながら、もし後輩が彼女になったら、という仮定を考えてみる。その姿は自由奔放な彼女そのままの姿だったが、結婚があり得るかと言われると、難しいような気がした。
最近は誰かと一緒に寝泊まりすることが増えている。人付き合いが増えるのはいいことだと思っているのだが、気疲れや私生活の乱れに繋がるようであれば、なんとかする必要がある。目の前の後輩が本気だということはもちろん分かっているが、それ以上に、莉子も本気で選択していく必要がある。そう認識した一日になった。
「おはよう」
「おはようございます」
「今何時かしら」
「もう19時くらいですね」
「絶対夜に寝れないやつだわ」
「私もです」
昼食をとってすぐに眠りに落ちた。間違いなく5時間は寝ているはずだ。莉子が起きた時にこっちを向いてニコニコする後輩を見る。
「晩御飯どうしようかな」
「食べに出ますか」
「それもいいなぁ」
「そうと決まったら善は急げですよ!」
「ちょっと待ってね」
布団を畳んで伸びをする。今からどこへ向かうか分からないが、お茶を飲む。そして、諸々の準備をして、準備ができたところで、もう一度座る。
「5分だけ休憩したら行きましょう」
「分かりました」
寝起きから夕食を食べに出るほどの元気はなかった。少しだけ休んでから夕食に出る。その方が楽だった。
少し休んで家を出る。後輩はいつでも出れる準備が整っていた。家の鍵を閉めて廊下を抜けて階段を降りる。
「どこいくか決めてるの?」
「ラーメン屋か定食屋です」
「この辺にあったかしら」
「駅前にありますよ」
「随分と歩くわね」
「すぐそこですよ」
アクティブな後輩の後ろをついていく。駅前の外食店にはほとんど入ったことがない。期待と不安が入り混じる中、10分ほど歩いたところで後輩が立ち止まる。
「ここです」
「ここ、入ったことないわね」
「美味しいですよ」
「なら安心ね」
ここで入ったことない店に案内されたらどうしようかと思っていたが、そんなことも無いらしい。笑顔で店に入っていく後輩に続いて莉子も店に入る。
店の中は普通の定食屋だった。テーブル席が3つとカウンター席が4つ。店員は2人で店主らしき男の人と学生アルバイトと思しき男性だった。夕食の時間だというのに店が空いていた。
「この店はいつ来てもこれくらいですよ。なんでかは知らないですけど」
「あら、そうなの」
安心したいところだが、不安は完全には拭えない。テーブル席に座ると、店員が水を持ってきた。狭くも広くもない店内で、ゆったりとした時間が流れる。定食屋としては珍しい。
メニューは至って普通だった。しかし、どう見ても女性向けと思われるものがない。昼食後すぐ昼寝したこともあり、お腹が空いていないのだ。
メニューをパラパラ見ると、お腹が空いていないのにどれも美味しそうだった。その中でも食べられそうな、鯖の塩焼きセットにする。
「あ、先輩決まりましたか?」
「私は鯖の塩焼きセットにするわ」
「結構しっかりいきますね」
「これくらいなら食べれそうなのよ。由佳は何にするの?」
「味噌カツ定食です」
「さっきまで昼寝してたのによく食べるわね」
「食欲は無限ですよ」
莉子はセットだが、後輩は定食だ。付いてくるものも変わる。しかも後輩は味噌カツだ。莉子にとっては昼に食べても食べ切れるか怪しい。目を輝かせて頼む姿を見ると、何回か食べたことがあるのは間違いない。
「ここの定食美味しいんですよ」
「結構来るの?」
「月2回くらいきます」
「結構な頻度ね」
「味噌カツ定食が美味しいんですよ」
「味噌カツ定食が推しなのね」
「美味しいですからね」
言葉の圧力に押されながらもその味噌カツ愛には感心する。徐々に増えるかと思った客は増えることなくメニューが先に届く。
「あ、きたきた!」
「あ、私のもきたわ」
「いただきまーす」
「いただきます」
目の前に出てきた鯖の塩焼きセットを食べる。そのさらに前にある味噌カツ定食と比べると、量は控えめだが、どう考えても定食の量が多すぎるだけに見える。
鯖の塩焼きと白飯と味噌汁を食べながら、後輩を観察する。大学生の頃はそんなに食べる印象がなかった。実家暮らしだったということを考えれば、夕食ではかなり食べる方だったのかもしれない。
「なんですか?なんかついてますか?」
「いや、由佳ってそんなに食べるタイプだったかなぁって考えてただけよ」
「夜ご飯は外だと食べる方ですね」
「なんかよく分からないけど今の姿を見ると納得するしかないわね」
幸せそうな顔をして食べる姿を見ながら、もし後輩が彼女になったら、という仮定を考えてみる。その姿は自由奔放な彼女そのままの姿だったが、結婚があり得るかと言われると、難しいような気がした。
最近は誰かと一緒に寝泊まりすることが増えている。人付き合いが増えるのはいいことだと思っているのだが、気疲れや私生活の乱れに繋がるようであれば、なんとかする必要がある。目の前の後輩が本気だということはもちろん分かっているが、それ以上に、莉子も本気で選択していく必要がある。そう認識した一日になった。
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