6 / 11
聖女無双。(ぱーとすりぃー)
しおりを挟む
ドコッ!!!
地面が揺れた。
「「「きゃあぁぁ!! 」」」
「「「うわあぁぁ!! 」」」
激しい揺れにその場に令嬢や子息、貴族達が床に崩れ落ちる。
「おのれら、聞くに耐えんわ!! 」
聖女であるアイシアが身体強化魔法を使い、足で地(床)を踏みつけたのだ。
激しい揺れに耐えられないものは床に蹲る。
立っているのはそんな気がして構えていた、ミスティアと彼女を支える王太子。鍛えている第二王子イルーゾォと、ミラージュ。
聖女アイシアは当然だ。
「男気見せんか、われ!!! 」
いつの間にか第二王子の懐に入り込んだアイシアは『聖女鉄槌』を顎にアッパーカットを食らわせた。
第二王子は真上に飛んだ。
「ちゃんと告らな、思いは伝わらんのじゃ ぼけ!! 」
落ちてきた処を『聖女の一撃』回し蹴りを食らわせる、第二王子は面白いように飛んだ。
一直線に王座の近くの天幕にぼふんと、包まれて床に落ちた。
「イルーゾォ様!! 」
ミラージュは飛んで行ったイルーゾォを追いかけようとして、アイシアにいつの間にかガッシっと顔を掴まれた。
「あんたも『私なんか』と言ってんじゃないよ。」
アイシアはミラージュに強い目を向ける、その強い瞳は優しさに溢れていた。
「あんたは、辺境の者達は、この国を護ったんだ。誇れこそ、蔑まれる事はない。」
ドコッ、と
アイシアは足を踏み鳴らす。
「「「きゃあぁぁ!! 」」」
「「「うわあぁぁ!! 」」」
床が揺れ、崩れ落ちていた貴族達が床に震れふす。
上位貴族達ははって、舞踏会会場から出て行った。残ったのは訳が分からない下位貴族達。
「何もしらず、何もしない者に、文句を言われる筋合いはないわ!! 」
ドコッ、足を踏み鳴らす。
「「「きゃあぁぁ!! 」」」
「「「うわあぁぁ!! 」」」
床が左右に揺れ、下位貴族達も左右に揺れ床にビッタンビッタンと体を打ちつける。
「しかし…… 私の体には…… 」
ミラージュは体に残る傷跡を思い出し目を逸らす。
それを許さずアイシアは、強く言う。
「それすら、この国の民を護った誇るべきもの。」
アイシアはミラージュの頭に、コツンと優しく頭をあて『聖女の警め』を与えた。
次の瞬間、きらきらと優しい『聖女の慈しみ』が彼女を包む。
人知れずミラージュの体に残る傷跡を消していく。
「でも、分かるわ。女の子ですもの。」
アイシアは聖母のように優しく微笑み、ミラージュは緊張の糸が切れたように涙を流した。
「わ、私、私は…… 」
ぼろぼろと、ミラージュの瞳から涙が溢れる。
ドコッと、足を踏み鳴らす。
ぴょんと、第二王子イルーゾォが飛び上がった。
無論、聖女の回復魔法で無傷だ。
「われ!! 男気見せな!! 」
アイシアの鋭い叱咤が飛ぶ。
「俺は、ミラージュが好きだ!! 」
イルーゾォが叫んだ。
「戦場で初めて会ったあの日に恋をした!! 美しい戦乙女を見た!! 」
イルーゾォはゆっくりと立ち上がり、ミラージュへと近づいていく。
「ミラージュ以上の美しい乙女は見たことがない!! 頬にできた傷さえも、ミラージュの美しさを彩る一部でしかない。」
立ち尽くすミラージュの前で、イルーゾォは片膝を付く。
「ミラージュに一目惚れをした。父に頼んで、王命で婚姻をお願いした。」
驚くミラージュの右手をそっと握る。
「兄や弟のように見目麗しくない俺だ。告白をしてふられるのが怖かった。」
イルーゾォは縋るようにミラージュを見上げた。
「父に頼み婚姻を迫った。ミラ、君を誰にもとられたくはなかった。」
