悪役令嬢の弟。

❄️冬は つとめて

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理想の女性。

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帰りの馬車の中で、セルビィはとても機嫌が良かった。
「セルビィ、本気か? 」
ナルトは、恐る恐る聴いた。
「何が、です。」
「さっきの、女性。」
セルビィは、首を傾げて微笑んだ。
「ビッチさん? ビッチ様ですか? 」
「いや、それ 名前じゃないから。」
セルビィは、少し悩んで。
「フローネ・リジナル男爵令嬢ですか? 」
「そう、それ。」
ナルトは、指摘する。
セルビィは、益々 微笑む。
「理想の女性です。」
頰を染めて、応える。
「向上心が、あって。素晴らしい。」
手を合わせて、笑う。
「いや、あれは向上心じゃないぞ。」
(どう見ても、地位狙いだろ。)
ナルトは、言おうか迷った。
「地位の格差が、燃え上がらせます。」
セルビィは くすくすと、笑う。
「ああ、ビッチ様の様に。向上心の高い女性が、居ませんでしょうか。」
ナルトは溜息を、付く。
(ビッチて、言っちゃってるよ。)
「明日が、楽しみです。」
夢見る乙女の様に、目を伏せる。
「きっと、ビッチ様は 会いに来て下さいます。」
「ああ、来るだろうな。」
「他にも、向上心の高い女性は、いないでしょうか? 」
「セルビィ。一度に複数の女性と遊ぶのは 頂けないぞ。」
ナルトは、進言する。
「遊び? 」
セルビィは、真面目な顔をして。
「僕は、本気です。」
「セルビィ。」
その迫力に、ナルトは息を飲んだ。
「僕は、本気で ビッチ様達を求めています。」
ナルトは何も言い返せず、頭を抱えた。
(最終的に愛妾で、良いか。あっちも、地位狙いだし。)
考えるのを、放棄した。




屋敷に付いて 既に帰っていたセルビアに、ナルトは呼び止められる。
「あの、ナルト様。」
もじもじと、聴いてくる。
「この頃、セルビィが 女の子を目で追ってるって 本当? 」
下から見上げる様に、聴いてくる。溜息交じりに、ナルトは応える。
「ああ。一人 目を付けた女性がいる。」
「うそ。」
セルビアは目を、見開いた。
「本当だ。」
「どんな、娘? 」
「見ため、ストロベリーブロンドの ふわっとした、小さく可愛らしい子 だな。」
(中身は、ギラギラだけどな。)

「ふわっとして、小さく可愛い。」
セルビアは女性にしては、背が高い方である。見ためも、可愛いと言うより美人。髪も黒髪真っ直ぐで、重たい感じを思わせる。

「い、いやぁーーー!! 」

セルビアは、悲鳴を上げた。
セルビアは、ショックだった。セルビィの 弟の好みのタイプが、自分と掛け離れていた事に。
「そんな、うそ。うそよ、信じない。」
(男の子の最初の初恋は、近くの女性。母親か姉妹て、言ったの 誰!! )
セルビアは、崩れ落ちた。
「恋人は、母親似(お母様が、いないからここは私。)を 連れてくるって? 」

近くにいたメイド達は、落ち込むセルビアを 抱きかかえる様に部屋へと戻った。




ナルトも、部屋へ戻ろうと思って振り向くと 其処に。
「ナルト様は『千尋の谷、候補。』と、見て良いのですか? 」
セルビィが、冷たい微笑みを浮かべていた。ナルトは、思い切り頭を左右に振った。



次の日。
学園へと行く馬車の中で、セルビアは強張っていた。
向かい合う様に座るセルビィは、首を傾げる。
「姉様、お加減でも悪いのですか? 」

朝 学園に行くときはセルビアは、セルビィと一緒だ。ナルトは、御者台の横に陣取る。帰りは、令嬢達と女子会さながら 帰路に付く。
屋敷が同じ方向、市街地にあるからだ。セルビィは阿呆様の相手の後、ナルトと共に帰路に付く。

セルビアは、一晩中眠れなかった。セルビィの相手の事を、考えて。目の下の幕は化粧で誤魔化したが、目の赤みは誤魔化せない。
「大丈夫よ、セルビィ。少し、考え事を。ホホッ。」
扇子を広げて、顔を隠す。誤魔化す様に、笑った。
「姉様が、扇子を持ち出すなんて 珍しいですね。」
セルビィは、優しく微笑む。
(ああ、私の天使。)
「レディの嗜み、ですわ。」
「流石、姉様です。」

(どんな娘か、見極めて上げるわ。セルビィに、天使に相応しいか。)
セルビアは、扇子を握り締めた。
(天使に相応しい娘なんて、いないわ。)
セルビアは、馬車の窓から外を見る。白い雲が、段々黒に変わって行く。其れは、セルビアの心の様で。
(まだ、早いわ。セルビィに、恋人だ なんて。)
セルビアは、扇子を広げセルビィを覗き見る。何処か、楽しそうなセルビィに。
(お姉様は。私は、絶対許さないんだから。)
セルビアは、反対する事を 心に決めた。

空から白い雪が、ちらほらと 舞い落ちる。
「セルビア、どうなさったの? 」
「お目々が、ウサギさんですわ。」
「何か、あったの? 」
令嬢達が、セルビアを心配して 駆け寄る。セルビアは、令嬢達に縋り付いた。
「みんな、助けて。」
「「「どうしたの? 」」」
「セルビィが、セルビィが。」
「「「セルビィ君が? 」」」



「セルビィさま~!! 」
甘ったるい女性の声が、セルビィの名を呼ぶ。セルビアは、声の方向を 睨み付けた。
赤みがかった金髪を ふわふわと、靡かせながら此方に走ってくる。その走り方も ゆっくりと一生懸命 差を、醸し出す。
セルビアは、令嬢達は、イラッとした。普通の女性なら、99% イラッと来るであろう。
小さい体の割に大きな胸を揺らしながら、近づいてくる。
其れには セルビアとリリアナが、頭にくる。

「ビッ、リジナル男爵令嬢。」
手を振りながら、近づいてくるフローネを、セルビィは笑顔で迎える。フローネは ハァハァと、息を切らしながら 胸に手を当てて深呼吸をする。そのわざとらしさに、令嬢達はイラッとする。
「ハァハァ。こんなところで、ハァ。会えるなんて。」
上目遣いで、セルビィを見上げる。走ってきた所為で、息をする度 胸を上下させる。
「これは、運命でしょうかぁ。」
「リジナル男爵令嬢。」
フローネは、セルビィの手を取った。きゅっと、握り締める。
「フローネと、呼んで下さい。セルビィさま~。」
甘ったるい声で、名前を呼んだ。
その態度に、セルビィは 嬉しそうに微笑んだ。
「フローネ様。」
セルビィも 負けず劣らず、甘ったるい声で フローネの名前を呼んだ。二人は、恋人の様に 見つめ合い微笑んだ。

その娘を 令嬢達は、イラッとしながら見詰めていた。
「なに、あの娘。」
「殿方の手を簡単に、手に取って。」
「気安いですわ。」
「私の、セルビィに。」
((((私の可愛い弟に、何するのよ!! ))))

見詰めあう二人と 其れを睨み付ける四人を 少し離れながら見ていたナルトは 深い深い、溜息を付いた。
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