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フレックス侯爵邸。
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王都の中央付近にある屋敷は、昔から続く憲兵隊を率いるフレックス侯爵邸だ。
其処に質素な馬車が止まり、中から令嬢が降りてきた。金色の髪に、白いワンピースを着た清楚で 可憐な令嬢で有った。
「大変です、坊ちゃま。」
執事が、扉を開けた。
「なんだ、休みくらいゆっくりさせてくれ。」
ソファーに座るながら、ビウェルはお茶を飲む。
「坊ちゃまに、美しい令嬢が会いに来ました。」
「令嬢? 」
「何、令嬢とはどう言う事だ。」
父親のビルケンも、休みで息子共々寛いでいた。
「お前も、ついに年貢の納め時か。」
ニヤニヤ と、笑う。
「とうとう、坊ちゃまに婚約者が。」
「どんな令嬢だ、名前は? 」
ビウェルは悩んだ。心当たりがあり過ぎて、分からない。だが、家まで押し掛けてくる程の付き合いはしていない。
「ご安心下さい、直ぐ到着します。」
そうしている内に、扉を叩く音が聞こえた。
「旦那様、坊ちゃま。お客様を、お連れしました。」
メイドの声と共に、扉を執事が開く。其処に、
「来ちゃった。」
可憐な天使が、現れた。
「帰れ!! 」
ビウェルは、令嬢を見た途端 声を上げた。
「酷い。ビウェル様、酷いです。」
令嬢は、顔を覆って泣き崩れた。メイドが、庇うように膝を突く。
「坊ちゃま、私はそんな風に育てた覚えはありませんよ。」
「嘆かわしい、坊ちゃま。ご令嬢に、なんて酷い言葉を。」
「男なら、責任を取れ。」
次々と、責められる。
「違う、此奴は。」
「令嬢に対して、此奴とは。私は、育て方を間違えました。」
「嘆かわしい、坊ちゃま。見損ないました。」
「責任を取れ、男なら。」
「違う、私の話を聞いてくれ。此奴は、」
ふと、令嬢のお付きの者と目が合った。
「貴様、なんとか言え。」
「来ちゃった。」
お付きは ニヤリと、笑って声を出した。
「ふざけるな!! 」
「ふざけていません。」
令嬢は顔を上げて、ビルケンに微笑む。
「ビルケン様、来ちゃった。」
「帰れ!! 」
ビルケンは、青ざめて声を上げた。
「「だ、旦那様!? 」」
「酷い、ビルケン様。あの日以来、お逢い出来なくて 辛かったのに。」
「「だ、旦那様。」」
ビウェルのお客様だと思ったら、ビルケンのお客様の様だ。子供と同じ年の者に、手を出していたなんて。執事達は、冷たい目でビルケンを見る。
「奥様、旦那様が!! 」
メイドが叫びながら、部屋を出て行った。
「待て、誤解だ!! 」
「旦那様、私は何も言いません。ですが、余りにも。余りにも。」
「違う!! 此奴は。」
「「男だ!! 」」
親子そろって、声を上げた。
沈黙が、訪れた。そして、ビルケンは扉に佇む妻を見つける。彼の妻ガレットの顔は、蒼白となっていた。
白金の髪 青い目は見開かれ、体が震えている。
「そんな、ビルケンが男色だなんて。それも、ビウェルも 親子共々同じ相手を愛するなんて。」
「「奥様!! 」」
沈痛な思いで、奥様に声を掛ける。
「ま、待て ガレット。」
「は、母上!! 」
「実家に、帰らせて 貰います。」
踵を返して、走り出す。
「「誤解だ!! 」」
親子共々、そろって叫んだ。
「「奥様!! 」」
ガレットを追って、部屋にいた者は出て行った。令嬢とお付きの者以外は。
「ナルト様。皆さん、如何したのでしょう。」
令嬢 セルビィは、首を傾げる。ナルトは、腹を抱えて笑っていた。
暫くの間、セルビィとナルトは応接室で二人 待ち続けるので有った。
「取り乱して、済みません。」
美しい女性は、ソファに座るセルビィに対しながら謝った。ナルトは、ソファの後に立って、控えている。
「いえ、僕も 突然押し掛けてしまって ごめんなさい。」
天使の様に、微笑む。
ガレットを挟んで、両脇に座るビルケンとビウェルは疲れ果てた様に俯いていた。
「この格好も、御迷惑を掛けないようにと 変装して来たのですが 何か誤解を招いてしまったようで。」