「イルーゾォ様…… 」
ミラージュは信じられないようにイルーゾォを見下げる。
「情けない俺だ。だがミラを愛している。どうか俺を選んでくれ、ミラージュ。どうか、どうか、俺を。」
「イルーゾォ様。」
祈るようにミラージュの右手に額をつけて、懇願する。
「私で、いいのですか? 私は、普通の令嬢のように「君がいい!! 他の者などいらない、ミラが欲しい!! どうか、俺を選んでくれ!! 」
「イルーゾォさま……… 」
ミラージュは崩れるようにイルーゾォを抱き締めた。
「私も、私も、援軍と駆けつけてくださった、イルーゾォ様に恋をしました。傷物の私が、王命でイルーゾォ様の婚約者に選ばれたことをどれ程喜んだか。」
「ミラ…… 」
顔を上げたイルーゾォにミラージュは微笑む。
「イルーゾォ様には不運でも、私には幸運でした。」
「違う!! 幸運は俺だ! 俺はミラージュを愛している!! 」
「私もイルを愛してます。私は、イルを、イルーゾォ様を選びます。」
二人は強く強く抱き合った。
何処ともなく、舞踏会会場の外側から窓とか扉から成り行きを見ていた高位貴族達が手を叩いている。
優しく二人を見守っていたアイシアが、振り向いた。
下位貴族達は左右に揺らされ、身なりも髪もボサボサになっていた。顔は青ざめ吐き気を催す者もいた。
「国を護った者への誹謗。あんたら、頭冷やしな!! 」
アイシアが右手を上げる。
どばばばばば…… と、水が滝のように下位貴族達の頭上から降り注いだ。
「「「「ごめんなさい!! 」」」」
「「「「すみませんでした!! 」」」」
びしゃびしゃに濡れた床に頭をこすりつけて、下位貴族達は謝った。
「アイシア…… 」
「お義姉様。」
姉の声に振り向く。
勿論、こちら側は防御魔法で水は弾いている。
「誰が、掃除をするの? 」
「いや~ぁん、お義姉様。今すぐ、風魔法で乾かしますわ~ 」
あせ、あせと、風魔法で会場内を乾かし始める。
「アイシア。礼儀作法の再教育ね。」
「いや~ぁん、お義姉様~許して~!! 」
【ぱーとすりぃ、完】
地面が揺れた。
「「「きゃあぁぁ!! 」」」
「「「うわあぁぁ!! 」」」
激しい揺れにその場に令嬢や子息、貴族達が床に崩れ落ちる。
「おのれら、聞くに耐えんわ!! 」
聖女であるアイシアが身体強化魔法を使い、足で地(床)を踏みつけたのだ。
激しい揺れに耐えられないものは床に蹲る。
立っているのはそんな気がして構えていた、ミスティアと彼女を支える王太子。鍛えている第二王子イルーゾォと、ミラージュ。
聖女アイシアは当然だ。
「男気見せんか、われ!!! 」
いつの間にか第二王子の懐に入り込んだアイシアは『聖女鉄槌』を顎にアッパーカットを食らわせた。
第二王子は真上に飛んだ。
「ちゃんと告らな、思いは伝わらんのじゃ ぼけ!! 」
落ちてきた処を『聖女の一撃』回し蹴りを食らわせる、第二王子は面白いように飛んだ。
一直線に王座の近くの天幕にぼふんと、包まれて床に落ちた。
「イルーゾォ様!! 」
ミラージュは飛んで行ったイルーゾォを追いかけようとして、アイシアにいつの間にかガッシっと顔を掴まれた。
「あんたも『私なんか』と言ってんじゃないよ。」
アイシアはミラージュに強い目を向ける、その強い瞳は優しさに溢れていた。
「あんたは、辺境の者達は、この国を護ったんだ。誇れこそ、蔑まれる事はない。」
ドコッ、と
アイシアは足を踏み鳴らす。
「「「きゃあぁぁ!! 」」」
「「「うわあぁぁ!! 」」」
床が揺れ、崩れ落ちていた貴族達が床に震れふす。
