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終着点
4話
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外気は猛暑だというのに事務所は冷房で冷やされて寒い。寒暖差で仕事のしにくさを感じながらも、目の前の書類を倒していく。横にいる先輩と一緒に仕事をしながら、雑談していた。
「先週末、由佳に告白されたんですよ」
「ええ、由佳ちゃんから聞いたわ」
「私にはその想いが受け止めきれなくて、断っちゃったんです」
「ええ、それも聞いたわ」
「それって、正解なんでしょうか」
「それは分からないわね」
あくまでも先輩は冷静に言葉を繋いでいく。それが莉子にとってはありがたい。
やはり自分にとっての後輩は、後輩であって恋人にはなり得なかった。その選択がどう出るかは、まだ分からない。不正解じゃないことを祈るしかなかった。
「まぁでも、由佳ちゃんは莉子ちゃんと関係が続くならそれでいいんですって言ってたし、なんとかなるんじゃないかしら」
「そんなこと言ってたんですか」
「電話で泣いてたけどね」
「電話してたんですか」
「してたわよー」
先輩が後輩とそこまで仲が良かったことは予想外だった。その姿を想像しながら後輩が羨ましくなった。莉子も先輩と電話することはあれど、そんなに踏み込んだ話題で話したことはなかった。その分だけ仕事場では楽しい話をしているのだが、莉子はそれでも羨ましいと思った。
「そういえば、先輩は彼氏とどんな感じですか?」
「まぁまぁいい感じね」
「結婚とか、出来そうですか?」
「まぁそうねえ。今までの彼氏の中では一番出来そうよ」
「そうですか」
その先輩の姿と話しぶりから見て、結婚に向けた話も進んでいるだろうことが分かる。先輩は莉子の恋人じゃないことが分かっていても心の中ではやきもちを妬いていた。
自分自身は誰のものでもない癖に自分の手元から好きな人が離れていくのは嫌な気持ちになった。そんな自分も嫌になる。先輩はなんとなくそれを汲んだように話をしてくれる。
「色々悩んでることがあると思うけど、人を好きになるっていうのは、難しいのよ」
「今のこの私の気持ちは、恋なんでしょうか」
「恋だと思うわよ。それを莉子ちゃんが認めるかどうかは別だけど」
「私、ずっと人のこと好きになれなくて悩んでたんです。でも、最近ずっと先輩のことが気になって、モヤモヤして、どうすればいいか分からなかったんです」
「今は少しずつ理解が進んできてるから、莉子ちゃんの気持ちを汲んでくれる人も増えるわよ」
「私は、あくまでも仕事上の先輩として、先輩を見てたはずなのに、いつの間にか変わってたんです」
「私もそういう経験あるわよ。難しいのよ。人の気持ちっていうのは」
いつでも先輩は冷静に話を聞いてくれる。利己の気持ちも聞いてくれるし、それに対する返答もくれる。それが、嬉しいのに、悲しかった。莉子の気持ちを知っていても変わらず接してくれる先輩には感謝していた。
「莉子ちゃんも人を好きになるっていうのが分かっちゃったのね」
「なんか、分かりたくなかったです」
「そう言わないの。恋をするのもいいことなのよ」
先輩が言いたいことも理解していた。それでも、今は苦しみの方が強かった。どうすればいいか分からないまま、しばらくは仕事を頑張ることしかできない。この気持ちの整理をどうやってつけようか。今の莉子には、悩むこと以外の選択肢がなかった。
「先週末、由佳に告白されたんですよ」
「ええ、由佳ちゃんから聞いたわ」
「私にはその想いが受け止めきれなくて、断っちゃったんです」
「ええ、それも聞いたわ」
「それって、正解なんでしょうか」
「それは分からないわね」
あくまでも先輩は冷静に言葉を繋いでいく。それが莉子にとってはありがたい。
やはり自分にとっての後輩は、後輩であって恋人にはなり得なかった。その選択がどう出るかは、まだ分からない。不正解じゃないことを祈るしかなかった。
「まぁでも、由佳ちゃんは莉子ちゃんと関係が続くならそれでいいんですって言ってたし、なんとかなるんじゃないかしら」
「そんなこと言ってたんですか」
「電話で泣いてたけどね」
「電話してたんですか」
「してたわよー」
先輩が後輩とそこまで仲が良かったことは予想外だった。その姿を想像しながら後輩が羨ましくなった。莉子も先輩と電話することはあれど、そんなに踏み込んだ話題で話したことはなかった。その分だけ仕事場では楽しい話をしているのだが、莉子はそれでも羨ましいと思った。
「そういえば、先輩は彼氏とどんな感じですか?」
「まぁまぁいい感じね」
「結婚とか、出来そうですか?」
「まぁそうねえ。今までの彼氏の中では一番出来そうよ」
「そうですか」
その先輩の姿と話しぶりから見て、結婚に向けた話も進んでいるだろうことが分かる。先輩は莉子の恋人じゃないことが分かっていても心の中ではやきもちを妬いていた。
自分自身は誰のものでもない癖に自分の手元から好きな人が離れていくのは嫌な気持ちになった。そんな自分も嫌になる。先輩はなんとなくそれを汲んだように話をしてくれる。
「色々悩んでることがあると思うけど、人を好きになるっていうのは、難しいのよ」
「今のこの私の気持ちは、恋なんでしょうか」
「恋だと思うわよ。それを莉子ちゃんが認めるかどうかは別だけど」
「私、ずっと人のこと好きになれなくて悩んでたんです。でも、最近ずっと先輩のことが気になって、モヤモヤして、どうすればいいか分からなかったんです」
「今は少しずつ理解が進んできてるから、莉子ちゃんの気持ちを汲んでくれる人も増えるわよ」
「私は、あくまでも仕事上の先輩として、先輩を見てたはずなのに、いつの間にか変わってたんです」
「私もそういう経験あるわよ。難しいのよ。人の気持ちっていうのは」
いつでも先輩は冷静に話を聞いてくれる。利己の気持ちも聞いてくれるし、それに対する返答もくれる。それが、嬉しいのに、悲しかった。莉子の気持ちを知っていても変わらず接してくれる先輩には感謝していた。
「莉子ちゃんも人を好きになるっていうのが分かっちゃったのね」
「なんか、分かりたくなかったです」
「そう言わないの。恋をするのもいいことなのよ」
先輩が言いたいことも理解していた。それでも、今は苦しみの方が強かった。どうすればいいか分からないまま、しばらくは仕事を頑張ることしかできない。この気持ちの整理をどうやってつけようか。今の莉子には、悩むこと以外の選択肢がなかった。
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