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『薔薇』の刻印。
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セルビア達令嬢の卒業式を明日に控え、総ては滞りなく進んでいた。
令嬢達も、卒業後の舞踏会には出る予定はなく。その足でこの国を出る予定だ。煩わしいドレスを着る必要はないし、婚約者の阿保様達からの贈り物も届いていない。当然だ、阿保様のアランはその舞踏会でセルビアと婚約を破棄する積もりなのだから。
(姉様には、秘密です。)
頓珍漢な三公の令息は婚約解消の意思はなく、なのに贈り物を贈ることはなかった。
(やはり、頭を患ってます。)
阿保様達は、未だに令嬢達は自分を好いていると思っていた。
(その自信は、いったい何処から来るのでしょう? )
朝の食卓を大好きな姉様達と囲んで嬉しそうに微笑むセルビィがいた。
屋敷の中は玄関から応接室の動線以外はもぬけの殻。セルビィやセルビアの部屋もベット以外は既に運び出されていた。それは他の令嬢達の屋敷も同じであった。令嬢達は自分の屋敷には戻らず、セルビアの屋敷に泊まっていた。これは、王城にも届け出ている事である。
(あま、屑様 三馬鹿様は僕らが逆らうとはこれっぽっちも思っていないでしょう。)
明日には、文字ど有りこの屋敷はもぬけの殻となる。誰ひとり残らない。
(既に殆どは退避しています。憂いはありません。)
「姉様。これ、美味しいですね。」
セルビィは心を弾ませ、セルビアに微笑んだ。
「そうね。」
セルビアは目を合わせない。
二日間、部屋に籠もって出てこなかった姉様達がやっと出て来てくれたのに、姉様達 セルビアはセルビィと目を合わそうとしなかった。
因みに、セラムは一日で復活し砦へと戻った。
「姉様? 」
セルビィは首を傾げる。
「僕、何かしましたでしょうか? 」
哀しそうに問いかける。
「違うわよ、セルビィ君。」
「ほら、明日に向かって緊張をしているのよセルビアは。」
「消して、あのサプライズの本のせいじゃないわ!! 」
「きやーーーっ!! 」
最後の悲鳴はセルビアであった。可愛い弟に『乙女の秘密』の本をプレゼントされて、恥ずかしくて目が合わせられなかった。出来れば部屋に引き籠もりたい。
「そんなに喜んで貰えて。僕、嬉しいです。」
セルビィは手を合わせて、喜んだ。
「喜んでねぇから。」
同じく食卓を囲んでいたナルトは、食べながら言った。だが、セルビィは聞いていない。
「そうだ、姉様。新しい国の通貨の絵柄を考えたのです。」
「まあ、何かしら。」
話がサプライズ本から放れたので令嬢達は喜んだ。
「通貨の其れ其れに姉様達の横顔を掘って、後に姉様達の大好きな『薔薇』の刻印を。」
「薔薇? 」
きょとんと、リリアナ。
「確かに、薔薇嫌いじゃないけど。」
ハテナと、セルビア。
「大好きとは……セルビィ君。」
不安げな、アイリーン。
「どうしてかしら? 」
不思議そうな、テレジア。
四人の令嬢達は首を傾げた。
もくもくと、食べ続けるナルト。
「姉様達が大好きな『乙女の秘密』の世界を、『薔薇』と言うそうなのです。」
セルビィは、満面の笑みで言った。
「通貨の表に姉様達の横顔に、裏には姉様達の大好きな『乙女の秘密』の『薔薇』の刻印を。」
「イヤーーーァ!! 」
セルビアは悲鳴を上げて、部屋に走り去った。残された三人の令嬢、青ざめてセルビィを見る。
「あれ? 」
セルビィは、可愛らしく首を傾げた。
「あれ? 」
セルビィは、隣でもくもくと食べ続けるナルトをみた。
令嬢達はセルビィに通貨のデザインを変えて欲しいと思った。だが、何て言えばいいか思い浮かばない。
まさか、全国民 全世界に自分達が『乙女の秘密』の『薔薇』の世界を好きだと、通貨に寄って知らしめる日が来るかも知れないのだ。
令嬢達は焦った。セルビアの様に逃げ出したかった。だか、今逃げ出せば世界に自分達は『乙女の秘密』の『薔薇』の世界が大好きです と、知らしめてしまう。
(何とかしないと、)
(全世界に、)
(神よ、お救い下さい。)
