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恋愛
11桁
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「今日でもう1年かぁ」
1年前、恋人と別れた。別れてから少しだけ連絡を取り合っていたけれど、お互い前に進もうと言われて、そこからは連絡が取れなくなってしまった。ラインの連絡先は残っているが、ブロックされている。たまにスタンプを押してみるのだが、既読なんてつくはずもなく。悲しみと虚しさに押し流されそうになりながら生きてきた。たまに思い出しては忘れようとしたけれど、忘れられないまま1年が過ぎた。一人暮らしの部屋の中で、ただひたすら同じ日常を過ごす。平日は朝に起きて仕事に行って、残業して孵ってきてご飯を食べて趣味をしてから寝る。休日は、小説を書いたり、読んだりする。代わり映えのしない日々が1年も続いた。
「早かったなぁ」
一人暮らしを始めてからはまだ1年が経過していない。それでも、真っ白の壁にキムチをぶちまけたり、本棚がカビで覆われて見るのも恐ろしい事態に陥ったり、いろんなことがあった。いいこともあれば、悪いこともある。しかし、自分から前に進んでいくことをしたわけではない。そろそろ前に進むべきなのか。
「電話番号、か」
電話帳に刻まれた、数少ない連絡先の一つ。恋人の電話番号。消せないままの名前と11桁の電話番号。名前も、顔も、思い出も綺麗に覚えている。いつか思い出せなくなるその日まで、置いておこうと思う。一生消えないのなら、一生抱えて生きていこうと思う。11桁の番号を見ながら、思い出に浸る。いま、生きているのかすら分からない。しかし、あの人ならきっと生きている。僕なんかより遥かに強く、自分の人生を生きているだろう。そう思うしかない。そう思うことでしか、自分が前に進む道が用意されていなかった。記憶に刻まれて、どうやって消そうとしても痕が残ってしまう、11桁。それが風化して思い出せなくなるまで、じっくり前に進もう。その時にはきっと、思い出になってるから。
1年前、恋人と別れた。別れてから少しだけ連絡を取り合っていたけれど、お互い前に進もうと言われて、そこからは連絡が取れなくなってしまった。ラインの連絡先は残っているが、ブロックされている。たまにスタンプを押してみるのだが、既読なんてつくはずもなく。悲しみと虚しさに押し流されそうになりながら生きてきた。たまに思い出しては忘れようとしたけれど、忘れられないまま1年が過ぎた。一人暮らしの部屋の中で、ただひたすら同じ日常を過ごす。平日は朝に起きて仕事に行って、残業して孵ってきてご飯を食べて趣味をしてから寝る。休日は、小説を書いたり、読んだりする。代わり映えのしない日々が1年も続いた。
「早かったなぁ」
一人暮らしを始めてからはまだ1年が経過していない。それでも、真っ白の壁にキムチをぶちまけたり、本棚がカビで覆われて見るのも恐ろしい事態に陥ったり、いろんなことがあった。いいこともあれば、悪いこともある。しかし、自分から前に進んでいくことをしたわけではない。そろそろ前に進むべきなのか。
「電話番号、か」
電話帳に刻まれた、数少ない連絡先の一つ。恋人の電話番号。消せないままの名前と11桁の電話番号。名前も、顔も、思い出も綺麗に覚えている。いつか思い出せなくなるその日まで、置いておこうと思う。一生消えないのなら、一生抱えて生きていこうと思う。11桁の番号を見ながら、思い出に浸る。いま、生きているのかすら分からない。しかし、あの人ならきっと生きている。僕なんかより遥かに強く、自分の人生を生きているだろう。そう思うしかない。そう思うことでしか、自分が前に進む道が用意されていなかった。記憶に刻まれて、どうやって消そうとしても痕が残ってしまう、11桁。それが風化して思い出せなくなるまで、じっくり前に進もう。その時にはきっと、思い出になってるから。
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