短編集

ぽよ

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ファンタジー

デコボコ

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「無茶しないでくださいよ。後処理するの俺なんですから」
「大丈夫だよ。お前の魔法があればなんとかなる」
「なんとかはなりますけど、その後処理が上手いかと言われると、どうなんでしょうね」
「まぁバレなければセーフだよ」

 荒廃した終末世界。残った生物は恐らく人間のみ。食料はもちろん自分以外の他人と水。焼け野原と砂漠と海。この地球にはそれしか残っていなかった。

「人類というのは本当に愚かですよ」
「豊かになるための戦争で、すべての豊かさを失ったんだからな」
「それが欲というものなんでしょう」
「愚かしいにも程がある」
「俺たちもその人間ですよ」
「まぁ、それはそうなんだが」

 私利私欲に塗れた核戦争の末に残ったのは富でも、名声でもなく、核シェルターと人類だった。汚染された海と土壌で生物はほとんどが絶滅。人類が食糧とするような生物は見つけること自体がほぼ不可能である。

「とにかく人間以外の食べ物を探さねーと飽きちまうよ」
「それ以前に人間を食べることに抵抗を持って欲しいものですよ」
「この有様でそんなことが言えるお前が羨ましい」
「肉体を崩すときはもうちょっと手加減しないと俺の手間が増えるんですよ。それもあります」
「いまさら残った破片でどうにかできるわけでもないのになぜそこまでするんだ?」
「念のためにというやつです」
「はぁ」

 かつて学生時代勉強という勉強が何一つ出来ずに喧嘩に勤しんできた。荒くれ者で喧嘩なら負け知らずの中でこいつに出会って初めて喧嘩で負けた。そいつは勉強がなんでもできるくせに喧嘩も強かった。
 いつか喧嘩で勝ちたいが為だけに接する時間を増やし、いろんなことを学んだ。苦手な勉強も喧嘩もやってきたのにどうしても勝てずじまいのまま時間だけが過ぎ去っていった。勉強でも喧嘩でもくだらない諍いが絶えなかったが、なぜか仲良くなり今に至る。そんな二人が20歳の時、世界情勢の不安定化による核戦争が勃発した。
 戦争は日に日に激化していき、避難した核シェルターに備え付けられているディスプレイから外の景色を眺める日々が続いた。次々と焼け野原と化していく街を見ながら戦争が早く終わらないかと願っていた。

「はてさて、この世界での俺らの身の振り方、このままでいいのか」
「まだ終戦から2ヶ月。治安も悪ければ他人で信用できる人間が見つかったわけでもないですし、この土地に降り立つことが正しいかすら分からないですし、とりあえずこのまま行くしかないでしょう」
「なるほど。でも、お前の魔法があれば核の放射能なんかも防げるんじゃないの?」
「まぁ不可能ではないと思うけど、負担がね」
「あー」

 こいつには全てで負けているが、そもそも勝負にならないのは魔法だった。そもそも俺は魔法が使えない。一応教わってみたがそれでもからっきしだったことは言うまでもない。そんな二人でも、一人で生きていくよりは都合がいいのではないかという説得をした。なんとか手に入れた安寧の中で生きながらえながらもうすぐ2ヶ月。光はまだまだ見えそうにない。

「ひとまず食料探しだな」
「ま、人を食べると言うのは気乗りしませんが、仕方ないですね」
「行くか」
「えぇ、頑張りましょう」

 今日も地平線が見えるほど何も残っていない荒廃した世界で二人は今日も生きるために歩いていく。
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