令嬢達は、縋るように神に祈った。
「それは辞めておけ。」
神の助け、ならぬナルトの助け。
「どうしてです? 」
セルビィは首を傾げて、ナルトに問いかけた。
「通貨に成ると汚い手で持たれたりする。令嬢達の顔を。」
セルビィは、目を見開いた。
「……それは、嫌です。」
令嬢達は、ナルトを見る。
「挙げ句、傷が着いたり削れたり。令嬢達の顔が。」
ナルトは最後の一口を口に含む。
「絶対、嫌です。」
セルビィは思案した。
「姉様達の顔は辞めます。」
即答であった。
令嬢達は歓喜して、ナルトに尊敬の眼差しを向けた。
「薔薇の刻印もやめた方が言い。」
「何故ですか? 姉様達の大好きな『薔薇』です。」
(嫌いじゃないけど。)
(そんなに好きでも……。)
(ただ、ちょっと興味が……。)
令嬢達は、縋るようにナルトを見る。
「彼処はルナの国だ。既に皆、ルナと呼んでいる。」
「確かに、ルナの地の国。ルナ国と呼ばれてます。」
ナルトの言葉に頷いた。
「その月を意味する通貨に『薔薇』の刻印は不自然だろ。」
「それは姉様達が、大好きな『乙女の秘密』の『薔薇』の刻印だと。」
(((いや、やめてー!! )))
令嬢達は、心の底から叫んだ。
「そんな秘密が知れていいのか? 」
セルビィは、首を傾げた。
令嬢達も、首を傾げた。
「令嬢達が大好きな本を持って、男達が近付いてくるぞ。」
「姉様達が、悲鳴を上げて喜ぶ『薔薇』本を。」
(セルビィ君。)
(違うの、違うのよ。)
(喜びの悲鳴じゃないのよ。)
令嬢達は、泣きたくなった。
「そんな素敵なプレゼントを渡されたら、姉様達は好きになるかも。」
(((ならないから!! )))
令嬢達は、心の中で突っ込んだ。
「辞めます。」
即答であった。
「姉様達の秘密は『乙女の秘密』の様に秘密にします。」
セルビィは、力説した。
既に何人かには話しているが。
(ありがとう、ナルト様。)
(貴方は、救世主。)
(英雄よ、英雄だわ。)
令嬢達は、うっとりとした目でナルトを見る。
「俺に、惚れるなよ。」
ナルトは言った。
(頼むから惚れないでくれ、俺はまだ死にたくない。)
冷たい微笑みのセルビィを気にして。
令嬢達も、卒業後の舞踏会には出る予定はなく。その足でこの国を出る予定だ。煩わしいドレスを着る必要はないし、婚約者の阿保様達からの贈り物も届いていない。当然だ、阿保様のアランはその舞踏会でセルビアと婚約を破棄する積もりなのだから。
(姉様には、秘密です。)
頓珍漢な三公の令息は婚約解消の意思はなく、なのに贈り物を贈ることはなかった。
(やはり、頭を患ってます。)
阿保様達は、未だに令嬢達は自分を好いていると思っていた。
(その自信は、いったい何処から来るのでしょう? )
朝の食卓を大好きな姉様達と囲んで嬉しそうに微笑むセルビィがいた。
屋敷の中は玄関から応接室の動線以外はもぬけの殻。セルビィやセルビアの部屋もベット以外は既に運び出されていた。それは他の令嬢達の屋敷も同じであった。令嬢達は自分の屋敷には戻らず、セルビアの屋敷に泊まっていた。これは、王城にも届け出ている事である。
(あま、屑様 三馬鹿様は僕らが逆らうとはこれっぽっちも思っていないでしょう。)
明日には、文字ど有りこの屋敷はもぬけの殻となる。誰ひとり残らない。
(既に殆どは退避しています。憂いはありません。)
「姉様。これ、美味しいですね。」
セルビィは心を弾ませ、セルビアに微笑んだ。
「そうね。」
セルビアは目を合わせない。
二日間、部屋に籠もって出てこなかった姉様達がやっと出て来てくれたのに、姉様達 セルビアはセルビィと目を合わそうとしなかった。
因みに、セラムは一日で復活し砦へと戻った。
「姉様? 」
セルビィは首を傾げる。
「僕、何かしましたでしょうか? 」
哀しそうに問いかける。
「違うわよ、セルビィ君。」
「ほら、明日に向かって緊張をしているのよセルビアは。」
「消して、あのサプライズの本のせいじゃないわ!! 」
「きやーーーっ!! 」
最後の悲鳴はセルビアであった。可愛い弟に『乙女の秘密』の本をプレゼントされて、恥ずかしくて目が合わせられなかった。出来れば部屋に引き籠もりたい。