(((嘘付け、趣味だろう!! )))
ナルトならずフレックス親子も、心の中で突っ込む。
「とても良く、似合ってますわ。」
「有難う御座います。ガレット様も、美しいです。」
セルビィとガレットは、素直に褒め合った。
「まさか、こんな可愛らしい子も働いていたなんて。驚きですわ。」
「ガレット様は、裏のお仕事を御存知なのですね。」
「ええ。」
「では、今のこの国をどう思います。」
さらり と、聞いてくる。
フレックス親子は、背筋を伸ばした。
「元々、傲慢でしたが。益々、傲慢に成りました。」
ガレットは、言った。
「豪の方の力を、手に入れた時から。」
セルビィは、目を閉じた。
豪の者は、馬の扱いに慣れ 戦の強さは尋常ではなかった。その強さが、オースト国を更に傲慢にした。
「王族と貴族は、戦を豪の方々に任せ。自分等は、狂喜に酔いしれ民を搾取し。教会は民の不満を躱す様に、豪の方々を神の敵の様に言っています。」
ガレットは、辛そうに話す。隣の親子も殊勝な顔をして、座っている。
「多くの民は、それを良しとして 豪の方々を捌け口に扱っています。」
セルビィとナルトは、神妙に聞いている。
「豪の方々に、申し訳なく思います。」
三人は、頭を下げた。後に控える執事も、頭を下げる。
「顔を、上げて下さい。聡明なあなた方に出会えて、感謝します。」
セルビィとナルトは、素直に喜んだ。
「今日は、商人のネルソン様に会いに来たのです。合わせて、頂けますか? 」
セルビィは、お淑やかに微笑んだ。
「良く、此所にネルソン夫妻が居る事に気づきましたね。」
「はい。ビウェル様が、毎日お持ちのお菓子が ネルソン婦人の手造りだと気づきましたので。」
セルビィは、朗らかに微笑んだ。まるで、借りてきた猫の様にガレット婦人にはしおらしいかった。
「ビルケン、いいかしら。」
「ああ。」
ビルケンは、頷く。
「では、来るように言います。後は、お任せします ビルケン。」
ガレットは、席を立って部屋を出て行った。
そして、沈黙が訪れた。
「お逢いしたかったです、フレックス侯爵。」
セルビィは、不敵に微笑んだ。フレックス侯爵 ビルケンの背筋に冷たいものが流れ始める。
其処に質素な馬車が止まり、中から令嬢が降りてきた。金色の髪に、白いワンピースを着た清楚で 可憐な令嬢で有った。
「大変です、坊ちゃま。」
執事が、扉を開けた。
「なんだ、休みくらいゆっくりさせてくれ。」
ソファーに座るながら、ビウェルはお茶を飲む。
「坊ちゃまに、美しい令嬢が会いに来ました。」
「令嬢? 」
「何、令嬢とはどう言う事だ。」
父親のビルケンも、休みで息子共々寛いでいた。
「お前も、ついに年貢の納め時か。」
ニヤニヤ と、笑う。
「とうとう、坊ちゃまに婚約者が。」
「どんな令嬢だ、名前は? 」
ビウェルは悩んだ。心当たりがあり過ぎて、分からない。だが、家まで押し掛けてくる程の付き合いはしていない。
「ご安心下さい、直ぐ到着します。」
そうしている内に、扉を叩く音が聞こえた。
「旦那様、坊ちゃま。お客様を、お連れしました。」
メイドの声と共に、扉を執事が開く。其処に、
「来ちゃった。」
可憐な天使が、現れた。
「帰れ!! 」
ビウェルは、令嬢を見た途端 声を上げた。
「酷い。ビウェル様、酷いです。」
令嬢は、顔を覆って泣き崩れた。メイドが、庇うように膝を突く。
「坊ちゃま、私はそんな風に育てた覚えはありませんよ。」
「嘆かわしい、坊ちゃま。ご令嬢に、なんて酷い言葉を。」
「男なら、責任を取れ。」
次々と、責められる。
「違う、此奴は。」
「令嬢に対して、此奴とは。私は、育て方を間違えました。」
「嘆かわしい、坊ちゃま。見損ないました。」
「責任を取れ、男なら。」
「違う、私の話を聞いてくれ。此奴は、」
ふと、令嬢のお付きの者と目が合った。
「貴様、なんとか言え。」
「来ちゃった。」
お付きは ニヤリと、笑って声を出した。
「ふざけるな!! 」
「ふざけていません。」
令嬢は顔を上げて、ビルケンに微笑む。
「ビルケン様、来ちゃった。」
「帰れ!! 」
