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交わり
8話
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後輩と家で寝転がること数時間。何度か起き上がることもあったが少し時間が経つと結局また布団に吸い込まれてしまう。そんなことを繰り返しながら時間が過ぎて、12時前。流石に2人とも本格的に起きる。
「お昼ご飯食べましょうか」
「何食べます?」
「基本的に家でご飯食べるときは晩ご飯だけだから、お昼ご飯用の蓄えってないのよね」
「今から買いに行きますか」
「ちょっと待ってねー、2分でご飯と卵くらいはあるはずなのよ」
どれだけ備蓄のない生活をしていても、常備しているものはある。最近は卵とパックご飯を置いていた。冷蔵庫横のスペースを見て、それを電子レンジに入れる。卵も冷蔵庫の中にあることを確認してから部屋に戻る。
「卵焼きでいいかしら」
「了解です」
ご飯の温めが終わる前に卵焼きを作り始める。思えば誰かのために料理を作るというのも久しぶりだった。前がいつだったかも分からない。
作り終えた卵焼きとパックごはんを持って部屋へと戻る。待ち遠しそうに待っている後輩に料理を届ける。随分と質素な昼食だ。
「ありがとうございます!美味しい!」
「良かった」
あり合わせの物だし、量もなければ味すらも保証はできない。それでも美味しいと言ってくれる後輩に感謝しながら、莉子も昼食に手をつけ始める。
いつもより少し大きめに作った卵焼きも2人で食べればすぐ無くなる。そんな当たり前のことすらも認識できていないほど、莉子には誰かと過ごすという経験が無かった。笑顔でごはんを食べる後輩の頭を撫でてみる。
「え、なんですか?」
「いや、何でもないわ」
「彼女にするなら今ですよ!」
「彼女っていうより妹かしら」
「えー、そうですかね」
チャンスを逃さんとばかりにぐいぐい来る後輩をいなしながら対応する。キラキラとした目からハイライトは消えないが、頬はむくれていた。
机を挟んで向かい側に座っていたはずの後輩がずりずりと莉子の隣に寄ってくる。何事かと思った瞬間に抱きつかれて、そのまま後ろへと倒れる。なんとか枕があった分頭は助かった。そして、なぜか抱きつかれていた。
「私、先輩が好きなのかもしれません」
「え、でも由佳は彼氏が欲しいって言ってなかった?」
「言ってましたけど、なんか最近先輩の優しさに触れることが増えて、先輩のことばっかり気になるんです。これって、恋だと思うんですよ」
後輩の予想外のカミングアウトに困惑する。しかし、その気持ちは間違いなく本物だろう。その気持ちに応えてあげることができるのか、不安だった。今まで誰も好きになったことのない自分が、目の前の純粋な気持ちに向き合えるのか。莉子にはその答えがすぐには出なかった。
「私は彼氏欲しいと思いますけど、彼氏か先輩かなら、先輩の方がいいかもしれないって思う時があります」
「あら、そうだったの」
「だって優しいじゃないですか」
「まぁ昔からの付き合いもあるし」
「先輩が隣で良かったなって思うこと、最近多いんですよ」
「へぇ、そうだったの」
莉子は全然自覚していなかったが、後輩からすればすごく良かったのかもしれない。安心できたり、頼れる人間がいるって思われているということなのか。莉子にはそれも分からなかった。
押し倒されたまま沈黙が続くが、気まずい空気にはならなかった。しかし、そのままの勢いでキスをされる。
「どうしたのよ」
「この気持ちは嘘じゃありません。」
「うん」
「望月さんにも渡したくありません」
「別にその気はないけど」
「だから、今日は私だけの先輩でいて欲しいんですよ」
なんだか今日はやけに甘えてくる。後輩は果たしてこんな人間だったかと思うほど。それが本心かどうかすらも怪しいほどだが、受け止めておくべきだろう。そしてふと、あることにきづく。
「そういえば、由佳の誕生日って今日?」
「そうですよ」
「なんか欲しいものある?」
「今日は先輩がいれば十分です」
どこまで本心かは相変わらず分からない。しかし、この甘えかたの原因も分からない。莉子にはどうすることもできないが、後輩の今の姿を受け止めることが大事だと言う直感はあった。
