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心情。
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「兄上は、僕を疎んじているの? 」
キャロットの腕の中でアルファは呟く。兄を思って。
「兄上は、僕を嫌いになったの? 」
冷たく見据える兄の目を思い出して、涙が出て来る。アルファは愛する者を失ったばかりのまだ子供。肉親の兄クラウスに温もりを求めていた。
だが、クラウスは弟を殺したくない思いからアルファを遠ざけた。
キャロットはアルファをソファに促して座らせる。悲嘆にくれるアルファを抱き締めながら、キャロットは細笑んだ。
勢い勇んでクラウスの処に行ったアルバートは亡くなったらしい。
(役にたたない男。)
腕の立つアルバートなら、クラウスを殺してくれると思っていたキャロット。
(このままじゃ、私は北の修道院に連れて行かれてしまう。そんなの嫌よ。)
クラウスの氷の様な目が、キャロットの体を凍らせる。
(あの目は、私を離さない目だわ。罪を悔いて、余生を送る? )
キャロットはアルファを強く抱き締める。
(冗談じゃないわ。私が、何をしたと言うの? )
「兄上、兄上……。」
涙を流しながら縋り付くアルファ。
(私はちょっと思っただけよ。あの女に好きな人がいるんじゃないかって。それが誰かなんて、知ったことではないわ。)
その言葉に嫉妬し、アンジェリカを婚約破棄して斬首刑をクラウスは言い渡した。
(婚約破棄をしたのも、斬首刑を言い渡したのもクラウス様よ。)
クラウスの言葉を良いことに、婚約反対派の貴族がアンジェリカ嬢を次の日には斬首刑にした。
(あの女を殺したのは、貴族派の者よ。私じゃないわ。)
その所為で、アンジェリカの父親が怒って内乱が起こった。
(悪いのは期をよくして、あの女を殺した貴族派の者よ。)
キャロットは王太子妃に選ばれた。
(ジェームズ様に、クラウス様をお慕いしてると言っただけ。傍で、慰めて差し上げたいと言っただけ。)
王と王妃が、毒殺された。
(ジェームズ様が、勝手にやったのよ。私はただ、王と王妃がクラウスを排斥すると言ってたことを伝えだけ。)
アルバートが、クラウスに剣を向けた。
(少し煽っただけじゃない。私は悪くない。)
キャロットは唇を噛んだ。
(王太子妃を狙っていたのは私だけじゃない。他の令嬢だって、あの女が邪魔だった筈よ。)
だから、自分は悪くない。
(なのに何故? 私が、懺悔をしなくては成らないの。)
でも今、キャロットの手の中にはアルファがいる。王位第一継続者のアルファが。
(この子は私を慕ってくれているわ。素直で、優しい子。クラウス様と、大違い。)
キャロットはアルファの頭を撫でる。
(今、この子が王に成れば白き結婚の私が王妃になれるわ。)
キャロットは微笑む。
(だって、この子は私を慕ってくれているのだから。)
美貌で麗しい、クラウス国王陛下。
(勿体ないけど、恐ろしいわ。)
大国を納めた、クラウス国王陛下。
(素晴らしいけど、私を縛ろうとするわ。)
大国の王妃。
(クラウス様は、アルファ様に王位を明け渡すと言っていたわ。)
大国の王妃。
(御免なさいクラウス様。私はアルファ様を選ぶわ。)
目の前で泣きじゃくる大きな子供。
(だって、アルファ様は私を愛して慕ってくれているんですもの。)
「泣かないでアルファ様。私がいますわ。」
キャロットは優しく語り掛ける。
「義姉上……。」
「みな様の分も、アルファ様を愛して差し上げますわ。」
優しくアルファの頬を掴み、顔をのぞき込む。優しい優しい聖母の微笑み。
だから、
(もうクラウス様は、いりませんわ。)
キャロットの腕の中でアルファは呟く。兄を思って。
「兄上は、僕を嫌いになったの? 」
冷たく見据える兄の目を思い出して、涙が出て来る。アルファは愛する者を失ったばかりのまだ子供。肉親の兄クラウスに温もりを求めていた。
だが、クラウスは弟を殺したくない思いからアルファを遠ざけた。
キャロットはアルファをソファに促して座らせる。悲嘆にくれるアルファを抱き締めながら、キャロットは細笑んだ。
勢い勇んでクラウスの処に行ったアルバートは亡くなったらしい。
(役にたたない男。)
腕の立つアルバートなら、クラウスを殺してくれると思っていたキャロット。
(このままじゃ、私は北の修道院に連れて行かれてしまう。そんなの嫌よ。)
クラウスの氷の様な目が、キャロットの体を凍らせる。
(あの目は、私を離さない目だわ。罪を悔いて、余生を送る? )
キャロットはアルファを強く抱き締める。
(冗談じゃないわ。私が、何をしたと言うの? )
「兄上、兄上……。」
涙を流しながら縋り付くアルファ。
(私はちょっと思っただけよ。あの女に好きな人がいるんじゃないかって。それが誰かなんて、知ったことではないわ。)
その言葉に嫉妬し、アンジェリカを婚約破棄して斬首刑をクラウスは言い渡した。
(婚約破棄をしたのも、斬首刑を言い渡したのもクラウス様よ。)
クラウスの言葉を良いことに、婚約反対派の貴族がアンジェリカ嬢を次の日には斬首刑にした。
(あの女を殺したのは、貴族派の者よ。私じゃないわ。)
その所為で、アンジェリカの父親が怒って内乱が起こった。
(悪いのは期をよくして、あの女を殺した貴族派の者よ。)
キャロットは王太子妃に選ばれた。
(ジェームズ様に、クラウス様をお慕いしてると言っただけ。傍で、慰めて差し上げたいと言っただけ。)
王と王妃が、毒殺された。
(ジェームズ様が、勝手にやったのよ。私はただ、王と王妃がクラウスを排斥すると言ってたことを伝えだけ。)
アルバートが、クラウスに剣を向けた。
(少し煽っただけじゃない。私は悪くない。)
キャロットは唇を噛んだ。
(王太子妃を狙っていたのは私だけじゃない。他の令嬢だって、あの女が邪魔だった筈よ。)
だから、自分は悪くない。
(なのに何故? 私が、懺悔をしなくては成らないの。)
でも今、キャロットの手の中にはアルファがいる。王位第一継続者のアルファが。
(この子は私を慕ってくれているわ。素直で、優しい子。クラウス様と、大違い。)
キャロットはアルファの頭を撫でる。
(今、この子が王に成れば白き結婚の私が王妃になれるわ。)
キャロットは微笑む。
(だって、この子は私を慕ってくれているのだから。)
美貌で麗しい、クラウス国王陛下。
(勿体ないけど、恐ろしいわ。)
大国を納めた、クラウス国王陛下。
(素晴らしいけど、私を縛ろうとするわ。)
大国の王妃。
(クラウス様は、アルファ様に王位を明け渡すと言っていたわ。)
大国の王妃。
(御免なさいクラウス様。私はアルファ様を選ぶわ。)
目の前で泣きじゃくる大きな子供。
(だって、アルファ様は私を愛して慕ってくれているんですもの。)
「泣かないでアルファ様。私がいますわ。」
キャロットは優しく語り掛ける。
「義姉上……。」
「みな様の分も、アルファ様を愛して差し上げますわ。」
優しくアルファの頬を掴み、顔をのぞき込む。優しい優しい聖母の微笑み。
だから、
(もうクラウス様は、いりませんわ。)
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