明太子

ぽよ

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終着点

3話

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 目が覚めると朝になっていた。後輩はまだ寝ているかと思えば、姿がない。ぼんやりしたら頭でどこに行ったのか考える間も無く、洗面台から出てくる。

「おはようございます」
「おはよう、私も歯を磨くわ」
「先輩、よく寝る方なんですね」
「休日はそうよ」

 短い会話の後で立ち上がり洗面台へと向かう。鏡には、昨日後輩と入った風呂が映っていた。それも昨日の話。今日はここから始まる。
 歯磨きを終えて部屋に戻ると、後輩が布団に寝転がっていた。それに吸い込まれるように莉子も布団へと戻る。

「先輩」
「どうしたのよ」
「甘やかしてください」
「え、例えば?」
「抱きしめてください」
「え、いいけど」
「あとは頭撫でてください」
「いいけど」

 今まで見たことのない後輩の姿に戸惑いつつ、布団の中で抱きしめて頭を撫でる。後輩は彼女と言うより妹に近い。それが莉子の見解だった。
 後輩はしっかりと起きたまま莉子にくっついていた。こんなに甘えてくる人間だということを知らなかった。

「私が先輩の彼女になれないのなら」
「えぇ」
「私が妹になります!」
「え?」
「妹になります」
「繰り返されてもそれは難しいんじゃないかしら」
「そうですかね」

 素知らぬ顔で言ってみせる後輩が本気かどうか、今回は量り損ねた。
 随分と甘えてきた後輩が莉子の元から離れる。甘えるのはもういいのか、まだ言いたいことがあるのか分からず、その場で動かず様子を見る。

「私、先輩のこと好きですけど、彼氏ができたら先輩のことを置いていくかもしれません」
「まぁその可能性はあるわね」
「でも、今は先輩が好きなんです」
「その想いは十分伝わってるわ」
「私、どうしたらいいんでしょう」
「うーん、難しいわね」
「でも、今は私のこと、見てて欲しいんです」

 寂しそうに呟く後輩には曖昧な返事しかできなかった。今目の前にいる後輩が抱えている問題は深い。ここで今すぐ答えられるようなものではなかった。
 布団に寝転がったまま時間が過ぎる。スマートフォンの時計が9時30分を示した頃、後輩が唐突に立ち上がる。

「先輩、今日は予定ありますか?」
「特にないわ」
「じゃあ今日はのんびりしましょう」
「大丈夫よ」

 後輩はそういうもう一度布団に戻ってきた。こんなにのんびりした週末は久しぶりだった。こういう時間が取れるのはいいことだ。目の前の後輩と一緒にのんびりしよう。窓から差す陽の光を感じながら過ごすことにした。
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