後輩に抱きしめられるまま時間だけが過ぎていく。やけに脱力した状態だと思ってふと確認してみると、後輩はそのまま眠りについていた。仕事上のストレスも大きいのかもしれない。今はただ受け止めてあげることが大事だと思うことにして、頭を撫でた。
「お昼ご飯食べましょうか」
「何食べます?」
「基本的に家でご飯食べるときは晩ご飯だけだから、お昼ご飯用の蓄えってないのよね」
「今から買いに行きますか」
「ちょっと待ってねー、2分でご飯と卵くらいはあるはずなのよ」
どれだけ備蓄のない生活をしていても、常備しているものはある。最近は卵とパックご飯を置いていた。冷蔵庫横のスペースを見て、それを電子レンジに入れる。卵も冷蔵庫の中にあることを確認してから部屋に戻る。
「卵焼きでいいかしら」
「了解です」
ご飯の温めが終わる前に卵焼きを作り始める。思えば誰かのために料理を作るというのも久しぶりだった。前がいつだったかも分からない。
作り終えた卵焼きとパックごはんを持って部屋へと戻る。待ち遠しそうに待っている後輩に料理を届ける。随分と質素な昼食だ。
「ありがとうございます!美味しい!」
「良かった」
あり合わせの物だし、量もなければ味すらも保証はできない。それでも美味しいと言ってくれる後輩に感謝しながら、莉子も昼食に手をつけ始める。
いつもより少し大きめに作った卵焼きも2人で食べればすぐ無くなる。そんな当たり前のことすらも認識できていないほど、莉子には誰かと過ごすという経験が無かった。笑顔でごはんを食べる後輩の頭を撫でてみる。
「え、なんですか?」
「いや、何でもないわ」
「彼女にするなら今ですよ!」
「彼女っていうより妹かしら」
「えー、そうですかね」
チャンスを逃さんとばかりにぐいぐい来る後輩をいなしながら対応する。キラキラとした目からハイライトは消えないが、頬はむくれていた。
机を挟んで向かい側に座っていたはずの後輩がずりずりと莉子の隣に寄ってくる。何事かと思った瞬間に抱きつかれて、そのまま後ろへと倒れる。なんとか枕があった分頭は助かった。そして、なぜか抱きつかれていた。
「私、先輩が好きなのかもしれません」
「え、でも由佳は彼氏が欲しいって言ってなかった?」
「言ってましたけど、なんか最近先輩の優しさに触れることが増えて、先輩のことばっかり気になるんです。これって、恋だと思うんですよ」
後輩の予想外のカミングアウトに困惑する。しかし、その気持ちは間違いなく本物だろう。その気持ちに応えてあげることができるのか、不安だった。今まで誰も好きになったことのない自分が、目の前の純粋な気持ちに向き合えるのか。莉子にはその答えがすぐには出なかった。
「私は彼氏欲しいと思いますけど、彼氏か先輩かなら、先輩の方がいいかもしれないって思う時があります」
「あら、そうだったの」
「だって優しいじゃないですか」
「まぁ昔からの付き合いもあるし」
「先輩が隣で良かったなって思うこと、最近多いんですよ」
「へぇ、そうだったの」
莉子は全然自覚していなかったが、後輩からすればすごく良かったのかもしれない。安心できたり、頼れる人間がいるって思われているということなのか。莉子にはそれも分からなかった。
押し倒されたまま沈黙が続くが、気まずい空気にはならなかった。しかし、そのままの勢いでキスをされる。
「どうしたのよ」
「この気持ちは嘘じゃありません。」
「うん」
「望月さんにも渡したくありません」
「別にその気はないけど」
「だから、今日は私だけの先輩でいて欲しいんですよ」
なんだか今日はやけに甘えてくる。後輩は果たしてこんな人間だったかと思うほど。それが本心かどうかすらも怪しいほどだが、受け止めておくべきだろう。そしてふと、あることにきづく。
「そういえば、由佳の誕生日って今日?」
「そうですよ」
「なんか欲しいものある?」
「今日は先輩がいれば十分です」
どこまで本心かは相変わらず分からない。しかし、この甘えかたの原因も分からない。莉子にはどうすることもできないが、後輩の今の姿を受け止めることが大事だと言う直感はあった。
後輩に抱きしめられるまま時間だけが過ぎていく。やけに脱力した状態だと思ってふと確認してみると、後輩はそのまま眠りについていた。仕事上のストレスも大きいのかもしれない。今はただ受け止めてあげることが大事だと思うことにして、頭を撫でた。
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