明太子

ぽよ

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終着点

5話

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 仕事が終わり、先輩と帰路に着く。会社の敷地を抜けて、駅の方向へと歩いていく。今日は色んなことを先輩に聞いてもらった。それでも変わらず接してくれる先輩はやっぱり優しい。

「今日の莉子ちゃんはめっちゃ喋ってたわね」
「なんか抑えきれなくて」
「泣きそうになってた時もあったよね」
「そ、そんなことないですよ」

 口ではそんなことはないと否定してみせるが、取り乱す寸前だったくらいだ。先輩が冷静に話を聞いてくれていなければ、間違いなく泣き出していただろう。そこまでバレていたとは思わなかった。
 駅に着くと、見慣れた人影がいた。最近このパターンが多い気がしながらも歩いていくと、相手が手を振ってきた。

「先輩、恭子さん、お疲れ様です」
「由佳、お疲れ様」
「由佳ちゃん、お疲れ様」
「あれ、連絡してたっけ」
「恭子さんからもらってました」
「なるほど」

 やはり後輩と先輩は仲が良いらしい。なんとなくずるいな思ってしまう自分がいた。

「じゃあ、あとは由佳ちゃんと莉子ちゃんで」
「お疲れ様です」
「お疲れ様でした」

 挨拶をして、あとは後輩と家まで帰る。後輩はルンルンだった。

「連絡してくれても良かったのに」
「今日の先輩の姿を恭子さんから聞いてたので、邪魔すると良くないかなって」
「本当に私の姿って筒抜けなのね」
「色々と聞いてますね」
「なんで私本人が入ってないのよ」
「恋の相談に本人は入れないですよ」
「なるほど」

 どうやら後輩は恋愛相談をしていたらしい。そうなると返事は納得以外できるはずもなかった。
 駅で電車に乗って、そこから家の最寄り駅まで揺られる。そこから家までの道のり。いつもと同じ道を歩く。今日は横に後輩がいた。

「先輩、私妹みたいになろうとしたらどうすれば良いですか?」
「難しい質問ね。とりあえず私は頭撫でるくらいしかできないわ」
「むむむ」
「むむむじゃないのよ」

 膨れっ面になりながら歩く後輩。今の莉子にはそれしかできなかった。それでしか、正しい距離を保つことができなかった。
 家に着いて、二人とも別々の部屋へと帰る。後輩が、寂しそうな顔をした。

「別にそんな顔しなくても、部屋隣なんだから大丈夫よ」
「それでも寂しいものは寂しいんです」
「そっか」
「そうです」
「またいつでもおいで」
「分かりました」

 別れの挨拶の後、別々の部屋へと入っていく。その時の後輩の顔は、寂しそうだった。
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