上位貴族達ははって、舞踏会会場から出て行った。残ったのは訳が分からない下位貴族達。
「何もしらず、何もしない者に、文句を言われる筋合いはないわ!! 」
ドコッ、足を踏み鳴らす。
「「「きゃあぁぁ!! 」」」
「「「うわあぁぁ!! 」」」
床が左右に揺れ、下位貴族達も左右に揺れ床にビッタンビッタンと体を打ちつける。
「しかし…… 私の体には…… 」
ミラージュは体に残る傷跡を思い出し目を逸らす。
それを許さずアイシアは、強く言う。
「それすら、この国の民を護った誇るべきもの。」
アイシアはミラージュの頭に、コツンと優しく頭をあて『聖女の警め』を与えた。
次の瞬間、きらきらと優しい『聖女の慈しみ』が彼女を包む。
人知れずミラージュの体に残る傷跡を消していく。
「でも、分かるわ。女の子ですもの。」
アイシアは聖母のように優しく微笑み、ミラージュは緊張の糸が切れたように涙を流した。
「わ、私、私は…… 」
ぼろぼろと、ミラージュの瞳から涙が溢れる。
ドコッと、足を踏み鳴らす。
ぴょんと、第二王子イルーゾォが飛び上がった。
無論、聖女の回復魔法で無傷だ。
「われ!! 男気見せな!! 」
アイシアの鋭い叱咤が飛ぶ。
「俺は、ミラージュが好きだ!! 」
イルーゾォが叫んだ。
「戦場で初めて会ったあの日に恋をした!! 美しい戦乙女を見た!! 」
イルーゾォはゆっくりと立ち上がり、ミラージュへと近づいていく。
「ミラージュ以上の美しい乙女は見たことがない!! 頬にできた傷さえも、ミラージュの美しさを彩る一部でしかない。」
立ち尽くすミラージュの前で、イルーゾォは片膝を付く。
「ミラージュに一目惚れをした。父に頼んで、王命で婚姻をお願いした。」
驚くミラージュの右手をそっと握る。
「兄や弟のように見目麗しくない俺だ。告白をしてふられるのが怖かった。」
イルーゾォは縋るようにミラージュを見上げた。
「父に頼み婚姻を迫った。ミラ、君を誰にもとられたくはなかった。」
「イルーゾォ様…… 」
ミラージュは信じられないようにイルーゾォを見下げる。
「情けない俺だ。だがミラを愛している。どうか俺を選んでくれ、ミラージュ。どうか、どうか、俺を。」
「イルーゾォ様。」
祈るようにミラージュの右手に額をつけて、懇願する。
「私で、いいのですか? 私は、普通の令嬢のように「君がいい!! 他の者などいらない、ミラが欲しい!! どうか、俺を選んでくれ!! 」
「イルーゾォさま……… 」
ミラージュは崩れるようにイルーゾォを抱き締めた。
「私も、私も、援軍と駆けつけてくださった、イルーゾォ様に恋をしました。傷物の私が、王命でイルーゾォ様の婚約者に選ばれたことをどれ程喜んだか。」
「ミラ…… 」
顔を上げたイルーゾォにミラージュは微笑む。
「イルーゾォ様には不運でも、私には幸運でした。」
「違う!! 幸運は俺だ! 俺はミラージュを愛している!! 」
「私もイルを愛してます。私は、イルを、イルーゾォ様を選びます。」
二人は強く強く抱き合った。
何処ともなく、舞踏会会場の外側から窓とか扉から成り行きを見ていた高位貴族達が手を叩いている。
優しく二人を見守っていたアイシアが、振り向いた。
下位貴族達は左右に揺らされ、身なりも髪もボサボサになっていた。顔は青ざめ吐き気を催す者もいた。
「国を護った者への誹謗。あんたら、頭冷やしな!! 」
アイシアが右手を上げる。
どばばばばば…… と、水が滝のように下位貴族達の頭上から降り注いだ。
「「「「ごめんなさい!! 」」」」