「そんなに喜んで貰えて。僕、嬉しいです。」
セルビィは手を合わせて、喜んだ。
「喜んでねぇから。」
同じく食卓を囲んでいたナルトは、食べながら言った。だが、セルビィは聞いていない。
「そうだ、姉様。新しい国の通貨の絵柄を考えたのです。」
「まあ、何かしら。」
話がサプライズ本から放れたので令嬢達は喜んだ。
「通貨の其れ其れに姉様達の横顔を掘って、後に姉様達の大好きな『薔薇』の刻印を。」
「薔薇? 」
きょとんと、リリアナ。
「確かに、薔薇嫌いじゃないけど。」
ハテナと、セルビア。
「大好きとは……セルビィ君。」
不安げな、アイリーン。
「どうしてかしら? 」
不思議そうな、テレジア。
四人の令嬢達は首を傾げた。
もくもくと、食べ続けるナルト。
「姉様達が大好きな『乙女の秘密』の世界を、『薔薇』と言うそうなのです。」
セルビィは、満面の笑みで言った。
「通貨の表に姉様達の横顔に、裏には姉様達の大好きな『乙女の秘密』の『薔薇』の刻印を。」
「イヤーーーァ!! 」
セルビアは悲鳴を上げて、部屋に走り去った。残された三人の令嬢、青ざめてセルビィを見る。
「あれ? 」
セルビィは、可愛らしく首を傾げた。
「あれ? 」
セルビィは、隣でもくもくと食べ続けるナルトをみた。
令嬢達はセルビィに通貨のデザインを変えて欲しいと思った。だが、何て言えばいいか思い浮かばない。
まさか、全国民 全世界に自分達が『乙女の秘密』の『薔薇』の世界を好きだと、通貨に寄って知らしめる日が来るかも知れないのだ。
令嬢達は焦った。セルビアの様に逃げ出したかった。だか、今逃げ出せば世界に自分達は『乙女の秘密』の『薔薇』の世界が大好きです と、知らしめてしまう。
(何とかしないと、)
(全世界に、)
(神よ、お救い下さい。)
令嬢達は、縋るように神に祈った。
「それは辞めておけ。」
神の助け、ならぬナルトの助け。
「どうしてです? 」
セルビィは首を傾げて、ナルトに問いかけた。
「通貨に成ると汚い手で持たれたりする。令嬢達の顔を。」
セルビィは、目を見開いた。
「……それは、嫌です。」
令嬢達は、ナルトを見る。
「挙げ句、傷が着いたり削れたり。令嬢達の顔が。」
ナルトは最後の一口を口に含む。
「絶対、嫌です。」
セルビィは思案した。
「姉様達の顔は辞めます。」
即答であった。
令嬢達は歓喜して、ナルトに尊敬の眼差しを向けた。
「薔薇の刻印もやめた方が言い。」
「何故ですか? 姉様達の大好きな『薔薇』です。」
(嫌いじゃないけど。)
(そんなに好きでも……。)
(ただ、ちょっと興味が……。)
令嬢達は、縋るようにナルトを見る。
「彼処はルナの国だ。既に皆、ルナと呼んでいる。」
「確かに、ルナの地の国。ルナ国と呼ばれてます。」
ナルトの言葉に頷いた。
「その月を意味する通貨に『薔薇』の刻印は不自然だろ。」
「それは姉様達が、大好きな『乙女の秘密』の『薔薇』の刻印だと。」
(((いや、やめてー!! )))
令嬢達は、心の底から叫んだ。
「そんな秘密が知れていいのか? 」
セルビィは、首を傾げた。
令嬢達も、首を傾げた。
「令嬢達が大好きな本を持って、男達が近付いてくるぞ。」
「姉様達が、悲鳴を上げて喜ぶ『薔薇』本を。」
(セルビィ君。)
(違うの、違うのよ。)
(喜びの悲鳴じゃないのよ。)
令嬢達は、泣きたくなった。
「そんな素敵なプレゼントを渡されたら、姉様達は好きになるかも。」
(((ならないから!! )))
令嬢達は、心の中で突っ込んだ。
「辞めます。」
即答であった。
「姉様達の秘密は『乙女の秘密』の様に秘密にします。」
セルビィは、力説した。
既に何人かには話しているが。
(ありがとう、ナルト様。)
(貴方は、救世主。)
(英雄よ、英雄だわ。)
令嬢達は、うっとりとした目でナルトを見る。
「俺に、惚れるなよ。」
ナルトは言った。
(頼むから惚れないでくれ、俺はまだ死にたくない。)
冷たい微笑みのセルビィを気にして。
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