ビルケンは、青ざめて声を上げた。
「「だ、旦那様!? 」」
「酷い、ビルケン様。あの日以来、お逢い出来なくて 辛かったのに。」
「「だ、旦那様。」」
ビウェルのお客様だと思ったら、ビルケンのお客様の様だ。子供と同じ年の者に、手を出していたなんて。執事達は、冷たい目でビルケンを見る。
「奥様、旦那様が!! 」
メイドが叫びながら、部屋を出て行った。
「待て、誤解だ!! 」
「旦那様、私は何も言いません。ですが、余りにも。余りにも。」
「違う!! 此奴は。」
「「男だ!! 」」
親子そろって、声を上げた。
沈黙が、訪れた。そして、ビルケンは扉に佇む妻を見つける。彼の妻ガレットの顔は、蒼白となっていた。
白金の髪 青い目は見開かれ、体が震えている。
「そんな、ビルケンが男色だなんて。それも、ビウェルも 親子共々同じ相手を愛するなんて。」
「「奥様!! 」」
沈痛な思いで、奥様に声を掛ける。
「ま、待て ガレット。」
「は、母上!! 」
「実家に、帰らせて 貰います。」
踵を返して、走り出す。
「「誤解だ!! 」」
親子共々、そろって叫んだ。
「「奥様!! 」」
ガレットを追って、部屋にいた者は出て行った。令嬢とお付きの者以外は。
「ナルト様。皆さん、如何したのでしょう。」
令嬢 セルビィは、首を傾げる。ナルトは、腹を抱えて笑っていた。
暫くの間、セルビィとナルトは応接室で二人 待ち続けるので有った。
「取り乱して、済みません。」
美しい女性は、ソファに座るセルビィに対しながら謝った。ナルトは、ソファの後に立って、控えている。
「いえ、僕も 突然押し掛けてしまって ごめんなさい。」
天使の様に、微笑む。
ガレットを挟んで、両脇に座るビルケンとビウェルは疲れ果てた様に俯いていた。
「この格好も、御迷惑を掛けないようにと 変装して来たのですが 何か誤解を招いてしまったようで。」
(((嘘付け、趣味だろう!! )))
ナルトならずフレックス親子も、心の中で突っ込む。
「とても良く、似合ってますわ。」
「有難う御座います。ガレット様も、美しいです。」
セルビィとガレットは、素直に褒め合った。
「まさか、こんな可愛らしい子も働いていたなんて。驚きですわ。」
「ガレット様は、裏のお仕事を御存知なのですね。」
「ええ。」
「では、今のこの国をどう思います。」
さらり と、聞いてくる。
フレックス親子は、背筋を伸ばした。
「元々、傲慢でしたが。益々、傲慢に成りました。」
ガレットは、言った。
「豪の方の力を、手に入れた時から。」
セルビィは、目を閉じた。
豪の者は、馬の扱いに慣れ 戦の強さは尋常ではなかった。その強さが、オースト国を更に傲慢にした。
「王族と貴族は、戦を豪の方々に任せ。自分等は、狂喜に酔いしれ民を搾取し。教会は民の不満を躱す様に、豪の方々を神の敵の様に言っています。」
ガレットは、辛そうに話す。隣の親子も殊勝な顔をして、座っている。
「多くの民は、それを良しとして 豪の方々を捌け口に扱っています。」
セルビィとナルトは、神妙に聞いている。
「豪の方々に、申し訳なく思います。」
三人は、頭を下げた。後に控える執事も、頭を下げる。
「顔を、上げて下さい。聡明なあなた方に出会えて、感謝します。」
セルビィとナルトは、素直に喜んだ。
「今日は、商人のネルソン様に会いに来たのです。合わせて、頂けますか? 」
セルビィは、お淑やかに微笑んだ。
「良く、此所にネルソン夫妻が居る事に気づきましたね。」
「はい。ビウェル様が、毎日お持ちのお菓子が ネルソン婦人の手造りだと気づきましたので。」
セルビィは、朗らかに微笑んだ。まるで、借りてきた猫の様にガレット婦人にはしおらしいかった。
「ビルケン、いいかしら。」
「ああ。」
ビルケンは、頷く。
「では、来るように言います。後は、お任せします ビルケン。」
ガレットは、席を立って部屋を出て行った。
そして、沈黙が訪れた。
「お逢いしたかったです、フレックス侯爵。」
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