「「「「すみませんでした!! 」」」」
びしゃびしゃに濡れた床に頭をこすりつけて、下位貴族達は謝った。
「アイシア…… 」
「お義姉様。」
姉の声に振り向く。
勿論、こちら側は防御魔法で水は弾いている。
「誰が、掃除をするの? 」
「いや~ぁん、お義姉様。今すぐ、風魔法で乾かしますわ~ 」
あせ、あせと、風魔法で会場内を乾かし始める。
「アイシア。礼儀作法の再教育ね。」
「いや~ぁん、お義姉様~許して~!! 」
【ぱーとすりぃ、完】
82
あなたにおすすめの小説
妹が「この世界って乙女ゲーじゃん!」とかわけのわからないことを言い出した
無色
恋愛
「この世界って乙女ゲーじゃん!」と言い出した、転生者を名乗る妹フェノンは、ゲーム知識を駆使してハーレムを作ろうとするが……彼女が狙った王子アクシオは、姉メイティアの婚約者だった。
静かな姉の中に眠る“狂気”に気付いたとき、フェノンは……
常識的に考えて
章槻雅希
ファンタジー
アッヘンヴァル王国に聖女が現れた。王国の第一王子とその側近は彼女の世話係に選ばれた。女神教正教会の依頼を国王が了承したためだ。
しかし、これに第一王女が異を唱えた。なぜ未婚の少女の世話係を同年代の異性が行うのかと。
『小説家になろう』様・『アルファポリス』様に重複投稿、自サイトにも掲載。
女神に頼まれましたけど
実川えむ
ファンタジー
雷が光る中、催される、卒業パーティー。
その主役の一人である王太子が、肩までのストレートの金髪をかきあげながら、鼻を鳴らして見下ろす。
「リザベーテ、私、オーガスタス・グリフィン・ロウセルは、貴様との婚約を破棄すっ……!?」
ドンガラガッシャーン!
「ひぃぃっ!?」
情けない叫びとともに、婚約破棄劇場は始まった。
※王道の『婚約破棄』モノが書きたかった……
※ざまぁ要素は後日談にする予定……
「異常」と言われて追放された最強聖女、隣国で超チートな癒しの力で溺愛される〜前世は過労死した介護士、今度は幸せになります〜
赤紫
恋愛
私、リリアナは前世で介護士として過労死した後、異世界で最強の癒しの力を持つ聖女に転生しました。でも完璧すぎる治療魔法を「異常」と恐れられ、婚約者の王太子から「君の力は危険だ」と婚約破棄されて魔獣の森に追放されてしまいます。
絶望の中で瀕死の隣国王子を救ったところ、「君は最高だ!」と初めて私の力を称賛してくれました。新天地では「真の聖女」と呼ばれ、前世の介護経験も活かして疫病を根絶!魔獣との共存も実現して、国民の皆さんから「ありがとう!」の声をたくさんいただきました。
そんな時、私を捨てた元の国で災いが起こり、「戻ってきて」と懇願されたけれど——「私を捨てた国には用はありません」。
今度こそ私は、私を理解してくれる人たちと本当の幸せを掴みます!
【完結】何やってるんですか!って婚約者と過ごしているだけですが。どなたですか?
BBやっこ
恋愛
学園生活において勉学は大事だ。ここは女神を奉る神学校であるからして、風紀が乱れる事は厳しい。
しかし、貴族の学園での過ごし方とは。婚約相手を探し、親交を深める時期でもある。
私は婚約者とは1学年上であり、学科も異なる。会える時間が限定されているのは寂しが。
その分甘えると思えば、それも学園生活の醍醐味。
そう、女神様を敬っているけど、信仰を深めるために学園で過ごしているわけではないのよ?
そこに聖女科の女子学生が。知らない子、よね?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる